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第二章
ソラリス神殿の思惑
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「じゃあ、転移魔法で中に入るぞ。二人とも、じっとしていろ」
初めて入る空間へ転移するため、私はちょっと慎重になる。
と言っても、扉の向こう側に行けばいいだけなので特に不安はないが。
『十メートル前後の転移だから問題ないだろう』と思いつつ、私はゆっくりと瞬きした。
すると、目の前の景色は一瞬にして変わり────神妙な面持ちで話し合う男性陣が目に入る。
「アルバート帝国の方は失敗ですか……」
重々しい雰囲気で溜め息を零し、目頭を押さえるのは奥に居る老人だった。
恐らく、身なりからして教皇だろう。
『アレが全ての元凶か』と思案する中、小太りの男がおずおずと口を開く。
「は、はい。引き続き、街中や皇城で爆破を起こそうとしているのですが、尽く撤去されてしまい……」
「となると、当初の案は使えませんね」
やれやれと頭を振る教皇に対し、若そうな神官が片手を上げる。
「当初の案って、確か……相次いだ原因不明の爆発を、我々ソラリス神殿の手によって解決。帝国に恩を売って布教活動の許可をもらい、じわじわ勢力を広げていくというやつでしたっけ?」
「ええ、そうです。最終的に『これまでの災いは全てイザベラ・アルバートの仕業』とし、彼女を討ち滅ぼす。あとはなんだかんだ理由をつけて、国を乗っ取る計画でした。幸い、面倒な貴族は既にあちらで排除してくれているので、横槍を心配する必要もありませんし」
『だから、今が絶好のタイミングなのに』と嘆き、教皇は悔しそうに表情を歪めた。
なんだ、貴様らも乗っ取りを計画していたのか。
奇遇だな。
『ある意味、気が合うんじゃないか』と思案する中、ジークとアランは物凄い形相で教皇達を睨みつける。
「イザベラ様の庭を荒らすだけじゃ飽き足らず、横取りするなど……何様のつもりだ」
「小物風情が……イキがりやがって」
小声ながらも怨念の籠った言葉を吐き捨て、ジークとアランは額に青筋を浮かべる。
今にも相手へ殴り掛かりそうな二人を他所に、若そうな神官がソファへ腰を下ろした。
「現段階でイザベラ・アルバートを悪者に仕立て上げ、聖戦を始める訳にはいかないんですか?」
「正直、オススメはしません。国外はともかく、国内のイザベラ・アルバートの人気は凄まじいですから……今、魔女狩りだの悪魔狩りだの言って聖戦を仕掛けても、逆に我々が悪者扱いされるでしょう」
悩ましげに眉を顰め、教皇は深い深い溜め息を零す。
餌を前にして我慢を強いられる犬のような心境なのか、随分と気が立っていた。
執務机に置かれた資料を睨みつける彼の前で、ジークとアランは更に殺気立つ。
「イザベラ様、今すぐ彼らを排除しましょう……」
「そんで、聡明なやつを新しい教皇なり幹部なりにすればいい」
簡単且つ確実な方法を提示する二人に、私は『ふむ……』と考え込むような素振りを見せる。
「別にそれでもいいが……完全に神殿を乗っ取るなら────殺すより、利用した方がいい」
そう言うが早いか、私は認識遮断の結界を解いた。
と同時に、この部屋を別の結界で包み込む。
ギャレット一家を皆殺しにする際、使ったものと同じと言えば分かるだろうか。
『とりあえず、これで退路は塞いだ』と頬を緩める中、奥に居る老人と目が合った。
「い、イザベラ・アルバート……!?一体、どこから……!?」
机に手をつく形で立ち上がり、教皇はこちらを凝視した。
困惑を隠し切れない彼の前で、他二名も我々の方を振り返る。
「な、何故……!?どうやって……!?」
「おい、ちょっと待て……そこに居るのは、『疾風』のリーダーじゃないか!?」
アランのことを知っているのか、若い方の神官はたじろいだ。
実力を知っているが故に、不安を覚えているのだろう。
「アラン、貴様あいつと面識あったのか?」
