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かくれんぼ
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「それにしても、結界を破られた原因は一体何なんでしょうね」
至極当然の疑問を呈するマーサは、悩ましげに眉を顰める。
『気味が悪い』と言わんばかりの態度を見せる彼女に対し、先頭を歩くカーティスは苦笑いした。
「それは僕が一番知りたいね」
「あら、旦那様ご自身も分かっていないのですか?」
「ああ、実はあんまり……何の前触れもなく、突然結界を解除されたものだから事態の把握が追いついてないんだ」
驚いたように目を見開くマーサに、カーティスは『不甲斐ない主君でごめんね』と謝る。
「しかも、今回の結界解除はなんとも不可解でね……何者かの攻撃を受けて破られたのではなく────効果を打ち消されたんだ」
『無効化みたいなものかな』と説明し、カーティスはおもむろに顎を撫でた。
恐らく、彼自身も今回の騒動に戸惑いを覚えているのだろう。
『破られた』とか、『打ち消された』とか言われてもいまいちピンと来ないけど────要するに、結界を破壊するのではなく、結界そのものを消したってことでしょう?
身近のものに置き換えてカーティスの説明を理解しようとする私は、チラリと窓の外を見る。
『せめてノックくらいすればいいのに……』と見当違いなことを考える中、執務室に到着した。
そこでようやく腰を落ち着けた私達は、各々好きなように過ごす。
というのも、特にやることがなかったから。
まあ、カーティスは結界解除の原因を探っているようだけど……。
「奥様、少し退屈かもしれませんが、安全を確認出来るまでここに居てくださいね」
「うん、分かった」
来客用のソファに腰を下ろし、精霊達と戯れる私はマーサの言葉に一つ頷く。
すると、マーサは『良い子ですね』と笑いながら紅茶を用意してくれた。ついでにお菓子も。
「旦那様も良ければ、どうぞ」
トレイ片手に執務机へ近づくマーサは、淹れたての紅茶とクッキーを並べた。
と同時に、カーティスが顔を上げる。
「ああ、ありがとう。頂くよ」
「なら、皆で食べようよ。せっかく一緒に居るのに、別々に過ごすのは寂しい」
紅茶に手を伸ばすカーティスを引き止め、私は『こっちに来て』と催促した。
ペシペシと自分の隣を手で叩き、黄金の瞳を見つめると、カーティスはおもむろに席を立つ。
その手には、先程マーサから貰った紅茶とクッキーがあった。
「そうだね。皆で食べようか」
そう言って、柔らかく微笑むカーティスは私の目を見つめ返す。
そして、隣の席に腰を下ろすと、手に持った紅茶やクッキーをテーブルに置いた。
「ほら、君達も席について。ここには礼節にうるさいクロウも居ないし、無礼講で行こう」
カーティスは壁際に控えるマーサや物陰に隠れる精霊達を呼び寄せ、同席するよう指示する。
『非常事態なんだから、これくらい許されるだろう』と述べる彼に対し、マーサは小さく肩を竦めた。
かと思えば、向かい側のソファに腰を下ろす。
それに続く形で精霊達も各々好きな場所に座った……いや、乗ったと言った方が正しいかもしれない。
「ティターニアは本当に精霊にモテモテだね」
感心したようにそう呟くカーティスは、精霊まみれになっている私を横から見下ろす。
膝や肩はもちろん、頭や腕にまで精霊が乗っているため、衝撃を受けているようだ。
「マーサからの報告で好かれているのは知っていたけど、まさかここまでとは」
まじまじとこちらを見つめるカーティスは、『いつも近づいたら逃げていくのに』と零す。
どうやら、精霊達は領主のカーティスに対しても警戒心を働かせていたようだ。
『凄くいい吸血鬼なのに』と思いつつ、私はクッキーを手に取る。
いつものやつより少し硬いソレを手で割り、私は精霊達に分け与えた。
本当はご飯を与える必要なんてないみたいだけど、食べられるなら食べてほしい。
皆で『美味しい』を共有したいから。
クッキーの欠片をスッと体内に吸い込む精霊達を眺め、私は紅茶を飲む。
すると、向かい側に腰掛けるマーサが身を乗り出してきた。
『奥様もどうぞ』と言って差し出されたクッキーを口に含み、私は礼を言う。
それから間もなくして、ティータイムは終わりを迎えた。
作業に戻っていくカーティスを見送り、私はマーサ達と共に遊び始める。
と言っても、屋内なので出来ることは限られているが……。
『また裏庭で遊びたいな』と思いつつ、私はお絵描きに興じた。
────というのが、今からちょうど一週間前。
私達は侵入者を警戒して執務室に滞在していたが、結局何も起こらなかった。
調査に出掛けたクロウからも被害や侵入者に関する報告はなく、一旦警戒態勢を解くことに。
結界解除の原因は引き続き調べるようだが、カーティスもクロウもほぼお手上げ状態と聞く。
やはり、結界を破壊ではなく無効化されたのが難点らしい。
もはや、カーティスが無意識に結界を解除したと言った方が納得出来るレベルのようだった。
分からないなら、分からないで放置しちゃえばいいのに。
まあ、領民の安全が掛かっている以上、そうもいかないんだろうけど。
今後の対策について考えるカーティス達を思い浮かべ、私は『無理してないといいな』と心配する。
────と、ここで顔面に何か当たった。
『んむっ……』と変な声を出す私は、現実に意識を引き戻す。
すると、目の前に風の精霊の姿があった。
どうやら、見つかってしまったらしい。
「ここなら、バレないと思ったんだけどな」
『残念』と言って茂みの後ろから姿を現す私は、裏庭の中央へ向かった。
光源のことを気にしているのか、風の精霊が途中まで送ってくれる。
それに礼を言い、私は近くのベンチに腰掛けた。
集合場所には、まだ私しか居ないのか。
皆、隠れるの上手いな。
警戒態勢が解除され、いつも通りの日常に戻った私はマーサや精霊達と共にかくれんぼを楽しんでいる。
まあ、開始早々に見つかってしまった訳だが……。
「でも、外で遊ぶのはやっぱり楽しい」
鼻の奥がツンとするような秋の空気を吸い込み、私は僅かに目を細める。
そして久々の外を満喫していると、突然強風が吹いた。
反射的に目を瞑る私は、脱げそうになるフードを何とか掴む。
「────へぇー?こいつが今回の生贄か。なかなか美味そうだな」
聞き覚えのない声が鼓膜を揺らし、私は『誰?』と首を傾げた。
『カーティスの知り合いだろうか』と思いながら、薄目を開ける。
強風のせいで乾く目を動かし、視認したのは────一人の男性だった。
短く切り揃えられた銀髪を風に靡かせ、私の前に立つ彼はニヤリと笑っている。
────牙のように鋭い八重歯を口の端から覗かせて。
この人、もしかして吸血鬼?
と予想する中、彼は紫色の瞳を愉快げに細めた。
かと思えば、白い腕をこちらに伸ばし、私の首を掴む。
「よし、場所を変えるぞ。ここだと、ゆっくり話せねぇーからな」
そういうが早いか、銀髪の吸血鬼は私達の周囲をグルグル回る形で風を巻き起こした。
刹那────地面が盛り上がり、私の足を沈めた。
まるで、『行かせない』とでも言うように。
「────今すぐ、奥様から離れてください!さもなくば、腸を切り裂きます!」
そう言って、こちらへ駆け寄ってきたのはマーサだった。
鋭い目付きで銀髪の吸血鬼を睨みつけ、殺気立つ彼女は今にも理性を失いそうである。
あそこまで怒っているマーサを見たのは、初めてかも。
危機感の薄い私は状況も忘れて、額に青筋を立てるマーサをまじまじと見つめた。
『本当に凄く怒っている』と再認識する中、銀髪の吸血鬼が地面を踏みつける。
その途端、私の足を固定していた地面が割れた。
「このガキ、“大地の母”まで味方につけてんのか。余計気に入った」
『くくくっ!』と低く喉を鳴らす銀髪の吸血鬼は、更に風力を上げる。
あまりの風圧に、私は耐えられなくなり目を閉じた。
次の瞬間────体が宙に浮く。
「そんじゃ、こいつは連れていくぜ」
「待ちなさい!」
銀髪の吸血鬼とマーサの会話を最後に、風はより一層強くなった。
周りの音も聞き取れなくなるほどに。
でも、それはほんの一瞬で直ぐに終わった。
風が止んだ?
肌に触れる空気が柔らかくなったのを、敏感に感じ取った私はゆっくりと目を開ける。
すると、そこには────見覚えのない木々と美しい湖があった。
屋敷の裏庭とは明らかに違う景色に、私は戸惑いを覚える。
『なにこれ?』と困惑しながら周囲を見回すものの……ここがどこなのか、皆目見当もつかない。
ただ一つ確かなのはここが屋敷の外であり、大公領の中ということだ。
至極当然の疑問を呈するマーサは、悩ましげに眉を顰める。
『気味が悪い』と言わんばかりの態度を見せる彼女に対し、先頭を歩くカーティスは苦笑いした。
「それは僕が一番知りたいね」
「あら、旦那様ご自身も分かっていないのですか?」
「ああ、実はあんまり……何の前触れもなく、突然結界を解除されたものだから事態の把握が追いついてないんだ」
驚いたように目を見開くマーサに、カーティスは『不甲斐ない主君でごめんね』と謝る。
「しかも、今回の結界解除はなんとも不可解でね……何者かの攻撃を受けて破られたのではなく────効果を打ち消されたんだ」
『無効化みたいなものかな』と説明し、カーティスはおもむろに顎を撫でた。
恐らく、彼自身も今回の騒動に戸惑いを覚えているのだろう。
『破られた』とか、『打ち消された』とか言われてもいまいちピンと来ないけど────要するに、結界を破壊するのではなく、結界そのものを消したってことでしょう?
身近のものに置き換えてカーティスの説明を理解しようとする私は、チラリと窓の外を見る。
『せめてノックくらいすればいいのに……』と見当違いなことを考える中、執務室に到着した。
そこでようやく腰を落ち着けた私達は、各々好きなように過ごす。
というのも、特にやることがなかったから。
まあ、カーティスは結界解除の原因を探っているようだけど……。
「奥様、少し退屈かもしれませんが、安全を確認出来るまでここに居てくださいね」
「うん、分かった」
来客用のソファに腰を下ろし、精霊達と戯れる私はマーサの言葉に一つ頷く。
すると、マーサは『良い子ですね』と笑いながら紅茶を用意してくれた。ついでにお菓子も。
「旦那様も良ければ、どうぞ」
トレイ片手に執務机へ近づくマーサは、淹れたての紅茶とクッキーを並べた。
と同時に、カーティスが顔を上げる。
「ああ、ありがとう。頂くよ」
「なら、皆で食べようよ。せっかく一緒に居るのに、別々に過ごすのは寂しい」
紅茶に手を伸ばすカーティスを引き止め、私は『こっちに来て』と催促した。
ペシペシと自分の隣を手で叩き、黄金の瞳を見つめると、カーティスはおもむろに席を立つ。
その手には、先程マーサから貰った紅茶とクッキーがあった。
「そうだね。皆で食べようか」
そう言って、柔らかく微笑むカーティスは私の目を見つめ返す。
そして、隣の席に腰を下ろすと、手に持った紅茶やクッキーをテーブルに置いた。
「ほら、君達も席について。ここには礼節にうるさいクロウも居ないし、無礼講で行こう」
カーティスは壁際に控えるマーサや物陰に隠れる精霊達を呼び寄せ、同席するよう指示する。
『非常事態なんだから、これくらい許されるだろう』と述べる彼に対し、マーサは小さく肩を竦めた。
かと思えば、向かい側のソファに腰を下ろす。
それに続く形で精霊達も各々好きな場所に座った……いや、乗ったと言った方が正しいかもしれない。
「ティターニアは本当に精霊にモテモテだね」
感心したようにそう呟くカーティスは、精霊まみれになっている私を横から見下ろす。
膝や肩はもちろん、頭や腕にまで精霊が乗っているため、衝撃を受けているようだ。
「マーサからの報告で好かれているのは知っていたけど、まさかここまでとは」
まじまじとこちらを見つめるカーティスは、『いつも近づいたら逃げていくのに』と零す。
どうやら、精霊達は領主のカーティスに対しても警戒心を働かせていたようだ。
『凄くいい吸血鬼なのに』と思いつつ、私はクッキーを手に取る。
いつものやつより少し硬いソレを手で割り、私は精霊達に分け与えた。
本当はご飯を与える必要なんてないみたいだけど、食べられるなら食べてほしい。
皆で『美味しい』を共有したいから。
クッキーの欠片をスッと体内に吸い込む精霊達を眺め、私は紅茶を飲む。
すると、向かい側に腰掛けるマーサが身を乗り出してきた。
『奥様もどうぞ』と言って差し出されたクッキーを口に含み、私は礼を言う。
それから間もなくして、ティータイムは終わりを迎えた。
作業に戻っていくカーティスを見送り、私はマーサ達と共に遊び始める。
と言っても、屋内なので出来ることは限られているが……。
『また裏庭で遊びたいな』と思いつつ、私はお絵描きに興じた。
────というのが、今からちょうど一週間前。
私達は侵入者を警戒して執務室に滞在していたが、結局何も起こらなかった。
調査に出掛けたクロウからも被害や侵入者に関する報告はなく、一旦警戒態勢を解くことに。
結界解除の原因は引き続き調べるようだが、カーティスもクロウもほぼお手上げ状態と聞く。
やはり、結界を破壊ではなく無効化されたのが難点らしい。
もはや、カーティスが無意識に結界を解除したと言った方が納得出来るレベルのようだった。
分からないなら、分からないで放置しちゃえばいいのに。
まあ、領民の安全が掛かっている以上、そうもいかないんだろうけど。
今後の対策について考えるカーティス達を思い浮かべ、私は『無理してないといいな』と心配する。
────と、ここで顔面に何か当たった。
『んむっ……』と変な声を出す私は、現実に意識を引き戻す。
すると、目の前に風の精霊の姿があった。
どうやら、見つかってしまったらしい。
「ここなら、バレないと思ったんだけどな」
『残念』と言って茂みの後ろから姿を現す私は、裏庭の中央へ向かった。
光源のことを気にしているのか、風の精霊が途中まで送ってくれる。
それに礼を言い、私は近くのベンチに腰掛けた。
集合場所には、まだ私しか居ないのか。
皆、隠れるの上手いな。
警戒態勢が解除され、いつも通りの日常に戻った私はマーサや精霊達と共にかくれんぼを楽しんでいる。
まあ、開始早々に見つかってしまった訳だが……。
「でも、外で遊ぶのはやっぱり楽しい」
鼻の奥がツンとするような秋の空気を吸い込み、私は僅かに目を細める。
そして久々の外を満喫していると、突然強風が吹いた。
反射的に目を瞑る私は、脱げそうになるフードを何とか掴む。
「────へぇー?こいつが今回の生贄か。なかなか美味そうだな」
聞き覚えのない声が鼓膜を揺らし、私は『誰?』と首を傾げた。
『カーティスの知り合いだろうか』と思いながら、薄目を開ける。
強風のせいで乾く目を動かし、視認したのは────一人の男性だった。
短く切り揃えられた銀髪を風に靡かせ、私の前に立つ彼はニヤリと笑っている。
────牙のように鋭い八重歯を口の端から覗かせて。
この人、もしかして吸血鬼?
と予想する中、彼は紫色の瞳を愉快げに細めた。
かと思えば、白い腕をこちらに伸ばし、私の首を掴む。
「よし、場所を変えるぞ。ここだと、ゆっくり話せねぇーからな」
そういうが早いか、銀髪の吸血鬼は私達の周囲をグルグル回る形で風を巻き起こした。
刹那────地面が盛り上がり、私の足を沈めた。
まるで、『行かせない』とでも言うように。
「────今すぐ、奥様から離れてください!さもなくば、腸を切り裂きます!」
そう言って、こちらへ駆け寄ってきたのはマーサだった。
鋭い目付きで銀髪の吸血鬼を睨みつけ、殺気立つ彼女は今にも理性を失いそうである。
あそこまで怒っているマーサを見たのは、初めてかも。
危機感の薄い私は状況も忘れて、額に青筋を立てるマーサをまじまじと見つめた。
『本当に凄く怒っている』と再認識する中、銀髪の吸血鬼が地面を踏みつける。
その途端、私の足を固定していた地面が割れた。
「このガキ、“大地の母”まで味方につけてんのか。余計気に入った」
『くくくっ!』と低く喉を鳴らす銀髪の吸血鬼は、更に風力を上げる。
あまりの風圧に、私は耐えられなくなり目を閉じた。
次の瞬間────体が宙に浮く。
「そんじゃ、こいつは連れていくぜ」
「待ちなさい!」
銀髪の吸血鬼とマーサの会話を最後に、風はより一層強くなった。
周りの音も聞き取れなくなるほどに。
でも、それはほんの一瞬で直ぐに終わった。
風が止んだ?
肌に触れる空気が柔らかくなったのを、敏感に感じ取った私はゆっくりと目を開ける。
すると、そこには────見覚えのない木々と美しい湖があった。
屋敷の裏庭とは明らかに違う景色に、私は戸惑いを覚える。
『なにこれ?』と困惑しながら周囲を見回すものの……ここがどこなのか、皆目見当もつかない。
ただ一つ確かなのはここが屋敷の外であり、大公領の中ということだ。
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