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戦う理由
戦う理由
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人は勇者を「カッコいい」と評価した。
人は勇者を「とても献身的だね」と評価した。
人は勇者を「英雄だ」と褒め称えた。
……本来、勇者とはそのように他人の為に献身的に尽くし、名も知らない誰かを守る為に、勇気を出して戦うのだろう。
……俺には、魔物相手に勇敢に立ち向かう勇者にはなれなかった。
自分の夢を追い求め、自分の贖罪を果たそうとした結果が、今の俺なんだ、と自分に言い聞かせる。
……アイツは、サナは、俺なんかと一緒にいない方がいいんだ。
突然約束を突き付けられ、成り行きで旅をしてきたけれども。
俺なんかと一緒にいたら、アイツまで危険な目に、危険な事に巻き込まれてしまう。
……アイツが、くだらない子供じみた理想論を掲げたまま死んでいく方が、俺と一緒にいるより遥かにマシだろう。
もう、いいんだ。俺に寄り添ってくれていたのは分かるし、そこについては素直に感謝を伝えたい。
……でも。……でも、もういいんだ。俺のせいで、俺の目の前でアイツに死なれたら。俺のせいで、アイツに迷惑をかけたら。それこそ、生きる意味を見失ってしまう。
……バカだな、俺。こんな時にも、自分の事しか考えてないんだ。
俺の頭は、自身の側に「アイツ」は必要ないと結論づけ、「アイツ」に関する記憶の補完を終えようとしていた。
しかし、そんな時にある1つの疑問が浮かんだ。
———だったらなぜ、黒は「出会わなくちゃならない人がいる」などと口にした?
……黒は、今まで俺の何を聞いていた?
今までの俺の、血と戦いと復讐と後悔と罪と葛藤に満ちた人生の話を聞いてなお、それでも黒はアイツの事を「出会わなくちゃならない人」と称したのか?
…………なぜ、なぜなんだ。
どうして、俺とアイツはもう1度会う必要がある?
……「約束」か?
また、約束か?
何度も破ってきたのに?
……俺は、俺は何の為に戦ってきた?
約束を守る為?
快楽を得る為?
永遠に自問自答しようと出ないであろう答え。
……実は、1つだけ、一番当てはまる理由があった。
……ただ、その理由は、今まで罪を犯してきた自身にとってはとても認めづらいものであり、とても矛盾したものであった。
「……白、せめてご飯くらいは……食べてくれっ!」
「あ……あ……」
「……ほら、キャベツだ。口に入れてやるからちゃんと噛め!」
「う……」
「白、今日も寝るのか」
「……ぅあ、………………ずっと……」
「———なんて、なんて無様な姿なんだ、仮にも一国の王子だった者が……」
********
白を俺の家に入れて1年、白が起きて1週間が経過した。
だが白は、起きて2日目からずっとこんな感じだ。
ダメだ、こうなった人間は滅多に戻ってこない。
日常生活すらまともに送れちゃいない。一体どうす———。
……背後に人気。
こちらへの視線を感じる。
殺気。見る者全てを圧倒する殺気。だが、俺には向けられていない。
俺以外に向けられた殺気と言えば———!
「白、避けろ!」
「!」
白は生存本能からか、無言でベッドから飛び起きすぐさま飛び上がる。
1秒後。
先程まで白が寝ていたベッドは両断されていた。
そこにいたのは。
刀を片手に、黒い仮面を身につけた、白髪の男だった。
「……おっと、まさかまさか、これは……」
その男。
魔王軍幹部。魔王の右腕と称された男。数多の敵を、その刀で両断してきた『撃墜王』。
ダークナイト、だった。
「一体全体、この家に何の用か」
「何の用……か。その者を、殺しに来ただけです」
ダークナイトが指差したのは、紛れもなく白で。
「なぜ殺しに来た」
「何、仲間の尻拭いですよ」
「白、刀を持て! 今すぐにここから逃げるぞ!」
「……」
白は無言で刀を構える。
無気力な猫背であったが、戦う意志のみは感じられる立ち姿だった。
「逃がすとでも思いましたか」
ダークナイトは既に白の刀と組み合っていた。
「…………っ!」
「私も少しばかりは楽しみたいのでね」
ダークナイトはそのまま、押し潰すように力を強める。
「させてたまるかっ!」
俺は刀を突き出し、ダークナイトに襲いかかる。しかし、
「くだらない」
「がっ……!」
———がしかし、ダークナイトは片手で白の刀と渡り合っていた……!
