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激震!勇魔最終戦争…!
絶対に諦めない/希望の剣
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いつの間にやら、空には星が瞬く頃となっていた。
しかしそれでも、戦いは終わらない。
文字通り、どちらかが死ぬまで。どちらかが生き残るまで……!
「……あっ」
……が、勝敗は既に決した。
「失墜するのみだな、救世主よ」
魔力翼を、破壊された。
堕ち行く景色を見つめ続ける。
追撃はしてこない、当たり前だ、俺はここで終わりなのだから。
もはや浮遊法を使えるほどの魔力は残っていない。
完全に、俺の負けだ。
超高高度からの落下。
いくら魔力障壁を貼ろうと、この衝撃は抑えられない。
……そうか、ここで……
「終わっていいのか?」
「終わっていいの?」
「そこで……終わらせる気ですか」
「まだ終われはしないはずだろう?」
「マスターは、そのような選択は……もちろんしません、よね……?」
「白郎、貴方はそんなところで終わるような人では———なかったはずです」
声が……聞こえた気がした。
「終われは……しない……はずだったろう……!」
泣いちゃいられない。
砕けちゃいられない。
ここじゃ引けないんだ。
アイツが、センが託した世界があるからこそ、俺はこんなところじゃ……終われない、ここで一歩たりとも、引くわけにはいかないんだ……!!!!
やらなきゃならない事があると、
やらなきゃならない時があるとセンに教えたのは誰だ……!
…………俺だ……!
「ザ・オールマイティ・シャットダウン・オブ・ワールド」
シグマドライヴ、『鍵』の権能は目覚める。
色が失われる。
元より緑などない、暗黒の地よりも、色が失われる。
しかし、それ神技が覚醒した証拠であり、同時に俺が、この能力を使いこなせるという事の証明となった。
10秒。
止められる時間は、容易に想像がつく。
感覚だが、直感がそうだと釘を指す。
体力、魔力の回復に専念する。
止まった時の世界では、俺1人。
着地し、更なる攻撃の為に備える。
仕切り直しだ、魔王様……!
視界に色が戻る。と共に。
「アルビス・アルビオン、発進……!」
魔力翼、再起動。
神力エネルギーとの結合、開始……
身体が青色の魔気……いや、神気に包まれる。
暗黒の大地に灯る、白色の希望、輝き。
まるでそれは、この夜すら照らす太陽のようで———
「……なんだと……貴公は死んだはずじゃ……」
舞い上がる白銀の翼竜。
吹き抜けた風と雲が、衝撃波となって空を駆ける。
「魔力器官、同期……! 概念改竄:神威っ!」
神威が、その手から姿を消す。
しかし、胸に突き刺さった持ち手より剣が———雨雲の中、一筋差した陽の光のような、暖かい剣が飛び出す。
「エクスカリバー、伝説の、聖剣よ、出でよ……!」
身体中の魔力、神力をフル稼働させる。
骨も、血も、肉も、皮さえも、この聖剣に捧げる……!
だからこその、見えた勝機。
「ガイア・コンソール、出力100%! 面白い戦いになってきたじゃないかあっ!」
魔族の王は、そのランスを天に掲げる。
「この真形を見よ! これこそ真の姿っ!」
ランスの針の部分が2つに割れ、中から細長い、もう1つの暗黒に輝く剣が姿を晒す。
「創世天地/開闢神話……! この剣は古代そのものを概念として刻んだ剣、二重概念! 貴様にこれが止められるかあっ!」
「止めてみせる、必ず!」
巨大な渦巻く魔力の層。
その根源に座するは魔族の王、神域の魔術師、アベル・セイバー。
「だけど、負ける訳にはいかないっ! アルビオンアーマー、フルスロットッ!」
天を割く稲妻の如く、晴天の日々に突如落ちる霹靂の如く駆け上がる。
「ガイア・コンソール・オールドデウス! 古き神の時代、古きこの星は終わりを告げる! 避ければ全ては無に帰す!」
「エクスカリバー、この時代を———照らせええええっ!」
その剣が振り下ろされる。
星を穿つ一撃。
だが。
「希望は、俺の中にあるっ!」
両断。
最強最悪、究極にして絶望の一撃を、希望の刃で割ってみせた———!
風が吹き荒れる。星が揺れる。
海は唸り、地は叫び、天は割れる。
だが、その新しき神話の最中に立つのは。
「勝ってみせる、この戦い!」
かつて、夢で見た「主人公」がそうしたように。
「生きたい」と、「もしも願いが叶うなら」と、そう叫ぶ。
「俺は、俺の好きな人と一緒に暮らせる世界を、作るために…………戦うっ!!!!」
しかしそれでも、戦いは終わらない。
文字通り、どちらかが死ぬまで。どちらかが生き残るまで……!
