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第二章
降伏勧告
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「イザベラ・アルバート、そろそろ行こう」
太陽の光が強くなってきたことに危機感を抱き、ギデオンはカチャリとメガネを押し上げる。
『早くしないと、焼死体になるぞ』と警告する彼の前で、私は少しばかり目を見開いた。
なんだ、もういいのか?と。
『あれだけ憎んでいたのに、案外あっさりだな』と思いつつ、トントンと足の爪先で魔法陣を突く。
その瞬間、景色は変わり────元々皇城のあった場所へ転移した。
「あぁ、そうだ────一応、この書類にサインしてくれ」
私は皇妃と皇子の方へ向き直り、亜空間収納から一枚の紙を取り出した。
アルバート帝国に全面降伏する旨の書類を前に、皇妃は硬い表情を浮かべる。
まだ三歳くらいの皇子をギュッと抱き締めながら。
「我々に抵抗する意思はありません……ただ、その……降伏した後の安全と生活を保証して頂けないと、サインは……」
一応皇妃としての自覚はあるのか、国の今後を案じているようだ。
『差し出がましいお願いではありますが……』と零す彼女を前に、私はゆるりと口角を上げる。
「安心しろ。貴様らを無意味に虐げたり、無理難題を押し付けたりする気はない。さすがに全部これまで通りとはいかないが、身の安全と普通の生活は保証してやる」
書類の一部を書き換えつつ、私は皇妃の懸念を取り払った。
『身の程を弁えているうちは良くしてやる』と示し、修正した書類を差し出す。
すると、皇妃はソレをおずおずと受け取った。
「そ、そういうことでしたら……」
こちらから万年筆も貰い、皇妃は内容をしっかり確認してからサインする。
チラチラとこちらの顔色を窺いながら書類を返す彼女に、私は『確かに受け取った』と頷いた。
じゃあ、そろそろリカルド達を連れてくるか────っと、その前に
「さらばだ、オスカー」
飛んで行った城の周辺に展開した結界を解除し、私は空を見上げた。
『断末魔を聞けないのが、少し残念だな』と思いつつ、オスカーの最期を想像する。
低酸素症で苦しむか、太陽に焼かれて死ぬかの二択を思い浮かべ、ニヤリと笑った。
と同時に────
「恩師様だぁぁぁぁあああ!!!」
────と、リズベットに抱きつかれる。
それも、グリグリと頬擦りしながら。
「その邪悪な笑顔!淡々とした口調!信賞必罰を徹底している姿!そして、何より他を圧倒するこの強さ!私の恩師様で間違いありません!」
『外見は全然違いますけど、分かります!』と叫び、リズベットはデレデレと頬を緩めた。
つい先程まで、真顔か仏頂面だったのに。
『相変わらず暑苦しいな、こいつ』と眉を顰め、私は転移魔法でリズベットの腕から逃れる。
と同時に、念のため防音結界を張った。周りに会話を聞かれると、色々面倒なので。
『全く、世話の焼ける……』と呆れつつ、私は深紅の瞳を見つめ返した。
「触るな、騒ぐな、近寄るな。鬱陶しい」
軽く服の埃を払いながら、私は不快感を前面に出す。
すると、リズベットは
「ああああああああ!!!その目!!!その塩対応!!!すっっっごく、久しぶりですぅぅぅうううう!!!」
両頬を押さえてニンマリ笑い、興奮したように体を揺らした。
『恩師様にまた罵ってもらえるなんて!』と零し、リズベットはうっとりしたように目を細める。
あっという間に変態へ進化した彼女の前で、私は口元を押さえた。
「貴様……以前より、ずっと気持ち悪くなったな」
「うぅ……!酷いです!やっとの思いで再会したのにぃぃぃいいいい!」
「頼んでない。というか、何故私の生存を確信して……?」
前世の体はもう本当に衰えていたため、たとえ魂が抜けて死んでもただの自然死として片付けられた筈。
生存を願えるような状態じゃなかった。
『私の研究を知っていたとしても、これは……』と訝しむ中、リズベットは少しムッとしたような表情を浮かべる。
「それくらい、私だって分かりますよ!だって、本当に死んだなら誰にも見つからない場所で一人息を引き取った筈ですから!恩師様は自分の遺体を誰かに見られるのも、所有されるのも嫌がる性分でしょう?それにあのクソ皇帝が言っていたんですよ」
腰に手を当てて顎を反らすリズベットは、真っ直ぐにこちらを見据えた。
「────恩師様の魂は異世界へ行ってしまった、って!」
「あいつ、そんなことも分かるのか」
「一応、神様ですからねー」
『性格はクソですけどー』と言い切り、リズベットは小さく肩を竦める。
「まあ、そんな訳で私はあちこちの異世界を見て回っていたんです!見知らぬ人からの召喚にも、積極的に応じましたし!」
『ちなみに今回は後者のパターンです!』と語るリズベットに、私は適当に相槌を打つ。
どうせ、そんなことだろうと思っていたため。
「まあ、事情は分かった。だから、帰れ」