「さあ?取り引きのときはいつもフードを被っていたし、会話も筆談だったんで何とも……ただ、毎回依頼に来ていた奴と背格好は同じですね」
『隠していた訳じゃないですよ』とアピールするアランに、私は小さく肩を竦める。
そんなことは分かり切っている、と。
ただ、『鈍感すぎだろ』と言いたかっただけだ。
「そうか。まあ、いい。知り合いであろうと、なんであろうとやることは変わらないからな」
『大した問題ではない』と片付け、私はパンッと手を叩く。
その途端、教皇達は膝を折って床に這いつくばった。
「な、にを……!?」
身動き一つ取れない様子の教皇は、何とか視線だけこちらに向ける。
不安と恐怖の入り交じった眼を前に、私はコテリと首を傾げた。
「何って、貴様らの周囲の重力を多少いじっただけだが?」
『見れば分かるだろう?』と述べると、小太りの男が目を見開く。
「は、はっ……!?そんなこと出来る筈……」
「現に出来ているのだから、現実を受け入れろ」
「っ……!」
否定しようのない現実を前に、小太りの男は歯を食いしばった。
どこか悔しそうに。
「重力操作は神の領域だぞ……!?それをこんな小娘が……!」
「なら、私が神ということでいいだろう」
いちいち議論するのも面倒なので適当な結論を出すと、小太りの男は鼻息を荒くする。
「な、なんだと!?そんなこと、ある訳……!」
「はぁ……うるさいな」
「黙らせます」
いい加減耳障りだと感じていたのか、アランは懐から毒針を取り出すと一も二もなく投げつける。
『いや、待て。重力操作が……』と思ったものの、それも込みでコントロールしていたらしく、手の甲に命中した。
と同時に、小太りの男は気絶する。
「よくやった」
「ありがとうございます。ところで、ここからどうするんですか?殺さず利用するみたいなこと、言ってましたけど」
豚のようなイビキをかく小太りの男から目を離し、アランはコテリと首を傾げる。
『何かやることは?』と尋ねる彼の前で、私はパチンッと指を鳴らした。
それを合図に、教皇と若い神官は絶叫する。
バキバキと骨の折れる音を響かせながら。
「一先ず、あいつらの服を脱がせてくれ。重力操作を解くから」
「了解です。すっぽんぽんにしますね」
「いや、そこまではしなくていい。上だけで充分だ」
『他人の粗末なものなど見たくない』と述べ、私は小さく手を叩いた。
と同時に、重力操作の効果は切れる。
『ほら、行け』とアランに指示しながら結界で簡易的な椅子を作り、ジークと共に腰掛けた。
すると、ジークが不思議そうな顔でこちらを見る。
「彼らの上半身に何か細工でもするんですか?」
『全裸じゃない=辱めのためじゃない』と考えたのか、ジークは何とも鋭い指摘をする。
少しずつ私の思考回路に染まってきた彼を前に、私はゆるりと口角を上げた。
「ああ────今から、こいつらの体に魔法陣を刻み込むところだ。それも、主従契約系のな」
『隷属系とも言うか』とほくそ笑む私に、ジーク────ではなく、教皇と若い神官が反応を示す。
どうやら、痛みに悶絶しながらもこちらの会話をしっかり聞いていたようだ。
目を白黒させる彼らの前で、私はおもむろに足を組む。
「こういう長期に渡る魔法は、効果を持続させるために体へ直接描く必要があるんだ。そうすることで、維持に必要な魔力を本人から吸い取れる。場合によっては、術者側から送ることも可能だ」
何故ここまで手間を掛けるのか説明すると、ジークは『ふむ……』と相槌を打つ。
「ちなみにそれは腕や足じゃ、ダメなんですか?」
「ダメではない。だが、そういう部位は切り落とせるからその気になれば魔法の効果を打ち消せる」
『なんだかんだ、心臓の辺りに描くのが一番いい』と語り、私は立ち上がった。
納得したように頷くジークを伴って前へ進むと、アランが恭しく頭を垂れる。
その足元では、教皇と若い神官が上半身裸の状態で呻き声を上げていた。
また、先程気絶させた小太りの男もきちんと半裸になっている。
「さて、話は聞いていた通りだ。これ以上痛い思いをしたくなかったから、大人しくしているように」
初めて入る空間へ転移するため、私はちょっと慎重になる。
と言っても、扉の向こう側に行けばいいだけなので特に不安はないが。
『十メートル前後の転移だから問題ないだろう』と思いつつ、私はゆっくりと瞬きした。
すると、目の前の景色は一瞬にして変わり────神妙な面持ちで話し合う男性陣が目に入る。
「アルバート帝国の方は失敗ですか……」
重々しい雰囲気で溜め息を零し、目頭を押さえるのは奥に居る老人だった。
恐らく、身なりからして教皇だろう。
『アレが全ての元凶か』と思案する中、小太りの男がおずおずと口を開く。
「は、はい。引き続き、街中や皇城で爆破を起こそうとしているのですが、尽く撤去されてしまい……」
「となると、当初の案は使えませんね」
やれやれと頭を振る教皇に対し、若そうな神官が片手を上げる。
「当初の案って、確か……相次いだ原因不明の爆発を、我々ソラリス神殿の手によって解決。帝国に恩を売って布教活動の許可をもらい、じわじわ勢力を広げていくというやつでしたっけ?」
「ええ、そうです。最終的に『これまでの災いは全てイザベラ・アルバートの仕業』とし、彼女を討ち滅ぼす。あとはなんだかんだ理由をつけて、国を乗っ取る計画でした。幸い、面倒な貴族は既にあちらで排除してくれているので、横槍を心配する必要もありませんし」
『だから、今が絶好のタイミングなのに』と嘆き、教皇は悔しそうに表情を歪めた。
なんだ、貴様らも乗っ取りを計画していたのか。
奇遇だな。
『ある意味、気が合うんじゃないか』と思案する中、ジークとアランは物凄い形相で教皇達を睨みつける。
「イザベラ様の庭を荒らすだけじゃ飽き足らず、横取りするなど……何様のつもりだ」
「小物風情が……イキがりやがって」
小声ながらも怨念の籠った言葉を吐き捨て、ジークとアランは額に青筋を浮かべる。
今にも相手へ殴り掛かりそうな二人を他所に、若そうな神官がソファへ腰を下ろした。
「現段階でイザベラ・アルバートを悪者に仕立て上げ、聖戦を始める訳にはいかないんですか?」
「正直、オススメはしません。国外はともかく、国内のイザベラ・アルバートの人気は凄まじいですから……今、魔女狩りだの悪魔狩りだの言って聖戦を仕掛けても、逆に我々が悪者扱いされるでしょう」
悩ましげに眉を顰め、教皇は深い深い溜め息を零す。
餌を前にして我慢を強いられる犬のような心境なのか、随分と気が立っていた。
執務机に置かれた資料を睨みつける彼の前で、ジークとアランは更に殺気立つ。
「イザベラ様、今すぐ彼らを排除しましょう……」
「そんで、聡明なやつを新しい教皇なり幹部なりにすればいい」
簡単且つ確実な方法を提示する二人に、私は『ふむ……』と考え込むような素振りを見せる。
「別にそれでもいいが……完全に神殿を乗っ取るなら────殺すより、利用した方がいい」
そう言うが早いか、私は認識遮断の結界を解いた。
と同時に、この部屋を別の結界で包み込む。
ギャレット一家を皆殺しにする際、使ったものと同じと言えば分かるだろうか。
『とりあえず、これで退路は塞いだ』と頬を緩める中、奥に居る老人と目が合った。
「い、イザベラ・アルバート……!?一体、どこから……!?」
机に手をつく形で立ち上がり、教皇はこちらを凝視した。
困惑を隠し切れない彼の前で、他二名も我々の方を振り返る。
「な、何故……!?どうやって……!?」
「おい、ちょっと待て……そこに居るのは、『疾風』のリーダーじゃないか!?」
アランのことを知っているのか、若い方の神官はたじろいだ。
実力を知っているが故に、不安を覚えているのだろう。
「アラン、貴様あいつと面識あったのか?」
「さあ?取り引きのときはいつもフードを被っていたし、会話も筆談だったんで何とも……ただ、毎回依頼に来ていた奴と背格好は同じですね」
『隠していた訳じゃないですよ』とアピールするアランに、私は小さく肩を竦める。
