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第一章
第22話『食料調達』
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ビアンカの案内の元、ウリエルを連れて街を出た俺は丁寧に整備された街道を歩く。まあ、『丁寧に』って言っても元いた世界の道路には負けるがな。文明が中世ヨーロッパと大差ないこの世界に元いた世界の道路設備を求める気は無いが····ただ食文化はもう少し進んでいても可笑しくないと思う。何でこの世界の食文化はこんなに進んでないんだ····。焼いて、塩かけて食うだけの料理なんて、もう料理とは呼べないだろう···。昼に食べた手羽先の味を思い出し、溜め息を零した。
これから先、ずっとあんな料理を食べなければならないのかと思うと、憂鬱で仕方なかった。元いた世界で食べた美味しい料理が食べたいなら、自分で作るしか無さそうだ。料理はそれなりに出来るし、明日から自炊生活でも·····。
─────────ぐぅぅぅううう。
どこからともなく腹が鳴る音が聞こえた。空腹を知らせる音は俺のものでは無い。大事なことなので、もう一度言おう。腹が鳴ったのは俺じゃない!
昼に手羽先をたらふく食べたため、俺は大してお腹が空いていなかった。
という事は、今の音は····。
「───────ウリエル、腹が減ってるのか?」
「っ····!!う、うん···。実は昨日の夜から何も食べてなくて····」
顔を俯かせ、恥ずかしそうに····でも、素直に白状するウリエルはキュッと俺の手を強く握った。小さな手から伝わってくる体温は高く、それだけでウリエルが恥ずかしがっているのが分かる。まだ幼いとは言え、ウリエルは女の子だ。腹の音を誰かに聞かれるのは恥ずかしいだろう。
空腹なのは恥ずかしい事じゃないが、女心は複雑だからな。腹の音については触れない方が良いだろう。
とりあえず、今は───────食料をどうやって調達するか考えないといけない。
空腹のまま放置する訳にはいかないからな。期間限定ではあるが、ウリエルの保護者として食料は確保してやりたい。
ウリエルを寝床に送ってから、俺だけ一旦街に戻るか?でも、ウリエルを一人にするのはなぁ···。もう日が暮れたとは言え、森の近くにまだ誰か残っているかもしれない。ウリエルを一人残して、街に行くのは危険だ。
だからと言って、ウリエルを連れて街へ戻るのは···。
魔族の娘だとバレるリスクもあるが、それ以上に小さい女の子をこれ以上歩かせるのは気が引ける。俺が抱っこする手もあるが····帰宅部の俺の筋力では無理があるんだよなぁ····。
はてさて、どうしたものか····。
『それなら、ドゥンケルの森でオーク狩りをすれば良いんじゃないですか?稀にオーク肉がドロップする筈ですよ』
オーク肉····?確かにオークは豚の形をした二足歩行の魔物だが····食べられるのか?食中毒とかになったりしないよな?
『オーク肉は食べられますよ。毒もありませんし、ドラゴン種なら生でもいける筈です。味は普通の豚肉と大差ないと聞いています』
生でもいけるのかよ····。
俺からすればオーク肉なんて得体の知れない食材だが、この世界では普通の食料として扱われているんだろう。ビアンカも食べても問題ないと言っているし···今日のところはオーク肉で我慢してもらうか。あまり気は進まないが····。
「ウリエル、今日はオーク肉で我慢してくれるか?」
「えっ!?いいの!?」
「あぁ、勿論だ。本当は街で買った料理を食べて欲しかったんだが····ちょっと、それは出来なくてな···ごめんな」
「ううん!私、オーク肉大好きだから嬉しい!」
オーク肉、大好きなのか····。なんか、ちょっと複雑だな。まあ、嫌いよりかはマシか。
繋いだ手を前後に揺らし、上機嫌で鼻歌を歌うウリエル。本当にオーク肉、大好きなんだな···。彼女の放つご機嫌オーラから、本当にオーク肉が大好きなのだと痛いほど伝わってきた。
ちょっと複雑な心境だが、まあ····ウリエルの機嫌が良いことに越したことはない。
ビアンカ、行き先変更だ。食料を調達しにドゥンケルの森へ向かうぞ。
『畏まりました』
◆◇◆◇
それから、数十分程かけて街道を歩いた俺達はお目当ての場所であるドゥンケルの森へと到着を果たしていた。
夜の帳が下りた森はひっそりとしていて、少し不気味だ。昨日の夜もここへ訪れたため、恐怖心は半減しているがそれでも恐怖が完全に無くなることはない。マジックバックから短剣を取り出した俺はウリエルを庇うように前に出て、夜の森を進んでいる。
ひんやりとした風が俺の頬を撫で、近くの木々をざわりと揺らした。
何か────────来る!
『前方からオークが五体来ます!戦闘態勢を整えてください!』
ビアンカの甲高い声が脳内に痛いほど響く。その甲高い声に眉を顰めた瞬間──────目の前の草むらから豚の形をした二足歩行の生物が現れた。大きさは俺の腰くらいで、意外と小さい。武器代わりに棍棒を構えたその生物────オークは俺目掛けて突っ込んでくる。
知性の低い魔物だと聞いていたが····五匹とも俺に突っ込んでくるとは····。ノープランも良いところだ。
オーク程度なら、無職の特殊能力を使わなくても撃退出来そうだな。
「ウリエル、下がっててくれ」
「う、うん···!」
繋いだ手を離した俺はウリエルが後ろに下がったのを確認してから、突っ込んでくるオークを一匹短剣で薙ぎ払った。『ぶっふぅ!』と変な鳴き声を発して、薙ぎ払ったオークが淡い光に包まれる。スライムを倒した時と全く同じ儚くも美しい光だ。これって、魔物を倒した時に出る演出だよな···?てことは俺は軽く薙ぎ払っただけでオークを倒したのか····?え?それはさすがに強過ぎなんじゃ····?
『音羽のレベルは29。高レベル冒険者に数えられるほどのレベルと実力です。本来初心者専用のドゥンケルの森に居て良いレベルの人間ではありません。無職の特殊能力を使っていなくても、攻撃力は普通の人の倍はありますから。オーク程度の雑魚魔物相手なら、一発で倒せちゃいますよ』
呆れたような声色で俺のレベルと実力、それから攻撃力を解説するビアンカは『やれやれ』といった様子だ。声だけでもビアンカが俺に呆れているのはよく分かる。
なんか、ちょっとムカつくが丁寧に解説してくれたビアンカに文句を言うのは憚られる。それにビアンカが俺に呆れるのも仕方ない。だって、これは少し考えれば直ぐに分かるような事柄だからだ。
俺の中で『無職の特殊能力未使用=雑魚』と言う図式が勝手に組み込まれていたため、単純な攻撃力の高さを見落としていた。レベル差があることが絶対条件だが、雑魚相手なら特殊能力なしでも十分通じる。
きちんと──────戦える!
『剣筋は相変わらずですが、攻撃力の高さでごり押すことは可能です。相手は知性が低いオークですから』
剣筋が甘いことに関しては否定しねぇーよ。それは周知の事実だからな。剣術なんて習ったことない俺がいきなり短剣を上手に使いこなせるとは思ってなかったし····。
俺は次々と飛び掛ってくるミニブタ····じゃなくて!オークを適当に薙ぎ払う。そこに剣術なんてものは存在しなかった。自己流と言えば聞こえはいいが、まあ····素人が剣を振り回しているだけだな、これは。
剣術も後々誰かに教えてもらわないといけないな···さすがにこのままは不味い。
また一つ予定が増え、やることの多さに俺は息を吐き出した。
「ふぅ·····まあ、とりあえず───────これで終わりっと」
最後の一匹を柄頭を使って勢いよく殴りつけ、俺は戦闘を終えた。人を殴った時とはまた違う感触が手に残る。なんつーか····ぷにぷにしてたな。スライムとはまた違う感触だ。直接触った訳じゃないから細かいことは分からないが····とにかくぷにぷに····いや、ぷるぷる?してた。豚肉の脂身と似たようなプルプル感だ。
後ろを振り返った俺はドロップしたアイテムや肉を拾うウリエルを手伝うため、短剣を鞘に戻し、少し身を屈めた。
と、同時に─────────脳内で再び甲高い声が痛いほど響く。
『音羽っ!後ろっ·····!!』
ビアンカの言葉足らずな警告に、俺は言われるまま後ろを振り返った。
俺の黒目に映ったのは棍棒を振り上げた一匹のオークと大きなお月様。月の光が逆光となり、そのオークの顔は見えなかったが····何故だか泣いている気がした。
や、やばっ·····!!
これから先、ずっとあんな料理を食べなければならないのかと思うと、憂鬱で仕方なかった。元いた世界で食べた美味しい料理が食べたいなら、自分で作るしか無さそうだ。料理はそれなりに出来るし、明日から自炊生活でも·····。
─────────ぐぅぅぅううう。
どこからともなく腹が鳴る音が聞こえた。空腹を知らせる音は俺のものでは無い。大事なことなので、もう一度言おう。腹が鳴ったのは俺じゃない!
昼に手羽先をたらふく食べたため、俺は大してお腹が空いていなかった。
という事は、今の音は····。
「───────ウリエル、腹が減ってるのか?」
「っ····!!う、うん···。実は昨日の夜から何も食べてなくて····」
顔を俯かせ、恥ずかしそうに····でも、素直に白状するウリエルはキュッと俺の手を強く握った。小さな手から伝わってくる体温は高く、それだけでウリエルが恥ずかしがっているのが分かる。まだ幼いとは言え、ウリエルは女の子だ。腹の音を誰かに聞かれるのは恥ずかしいだろう。
空腹なのは恥ずかしい事じゃないが、女心は複雑だからな。腹の音については触れない方が良いだろう。
とりあえず、今は───────食料をどうやって調達するか考えないといけない。
空腹のまま放置する訳にはいかないからな。期間限定ではあるが、ウリエルの保護者として食料は確保してやりたい。
ウリエルを寝床に送ってから、俺だけ一旦街に戻るか?でも、ウリエルを一人にするのはなぁ···。もう日が暮れたとは言え、森の近くにまだ誰か残っているかもしれない。ウリエルを一人残して、街に行くのは危険だ。
だからと言って、ウリエルを連れて街へ戻るのは···。
魔族の娘だとバレるリスクもあるが、それ以上に小さい女の子をこれ以上歩かせるのは気が引ける。俺が抱っこする手もあるが····帰宅部の俺の筋力では無理があるんだよなぁ····。
はてさて、どうしたものか····。
『それなら、ドゥンケルの森でオーク狩りをすれば良いんじゃないですか?稀にオーク肉がドロップする筈ですよ』
オーク肉····?確かにオークは豚の形をした二足歩行の魔物だが····食べられるのか?食中毒とかになったりしないよな?
『オーク肉は食べられますよ。毒もありませんし、ドラゴン種なら生でもいける筈です。味は普通の豚肉と大差ないと聞いています』
生でもいけるのかよ····。
俺からすればオーク肉なんて得体の知れない食材だが、この世界では普通の食料として扱われているんだろう。ビアンカも食べても問題ないと言っているし···今日のところはオーク肉で我慢してもらうか。あまり気は進まないが····。
「ウリエル、今日はオーク肉で我慢してくれるか?」
「えっ!?いいの!?」
「あぁ、勿論だ。本当は街で買った料理を食べて欲しかったんだが····ちょっと、それは出来なくてな···ごめんな」
「ううん!私、オーク肉大好きだから嬉しい!」
オーク肉、大好きなのか····。なんか、ちょっと複雑だな。まあ、嫌いよりかはマシか。
繋いだ手を前後に揺らし、上機嫌で鼻歌を歌うウリエル。本当にオーク肉、大好きなんだな···。彼女の放つご機嫌オーラから、本当にオーク肉が大好きなのだと痛いほど伝わってきた。
ちょっと複雑な心境だが、まあ····ウリエルの機嫌が良いことに越したことはない。
ビアンカ、行き先変更だ。食料を調達しにドゥンケルの森へ向かうぞ。
『畏まりました』
◆◇◆◇
それから、数十分程かけて街道を歩いた俺達はお目当ての場所であるドゥンケルの森へと到着を果たしていた。
夜の帳が下りた森はひっそりとしていて、少し不気味だ。昨日の夜もここへ訪れたため、恐怖心は半減しているがそれでも恐怖が完全に無くなることはない。マジックバックから短剣を取り出した俺はウリエルを庇うように前に出て、夜の森を進んでいる。
ひんやりとした風が俺の頬を撫で、近くの木々をざわりと揺らした。
何か────────来る!