「えぇ……!?何でですか!?昔のように、お傍で仕えさせてくださいよ!?」
「いや、貴様を雇ったことは一度もないんだが」
「でも、私は恩師様の弟子じゃないですか!」
「もう一人前に育て上げたから、弟子じゃない」
「そ、そんな……」
ショックを受けた様子で床に伏せるリズベットは、全身で悲しみを表現する。
が、私は微動だにしない。
今世まで付き纏われるのは、御免なので。
「前世から何度も言ってたるが、いい加減自立しろ。私の元から、巣立て」
『いつまで、傍に居るつもりだ』と辟易する私に、リズベットは泣きじゃくる。
「独り立ちなんて、無理ですぅぅぅぅううう!私は恩師様を支えるのが、生き甲斐なんですからぁぁぁぁあああ!」
「知るか、自立しろ。貴様はもう一人前どころか、伝説級の魔導師なんだから。食うに困らないだろ」
「お腹が満たされても、恩師様をお世話出来ないと心が満たされないんですぅぅぅぅううう!」
ガンガンと地面に頭を打ち付け、リズベットは髪を振り乱した。
「恩師様に捨てられるくらいなら、死んでやるぅぅぅうううう!」
「貴様は本当に面倒臭いな……」
『メンヘラそのものじゃないか』と頭を振り、私は嘆息する。
他の誰かなら、迷わず『そうか。死ね。なんなら、手伝ってやろうか?』と言うところだが……苦労して育て上げた弟子を死なせるのは、気が進まない。
これまでの努力が、水の泡となってしまうため。
『こいつの育成にどれほど手を焼いたか……』と過去の出来事を振り返り、顎に手を当てた。
仕方ない……また面倒を見てやるか。
言動や性格に難ありだが、有能だし。
「分かった。そこまで言うなら、傍に置いてやる。ただし、前世のことはあまり話すな。私は今、この体の元の主イザベラ・アルバートとして生きているんだから」
『前世のことを知られると、不都合が生じる』と説明する私に、リズベットは首を縦に振った。
「じゃあ、これからはイザベラ様とお呼びすれば?」
「……いや、今まで通りでいい。さっき、他の奴らに聞かれてしまったからな。急に呼び方を変えると、逆に怪しまれる……ただ、恩師と呼ばれるようになった理由は何か考えておいた方が良さそうだ」
「じゃあ、理由を尋ねられた際は『以前、魔法の基礎を習ったことがある』とでも言っておきます」
『これなら、嘘にならないし』と言い、リズベットはのそのそと立ち上がる。
恐らく、もう駄々を捏ねる必要がなくなったからだろう。
『無駄に切り替え早いよな』と思案する中、彼女は不意に手を叩く。
「あっ、そうでした。私、恩師様に一つ言わなきゃいけないことがあるんです」
太陽の光が強くなってきたことに危機感を抱き、ギデオンはカチャリとメガネを押し上げる。
『早くしないと、焼死体になるぞ』と警告する彼の前で、私は少しばかり目を見開いた。
なんだ、もういいのか?と。
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その瞬間、景色は変わり────元々皇城のあった場所へ転移した。
「あぁ、そうだ────一応、この書類にサインしてくれ」
私は皇妃と皇子の方へ向き直り、亜空間収納から一枚の紙を取り出した。
アルバート帝国に全面降伏する旨の書類を前に、皇妃は硬い表情を浮かべる。
まだ三歳くらいの皇子をギュッと抱き締めながら。
「我々に抵抗する意思はありません……ただ、その……降伏した後の安全と生活を保証して頂けないと、サインは……」
一応皇妃としての自覚はあるのか、国の今後を案じているようだ。
『差し出がましいお願いではありますが……』と零す彼女を前に、私はゆるりと口角を上げる。
「安心しろ。貴様らを無意味に虐げたり、無理難題を押し付けたりする気はない。さすがに全部これまで通りとはいかないが、身の安全と普通の生活は保証してやる」
書類の一部を書き換えつつ、私は皇妃の懸念を取り払った。
『身の程を弁えているうちは良くしてやる』と示し、修正した書類を差し出す。
すると、皇妃はソレをおずおずと受け取った。
「そ、そういうことでしたら……」
こちらから万年筆も貰い、皇妃は内容をしっかり確認してからサインする。
チラチラとこちらの顔色を窺いながら書類を返す彼女に、私は『確かに受け取った』と頷いた。
じゃあ、そろそろリカルド達を連れてくるか────っと、その前に
「さらばだ、オスカー」
飛んで行った城の周辺に展開した結界を解除し、私は空を見上げた。
『断末魔を聞けないのが、少し残念だな』と思いつつ、オスカーの最期を想像する。
低酸素症で苦しむか、太陽に焼かれて死ぬかの二択を思い浮かべ、ニヤリと笑った。
と同時に────
「恩師様だぁぁぁぁあああ!!!」
────と、リズベットに抱きつかれる。
それも、グリグリと頬擦りしながら。
「その邪悪な笑顔!淡々とした口調!信賞必罰を徹底している姿!そして、何より他を圧倒するこの強さ!私の恩師様で間違いありません!」