もう一方の腕で俺の首根っこが掴まれ持ち上げられる。
「まさか、そんな戦法で私を倒せるとでも?」
「ぐっ……がっ……かはっ」
「……く、ろ……が………くるしんで……」
「さて、黒さん。私の殺気に気付いたのは素晴らしい腕前でした。しかし、邪魔をするというのなら、貴方の命はここまでです」
何で、この俺の名前を知っているんだ?
「し……ろ……にげ……ろ……!」
「あっ…………ああっ……!」
「おや、刀の力が抜けてきましたね…抵抗は、ここまでですか?」
「……早く……にげ………………………は…………っ」
瞬間。
完全に、視界が黒に染まった。
********
黒の腕が、力無く垂れ下がる。
その顔は赤く染まり、目からは黒い輝きが消えていた。
やっと、やっと再確認した。
何の為に戦ってきたのかを。
何がしたくて、ここまで来たのかを。
……そうだ、そのはずだった……!
ここまで来て、ようやく、俺はその結論に「イエス」と答えが出せた……!!
………………俺は、俺が大切だと思ってきた人々を、守る為にここまで戦ってきたんだ!!
「あまりにも拍子抜けですね。少しばかりはやるかと思っていましたが」
「…………おま……え……、黒……を……!」
「おっと、失礼、まだ殺していまっ……!」
「黒を……殺したなっ!」
刀に力を入れる。
「な……にっ!」
「許すと……思うなよ!」
ありったけの力で敵の刀を振り切る。
「……ふふ、そうでなくては。流石は救世主の一族だ」
「ああああああっ!」
「……だが、力だけです」
振り下ろした刀はスルリと回避され、敵は無駄な動きを一切せずに攻撃に移行する。
敵の刀が触れるまで、残り数センチ。
極限の刹那。極限の判断。
今、自分はどうすべきか、「生きる」為に、何をすべきかを必死に思考を巡らせる……!
「背水の……」
猛スピードで振られる刀。
「陣っ!」
しかし、そのスピードを超えて、
「脚の項っ!」
姿勢を低くし、強化された脚で蹴り払う!
「ぬおっ?!」
敵は体勢を崩す。しかし、数瞬後。すぐに攻撃に移行する!
そのまま床を蹴り、屋根を突き破って空中に跳び上がる。
どうする、どうする? この後は、一体どうすれば———!
「後ろです」
その声が聞こえた頃には、家の中に人影は1つしかなく。
思考が固まる。
一番の感情は。「恐怖」だった。
……瞬間。風を斬る音。
ああ、もうダメだと諦める。
しかし、
「ほお、まだ生きて……いたのですね……」
「あの程度でくたばるなら、師匠失格だ」
敵の顔面に蹴りを喰らわせていたのは、黒だった。
そのまま地面に落下する。
「……さて、2対1。私でも勝てるかどうか…怪しいですね」
「白、騙されるなよ、奴は相当なやり手だ。おそらく、俺たち2人の戦闘力を遥かに上回っている……!」
「……黒、俺はどうすればいい? どうイメージしても、奴に勝てるイメージが湧かない」
「イメージが湧かないなら、何したって勝てないさ。とりあえず俺を見ておけ」
「……お話は済みましたか。では」
敵は目にも留まらぬ速さで接近する。しかし、
「背水の陣———極の項」
超スピードで振り下ろされる刀に、黒は落ち着いて、冷静に見極め、その全てを、極限まで節約した動きで避ける。
「どうした、当たっていないぞ」
敵はまた目にも留まらぬ速さで刀を振り回す。
普通の人間なら2秒で粉々に斬り刻まれるくらいの超スピード。しかし———
「当てて……みろよ」
それら全てを、黒は的確に避け続ける。
「驚きました、まさかここまでやって一度も当たらないとは。……しかし、少々負担が大きいようで」
敵は左腕で、黒の腹めがけ拳を振り上げる。
「ご……おっ?!」
「あまり、その技には慣れていないようですね。一振り毎に段々動きが鈍くなっていた」
「……ふ、へへ……完全に見透かされてるな……」
「今のは中々、楽しかったですよ。それではさような……」
「ふんっ!」
敵が刀を突き出す前に、黒は敵の首めがけ回し蹴り。
「すりゃああっ!」
そのまま黒は、拳を握りしめ、敵の腹、装甲が無い位置めがけ打撃を加える。
「白っ、出番だ! 畳み掛けるぞ!」
ようやく、俺にも出番が回ってきたようだ……!
人は勇者を「とても献身的だね」と評価した。
人は勇者を「英雄だ」と褒め称えた。
……本来、勇者とはそのように他人の為に献身的に尽くし、名も知らない誰かを守る為に、勇気を出して戦うのだろう。
……俺には、魔物相手に勇敢に立ち向かう勇者にはなれなかった。
自分の夢を追い求め、自分の贖罪を果たそうとした結果が、今の俺なんだ、と自分に言い聞かせる。
……アイツは、サナは、俺なんかと一緒にいない方がいいんだ。
突然約束を突き付けられ、成り行きで旅をしてきたけれども。
俺なんかと一緒にいたら、アイツまで危険な目に、危険な事に巻き込まれてしまう。
……アイツが、くだらない子供じみた理想論を掲げたまま死んでいく方が、俺と一緒にいるより遥かにマシだろう。
もう、いいんだ。俺に寄り添ってくれていたのは分かるし、そこについては素直に感謝を伝えたい。
……でも。……でも、もういいんだ。俺のせいで、俺の目の前でアイツに死なれたら。俺のせいで、アイツに迷惑をかけたら。それこそ、生きる意味を見失ってしまう。
……バカだな、俺。こんな時にも、自分の事しか考えてないんだ。
俺の頭は、自身の側に「アイツ」は必要ないと結論づけ、「アイツ」に関する記憶の補完を終えようとしていた。
しかし、そんな時にある1つの疑問が浮かんだ。
———だったらなぜ、黒は「出会わなくちゃならない人がいる」などと口にした?
……黒は、今まで俺の何を聞いていた?
今までの俺の、血と戦いと復讐と後悔と罪と葛藤に満ちた人生の話を聞いてなお、それでも黒はアイツの事を「出会わなくちゃならない人」と称したのか?
…………なぜ、なぜなんだ。
どうして、俺とアイツはもう1度会う必要がある?
……「約束」か?
また、約束か?
何度も破ってきたのに?
……俺は、俺は何の為に戦ってきた?
約束を守る為?
快楽を得る為?
永遠に自問自答しようと出ないであろう答え。
……実は、1つだけ、一番当てはまる理由があった。
……ただ、その理由は、今まで罪を犯してきた自身にとってはとても認めづらいものであり、とても矛盾したものであった。
「……白、せめてご飯くらいは……食べてくれっ!」
「あ……あ……」
「……ほら、キャベツだ。口に入れてやるからちゃんと噛め!」
「う……」
「白、今日も寝るのか」
「……ぅあ、………………ずっと……」
「———なんて、なんて無様な姿なんだ、仮にも一国の王子だった者が……」
********
白を俺の家に入れて1年、白が起きて1週間が経過した。
だが白は、起きて2日目からずっとこんな感じだ。
ダメだ、こうなった人間は滅多に戻ってこない。
日常生活すらまともに送れちゃいない。一体どうす———。
……背後に人気。
こちらへの視線を感じる。
殺気。見る者全てを圧倒する殺気。だが、俺には向けられていない。
俺以外に向けられた殺気と言えば———!
「白、避けろ!」
「!」
白は生存本能からか、無言でベッドから飛び起きすぐさま飛び上がる。
1秒後。
先程まで白が寝ていたベッドは両断されていた。
そこにいたのは。
刀を片手に、黒い仮面を身につけた、白髪の男だった。
「……おっと、まさかまさか、これは……」
その男。
魔王軍幹部。魔王の右腕と称された男。数多の敵を、その刀で両断してきた『撃墜王』。
ダークナイト、だった。
「一体全体、この家に何の用か」
「何の用……か。その者を、殺しに来ただけです」
ダークナイトが指差したのは、紛れもなく白で。
「なぜ殺しに来た」
「何、仲間の尻拭いですよ」
「白、刀を持て! 今すぐにここから逃げるぞ!」
「……」
白は無言で刀を構える。
無気力な猫背であったが、戦う意志のみは感じられる立ち姿だった。
「逃がすとでも思いましたか」
ダークナイトは既に白の刀と組み合っていた。
「…………っ!」
「私も少しばかりは楽しみたいのでね」
ダークナイトはそのまま、押し潰すように力を強める。
「させてたまるかっ!」
俺は刀を突き出し、ダークナイトに襲いかかる。しかし、
「くだらない」
「がっ……!」
———がしかし、ダークナイトは片手で白の刀と渡り合っていた……!