『前方からオークが五体来ます!戦闘態勢を整えてください!』
ビアンカの甲高い声が脳内に痛いほど響く。その甲高い声に眉を顰めた瞬間──────目の前の草むらから豚の形をした二足歩行の生物が現れた。大きさは俺の腰くらいで、意外と小さい。武器代わりに棍棒を構えたその生物────オークは俺目掛けて突っ込んでくる。
知性の低い魔物だと聞いていたが····五匹とも俺に突っ込んでくるとは····。ノープランも良いところだ。
オーク程度なら、無職の特殊能力を使わなくても撃退出来そうだな。
「ウリエル、下がっててくれ」
「う、うん···!」
繋いだ手を離した俺はウリエルが後ろに下がったのを確認してから、突っ込んでくるオークを一匹短剣で薙ぎ払った。『ぶっふぅ!』と変な鳴き声を発して、薙ぎ払ったオークが淡い光に包まれる。スライムを倒した時と全く同じ儚くも美しい光だ。これって、魔物を倒した時に出る演出だよな···?てことは俺は軽く薙ぎ払っただけでオークを倒したのか····?え?それはさすがに強過ぎなんじゃ····?
『音羽のレベルは29。高レベル冒険者に数えられるほどのレベルと実力です。本来初心者専用のドゥンケルの森に居て良いレベルの人間ではありません。無職の特殊能力を使っていなくても、攻撃力は普通の人の倍はありますから。オーク程度の雑魚魔物相手なら、一発で倒せちゃいますよ』
呆れたような声色で俺のレベルと実力、それから攻撃力を解説するビアンカは『やれやれ』といった様子だ。声だけでもビアンカが俺に呆れているのはよく分かる。
なんか、ちょっとムカつくが丁寧に解説してくれたビアンカに文句を言うのは憚られる。それにビアンカが俺に呆れるのも仕方ない。だって、これは少し考えれば直ぐに分かるような事柄だからだ。
俺の中で『無職の特殊能力未使用=雑魚』と言う図式が勝手に組み込まれていたため、単純な攻撃力の高さを見落としていた。レベル差があることが絶対条件だが、雑魚相手なら特殊能力なしでも十分通じる。
きちんと──────戦える!
『剣筋は相変わらずですが、攻撃力の高さでごり押すことは可能です。相手は知性が低いオークですから』
剣筋が甘いことに関しては否定しねぇーよ。それは周知の事実だからな。剣術なんて習ったことない俺がいきなり短剣を上手に使いこなせるとは思ってなかったし····。
俺は次々と飛び掛ってくるミニブタ····じゃなくて!オークを適当に薙ぎ払う。そこに剣術なんてものは存在しなかった。自己流と言えば聞こえはいいが、まあ····素人が剣を振り回しているだけだな、これは。
剣術も後々誰かに教えてもらわないといけないな···さすがにこのままは不味い。
また一つ予定が増え、やることの多さに俺は息を吐き出した。
「ふぅ·····まあ、とりあえず───────これで終わりっと」
最後の一匹を柄頭を使って勢いよく殴りつけ、俺は戦闘を終えた。人を殴った時とはまた違う感触が手に残る。なんつーか····ぷにぷにしてたな。スライムとはまた違う感触だ。直接触った訳じゃないから細かいことは分からないが····とにかくぷにぷに····いや、ぷるぷる?してた。豚肉の脂身と似たようなプルプル感だ。
後ろを振り返った俺はドロップしたアイテムや肉を拾うウリエルを手伝うため、短剣を鞘に戻し、少し身を屈めた。
と、同時に─────────脳内で再び甲高い声が痛いほど響く。
『音羽っ!後ろっ·····!!』
ビアンカの言葉足らずな警告に、俺は言われるまま後ろを振り返った。
俺の黒目に映ったのは棍棒を振り上げた一匹のオークと大きなお月様。月の光が逆光となり、そのオークの顔は見えなかったが····何故だか泣いている気がした。
や、やばっ·····!!
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