『外見は全然違いますけど、分かります!』と叫び、リズベットはデレデレと頬を緩めた。
つい先程まで、真顔か仏頂面だったのに。
『相変わらず暑苦しいな、こいつ』と眉を顰め、私は転移魔法でリズベットの腕から逃れる。
と同時に、念のため防音結界を張った。周りに会話を聞かれると、色々面倒なので。
『全く、世話の焼ける……』と呆れつつ、私は深紅の瞳を見つめ返した。
「触るな、騒ぐな、近寄るな。鬱陶しい」
軽く服の埃を払いながら、私は不快感を前面に出す。
すると、リズベットは
「ああああああああ!!!その目!!!その塩対応!!!すっっっごく、久しぶりですぅぅぅうううう!!!」
両頬を押さえてニンマリ笑い、興奮したように体を揺らした。
『恩師様にまた罵ってもらえるなんて!』と零し、リズベットはうっとりしたように目を細める。
あっという間に変態へ進化した彼女の前で、私は口元を押さえた。
「貴様……以前より、ずっと気持ち悪くなったな」
「うぅ……!酷いです!やっとの思いで再会したのにぃぃぃいいいい!」
「頼んでない。というか、何故私の生存を確信して……?」
前世の体はもう本当に衰えていたため、たとえ魂が抜けて死んでもただの自然死として片付けられた筈。
生存を願えるような状態じゃなかった。
『私の研究を知っていたとしても、これは……』と訝しむ中、リズベットは少しムッとしたような表情を浮かべる。
「それくらい、私だって分かりますよ!だって、本当に死んだなら誰にも見つからない場所で一人息を引き取った筈ですから!恩師様は自分の遺体を誰かに見られるのも、所有されるのも嫌がる性分でしょう?それにあのクソ皇帝が言っていたんですよ」
腰に手を当てて顎を反らすリズベットは、真っ直ぐにこちらを見据えた。
「────恩師様の魂は異世界へ行ってしまった、って!」
「あいつ、そんなことも分かるのか」
「一応、神様ですからねー」
『性格はクソですけどー』と言い切り、リズベットは小さく肩を竦める。
「まあ、そんな訳で私はあちこちの異世界を見て回っていたんです!見知らぬ人からの召喚にも、積極的に応じましたし!」
『ちなみに今回は後者のパターンです!』と語るリズベットに、私は適当に相槌を打つ。
どうせ、そんなことだろうと思っていたため。
「まあ、事情は分かった。だから、帰れ」
「えぇ……!?何でですか!?昔のように、お傍で仕えさせてくださいよ!?」
「いや、貴様を雇ったことは一度もないんだが」
「でも、私は恩師様の弟子じゃないですか!」
「もう一人前に育て上げたから、弟子じゃない」
「そ、そんな……」
ショックを受けた様子で床に伏せるリズベットは、全身で悲しみを表現する。
が、私は微動だにしない。
今世まで付き纏われるのは、御免なので。
「前世から何度も言ってたるが、いい加減自立しろ。私の元から、巣立て」
『いつまで、傍に居るつもりだ』と辟易する私に、リズベットは泣きじゃくる。
「独り立ちなんて、無理ですぅぅぅぅううう!私は恩師様を支えるのが、生き甲斐なんですからぁぁぁぁあああ!」
「知るか、自立しろ。貴様はもう一人前どころか、伝説級の魔導師なんだから。食うに困らないだろ」
「お腹が満たされても、恩師様をお世話出来ないと心が満たされないんですぅぅぅぅううう!」
ガンガンと地面に頭を打ち付け、リズベットは髪を振り乱した。
「恩師様に捨てられるくらいなら、死んでやるぅぅぅうううう!」
「貴様は本当に面倒臭いな……」
『メンヘラそのものじゃないか』と頭を振り、私は嘆息する。
他の誰かなら、迷わず『そうか。死ね。なんなら、手伝ってやろうか?』と言うところだが……苦労して育て上げた弟子を死なせるのは、気が進まない。
これまでの努力が、水の泡となってしまうため。
『こいつの育成にどれほど手を焼いたか……』と過去の出来事を振り返り、顎に手を当てた。
仕方ない……また面倒を見てやるか。
言動や性格に難ありだが、有能だし。
「分かった。そこまで言うなら、傍に置いてやる。ただし、前世のことはあまり話すな。私は今、この体の元の主イザベラ・アルバートとして生きているんだから」
『前世のことを知られると、不都合が生じる』と説明する私に、リズベットは首を縦に振った。
「じゃあ、これからはイザベラ様とお呼びすれば?」
「……いや、今まで通りでいい。さっき、他の奴らに聞かれてしまったからな。急に呼び方を変えると、逆に怪しまれる……ただ、恩師と呼ばれるようになった理由は何か考えておいた方が良さそうだ」
「じゃあ、理由を尋ねられた際は『以前、魔法の基礎を習ったことがある』とでも言っておきます」
『これなら、嘘にならないし』と言い、リズベットはのそのそと立ち上がる。
恐らく、もう駄々を捏ねる必要がなくなったからだろう。
『無駄に切り替え早いよな』と思案する中、彼女は不意に手を叩く。
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