「……あっ」
……が、勝敗は既に決した。
「失墜するのみだな、救世主よ」
魔力翼を、破壊された。
堕ち行く景色を見つめ続ける。
追撃はしてこない、当たり前だ、俺はここで終わりなのだから。
もはや浮遊法を使えるほどの魔力は残っていない。
完全に、俺の負けだ。
超高高度からの落下。
いくら魔力障壁を貼ろうと、この衝撃は抑えられない。
……そうか、ここで……
「終わっていいのか?」
「終わっていいの?」
「そこで……終わらせる気ですか」
「まだ終われはしないはずだろう?」
「マスターは、そのような選択は……もちろんしません、よね……?」
「白郎、貴方はそんなところで終わるような人では———なかったはずです」
声が……聞こえた気がした。
「終われは……しない……はずだったろう……!」
泣いちゃいられない。
砕けちゃいられない。
ここじゃ引けないんだ。
アイツが、センが託した世界があるからこそ、俺はこんなところじゃ……終われない、ここで一歩たりとも、引くわけにはいかないんだ……!!!!
やらなきゃならない事があると、
やらなきゃならない時があるとセンに教えたのは誰だ……!
…………俺だ……!
「ザ・オールマイティ・シャットダウン・オブ・ワールド」
シグマドライヴ、『鍵』の権能は目覚める。
色が失われる。
元より緑などない、暗黒の地よりも、色が失われる。
しかし、それ神技が覚醒した証拠であり、同時に俺が、この能力を使いこなせるという事の証明となった。
10秒。
止められる時間は、容易に想像がつく。
感覚だが、直感がそうだと釘を指す。
体力、魔力の回復に専念する。
止まった時の世界では、俺1人。
着地し、更なる攻撃の為に備える。
仕切り直しだ、魔王様……!
視界に色が戻る。と共に。
「アルビス・アルビオン、発進……!」
魔力翼、再起動。
神力エネルギーとの結合、開始……
身体が青色の魔気……いや、神気に包まれる。
暗黒の大地に灯る、白色の希望、輝き。
まるでそれは、この夜すら照らす太陽のようで———
「……なんだと……貴公は死んだはずじゃ……」
舞い上がる白銀の翼竜。
吹き抜けた風と雲が、衝撃波となって空を駆ける。
「魔力器官、同期……! 概念改竄:神威っ!」
神威が、その手から姿を消す。
しかし、胸に突き刺さった持ち手より剣が———雨雲の中、一筋差した陽の光のような、暖かい剣が飛び出す。
「エクスカリバー、伝説の、聖剣よ、出でよ……!」
身体中の魔力、神力をフル稼働させる。
骨も、血も、肉も、皮さえも、この聖剣に捧げる……!
だからこその、見えた勝機。
「ガイア・コンソール、出力100%! 面白い戦いになってきたじゃないかあっ!」
魔族の王は、そのランスを天に掲げる。
「この真形を見よ! これこそ真の姿っ!」
ランスの針の部分が2つに割れ、中から細長い、もう1つの暗黒に輝く剣が姿を晒す。
「創世天地/開闢神話……! この剣は古代そのものを概念として刻んだ剣、二重概念! 貴様にこれが止められるかあっ!」
「止めてみせる、必ず!」
巨大な渦巻く魔力の層。
その根源に座するは魔族の王、神域の魔術師、アベル・セイバー。
「だけど、負ける訳にはいかないっ! アルビオンアーマー、フルスロットッ!」
天を割く稲妻の如く、晴天の日々に突如落ちる霹靂の如く駆け上がる。
「ガイア・コンソール・オールドデウス! 古き神の時代、古きこの星は終わりを告げる! 避ければ全ては無に帰す!」
「エクスカリバー、この時代を———照らせええええっ!」
その剣が振り下ろされる。
星を穿つ一撃。
だが。
「希望は、俺の中にあるっ!」
両断。
最強最悪、究極にして絶望の一撃を、希望の刃で割ってみせた———!
風が吹き荒れる。星が揺れる。
海は唸り、地は叫び、天は割れる。
だが、その新しき神話の最中に立つのは。
「勝ってみせる、この戦い!」
かつて、夢で見た「主人公」がそうしたように。
「生きたい」と、「もしも願いが叶うなら」と、そう叫ぶ。
「俺は、俺の好きな人と一緒に暮らせる世界を、作るために…………戦うっ!!!!」
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