86 / 100
第三章
第86話『邪魔』
しおりを挟む
それから、一旦会議は中断され、ウリエルが泣き止んだ頃に再び再開した。今度はウリエルもちゃんと会議メンバーに加えた状態で。
ベルゼの膝の上でニコニコと機嫌よく笑うウリエルに緊張した様子はなく、いつも通りだった。普段と違うところと言えば、少し目の周りが腫れていることくらい····。泣き止んだばかりなのだから、目の周りが腫れるのは仕方ない。
これからは泣かせないようにしねぇーとな。ウリエルには泣き顔より、笑顔が似合う。
俺は紫檀色の長髪幼女から一度目を離すと、銀髪赤眼の美丈夫に視線を戻した。血にも似た深紅の瞳はやけに穏やかだ。
「さてと····無事、ウリエルの戦争参加も決まったことだし、話を先に進めようか」
「ああ。是非そうしてくれ」
作戦会議なんて、ちゃちゃっと終わらせて戦争の準備に取り掛かりたいんでね。早く話を先に進めて欲しい。
ウリエルも戦争に参加するなら、今まで以上に力をつける必要がある。ウリエルを相棒と称したからには俺もそれ相応の力を身に付けなくては····。せめて、ウリエルと肩を並べて歩けるくらいには強くならないと駄目だ。
思いを新たにする俺を他所にルシファーはゆるりと口角を上げ、どこか楽しそうに話し出した。
「では、次に何故少数精鋭で今回の戦に挑むのか説明しよう。結論から言うと──────────味方が邪魔だからだ」
「····はっ?邪魔?」
「ああ、邪魔だ」
いや、何故二回言う!?一回言われれば分かるわ!
つーか、邪魔って何だよ!?ルシファーのことだから、悪意はないんだろうがもう少し言い方を考えてやれ!味方に失礼だろーが!!
ルシファーは内心大混乱に陥る俺を見透かしたようにクスリと笑みを零す。
「味方を邪魔と称したのには理由がある。次にその結論に至った経緯を説明しよう。マモン、説明を」
「はーい。あのね、オトハ。ルシファーも含めた僕ら幹部メンバーは戦の際、味方に気を使って本気を出していないんだ。強力な攻撃魔法を使える僕らが本気を出せば、一万の軍隊でも一瞬で無力化することが出来る。何故だか分かる?僕らは広範囲に渡る攻撃魔法が使えるからだよ。でも、敵と味方がごちゃ混ぜになった戦場で無闇に範囲攻撃を使うことは出来ない····。だから、ルシファーは味方を『邪魔』と言ったんだよ」
「なるほど····」
言われてみれば、マモン達は戦場で範囲攻撃を使っていなかったな。まあ、極一名ほど味方への被害も顧みず火炎魔法をぶっぱなしてたけど····。
でも、あの大爆発も今考えてみれば加減されていたような気がする。味方に被害が出たのは事実だが、命に関わるようは怪我じゃなかったし····。
そうか。マモンたち幹部メンバーはいつも味方に気を使って、本気を出せていなかったんだ。
「正直言うと、味方が邪魔でしょうがないんだよね。味方が近くに居るだけで色々力が制限されちゃうし、何かあれば守らなきゃいけない。それが一人や二人ならまだ良いけど、戦では数十人単位になるからさ。守りながら戦うのって結構キツイんだよ」
「要するにお荷物って言いたいんだろ?」
「ま、そうだねー。部下たちの実力は認めてるけど、僕らの足を引っ張っているのは事実だからね。今までは殺された家族や恋人の憎しみを少しでも晴らしてやろうと思って戦争の参加を許してきたけど、今回はそうもいかない。今回は絶対に負けられない戦いだから····もう復讐とか、そういうのに気を配っている場合じゃないんだ。この戦いは復讐じゃなくて、未来を守るためのものだから····雑魚は必要ない」
マモンはいつになく真剣な表情でそう言い切った。赤にも似たマゼンダの瞳は凛としており、それだけでマモンがどれだけ真剣なのか伝わってくる。