そんなことは分かり切っている、と。
ただ、『鈍感すぎだろ』と言いたかっただけだ。
「そうか。まあ、いい。知り合いであろうと、なんであろうとやることは変わらないからな」
『大した問題ではない』と片付け、私はパンッと手を叩く。
その途端、教皇達は膝を折って床に這いつくばった。
「な、にを……!?」
身動き一つ取れない様子の教皇は、何とか視線だけこちらに向ける。
不安と恐怖の入り交じった眼を前に、私はコテリと首を傾げた。
「何って、貴様らの周囲の重力を多少いじっただけだが?」
『見れば分かるだろう?』と述べると、小太りの男が目を見開く。
「は、はっ……!?そんなこと出来る筈……」
「現に出来ているのだから、現実を受け入れろ」
「っ……!」
否定しようのない現実を前に、小太りの男は歯を食いしばった。
どこか悔しそうに。
「重力操作は神の領域だぞ……!?それをこんな小娘が……!」
「なら、私が神ということでいいだろう」
いちいち議論するのも面倒なので適当な結論を出すと、小太りの男は鼻息を荒くする。
「な、なんだと!?そんなこと、ある訳……!」
「はぁ……うるさいな」
「黙らせます」
いい加減耳障りだと感じていたのか、アランは懐から毒針を取り出すと一も二もなく投げつける。
『いや、待て。重力操作が……』と思ったものの、それも込みでコントロールしていたらしく、手の甲に命中した。
と同時に、小太りの男は気絶する。
「よくやった」
「ありがとうございます。ところで、ここからどうするんですか?殺さず利用するみたいなこと、言ってましたけど」
豚のようなイビキをかく小太りの男から目を離し、アランはコテリと首を傾げる。
『何かやることは?』と尋ねる彼の前で、私はパチンッと指を鳴らした。
それを合図に、教皇と若い神官は絶叫する。
バキバキと骨の折れる音を響かせながら。
「一先ず、あいつらの服を脱がせてくれ。重力操作を解くから」
「了解です。すっぽんぽんにしますね」
「いや、そこまではしなくていい。上だけで充分だ」
『他人の粗末なものなど見たくない』と述べ、私は小さく手を叩いた。
と同時に、重力操作の効果は切れる。
『ほら、行け』とアランに指示しながら結界で簡易的な椅子を作り、ジークと共に腰掛けた。
すると、ジークが不思議そうな顔でこちらを見る。
「彼らの上半身に何か細工でもするんですか?」
『全裸じゃない=辱めのためじゃない』と考えたのか、ジークは何とも鋭い指摘をする。
少しずつ私の思考回路に染まってきた彼を前に、私はゆるりと口角を上げた。
「ああ────今から、こいつらの体に魔法陣を刻み込むところだ。それも、主従契約系のな」
『隷属系とも言うか』とほくそ笑む私に、ジーク────ではなく、教皇と若い神官が反応を示す。
どうやら、痛みに悶絶しながらもこちらの会話をしっかり聞いていたようだ。
目を白黒させる彼らの前で、私はおもむろに足を組む。
「こういう長期に渡る魔法は、効果を持続させるために体へ直接描く必要があるんだ。そうすることで、維持に必要な魔力を本人から吸い取れる。場合によっては、術者側から送ることも可能だ」
何故ここまで手間を掛けるのか説明すると、ジークは『ふむ……』と相槌を打つ。
「ちなみにそれは腕や足じゃ、ダメなんですか?」
「ダメではない。だが、そういう部位は切り落とせるからその気になれば魔法の効果を打ち消せる」
『なんだかんだ、心臓の辺りに描くのが一番いい』と語り、私は立ち上がった。
納得したように頷くジークを伴って前へ進むと、アランが恭しく頭を垂れる。
その足元では、教皇と若い神官が上半身裸の状態で呻き声を上げていた。
また、先程気絶させた小太りの男もきちんと半裸になっている。
「さて、話は聞いていた通りだ。これ以上痛い思いをしたくなかったから、大人しくしているように」
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