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演奏
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────カーティスの案内で屋敷に帰還した私達は、一先ず休息を取る。
目まぐるしい一日だったため、肉体的にも精神的にも疲れており、仕事や勉強に打ち込める状態じゃなかったのだ。
なので二日ほどたっぷり休み、英気を養った。
そのおかげか体調を崩さずに済み、皆すっかり元気になっている。
今日からシルバーの事情聴取を始めると聞いたけど、仲良くやっているかな?
また殺伐とした雰囲気にならないといいけど。
珍しく大激怒していたカーティスのことを思い出し、私は少し心配になる。
でも、結界の件は大公領にとって凄く重要なことなので、無闇に口出し出来なかった。
「────えっと……先日は弟がご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。改めまして、シルバーの姉のヴァイオレット・ラルジャン・ブラッドです。気軽にヴァイオレットとお呼びください」
優雅な所作でドレスのスカート部分をつまみ上げ、お辞儀する彼女はそっとこちらの顔色を窺う。
華やかな外見と違って内気なのか、随分と腰が低かった。
もっと堂々としていて、いいと思うけど。
女性体の吸血鬼って、皆こんな感じなのかな?
「私はティターニア。よろしく、ヴァイオレット」
「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
物怖じせず話す私を見て、ヴァイオレットは僅かに目を見開くものの、何とか取り繕う。
でも、オドオドした態度は相変わらずだった。
『そんなに怯えなくてもいいんだけどな』と思いつつ、私は新しく与えられた部屋を見回す。
音楽を習うためだけに用意されたこの空間にはソファとテーブル、それから先程決めたばかりの楽器しかなかった。
マーサから貰った楽譜をじっと眺める私は、ふと顔を上げる。
「ねぇ、ヴァイオレットって────ピアノ、弾ける?」
部屋の隅に立つヴァイオレットを見つめ、私はそう問い掛けた。
すると、彼女は動揺を露わにするかのようにビクッと肩を震わせる。
「えっ?あっ、はい。一応、弾けます」
「じゃあ、これ弾いて」
楽譜を差し出し、『お手本を見せて欲しい』と強請ると、ヴァイオレットは固まった。
楽譜と私の顔を交互に見つめ、数秒ほど沈黙する。
そして状況を把握すると、慌てて口を開いた。
「わ、私はもう何年もピアノを弾いてませんし、他の方に頼んだ方が……」
「私はヴァイオレットの演奏を聞きたいの。もちろん、無理強いはしないけど……出来れば、弾いてほしい」
譲歩する姿勢を見せつつも再度お願いする私に、ヴァイオレットは悩むような動作を見せる。
────が、直ぐに結論を出し、こちらに向き直った。
「分かりました。ご期待に添えるかどうか自信はありませんが、精いっぱい頑張ります」
覚悟を決めたような面持ちで了承の意を示し、ヴァイオレットはこちらへ近づく。
不安と緊張の入り交じった雰囲気を放ちながら楽譜を受け取り、椅子に座った。
ゴクリと喉を鳴らす彼女はおもむろにピアノの蓋を開け、楽譜をセットする。
そして、気持ちを切り替えるかのように『ふぅ……』と息を吐き、鍵盤に手を置いた。
「では、始めます」
その言葉を合図に、ヴァイオレットは軽やかな手つきで鍵盤を叩く。
まるで撫でるように指先を滑らせ、しなやかに音を奏でた。
猫のように優雅で繊麗な音楽に、私はもちろん……マーサも目を剥く。
「まあ……!」
思わずといった様子で感嘆の声を漏らすマーサは、慌てて口元を押さえる。
『せっかくの演奏を邪魔しちゃいけない』とでも言うように。
ヴァイオレットの演奏って、なんていうか凄く上品だな。大人の女性って、感じ。
マーサの奏でる、穏やかな音楽とはまた違う魅力がある。
などと思っている間に演奏が終わり、私達は手を叩いて称賛した。
『素晴らしい演奏だった』と口々に褒め称える中────突然、部屋の扉が開け放たれる。
「あ”ぁ?もう終わっちまったのか?せっかく、急いで来たのによぉ」
そう言って、ズカズカと部屋に上がり込んできたのは────シルバーだった。
声色に落胆を滲ませる彼は、『久々に姉貴の演奏を聞けると思ったんだが』と零す。
残念そうに肩を竦める彼の前で、ヴァイオレットは掛け時計へ視線を移した。
かと思えば、怪訝そうに顔を顰める。
「ちょっと、シルバー。事情聴取はどうしたの?お昼休憩には、まだ早い時間よね?」
「えーっと、それはな……」
「まさか、抜け出してきた訳じゃありませんよね?」
「あー……まあ、その……」
ヴァイオレットとマーサの二人掛かりで問い詰められ、シルバーは冷や汗を流す。
図星を突かれて気まずいのか、それとも嘘をつけない性格なのか……ひたすら言葉を濁すだけだった。
煮え切らない態度を取るシルバーに対し、ついにヴァイオレットが痺れを切らす。
そして、勢いよく立ち上がった瞬間────コンコンッと部屋の扉を叩かれた。
「お取り込み中申し訳ないけど、シルバーを返して貰えるかな?まだ事情聴取の途中なんだ」
開け放たれたままの扉からひょっこり顔を出し、手を差し出したのは────他の誰でもないカーティスだった。
取って付けたような笑みを顔を貼り付ける彼は、シルバーに『早く戻るよ』と声を掛ける。
どことなく圧を感じる声色に、シルバーはビクッと肩を震わせた。
「シルバーったら、やっぱり抜け出してきたのね!」
カーティスの発言とシルバーの反応を見て、脱出を確信したヴァイオレットは憤慨する。
大人しく事情聴取を受ける約束だったでしょう、と。
「ピアノの音色が聞こえた途端、部屋を飛び出していったんだよ。余程、君の演奏が聞きたかったみたいだね」
「まあ……それは申し訳ございません。シルバーには、後でよく言い聞かせておきます」
カーティスの説明を受けて嘆息するヴァイオレットは、そっと眉尻を下げた。
『これで更に罰が重くなったらどうしよう』と悩む彼女の横で、私は口を開く。
「カーティス、あまり二人を責めないで。元はと言えば、ヴァイオレットの演奏を聞きたいって駄々を捏ねた私のせいだから」
『事の発端は自分だ』と明かし、何とかカーティスを宥めようとした。
すると、彼は僅かに雰囲気を和らげ、いつものように笑う。
「分かったよ。今回はティターニアに免じて、責任を問わないことにする。ただし、これだけは覚えておいて────」
そこで一度言葉を切ると、カーティスは部屋の中へ足を踏み入れ、私の前までやって来た。
かと思えば、その場で跪き、私の手をそっと包み込む。
そして、優しく頭を撫でてくれた。
「────ティターニアは何も悪くないよ。悪いのは自制心の効かないシルバーだけ。分かった?」
『全部自分のせいだと思うのは君の悪い癖だよ』と、カーティスは注意する。
『もっと傲慢になってもいいんだ』と述べる彼を前に、私は小さく頷いた。
「分かった」
「いや、待て!直ぐに納得すんな!そいつの言い分は確かに正しいけど、なんか釈然としない!」
『もうちょい躊躇え!』と主張するシルバーは、私の肩を軽く揺さぶる。
────が、しかし……直ぐに引き剥がされ、カーティスに首根っこを掴まれた。
『ぐぇ……!』と蛙のような声を出しながら後ろに倒れ、そのままズルズルと引きずられていく。
不老不死の吸血鬼だからか、カーティスは容赦しなかった。
「それじゃあ、練習頑張ってね」
『またお昼に会おう』と言い残し、カーティスはシルバーと共にこの場を立ち去る。
パタンと閉まる扉を一瞥し、私はピアノに視線を戻した。
とりあえず、練習しよう。
私も早く、マーサやヴァイオレットみたいに上手くなりたいから。
目まぐるしい一日だったため、肉体的にも精神的にも疲れており、仕事や勉強に打ち込める状態じゃなかったのだ。
なので二日ほどたっぷり休み、英気を養った。
そのおかげか体調を崩さずに済み、皆すっかり元気になっている。
今日からシルバーの事情聴取を始めると聞いたけど、仲良くやっているかな?
また殺伐とした雰囲気にならないといいけど。
珍しく大激怒していたカーティスのことを思い出し、私は少し心配になる。
でも、結界の件は大公領にとって凄く重要なことなので、無闇に口出し出来なかった。
「────えっと……先日は弟がご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。改めまして、シルバーの姉のヴァイオレット・ラルジャン・ブラッドです。気軽にヴァイオレットとお呼びください」
優雅な所作でドレスのスカート部分をつまみ上げ、お辞儀する彼女はそっとこちらの顔色を窺う。
華やかな外見と違って内気なのか、随分と腰が低かった。
もっと堂々としていて、いいと思うけど。
女性体の吸血鬼って、皆こんな感じなのかな?
「私はティターニア。よろしく、ヴァイオレット」
「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
物怖じせず話す私を見て、ヴァイオレットは僅かに目を見開くものの、何とか取り繕う。
でも、オドオドした態度は相変わらずだった。
『そんなに怯えなくてもいいんだけどな』と思いつつ、私は新しく与えられた部屋を見回す。
音楽を習うためだけに用意されたこの空間にはソファとテーブル、それから先程決めたばかりの楽器しかなかった。
マーサから貰った楽譜をじっと眺める私は、ふと顔を上げる。
「ねぇ、ヴァイオレットって────ピアノ、弾ける?」
部屋の隅に立つヴァイオレットを見つめ、私はそう問い掛けた。
すると、彼女は動揺を露わにするかのようにビクッと肩を震わせる。
「えっ?あっ、はい。一応、弾けます」
「じゃあ、これ弾いて」
楽譜を差し出し、『お手本を見せて欲しい』と強請ると、ヴァイオレットは固まった。
楽譜と私の顔を交互に見つめ、数秒ほど沈黙する。
そして状況を把握すると、慌てて口を開いた。
「わ、私はもう何年もピアノを弾いてませんし、他の方に頼んだ方が……」
「私はヴァイオレットの演奏を聞きたいの。もちろん、無理強いはしないけど……出来れば、弾いてほしい」
譲歩する姿勢を見せつつも再度お願いする私に、ヴァイオレットは悩むような動作を見せる。
────が、直ぐに結論を出し、こちらに向き直った。
「分かりました。ご期待に添えるかどうか自信はありませんが、精いっぱい頑張ります」
覚悟を決めたような面持ちで了承の意を示し、ヴァイオレットはこちらへ近づく。
不安と緊張の入り交じった雰囲気を放ちながら楽譜を受け取り、椅子に座った。
ゴクリと喉を鳴らす彼女はおもむろにピアノの蓋を開け、楽譜をセットする。
そして、気持ちを切り替えるかのように『ふぅ……』と息を吐き、鍵盤に手を置いた。
「では、始めます」
その言葉を合図に、ヴァイオレットは軽やかな手つきで鍵盤を叩く。
まるで撫でるように指先を滑らせ、しなやかに音を奏でた。
猫のように優雅で繊麗な音楽に、私はもちろん……マーサも目を剥く。
「まあ……!」
思わずといった様子で感嘆の声を漏らすマーサは、慌てて口元を押さえる。
『せっかくの演奏を邪魔しちゃいけない』とでも言うように。
ヴァイオレットの演奏って、なんていうか凄く上品だな。大人の女性って、感じ。
マーサの奏でる、穏やかな音楽とはまた違う魅力がある。
などと思っている間に演奏が終わり、私達は手を叩いて称賛した。
『素晴らしい演奏だった』と口々に褒め称える中────突然、部屋の扉が開け放たれる。
「あ”ぁ?もう終わっちまったのか?せっかく、急いで来たのによぉ」
そう言って、ズカズカと部屋に上がり込んできたのは────シルバーだった。
声色に落胆を滲ませる彼は、『久々に姉貴の演奏を聞けると思ったんだが』と零す。
残念そうに肩を竦める彼の前で、ヴァイオレットは掛け時計へ視線を移した。
かと思えば、怪訝そうに顔を顰める。
「ちょっと、シルバー。事情聴取はどうしたの?お昼休憩には、まだ早い時間よね?」
「えーっと、それはな……」
「まさか、抜け出してきた訳じゃありませんよね?」
「あー……まあ、その……」
ヴァイオレットとマーサの二人掛かりで問い詰められ、シルバーは冷や汗を流す。
図星を突かれて気まずいのか、それとも嘘をつけない性格なのか……ひたすら言葉を濁すだけだった。
煮え切らない態度を取るシルバーに対し、ついにヴァイオレットが痺れを切らす。
そして、勢いよく立ち上がった瞬間────コンコンッと部屋の扉を叩かれた。
「お取り込み中申し訳ないけど、シルバーを返して貰えるかな?まだ事情聴取の途中なんだ」
開け放たれたままの扉からひょっこり顔を出し、手を差し出したのは────他の誰でもないカーティスだった。
取って付けたような笑みを顔を貼り付ける彼は、シルバーに『早く戻るよ』と声を掛ける。
どことなく圧を感じる声色に、シルバーはビクッと肩を震わせた。
「シルバーったら、やっぱり抜け出してきたのね!」
カーティスの発言とシルバーの反応を見て、脱出を確信したヴァイオレットは憤慨する。
大人しく事情聴取を受ける約束だったでしょう、と。
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カーティスの説明を受けて嘆息するヴァイオレットは、そっと眉尻を下げた。
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『事の発端は自分だ』と明かし、何とかカーティスを宥めようとした。
すると、彼は僅かに雰囲気を和らげ、いつものように笑う。
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そこで一度言葉を切ると、カーティスは部屋の中へ足を踏み入れ、私の前までやって来た。
かと思えば、その場で跪き、私の手をそっと包み込む。
そして、優しく頭を撫でてくれた。
「────ティターニアは何も悪くないよ。悪いのは自制心の効かないシルバーだけ。分かった?」
『全部自分のせいだと思うのは君の悪い癖だよ』と、カーティスは注意する。
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「いや、待て!直ぐに納得すんな!そいつの言い分は確かに正しいけど、なんか釈然としない!」
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────が、しかし……直ぐに引き剥がされ、カーティスに首根っこを掴まれた。
『ぐぇ……!』と蛙のような声を出しながら後ろに倒れ、そのままズルズルと引きずられていく。
不老不死の吸血鬼だからか、カーティスは容赦しなかった。
「それじゃあ、練習頑張ってね」
『またお昼に会おう』と言い残し、カーティスはシルバーと共にこの場を立ち去る。
パタンと閉まる扉を一瞥し、私はピアノに視線を戻した。
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