確かにマモンの言う通りだ。これはもう復讐とか、そんな次元の戦いじゃねぇ····。この世界を守るための未来をかけた戦いだ。失敗すれば、待っているのは死のみ。絶対に負けられない戦いであることは言わずとも分かった。
正直魔王軍が束になっても、本気になったルシファー達の実力には敵わない。それは俺が一番よく分かっていた。
だって、俺は一番近くでこいつらの実力を見てきたから。何度もこいつらと戦ってきた俺だから、分かる。
本気になったルシファー達よりも、魔王軍の方が弱いことを·····。
特にルシファーなんて、実力の底が見えないからな。手合わせで一度も勝てたことねぇーし。ルシファーの実力に関しては過剰戦力と言うしか無かった。
「少数精鋭の意味はよく理解した。納得もした。反対する気はねぇ···。次に各々の役割と詳しい作戦内容を教えてくれ」
魔王軍の隊員達には悪いが、俺はこの作戦に反対する気はない。ルシファー達と同じく、俺も少数精鋭で挑むのが最善だと思っているから。幾ら数が多くても、実力がなければ意味は無い。ルシファー達と並ぶ実力が無いのなら、戦に連れていく意味はなかった。
厳しいようだが、これが現実だ。
世界の存続をかけた戦いに私情など挟んでいられない。
ルシファーは俺の質問に一つ頷くと、その薄い唇を開く。
「作戦内容は至ってシンプル。私も含める幹部メンバーが敵を引き付けている間にウリエルとオトハくんが依代が置かれている部屋に向かい、依代を破壊する。ウリエルは君の護衛のようなものだ」
「護衛って····一応俺らは相棒同士なんだけど····」
「護衛っていうのは役割上の話だ。ウリエルをどう扱うかは君の自由だよ」
「そーかよ」
まあ、俺は依代を破壊する上で絶対に欠かせない人物だし、ウリエルが護衛と呼ばれるのは無理ないか。なんだか少し複雑な気分だが、まあ····我慢しよう。
「出来るだけ、敵の注意を引きつけるよう努力するが、依代を破壊する上で戦闘は避けられないと思ってくれ。我々魔族が城に来た時点で、人族は依代周辺の警護を強化している筈だ。だから、どうしても戦闘は起きる」
「分かってるよ。魔族が人族の城に現れる理由なんて、依代しかねぇーからな。警備体制が厳しくなるのは避けられないだろうさ」
肩を竦める俺に対し、ルシファーは心配そうに顔を歪めている。柘榴の瞳が不安げに揺れていた。
恐らく、俺がさっき人殺しに抵抗があると言ったからだろう。背負う覚悟が出来たとは言ったが、全く辛くない訳じゃない。人殺しに対する恐怖や罪悪感は変わらなかった。
ルシファーはそれを知っているからこそ、心配そうにこちらを見つめているのだ。
本当、お前は優しいよな。
「──────────大丈夫だよ、ルシファー」
心優しき王様に俺はそれだけ告げると、僅かに頬を緩める。
ルシファーにはその一言だけで十分だった。
正直言うと、人殺しは平和ボケした日本人の俺にはかなりキツい。出来れば、やりたくないと言うのが本音だ。でも、多少無理してでもやる価値があると俺が判断したんだ。人殺しは褒められた行為ではないが、人の血肉によって得られるものがある。なら、やらない訳にはいかないだろう?それに俺にはお前らが居る。一人じゃないと思うだけで俺は頑張れた。
だから、ルシファー──────────自分を責めないでくれ。
これは俺が選んだ道なんだ。その道を示したのは確かにお前たちだが、選んだのは俺だ。お前が気に病む必要はない。
銀髪の美丈夫は深紅の瞳を僅かに見開くと、フッと口元を緩めた。
「辛くなったら、言ってくれ────────必ず支える」
「おう。そんときは頼むぜ」
「ああ」
俺は正面に座るルシファーにニッと歯を見せて笑うと、ルシファーは穏やかに微笑んだ。