もう一方の腕で俺の首根っこが掴まれ持ち上げられる。
「まさか、そんな戦法で私を倒せるとでも?」
「ぐっ……がっ……かはっ」
「……く、ろ……が………くるしんで……」
「さて、黒さん。私の殺気に気付いたのは素晴らしい腕前でした。しかし、邪魔をするというのなら、貴方の命はここまでです」
何で、この俺の名前を知っているんだ?
「し……ろ……にげ……ろ……!」
「あっ…………ああっ……!」
「おや、刀の力が抜けてきましたね…抵抗は、ここまでですか?」
「……早く……にげ………………………は…………っ」
瞬間。
完全に、視界が黒に染まった。
********
黒の腕が、力無く垂れ下がる。
その顔は赤く染まり、目からは黒い輝きが消えていた。
やっと、やっと再確認した。
何の為に戦ってきたのかを。
何がしたくて、ここまで来たのかを。
……そうだ、そのはずだった……!
ここまで来て、ようやく、俺はその結論に「イエス」と答えが出せた……!!
………………俺は、俺が大切だと思ってきた人々を、守る為にここまで戦ってきたんだ!!
「あまりにも拍子抜けですね。少しばかりはやるかと思っていましたが」
「…………おま……え……、黒……を……!」
「おっと、失礼、まだ殺していまっ……!」
「黒を……殺したなっ!」
刀に力を入れる。
「な……にっ!」
「許すと……思うなよ!」
ありったけの力で敵の刀を振り切る。
「……ふふ、そうでなくては。流石は救世主の一族だ」
「ああああああっ!」
「……だが、力だけです」
振り下ろした刀はスルリと回避され、敵は無駄な動きを一切せずに攻撃に移行する。
敵の刀が触れるまで、残り数センチ。
極限の刹那。極限の判断。
今、自分はどうすべきか、「生きる」為に、何をすべきかを必死に思考を巡らせる……!
「背水の……」
猛スピードで振られる刀。
「陣っ!」
しかし、そのスピードを超えて、
「脚の項っ!」
姿勢を低くし、強化された脚で蹴り払う!
「ぬおっ?!」
敵は体勢を崩す。しかし、数瞬後。すぐに攻撃に移行する!
そのまま床を蹴り、屋根を突き破って空中に跳び上がる。
どうする、どうする? この後は、一体どうすれば———!
「後ろです」
その声が聞こえた頃には、家の中に人影は1つしかなく。
思考が固まる。
一番の感情は。「恐怖」だった。
……瞬間。風を斬る音。
ああ、もうダメだと諦める。
しかし、
「ほお、まだ生きて……いたのですね……」
「あの程度でくたばるなら、師匠失格だ」
敵の顔面に蹴りを喰らわせていたのは、黒だった。
そのまま地面に落下する。
「……さて、2対1。私でも勝てるかどうか…怪しいですね」
「白、騙されるなよ、奴は相当なやり手だ。おそらく、俺たち2人の戦闘力を遥かに上回っている……!」
「……黒、俺はどうすればいい? どうイメージしても、奴に勝てるイメージが湧かない」
「イメージが湧かないなら、何したって勝てないさ。とりあえず俺を見ておけ」
「……お話は済みましたか。では」
敵は目にも留まらぬ速さで接近する。しかし、
「背水の陣———極の項」
超スピードで振り下ろされる刀に、黒は落ち着いて、冷静に見極め、その全てを、極限まで節約した動きで避ける。
「どうした、当たっていないぞ」
敵はまた目にも留まらぬ速さで刀を振り回す。
普通の人間なら2秒で粉々に斬り刻まれるくらいの超スピード。しかし———
「当てて……みろよ」
それら全てを、黒は的確に避け続ける。
「驚きました、まさかここまでやって一度も当たらないとは。……しかし、少々負担が大きいようで」
敵は左腕で、黒の腹めがけ拳を振り上げる。
「ご……おっ?!」
「あまり、その技には慣れていないようですね。一振り毎に段々動きが鈍くなっていた」
「……ふ、へへ……完全に見透かされてるな……」
「今のは中々、楽しかったですよ。それではさような……」
「ふんっ!」
敵が刀を突き出す前に、黒は敵の首めがけ回し蹴り。
「すりゃああっ!」
そのまま黒は、拳を握りしめ、敵の腹、装甲が無い位置めがけ打撃を加える。
「白っ、出番だ! 畳み掛けるぞ!」
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