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計画は練られた。その間僅か2分。
他の勇者たちが黒騎士に蹴散らされている間、私たちは黒騎士を蹴散らす作戦を企てていた。
「……はい、これ。この杖は貴方の魔力の質、そして量を何倍にも増幅してくれるから、貴方が持っておきなさい。……ところで、キミの名前は?」
「……僕の名前はセン、って言います。フルネームじゃないですけど…………もう呼び捨てでいいですよサナさん」
「そっか、ありがと。……それじゃあ、始めるわよ……俊敏強化!」
センは速くなった脚で黒騎士の周りを駆け始める。
センにかけた身体強化魔術は、『背水の陣』を応用した私なりの最上位魔術。
魔力消耗はかなり激しい代わりに、黒騎士に捉えられはしない……はずだが。
「……なんだ、周りに魔力反応……だが姿が捉えられない……? この私が……?」
しめた、黒騎士は戸惑っている。
「これは……血?……まさか?!……どこだ、敵はどこにいる?!」
……ようやく黒騎士も私の策に気付いたらしい。
黒騎士を閉じ込める大魔力結界。その魔法陣を、たった今センが自身の血で描いている……! セン君の血を使うのは少し気が引けたけど、今のヤツを足止めするにはこうするしか、ない!
「セン君! もういいわよ!」
そう言うとセンは黒騎士より離れた場所に一瞬にして移動する。
そのまま手を地面に付き、大魔力結界を顕現させる!
「……やはり、やはりそうか……! これは高度な魔力結界……! 先程のウィザードか……!」
「は……はは……やって、やった、わよっ!……でも、この私がここまでしないと足止めできない……なんて、一体どんな化け物なのよ……!」
大魔力結界を維持できる時間は———もって10分だろう。
……だけど、今に関してはこれが一番最善で、最長で黒騎士を足止めできる唯一の手段……!
きっとこれで、間違ってないはず……!
「仕方ないか。私だけの力では結界は破れない、と言うのなら」
結界に阻まれ、籠り気味の声で黒騎士は叫ぶ。
「始祖民族機神12番! パラス・パラディオン! 顕現せよ、アイギスよ!」
地が弾み、宙が軋む音を奏で出した『神核』は、次第に円形の盾へと変貌してゆく。
「防護概念アイギス接続、擬似ヘファイストス神核へと出力! 鍛冶神よ、贋作とはいえその真価を見せてみよ!」
光り輝く稲妻と共に盾から摘出されたのは燃え盛る剣。
……ちょっと待って、全くもって状況が掴めない、けど、さっきヤツが口にした『ヘファイストス』などと言う言葉。
その言葉には既視感があり、ヘファイストスは神殿国だとか言うとこで祀られていた……はずだ。
……なるほど、黒騎士は今、正真正銘『神』の力に手を出している……と。
魔術世界では、縁がある物さえあれば、そこから無数の繋がりができるとされている。どこで手に入れたか知らないけど、あの『盾』が神の産物だとしたら……?
……その生み出した神にも、少なからず干渉できる。
具体的には、その神の権能を少なからずコピーするくらいは……!
「サナさんっ!」
極めて真剣に考察しているところに横槍を入れたのはセンだった。
……まあ、何が起こってるか聞きたくなる気持ちは分かる。
「アレ……アレって、一体全体何が起こっているんですか?!」
「私にも……分からない。でもアレは、きっと神の……代物よ」
「神……神って、そんな伝説上の存在がいるわけが……?」
「いいや、神は願われれば誕生……した。一般的な大衆が願い、祈り、そして空想……いいえイメージすれば、何だってこの世には産まれ出る、顕現できる。例え伝説上の神であったとしても……それが多分アレ、『機神』の力よ……!」
「ぬああああああっ!」
黒騎士は燃え盛る剣を縦に振り、
あれだけの強固な魔力結界、魔力障壁を、たったの一振りで破ってみせた。
……やられた。最後の秘策さえ、ヤツの前では無力だった……!
「……セン君、ごめんね、私……守りきれなかった、貴方のことを」
「いいや、アイツ相手に防戦一方でも戦えるはず、と考えた僕が……馬鹿だった……!」
再度、訪れる、刻一刻と近づいてくる終末の時。
もう奇跡はない。もう助けはない。ならば、やっぱり、こうするしかないでしょう……!
「セン! もういい、貴方だけでも逃す!氷で道を作るから、その上を……!」
「させると思ったか」
黒騎士は砕け散った燃え盛る剣を、地面へと叩きつける、と。
辺りは炎に包まれ、ついには逃げ場さえもなくなってしまった。
「……どうしろっての……ハハ……」
「…………ちっ……」
「素晴らしい抵抗だっ———」
「ちくしょおおおおおおっ!!」
「セン君っ!」
叫びながら、おそらく半狂乱になりながら、それでも黒騎士に立ち向かうセンの姿。
激しいはずなのに、……どこか儚げで、風前の灯火、だなんて言葉が一番似合うほど……であった。
「ぢぐじょう! ぢぐじょう!……うっ!」
センは、仁王立ちをして微動だにしない黒騎士の前に駆け出し、その鎧に拳を思いっきり突き立てた。
「……無意味だったな、貴様ら勇者の足掻きは」
「ぢ……ぢがうっ! 無意味じゃ……無意味なんかじゃない! みんなの為に命をかけて、勇気を振り絞って散ってゆくのが勇者なんだ! それが僕が憧れた、勇者なんだ!」
「……だからその行為自体が、無駄なのだ。勝てぬと知りながらなぜ戦う?」
「漢には……漢には! やらなきゃ……やらなくちゃならない時があるって、そう聞いたから! だから今がやらなくちゃならない時なんだよ!
負けると分かっていても、やらなくちゃならない時があるんだよ!」
「……分からないな、負け戦をわざわざする必要があるか?」
「お前ら……お前たち魔王軍には分からない、命を張って散ってゆく勇者の儚さが! 強さが! 格好良さが!
それぞれみんなが自分なりの譲れない信念を持って戦っているその姿に、僕は憧れた!」
「弱者にしては、随分と大層な思いだな」
「……そうだよ……! 僕は弱い! 何だってできない! 魔術もほとんど使えないし、力だってないし、体力だってない! こんな僕でも、ここまで来て、窮地に陥った時、真の力が目覚めるって信じたかった!
……でも、現実は非情だ……! そんなのはどこにも無かった、僕は結局、弱かった!」
「己の実力は知っているものの、それでも挑みにくると。仕方のない、救いようのない馬鹿だな」
「……だからセン君、逃げてって……!」
「……でも、でも、弱くたって、使えなくたって、立ち向かう事が無意味とは思わない! そりゃあ、身体的には弱いかもしれない、でも心まで弱いまま、死にたくはない、だから……だから僕は戦う!
無意味だろうと誰かに、僕の意志を、明日を繋いでくれる誰かの為にも、僕は戦う!」
それが、少年の思い描いた勇者像だった。
……それでも、少年は違った。その理想像とは遥か遠く。
少年は弱かった。あまりにも。
弱々しく足掻いて。みっともなく足掻いて。
その先が、道が無かろうとも、それでも足掻いてみせる。
少年は、自らの理想に忠実だった。だからこそ。
無意味でいい。無価値でいい。ただ、あれで、あの場で全てが終わる事が許せなかった。
あまりにも、弱々し過ぎる拳の数々。
全ては黒騎士の甲冑に吸い込まれてゆく。
されど、そこに詰められた思いは、きっと誰にも負けないであろう———と、誰もが思い、
「……長話を聞いたかいがあったな、素晴らしい勇気だ、貴公こそが勇者、という者なのか。その勇気に免じて墓ぐらいは立ててやろう」
「あ……ああっ……死ぬ……死ぬ……やっぱり……怖い……! けど、言ってやった……言ってやったぞ……!」
「やめて……やめてセン! 逃げてぇっ!」
********
「……合格……です」
目を覚ませば、頭上には擬人体の姿が。
「……正直、私が想定していたものとは大きく違っていました。自分自身を受け入れ、それでいてどちらの自分も殺し、全てを終わらせる。
正直……正気を疑いましたが、自分の罪を背負い、贖罪をしようと思う想いは伝わりました。……だからこその合格です。……ですが、あれが現実なら、あなたは別の選択をしたはず。いずれその時は訪れるでしょうが……」
「合格……でいい……のか?」
「……正直言ってかなり判定は厳しかったです。しかし、私がこれにて測っていたのは貴方の罪の意識、贖罪の意志でございます故、合格……と」
「……それじゃあ、行っていいんだ……な?」
「ええ、これより私は、貴方の力となりましょう、我が主よ」
案外、呆気なかった。
……いや、この際自分が受けた肉体的苦痛と精神的苦痛を鑑みれば、全く呆気なくないのだが。
意識が遠のく。
「白の世界」は離れ、こことは違う場所へと飛ばされる。
「別の選択をするはず」か……
……どうも俺には、その言葉が間違っている気がしてならない。
……さて、決着をつけに行こう。
もちろん、兄さんの仇は取らせてもらう……!
他の勇者たちが黒騎士に蹴散らされている間、私たちは黒騎士を蹴散らす作戦を企てていた。
「……はい、これ。この杖は貴方の魔力の質、そして量を何倍にも増幅してくれるから、貴方が持っておきなさい。……ところで、キミの名前は?」
「……僕の名前はセン、って言います。フルネームじゃないですけど…………もう呼び捨てでいいですよサナさん」
「そっか、ありがと。……それじゃあ、始めるわよ……俊敏強化!」
センは速くなった脚で黒騎士の周りを駆け始める。
センにかけた身体強化魔術は、『背水の陣』を応用した私なりの最上位魔術。
魔力消耗はかなり激しい代わりに、黒騎士に捉えられはしない……はずだが。
「……なんだ、周りに魔力反応……だが姿が捉えられない……? この私が……?」
しめた、黒騎士は戸惑っている。
「これは……血?……まさか?!……どこだ、敵はどこにいる?!」
……ようやく黒騎士も私の策に気付いたらしい。
黒騎士を閉じ込める大魔力結界。その魔法陣を、たった今センが自身の血で描いている……! セン君の血を使うのは少し気が引けたけど、今のヤツを足止めするにはこうするしか、ない!
「セン君! もういいわよ!」
そう言うとセンは黒騎士より離れた場所に一瞬にして移動する。
そのまま手を地面に付き、大魔力結界を顕現させる!
「……やはり、やはりそうか……! これは高度な魔力結界……! 先程のウィザードか……!」
「は……はは……やって、やった、わよっ!……でも、この私がここまでしないと足止めできない……なんて、一体どんな化け物なのよ……!」
大魔力結界を維持できる時間は———もって10分だろう。
……だけど、今に関してはこれが一番最善で、最長で黒騎士を足止めできる唯一の手段……!
きっとこれで、間違ってないはず……!
「仕方ないか。私だけの力では結界は破れない、と言うのなら」
結界に阻まれ、籠り気味の声で黒騎士は叫ぶ。
「始祖民族機神12番! パラス・パラディオン! 顕現せよ、アイギスよ!」
地が弾み、宙が軋む音を奏で出した『神核』は、次第に円形の盾へと変貌してゆく。
「防護概念アイギス接続、擬似ヘファイストス神核へと出力! 鍛冶神よ、贋作とはいえその真価を見せてみよ!」
光り輝く稲妻と共に盾から摘出されたのは燃え盛る剣。
……ちょっと待って、全くもって状況が掴めない、けど、さっきヤツが口にした『ヘファイストス』などと言う言葉。
その言葉には既視感があり、ヘファイストスは神殿国だとか言うとこで祀られていた……はずだ。
……なるほど、黒騎士は今、正真正銘『神』の力に手を出している……と。
魔術世界では、縁がある物さえあれば、そこから無数の繋がりができるとされている。どこで手に入れたか知らないけど、あの『盾』が神の産物だとしたら……?
……その生み出した神にも、少なからず干渉できる。
具体的には、その神の権能を少なからずコピーするくらいは……!
「サナさんっ!」
極めて真剣に考察しているところに横槍を入れたのはセンだった。
……まあ、何が起こってるか聞きたくなる気持ちは分かる。
「アレ……アレって、一体全体何が起こっているんですか?!」
「私にも……分からない。でもアレは、きっと神の……代物よ」
「神……神って、そんな伝説上の存在がいるわけが……?」
「いいや、神は願われれば誕生……した。一般的な大衆が願い、祈り、そして空想……いいえイメージすれば、何だってこの世には産まれ出る、顕現できる。例え伝説上の神であったとしても……それが多分アレ、『機神』の力よ……!」
「ぬああああああっ!」
黒騎士は燃え盛る剣を縦に振り、
あれだけの強固な魔力結界、魔力障壁を、たったの一振りで破ってみせた。
……やられた。最後の秘策さえ、ヤツの前では無力だった……!
「……セン君、ごめんね、私……守りきれなかった、貴方のことを」
「いいや、アイツ相手に防戦一方でも戦えるはず、と考えた僕が……馬鹿だった……!」
再度、訪れる、刻一刻と近づいてくる終末の時。
もう奇跡はない。もう助けはない。ならば、やっぱり、こうするしかないでしょう……!
「セン! もういい、貴方だけでも逃す!氷で道を作るから、その上を……!」
「させると思ったか」
黒騎士は砕け散った燃え盛る剣を、地面へと叩きつける、と。
辺りは炎に包まれ、ついには逃げ場さえもなくなってしまった。
「……どうしろっての……ハハ……」
「…………ちっ……」
「素晴らしい抵抗だっ———」
「ちくしょおおおおおおっ!!」
「セン君っ!」
叫びながら、おそらく半狂乱になりながら、それでも黒騎士に立ち向かうセンの姿。
激しいはずなのに、……どこか儚げで、風前の灯火、だなんて言葉が一番似合うほど……であった。
「ぢぐじょう! ぢぐじょう!……うっ!」
センは、仁王立ちをして微動だにしない黒騎士の前に駆け出し、その鎧に拳を思いっきり突き立てた。
「……無意味だったな、貴様ら勇者の足掻きは」
「ぢ……ぢがうっ! 無意味じゃ……無意味なんかじゃない! みんなの為に命をかけて、勇気を振り絞って散ってゆくのが勇者なんだ! それが僕が憧れた、勇者なんだ!」
「……だからその行為自体が、無駄なのだ。勝てぬと知りながらなぜ戦う?」
「漢には……漢には! やらなきゃ……やらなくちゃならない時があるって、そう聞いたから! だから今がやらなくちゃならない時なんだよ!
負けると分かっていても、やらなくちゃならない時があるんだよ!」
「……分からないな、負け戦をわざわざする必要があるか?」
「お前ら……お前たち魔王軍には分からない、命を張って散ってゆく勇者の儚さが! 強さが! 格好良さが!
それぞれみんなが自分なりの譲れない信念を持って戦っているその姿に、僕は憧れた!」
「弱者にしては、随分と大層な思いだな」
「……そうだよ……! 僕は弱い! 何だってできない! 魔術もほとんど使えないし、力だってないし、体力だってない! こんな僕でも、ここまで来て、窮地に陥った時、真の力が目覚めるって信じたかった!
……でも、現実は非情だ……! そんなのはどこにも無かった、僕は結局、弱かった!」
「己の実力は知っているものの、それでも挑みにくると。仕方のない、救いようのない馬鹿だな」
「……だからセン君、逃げてって……!」
「……でも、でも、弱くたって、使えなくたって、立ち向かう事が無意味とは思わない! そりゃあ、身体的には弱いかもしれない、でも心まで弱いまま、死にたくはない、だから……だから僕は戦う!
無意味だろうと誰かに、僕の意志を、明日を繋いでくれる誰かの為にも、僕は戦う!」
それが、少年の思い描いた勇者像だった。
……それでも、少年は違った。その理想像とは遥か遠く。
少年は弱かった。あまりにも。
弱々しく足掻いて。みっともなく足掻いて。
その先が、道が無かろうとも、それでも足掻いてみせる。
少年は、自らの理想に忠実だった。だからこそ。
無意味でいい。無価値でいい。ただ、あれで、あの場で全てが終わる事が許せなかった。
あまりにも、弱々し過ぎる拳の数々。
全ては黒騎士の甲冑に吸い込まれてゆく。
されど、そこに詰められた思いは、きっと誰にも負けないであろう———と、誰もが思い、
「……長話を聞いたかいがあったな、素晴らしい勇気だ、貴公こそが勇者、という者なのか。その勇気に免じて墓ぐらいは立ててやろう」
「あ……ああっ……死ぬ……死ぬ……やっぱり……怖い……! けど、言ってやった……言ってやったぞ……!」
「やめて……やめてセン! 逃げてぇっ!」
********
「……合格……です」
目を覚ませば、頭上には擬人体の姿が。
「……正直、私が想定していたものとは大きく違っていました。自分自身を受け入れ、それでいてどちらの自分も殺し、全てを終わらせる。
正直……正気を疑いましたが、自分の罪を背負い、贖罪をしようと思う想いは伝わりました。……だからこその合格です。……ですが、あれが現実なら、あなたは別の選択をしたはず。いずれその時は訪れるでしょうが……」
「合格……でいい……のか?」
「……正直言ってかなり判定は厳しかったです。しかし、私がこれにて測っていたのは貴方の罪の意識、贖罪の意志でございます故、合格……と」
「……それじゃあ、行っていいんだ……な?」
「ええ、これより私は、貴方の力となりましょう、我が主よ」
案外、呆気なかった。
……いや、この際自分が受けた肉体的苦痛と精神的苦痛を鑑みれば、全く呆気なくないのだが。
意識が遠のく。
「白の世界」は離れ、こことは違う場所へと飛ばされる。
「別の選択をするはず」か……
……どうも俺には、その言葉が間違っている気がしてならない。
……さて、決着をつけに行こう。
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