ベルゼの膝の上でニコニコと機嫌よく笑うウリエルに緊張した様子はなく、いつも通りだった。普段と違うところと言えば、少し目の周りが腫れていることくらい····。泣き止んだばかりなのだから、目の周りが腫れるのは仕方ない。
これからは泣かせないようにしねぇーとな。ウリエルには泣き顔より、笑顔が似合う。
俺は紫檀色の長髪幼女から一度目を離すと、銀髪赤眼の美丈夫に視線を戻した。血にも似た深紅の瞳はやけに穏やかだ。
「さてと····無事、ウリエルの戦争参加も決まったことだし、話を先に進めようか」
「ああ。是非そうしてくれ」
作戦会議なんて、ちゃちゃっと終わらせて戦争の準備に取り掛かりたいんでね。早く話を先に進めて欲しい。
ウリエルも戦争に参加するなら、今まで以上に力をつける必要がある。ウリエルを相棒と称したからには俺もそれ相応の力を身に付けなくては····。せめて、ウリエルと肩を並べて歩けるくらいには強くならないと駄目だ。
思いを新たにする俺を他所にルシファーはゆるりと口角を上げ、どこか楽しそうに話し出した。
「では、次に何故少数精鋭で今回の戦に挑むのか説明しよう。結論から言うと──────────味方が邪魔だからだ」
「····はっ?邪魔?」
「ああ、邪魔だ」
いや、何故二回言う!?一回言われれば分かるわ!
つーか、邪魔って何だよ!?ルシファーのことだから、悪意はないんだろうがもう少し言い方を考えてやれ!味方に失礼だろーが!!
ルシファーは内心大混乱に陥る俺を見透かしたようにクスリと笑みを零す。
「味方を邪魔と称したのには理由がある。次にその結論に至った経緯を説明しよう。マモン、説明を」
「はーい。あのね、オトハ。ルシファーも含めた僕ら幹部メンバーは戦の際、味方に気を使って本気を出していないんだ。強力な攻撃魔法を使える僕らが本気を出せば、一万の軍隊でも一瞬で無力化することが出来る。何故だか分かる?僕らは広範囲に渡る攻撃魔法が使えるからだよ。でも、敵と味方がごちゃ混ぜになった戦場で無闇に範囲攻撃を使うことは出来ない····。だから、ルシファーは味方を『邪魔』と言ったんだよ」
「なるほど····」
言われてみれば、マモン達は戦場で範囲攻撃を使っていなかったな。まあ、極一名ほど味方への被害も顧みず火炎魔法をぶっぱなしてたけど····。
でも、あの大爆発も今考えてみれば加減されていたような気がする。味方に被害が出たのは事実だが、命に関わるようは怪我じゃなかったし····。
そうか。マモンたち幹部メンバーはいつも味方に気を使って、本気を出せていなかったんだ。
「正直言うと、味方が邪魔でしょうがないんだよね。味方が近くに居るだけで色々力が制限されちゃうし、何かあれば守らなきゃいけない。それが一人や二人ならまだ良いけど、戦では数十人単位になるからさ。守りながら戦うのって結構キツイんだよ」
「要するにお荷物って言いたいんだろ?」
「ま、そうだねー。部下たちの実力は認めてるけど、僕らの足を引っ張っているのは事実だからね。今までは殺された家族や恋人の憎しみを少しでも晴らしてやろうと思って戦争の参加を許してきたけど、今回はそうもいかない。今回は絶対に負けられない戦いだから····もう復讐とか、そういうのに気を配っている場合じゃないんだ。この戦いは復讐じゃなくて、未来を守るためのものだから····雑魚は必要ない」
マモンはいつになく真剣な表情でそう言い切った。赤にも似たマゼンダの瞳は凛としており、それだけでマモンがどれだけ真剣なのか伝わってくる。
確かにマモンの言う通りだ。これはもう復讐とか、そんな次元の戦いじゃねぇ····。この世界を守るための未来をかけた戦いだ。失敗すれば、待っているのは死のみ。絶対に負けられない戦いであることは言わずとも分かった。
