16 / 70
第一章
追いかけっこ
しおりを挟む
「久しぶりだな?元気そうで何よりだ」
そう言って、私はニヤリと口元を歪めた。
怯えたように仰け反るイーサンを一瞥し、そっと口元に手を当てる。
天井に隠れているやつも合わせて、護衛は二十人か。
『案外少なかったな』と思いつつ、私は一歩前へ踏み出す。
その瞬間、近衛騎士が抜刀し、的確に急所を狙ってきた。
天井に潜んでいた影の者も、短刀を私の頭上に落とす。
一瞬の躊躇いもなく殺しに掛かってきた彼らを前に、私は『プハッ……!』と吹き出した。
あまりにも予想通りの展開すぎて。
「もうちょっと捻りが欲しかったな」
「「「!!?」」」
風と結界の応用で全ての攻撃を跳ね返すと、彼らは目を剥いて固まった。
まさか、この集中攻撃を意図も簡単に回避するとは思わなかったらしい。
「ほら、さっさと次の手を考えろ。敵は待ってくれないぞ」
『早く構えろ』と促す私に、彼らはハッとする。
「へ、陛下を安全なところへ!ここは私が……!」
近衛騎士団の団長と思しき男性が、勇敢にも一対一の決闘を試みた。
『お前の相手は私だ!』とでも言うように立ちはだかる大男を前に、私はクスクスと笑う。
「その勇気と度胸には敬意を表すが、貴様一人で私を足止めなど不可能に決まっているだろう」
『分析力と判断力は猿にも劣るな』と吐き捨て、私は大男を氷漬けにする。
一矢報いることすら許されず戦闘不能を余儀なくされた彼に、私は『ご苦労様』と告げた。
例の暗殺集団に使った魔法と同じものだから、殺してはいない。
用が済んだら、解放するさ。
まあ、その頃には仕える主人を失っているだろうが。
『くくっ……』と低く笑い、私は大男の横を通り過ぎる。
と同時に、またもや短刀が落ちてきたが……気にせず歩を進めた。
そして、頭部に直撃する寸前────短刀が急に方向転換し、私の肩を狙う。
恐らく、先程の反射を警戒してこのような小細工を仕掛けたんだろうが……
「無駄だったな」
落ちてきた短刀を普通に手で掴み、私はポイッと天井へ投げた。
すると、真上から『うっ……ぐっ……』とくぐもった声が降ってくる。
どうやら、命中したらしい。
短刀には毒が塗られていたから、想像を絶する苦痛に見舞われている筈。
まあ、解毒薬は所持しているだろうし、死ぬ心配はないだろう。
ただ、直ぐに戦闘へ復帰するのは難しいだけで。
解毒薬を飲んでもすぐ元気になる訳じゃないと知っているため、私は放置を決め込んだ。
『完全に回復するまで丸一日は掛かるだろうな』と推測しつつ、逃亡したイーサンを追う。
廊下に出ると、案の定衛兵や刺客に襲われたが、魔法を駆使して適当に倒した。
電気ショックにより痙攣する奴や窒息により気絶した奴を一瞥し、私はどんどん前へ進む。
そろそろ、追いかけっこにも飽きてきたな。
皇城に結界を張り、国外逃亡の可能性を潰したからといって、少し悠長にしすぎたか。
「城の者達への実力誇示も充分出来たし、茶番はここら辺で終わりにするか」
半ば自分に言い聞かせるようにそう呟くと、私は目の前を走るイーサンへ手のひらを向けた。
と同時に、水の縄を生成する。
独りでに動くソレはまるで蛇のようにスルスルと伸び、イーサンの体を拘束した。
喉元から足首までグルグル巻きにし、体の自由を奪われたイーサンは走れなくなり、ビタンと床に倒れ込む。
「ま、待ってくれ……!前公爵夫妻の件はきちんと謝る……!私が悪かった!」
本格的に身の危険を感じたのか、イーサンはここに来て自分の罪を認める。
────が、あまりにも遅すぎた。
貴様は本物のイザベラが私なぞの手を取る前に、陳謝すべきだった。
そうすれば────死ぬだけで済んだかもしれない。
死の間際に抱いたイザベラの殺意と憎悪を胸に、私はイーサンへ近づく。
『ラスボスに相応しい最期をくれてやる』と心の中で呟き、ゆるりと口角を上げた。
「本当に悪かったと思うなら、きっちり罪を償うんだな」
「あ、ああ……!それはもちろん!でも、贖罪の方法については一度話し合いを……」
「却下だ」
イーサンの懇願を一蹴し、私はふと足を止める。
そして、足元に転がるイーサンを宙に浮かせると、腰から下を跳ね飛ばした。
「ああああぁぁぁぁああ!!!!」
痛みのあまり絶叫するイーサンは、早くも意識を手放しそうになる。
が、上から冷水を被せて阻止した。
せっかくこれから面白いことを始めるというのに、眠っていてはつまらないだろう?
