30 / 100
第一章
第30話『ワープゲート』
しおりを挟む
それから俺とウリエルはビアンカの案内の元、三キロ程度の道のりを休憩無しのノンストップで押し進み、土手沿いにある川に辿り着くことが出来た。時間にして僅か1時間の道のりだったが、やけに長く感じたな···。まあ、レベル上げのおかげで基礎能力である体力の数値は上がっているため疲れはしなかったが、ふくらはぎと太ももの筋肉が悲鳴を上げている。体力はあれど、筋力はない俺。明日は筋肉痛決定だなぁ···。
キラキラと太陽に反射して輝く川は綺麗で、川底までくっきり見える。それだけで相当綺麗な水であることが分かった。
川辺にあった小さめの岩の上に座り、一方向に流れる川の音に耳を傾ける。あー····なんか、川が流れる音って心が安らぐな。こう、穏やかな気持ちになると言うか···。川に手を突っ込んでキャキャッとはしゃぐウリエルの姿も相まって、かなり癒される。
あー····俺、ずっとこのままで良いかも····。
『休んでいるところ申し訳ありませんが、働いてもらいますよ』
えっ····。まだ川辺に来てから、10分も経ってないぞ!?もう仕事なんて····。ちょっとくらい休ませてくれても····。
『両足パンパンの音羽を休ませてあげたい気持ちはありますが、あまり悠長にもしていられませんよ。後15分もしない内にワープゲートが閉じてしまうので』
うお!?マジかよ!?それは困る!!何のために川のほとりまで来たと思ってんだ!!
そう───────この川辺まで来たのには理由がある。別に休むために来た訳では無い。ここには記念すべき一つ目のワープゲートがあったから、来たのだ。
で、そのワープゲートはどこにあるんだ?
『川の中····いえ、川の表面と言った方が正しいでしょうか?ちょうどウリエルが遊んでいるあたりの川の表面にワープゲートが出来ている筈で····』
「オトハー!ここ冷たくないよー?」
川辺で片手を突っ込んで遊んでいたウリエルがビアンカの声を遮って、声をかけてきた。無論、ウリエルに悪気ない。だって、ウリエルにビアンカの声は聞こえないからな。
ウリエルは片手を川に突っ込んだまま、こちらを振り返り、もう一方の手で手招きしている。
川に冷たくないところがある····?それって、もしかして····ワープゲートが繋がってる場所なんじゃ···。ビアンカも『ちょうどウリエルが遊んでいるあたりの川の表面に』って言ってたし。ウリエルが今触れている冷たくない川の表面部分がワープゲートである可能性は非常に高い。
「今、行く!」
俺は椅子代わりに使っていた岩から慌てて立ち上がると、濡れることも気にせず川辺にペタンと座り込む紫檀色の長髪幼女の元へ駆け寄った。
おお····髪と服がベチャベチャじゃねぇーか。後で体を拭いて着替えるよう言わないとな···。
なんてオカン思考に走りつつ、俺はウリエルの横にしゃがみこむ。さすがにウリエルのようにペタンと座り込む気はない。服が濡れるのは御免だからな。
「今、ウリエルが触ってるところが冷たくない場所か?」
「うん!ここだけ冷たくないの。なんかね、水を触ってる感覚もない!」
水を触っている感覚もない····ますます、ワープゲートである可能性が高まってきた。と言うか、十中八九ワープゲートだろう。
とりあえず、俺も実際に触って確認してみよう。触ってみないことには何も分からないし、始まらない。それにもう15分もしない内にワープゲートが閉じちまうみたいだしな。ここであれこれ考えている暇はない。
俺は身につけていた手甲をガチャガチャと音を立てて外すと、その下に装着していた黒の革手袋も脱いだ。汗でしっとりとした素肌が外気に触れる。その感触がやけに心地いい。炎天下の中、ずっと手甲+革手袋だったからなぁ····。いやぁ、めちゃくちゃ暑かった。
男にしては全くゴツゴツしていない比較的綺麗な手を水面へと伸ばす。引きこもりニート予備軍であった俺の手は白く、か細い。手だけ見れば女性に見えるほど····。そういやぁ、中学の頃同級生の女子に『若林くんって、男のくせに無駄に手綺麗でキモーい』って言われてたな····。これは後から聞いた話だが、その女子はバリバリのテニス部で手にタコやマメがあり、男顔負けのゴツゴツした手をしていたと言う···。恐らくゴツゴツした手がコンプレックスで、男のくせに無駄に手が綺麗な俺を見て嫉妬したんだろう。俺としてはいい迷惑だったがな····。
まあ、その話は置いておこう。今はウリエルが触れている場所がワープゲートであるかどうかを確認するのが先だ。
俺はわざとウリエルの手から少し離れた位置にある水面に触れる。まずは本物の川がどれくらい冷たいのか確認する必要があったのだ。
おっ?普通に冷たいな。異世界でも川の温度はあんまり変わらないんだなぁ···。
汗で蒸れた肌には気持ちいい、ひんやりとした川の温度が伝わって来た。ひんやりとした温度に頬を緩めながら、俺は川に突っ込んだ手をゆっくりと温度を確かめるように横へスライドさせていく。ウリエルが川に突っ込んだ手と徐々に距離を近づけていき、肌越しに伝わってくる温度と川に触れている感覚をきちんと確かめた。
今のところ、特に変化はない。
この時点で、俺とウリエルの手と手との距離は約30cmだが、まだ変化は訪れない。普通に冷たいし、川が流れていく感覚もある。
もう少し近づかないとダメってことか?