正直魔王軍が束になっても、本気になったルシファー達の実力には敵わない。それは俺が一番よく分かっていた。
だって、俺は一番近くでこいつらの実力を見てきたから。何度もこいつらと戦ってきた俺だから、分かる。
本気になったルシファー達よりも、魔王軍の方が弱いことを·····。
特にルシファーなんて、実力の底が見えないからな。手合わせで一度も勝てたことねぇーし。ルシファーの実力に関しては過剰戦力と言うしか無かった。
「少数精鋭の意味はよく理解した。納得もした。反対する気はねぇ···。次に各々の役割と詳しい作戦内容を教えてくれ」
魔王軍の隊員達には悪いが、俺はこの作戦に反対する気はない。ルシファー達と同じく、俺も少数精鋭で挑むのが最善だと思っているから。幾ら数が多くても、実力がなければ意味は無い。ルシファー達と並ぶ実力が無いのなら、戦に連れていく意味はなかった。
厳しいようだが、これが現実だ。
世界の存続をかけた戦いに私情など挟んでいられない。
ルシファーは俺の質問に一つ頷くと、その薄い唇を開く。
「作戦内容は至ってシンプル。私も含める幹部メンバーが敵を引き付けている間にウリエルとオトハくんが依代が置かれている部屋に向かい、依代を破壊する。ウリエルは君の護衛のようなものだ」
「護衛って····一応俺らは相棒同士なんだけど····」
「護衛っていうのは役割上の話だ。ウリエルをどう扱うかは君の自由だよ」
「そーかよ」
まあ、俺は依代を破壊する上で絶対に欠かせない人物だし、ウリエルが護衛と呼ばれるのは無理ないか。なんだか少し複雑な気分だが、まあ····我慢しよう。
「出来るだけ、敵の注意を引きつけるよう努力するが、依代を破壊する上で戦闘は避けられないと思ってくれ。我々魔族が城に来た時点で、人族は依代周辺の警護を強化している筈だ。だから、どうしても戦闘は起きる」
「分かってるよ。魔族が人族の城に現れる理由なんて、依代しかねぇーからな。警備体制が厳しくなるのは避けられないだろうさ」
肩を竦める俺に対し、ルシファーは心配そうに顔を歪めている。柘榴の瞳が不安げに揺れていた。
恐らく、俺がさっき人殺しに抵抗があると言ったからだろう。背負う覚悟が出来たとは言ったが、全く辛くない訳じゃない。人殺しに対する恐怖や罪悪感は変わらなかった。
ルシファーはそれを知っているからこそ、心配そうにこちらを見つめているのだ。
本当、お前は優しいよな。
「──────────大丈夫だよ、ルシファー」
心優しき王様に俺はそれだけ告げると、僅かに頬を緩める。
ルシファーにはその一言だけで十分だった。
正直言うと、人殺しは平和ボケした日本人の俺にはかなりキツい。出来れば、やりたくないと言うのが本音だ。でも、多少無理してでもやる価値があると俺が判断したんだ。人殺しは褒められた行為ではないが、人の血肉によって得られるものがある。なら、やらない訳にはいかないだろう?それに俺にはお前らが居る。一人じゃないと思うだけで俺は頑張れた。
だから、ルシファー──────────自分を責めないでくれ。
これは俺が選んだ道なんだ。その道を示したのは確かにお前たちだが、選んだのは俺だ。お前が気に病む必要はない。
銀髪の美丈夫は深紅の瞳を僅かに見開くと、フッと口元を緩めた。
「辛くなったら、言ってくれ────────必ず支える」
「おう。そんときは頼むぜ」
「ああ」
俺は正面に座るルシファーにニッと歯を見せて笑うと、ルシファーは穏やかに微笑んだ。
0
お気に入りに追加
2,335
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる