愚鈍な妹が氷の貴公子を激怒させた結果、破滅しました〜私の浮気をでっち上げて離婚させようとしたみたいですが、失敗に終わったようです〜

あーもんど

文字の大きさ
上 下
4 / 23
本編

馬鹿

しおりを挟む
私は、家族みんなでご飯を食べ始めると早速聞いた。
「今日、お祭りがあるんでしょ? どんなお祭りなの?」
横では、エレナとエレンが気まずそうにしている。
【あ~、主よ。 それ、本当に聞くのか?】
「うん、もちろん❗」
私がはっきりと頷くと、お父様が教えてくれた。
「今日のお祭りはな、昔、いたずらをしていたドラゴンを森の奥深くに追いやった記念の祭りだ。 そして、その勇者様が猫の服を着ていたことから子供にこのような服を着せるんだ」
私はそこまで聞き終わると、ふと首をかしげた。
「なら、なんで2人はきま… そうか、そういうことか」
私は、1人納得をするとエレナとエレンの顔を見た。
エレンは縦に頷くと、遠くを眺めて語りだした。
【あれは、この国が出来て100年ほどがたった頃だった…】



   ***

ハルノヒ王国が出来てから100年がたった頃、エレナとエレンは自分達の住む森から街を覗き見ていた。
【ねぇお兄ちゃん、あの人達が飲んでいるものはなんだろうね】
エレナは、人間たちが飲んでいるものを指さして言う。
【そうだな、あの様子から推測する限り、アールの実の果汁を集めたものでも飲んでいるのであろう】
アールの実、それは日本でいうお酒が木の実になったようなもので、食べると酔う木の実のことだ。
赤い木の実で、アルコールが多く含まれており、アルコールに強いエレナとエレンすらもほろ酔いにさせる木の実だ。
【ちょっと飲んでみたいかも】
エレナの一言により、二人は人の姿になって街のなかに出ていった。

お酒を飲み始めて暫くたった頃、アールの実をつまみに食べていたこともあり二人は酔っていた。
そして、ついにやってしまったのである。
しかも、エレナがだ。
気分がよくなってほんの少しだけお店の中で暴れてしまったのだ。
だが、ドラゴンでいうほんの少しだと人間でいうかなりになる。
そこへ運悪くたちよった猫の着ぐるみ姿の勇者は、お店の人に頼まれてエレナをとめるように言われたのだ。
「ちょっとそこの人、落ち着きなさい」
そんなことでとまるはずもなく、エレナは勇者に絡み始めた。
【そこの君~、飲み足りないんじゃないの~?】
「あ~、そういうの良いんで、ちょっと外に出ましょうか」
勇者は、塩対応で返すと、ぐいぐいとエレナの背中を押して外に出した。
一方エレンの方はというと、まだのんきに飲んでいた。
だが、さすがにヤバイと思い始めた頃で勇者が来たので、エレナは勇者に任せることにしてお会計を済ませていた。
このお金は、遠い昔に街へ出るとき用としてサーヤ様がくれたものだ。
しおりを挟む
感想 113

あなたにおすすめの小説

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。

人生の全てを捨てた王太子妃

八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。 傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。 だけど本当は・・・ 受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。 ※※※幸せな話とは言い難いです※※※ タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。 ※本編六話+番外編六話の全十二話。 ※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました

珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。 一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。 更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい

恋愛
婚約者には初恋の人がいる。 王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。 待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。 婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。 従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。 ※なろうさんにも公開しています。 ※短編→長編に変更しました(2023.7.19)

【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前

地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。 あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。 私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。 アリシア・ブルームの復讐が始まる。

もう、今更です

ねむたん
恋愛
伯爵令嬢セリーヌ・ド・リヴィエールは、公爵家長男アラン・ド・モントレイユと婚約していたが、成長するにつれて彼の態度は冷たくなり、次第に孤独を感じるようになる。学園生活ではアランが王子フェリクスに付き従い、王子の「真実の愛」とされるリリア・エヴァレットを囲む騒動が広がり、セリーヌはさらに心を痛める。 やがて、リヴィエール伯爵家はアランの態度に業を煮やし、婚約解消を申し出る。

婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。

待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。 妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。 ……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。 けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します! 自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。

処理中です...