俺は現地点から更に20cmほどウリエルの小さな手との距離を縮めた。
「!?」
このとき、ようやく俺の手に変化が現れる。
冷たくない····!?それに川が流れる感覚がっ····!?
さっきまで確かに感じていた、ひんやりとした温度はなく、水に触れている感触もなかった。特にこれと言って、何かに触れている感覚はなく···強いて言うなら空気に触れている感覚あると言ったところだろう。それに····川に濡れた手の水滴が重力に従って下に落ちていく感覚が確かにある。
恐らく、これがワープゲートで間違いない!
問題はこのワープゲートと繋がっている場所がどうなっているのか。それとワープゲートの大きさだな。きちんと人一人通れる大きさなんだろうか?
『それに関しては問題ありませんよ。きちんと音羽が通れる大きさのワープゲートを選んでいるので。繋がっている場所や環境も問題ありません。多少段差がありますが、まあ····大丈夫でしょう。大した段差では無いので』
具体的な段差の高さを教えて欲しいところではあるが、そんな時間はないな。俺の体内時計がもうすぐ15分経つと言っている。ワープゲートの確認に時間を取られてしまったため、あまり悠長にもしていられなかった。
「ウリエル、説明は後である。だから、今は俺と一緒に川に飛び込んでくれ」
「えっ····?川?飛び込むの····?」
事情を知らない奴が俺の言葉を聞けば『なんだなんだ?心中か?』と疑う場面だが、ウリエルは俺の真剣な表情を見て何か察したらしい。『何で?』『どうして?』と言う言葉を飲み込んで、ただコクンと小さく頷いた。こういう物分りの良い子供は楽で助かる。ウリエルに後で謝る決意を固め、俺は彼女のお腹回りに腕を回した。腕力も大してない俺だが、気合と根性でウリエルを片腕で抱き上げ、脇に抱える。
くっ····!!重い····!!
抱っことはまた違う筋肉が使われるため、先日片腕で抱っこした時よりも重く感じられた。
『子供であっても、女に『重い』は禁句ですよ。それより、もうワープゲートが消滅します!早く飛び込んでください!』
分かった!!すぐ飛び込む!!
ワープゲートがこの川辺のどこからどこまでの大きさなのか分かっていないが、俺はウリエル小脇に抱えたまま川──────ワープゲートへ飛び込んだ。
キラキラと太陽に反射して輝く川は綺麗で、川底までくっきり見える。それだけで相当綺麗な水であることが分かった。
川辺にあった小さめの岩の上に座り、一方向に流れる川の音に耳を傾ける。あー····なんか、川が流れる音って心が安らぐな。こう、穏やかな気持ちになると言うか···。川に手を突っ込んでキャキャッとはしゃぐウリエルの姿も相まって、かなり癒される。
あー····俺、ずっとこのままで良いかも····。
『休んでいるところ申し訳ありませんが、働いてもらいますよ』
えっ····。まだ川辺に来てから、10分も経ってないぞ!?もう仕事なんて····。ちょっとくらい休ませてくれても····。
『両足パンパンの音羽を休ませてあげたい気持ちはありますが、あまり悠長にもしていられませんよ。後15分もしない内にワープゲートが閉じてしまうので』
うお!?マジかよ!?それは困る!!何のために川のほとりまで来たと思ってんだ!!
そう───────この川辺まで来たのには理由がある。別に休むために来た訳では無い。ここには記念すべき一つ目のワープゲートがあったから、来たのだ。
で、そのワープゲートはどこにあるんだ?
『川の中····いえ、川の表面と言った方が正しいでしょうか?ちょうどウリエルが遊んでいるあたりの川の表面にワープゲートが出来ている筈で····』
「オトハー!ここ冷たくないよー?」
川辺で片手を突っ込んで遊んでいたウリエルがビアンカの声を遮って、声をかけてきた。無論、ウリエルに悪気ない。だって、ウリエルにビアンカの声は聞こえないからな。
ウリエルは片手を川に突っ込んだまま、こちらを振り返り、もう一方の手で手招きしている。
川に冷たくないところがある····?それって、もしかして····ワープゲートが繋がってる場所なんじゃ···。ビアンカも『ちょうどウリエルが遊んでいるあたりの川の表面に』って言ってたし。ウリエルが今触れている冷たくない川の表面部分がワープゲートである可能性は非常に高い。
「今、行く!」
俺は椅子代わりに使っていた岩から慌てて立ち上がると、濡れることも気にせず川辺にペタンと座り込む紫檀色の長髪幼女の元へ駆け寄った。
おお····髪と服がベチャベチャじゃねぇーか。後で体を拭いて着替えるよう言わないとな···。
なんてオカン思考に走りつつ、俺はウリエルの横にしゃがみこむ。さすがにウリエルのようにペタンと座り込む気はない。服が濡れるのは御免だからな。
「今、ウリエルが触ってるところが冷たくない場所か?」
「うん!ここだけ冷たくないの。なんかね、水を触ってる感覚もない!」
水を触っている感覚もない····ますます、ワープゲートである可能性が高まってきた。と言うか、十中八九ワープゲートだろう。
とりあえず、俺も実際に触って確認してみよう。触ってみないことには何も分からないし、始まらない。それにもう15分もしない内にワープゲートが閉じちまうみたいだしな。ここであれこれ考えている暇はない。
俺は身につけていた手甲をガチャガチャと音を立てて外すと、その下に装着していた黒の革手袋も脱いだ。汗でしっとりとした素肌が外気に触れる。その感触がやけに心地いい。炎天下の中、ずっと手甲+革手袋だったからなぁ····。いやぁ、めちゃくちゃ暑かった。
男にしては全くゴツゴツしていない比較的綺麗な手を水面へと伸ばす。引きこもりニート予備軍であった俺の手は白く、か細い。手だけ見れば女性に見えるほど····。そういやぁ、中学の頃同級生の女子に『若林くんって、男のくせに無駄に手綺麗でキモーい』って言われてたな····。これは後から聞いた話だが、その女子はバリバリのテニス部で手にタコやマメがあり、男顔負けのゴツゴツした手をしていたと言う···。恐らくゴツゴツした手がコンプレックスで、男のくせに無駄に手が綺麗な俺を見て嫉妬したんだろう。俺としてはいい迷惑だったがな····。
まあ、その話は置いておこう。今はウリエルが触れている場所がワープゲートであるかどうかを確認するのが先だ。
俺はわざとウリエルの手から少し離れた位置にある水面に触れる。まずは本物の川がどれくらい冷たいのか確認する必要があったのだ。
おっ?普通に冷たいな。異世界でも川の温度はあんまり変わらないんだなぁ···。
汗で蒸れた肌には気持ちいい、ひんやりとした川の温度が伝わって来た。ひんやりとした温度に頬を緩めながら、俺は川に突っ込んだ手をゆっくりと温度を確かめるように横へスライドさせていく。ウリエルが川に突っ込んだ手と徐々に距離を近づけていき、肌越しに伝わってくる温度と川に触れている感覚をきちんと確かめた。
今のところ、特に変化はない。
この時点で、俺とウリエルの手と手との距離は約30cmだが、まだ変化は訪れない。普通に冷たいし、川が流れていく感覚もある。
もう少し近づかないとダメってことか?
俺は現地点から更に20cmほどウリエルの小さな手との距離を縮めた。
「!?」
このとき、ようやく俺の手に変化が現れる。
冷たくない····!?それに川が流れる感覚がっ····!?
さっきまで確かに感じていた、ひんやりとした温度はなく、水に触れている感触もなかった。特にこれと言って、何かに触れている感覚はなく···強いて言うなら空気に触れている感覚あると言ったところだろう。それに····川に濡れた手の水滴が重力に従って下に落ちていく感覚が確かにある。
恐らく、これがワープゲートで間違いない!
問題はこのワープゲートと繋がっている場所がどうなっているのか。それとワープゲートの大きさだな。きちんと人一人通れる大きさなんだろうか?
『それに関しては問題ありませんよ。きちんと音羽が通れる大きさのワープゲートを選んでいるので。繋がっている場所や環境も問題ありません。多少段差がありますが、まあ····大丈夫でしょう。大した段差では無いので』
具体的な段差の高さを教えて欲しいところではあるが、そんな時間はないな。俺の体内時計がもうすぐ15分経つと言っている。ワープゲートの確認に時間を取られてしまったため、あまり悠長にもしていられなかった。
「ウリエル、説明は後である。だから、今は俺と一緒に川に飛び込んでくれ」
「えっ····?川?飛び込むの····?」
事情を知らない奴が俺の言葉を聞けば『なんだなんだ?心中か?』と疑う場面だが、ウリエルは俺の真剣な表情を見て何か察したらしい。『何で?』『どうして?』と言う言葉を飲み込んで、ただコクンと小さく頷いた。こういう物分りの良い子供は楽で助かる。ウリエルに後で謝る決意を固め、俺は彼女のお腹回りに腕を回した。腕力も大してない俺だが、気合と根性でウリエルを片腕で抱き上げ、脇に抱える。
くっ····!!重い····!!
抱っことはまた違う筋肉が使われるため、先日片腕で抱っこした時よりも重く感じられた。
『子供であっても、女に『重い』は禁句ですよ。それより、もうワープゲートが消滅します!早く飛び込んでください!』
分かった!!すぐ飛び込む!!
ワープゲートがこの川辺のどこからどこまでの大きさなのか分かっていないが、俺はウリエル小脇に抱えたまま川──────ワープゲートへ飛び込んだ。
10
お気に入りに追加
2,340
あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる