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第二章
侵入者の正体①
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う、嘘……イージス卿はサンクチュエール騎士団の中でも、上位に食い込む実力者なのに。
『相手は一体、何者なのか』と不安になり、私はバハルを抱っこして立ち上がる。
ローブ姿の人間が侵入というシチュエーションに、どうにも既視感を覚えてしまって。
動揺のあまりゆらゆらと瞳を揺らす中、ルカがこちらを向いた。
「安心しろ、あいつは────もう一人の協力者だ。本当はもう少ししてからグランツ経由で会わせる筈だったんが、待ち切れなかったみたいでな」
やれやれと頭を振り、ルカは目元に手を当てる。
『これまでは見向きもしなかったくせに』と毒づく彼の前で、ローブ姿の人物はこちらを見た。
「四季を司りし天の恵みが現れたと聞いて、じっとしていられる訳ないだろう」
ルカ経由で仕入れたと思われる情報を口にし、その人物はフードを取り払った。
と同時に、私は思わず息を呑む。
だって、この世のものとは思えないくらい美しかったから。
神々しいとすら感じる黄金の瞳に、腰まである緑の髪……また、肌は雪のように白く涼し気な印象を持たせる。
中でも、一番目を引くのは少し先の尖った耳だろう。
『あれって、確か異種族の……』と思案する中、緑髪の美男子は一歩前へ進む────が、
「ベアトリスお嬢様に近づかないでください!公爵様がお怒りになります!」
イージス卿に行く手を阻まれた。
『今度はちゃんと斬ります!』と宣言する彼に対し、緑髪の美男子は小さく息を吐く。
「人間にしてはやる方みたいだが、私には勝てぬだろう。諦めろ」
「お断りします!第一、俺だけで対抗するとは一言も言ってませんよ!」
その言葉を合図に、窓や扉からゾロゾロと騎士が現れた。
屋敷の警備として残された彼らは、全員剣を構えて殺気立つ。
「お嬢様に少しでも傷をつけてみろ、首が飛ぶぞ!」
「お前だけじゃなく、俺達の分もな!」
「冗談に聞こえねぇーな、それ」
騎士達の発言を受けて苦笑いするルカは、『公爵様なら、やりかねない』と肩を竦める。
────と、ここでバハルが僅かに身を乗り出した。
「待ってちょうだい。その者は私の客よ。剣を収めてもらえないかしら?」
「!?」
バハルがまさか彼を庇うとは思ってなかったため、私は大きく目を見開いた。
『相手は一体、何者なのか』と不安になり、私はバハルを抱っこして立ち上がる。
ローブ姿の人間が侵入というシチュエーションに、どうにも既視感を覚えてしまって。
動揺のあまりゆらゆらと瞳を揺らす中、ルカがこちらを向いた。
「安心しろ、あいつは────もう一人の協力者だ。本当はもう少ししてからグランツ経由で会わせる筈だったんが、待ち切れなかったみたいでな」
やれやれと頭を振り、ルカは目元に手を当てる。
『これまでは見向きもしなかったくせに』と毒づく彼の前で、ローブ姿の人物はこちらを見た。
「四季を司りし天の恵みが現れたと聞いて、じっとしていられる訳ないだろう」
ルカ経由で仕入れたと思われる情報を口にし、その人物はフードを取り払った。
と同時に、私は思わず息を呑む。
だって、この世のものとは思えないくらい美しかったから。
神々しいとすら感じる黄金の瞳に、腰まである緑の髪……また、肌は雪のように白く涼し気な印象を持たせる。
中でも、一番目を引くのは少し先の尖った耳だろう。
『あれって、確か異種族の……』と思案する中、緑髪の美男子は一歩前へ進む────が、
「ベアトリスお嬢様に近づかないでください!公爵様がお怒りになります!」
イージス卿に行く手を阻まれた。
『今度はちゃんと斬ります!』と宣言する彼に対し、緑髪の美男子は小さく息を吐く。
「人間にしてはやる方みたいだが、私には勝てぬだろう。諦めろ」
「お断りします!第一、俺だけで対抗するとは一言も言ってませんよ!」
その言葉を合図に、窓や扉からゾロゾロと騎士が現れた。
屋敷の警備として残された彼らは、全員剣を構えて殺気立つ。
「お嬢様に少しでも傷をつけてみろ、首が飛ぶぞ!」
「お前だけじゃなく、俺達の分もな!」
「冗談に聞こえねぇーな、それ」
騎士達の発言を受けて苦笑いするルカは、『公爵様なら、やりかねない』と肩を竦める。
────と、ここでバハルが僅かに身を乗り出した。
「待ってちょうだい。その者は私の客よ。剣を収めてもらえないかしら?」
「!?」
バハルがまさか彼を庇うとは思ってなかったため、私は大きく目を見開いた。
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