奥へ転がったイーサンの下半身と床についた血痕を一瞥し、私はニヤリと笑う。
『よし、これで大体同じくらいの身長になったな』と考え、イーサンの目線を自分に合わせた。
痛みと恐怖で混乱している様子の彼を視界に捉え、私は黒の革手袋を脱ぐ。
「なあ、イーサンよ。この世で最も辛く、苦しく、惨い行いはなんだと思う?」
「ぁ……ぐっ……」
ショックのあまり口も利けなくなったのか、イーサンは嗚咽を漏らすだけだった。
でも、何となく言いたいことは分かる。
「違う、死ぬことではない。死は回生であり、一種の転換点だ」
『全てをリセットして行う転生って、知らないか?』と問い掛け、私は革手袋を亜空間へ放り込む。
異様なほど白く小さな手を、私は水の縄越しにイーサンの胸元へ当てた。
すると、イーサンはカタカタ震えながら首を横に振る。
心臓をくり抜かれるとでも思っているのか、随分と怯えていた。
まあ、『くり抜く』というのはある意味合っているかもしれないが。
「イーサン、私はな────つい最近まで、命について研究していたんだ。で、その副産物としてある手法を編み出してしまった。それが何だか分かるか?」
「ぅぐ……っ……」
必死になって首を横に振るイーサンに、私はスッと目を細める。
「それはな────魂の具現化だ」
「?」
魂という存在を知らないのか、イーサンは怪訝そうに眉を顰める。
『なんだ、それは?』と不審がる彼の前で、私は神経を研ぎ澄ました。
と同時に────私の手がイーサンの胸の奥へ入り込む。
別に皮膚や血管を突き破った訳じゃない。
恐らく、肉体的な異常は何もないだろう。
だって、私が入り込んだのは生物それぞれが秘める四次元的空間だから。
私はこれを魂の間と呼んでいる。
「いいか?イーサン。魂というのは、生物の核だ。これがなければ転生は出来ないし、生者として生きていくことも叶わない。つまり、心臓より大事なものなんだ」
「!!」
「では、そんな大事なものを壊したらどうなると思う?」
ようやく事態を呑み込んできたイーサンに、私は更なる質問を投げ掛ける。
────が、そんなの想像もしたくないのか彼は答えない。
ただじっとしているだけ。
なので、早々に答えを教えることにした。
「まず体から意識を引き離され、天へ昇ることも許されず、一生辺りを彷徨う。無論、一人でな。幽霊に近い存在と言えば、分かるか?」
こちらの世界にもある死者の概念を話題に出し、私は思わず頬を緩める。
何故なら────魂の間へ入れた指先に、コツンと何かが当たったから。
「で、これの恐ろしいところが生前負った傷をまるっと受け継ぎ、一生付き合わなければならないこと。また、眠ることも出来ないから永遠に苦痛を味わうことになる。どうだ、恐ろしいだろう?」
淡々とした口調で半ばおどけるように言い、私はコテリと首を傾げる。
そして────イーサンの魂をそっと掴むと、中から引き出した。
私の拳よりやや大きいソレは、白い靄のような……炎のような物質で真ん丸。
一応、存在の具現化と固定化は出来ているんだが……まだ不安定。
時間が出来たら、もうちょっと改善するか。
そう言って、私はニヤリと口元を歪めた。
怯えたように仰け反るイーサンを一瞥し、そっと口元に手を当てる。
天井に隠れているやつも合わせて、護衛は二十人か。
『案外少なかったな』と思いつつ、私は一歩前へ踏み出す。
その瞬間、近衛騎士が抜刀し、的確に急所を狙ってきた。
天井に潜んでいた影の者も、短刀を私の頭上に落とす。
一瞬の躊躇いもなく殺しに掛かってきた彼らを前に、私は『プハッ……!』と吹き出した。
あまりにも予想通りの展開すぎて。
「もうちょっと捻りが欲しかったな」
「「「!!?」」」
風と結界の応用で全ての攻撃を跳ね返すと、彼らは目を剥いて固まった。
まさか、この集中攻撃を意図も簡単に回避するとは思わなかったらしい。
「ほら、さっさと次の手を考えろ。敵は待ってくれないぞ」
『早く構えろ』と促す私に、彼らはハッとする。
「へ、陛下を安全なところへ!ここは私が……!」
近衛騎士団の団長と思しき男性が、勇敢にも一対一の決闘を試みた。
『お前の相手は私だ!』とでも言うように立ちはだかる大男を前に、私はクスクスと笑う。
「その勇気と度胸には敬意を表すが、貴様一人で私を足止めなど不可能に決まっているだろう」
『分析力と判断力は猿にも劣るな』と吐き捨て、私は大男を氷漬けにする。
一矢報いることすら許されず戦闘不能を余儀なくされた彼に、私は『ご苦労様』と告げた。
例の暗殺集団に使った魔法と同じものだから、殺してはいない。
用が済んだら、解放するさ。
まあ、その頃には仕える主人を失っているだろうが。
『くくっ……』と低く笑い、私は大男の横を通り過ぎる。
と同時に、またもや短刀が落ちてきたが……気にせず歩を進めた。
そして、頭部に直撃する寸前────短刀が急に方向転換し、私の肩を狙う。
恐らく、先程の反射を警戒してこのような小細工を仕掛けたんだろうが……
「無駄だったな」
落ちてきた短刀を普通に手で掴み、私はポイッと天井へ投げた。
すると、真上から『うっ……ぐっ……』とくぐもった声が降ってくる。
どうやら、命中したらしい。
短刀には毒が塗られていたから、想像を絶する苦痛に見舞われている筈。
まあ、解毒薬は所持しているだろうし、死ぬ心配はないだろう。
ただ、直ぐに戦闘へ復帰するのは難しいだけで。
解毒薬を飲んでもすぐ元気になる訳じゃないと知っているため、私は放置を決め込んだ。
『完全に回復するまで丸一日は掛かるだろうな』と推測しつつ、逃亡したイーサンを追う。
廊下に出ると、案の定衛兵や刺客に襲われたが、魔法を駆使して適当に倒した。
電気ショックにより痙攣する奴や窒息により気絶した奴を一瞥し、私はどんどん前へ進む。
そろそろ、追いかけっこにも飽きてきたな。
皇城に結界を張り、国外逃亡の可能性を潰したからといって、少し悠長にしすぎたか。
「城の者達への実力誇示も充分出来たし、茶番はここら辺で終わりにするか」
半ば自分に言い聞かせるようにそう呟くと、私は目の前を走るイーサンへ手のひらを向けた。
と同時に、水の縄を生成する。
独りでに動くソレはまるで蛇のようにスルスルと伸び、イーサンの体を拘束した。
喉元から足首までグルグル巻きにし、体の自由を奪われたイーサンは走れなくなり、ビタンと床に倒れ込む。
「ま、待ってくれ……!前公爵夫妻の件はきちんと謝る……!私が悪かった!」
本格的に身の危険を感じたのか、イーサンはここに来て自分の罪を認める。
────が、あまりにも遅すぎた。
貴様は本物のイザベラが私なぞの手を取る前に、陳謝すべきだった。
そうすれば────死ぬだけで済んだかもしれない。
死の間際に抱いたイザベラの殺意と憎悪を胸に、私はイーサンへ近づく。
『ラスボスに相応しい最期をくれてやる』と心の中で呟き、ゆるりと口角を上げた。
「本当に悪かったと思うなら、きっちり罪を償うんだな」
「あ、ああ……!それはもちろん!でも、贖罪の方法については一度話し合いを……」
「却下だ」
イーサンの懇願を一蹴し、私はふと足を止める。
そして、足元に転がるイーサンを宙に浮かせると、腰から下を跳ね飛ばした。
「ああああぁぁぁぁああ!!!!」
痛みのあまり絶叫するイーサンは、早くも意識を手放しそうになる。
が、上から冷水を被せて阻止した。
せっかくこれから面白いことを始めるというのに、眠っていてはつまらないだろう?
奥へ転がったイーサンの下半身と床についた血痕を一瞥し、私はニヤリと笑う。
『よし、これで大体同じくらいの身長になったな』と考え、イーサンの目線を自分に合わせた。
痛みと恐怖で混乱している様子の彼を視界に捉え、私は黒の革手袋を脱ぐ。
「なあ、イーサンよ。この世で最も辛く、苦しく、惨い行いはなんだと思う?」
「ぁ……ぐっ……」
ショックのあまり口も利けなくなったのか、イーサンは嗚咽を漏らすだけだった。
でも、何となく言いたいことは分かる。
「違う、死ぬことではない。死は回生であり、一種の転換点だ」
『全てをリセットして行う転生って、知らないか?』と問い掛け、私は革手袋を亜空間へ放り込む。
異様なほど白く小さな手を、私は水の縄越しにイーサンの胸元へ当てた。
すると、イーサンはカタカタ震えながら首を横に振る。
心臓をくり抜かれるとでも思っているのか、随分と怯えていた。
まあ、『くり抜く』というのはある意味合っているかもしれないが。
「イーサン、私はな────つい最近まで、命について研究していたんだ。で、その副産物としてある手法を編み出してしまった。それが何だか分かるか?」
「ぅぐ……っ……」
必死になって首を横に振るイーサンに、私はスッと目を細める。
「それはな────魂の具現化だ」
「?」
魂という存在を知らないのか、イーサンは怪訝そうに眉を顰める。
『なんだ、それは?』と不審がる彼の前で、私は神経を研ぎ澄ました。
と同時に────私の手がイーサンの胸の奥へ入り込む。
別に皮膚や血管を突き破った訳じゃない。
恐らく、肉体的な異常は何もないだろう。
だって、私が入り込んだのは生物それぞれが秘める四次元的空間だから。
私はこれを魂の間と呼んでいる。
「いいか?イーサン。魂というのは、生物の核だ。これがなければ転生は出来ないし、生者として生きていくことも叶わない。つまり、心臓より大事なものなんだ」
「!!」
「では、そんな大事なものを壊したらどうなると思う?」
ようやく事態を呑み込んできたイーサンに、私は更なる質問を投げ掛ける。
────が、そんなの想像もしたくないのか彼は答えない。
ただじっとしているだけ。
なので、早々に答えを教えることにした。
「まず体から意識を引き離され、天へ昇ることも許されず、一生辺りを彷徨う。無論、一人でな。幽霊に近い存在と言えば、分かるか?」
こちらの世界にもある死者の概念を話題に出し、私は思わず頬を緩める。
何故なら────魂の間へ入れた指先に、コツンと何かが当たったから。
「で、これの恐ろしいところが生前負った傷をまるっと受け継ぎ、一生付き合わなければならないこと。また、眠ることも出来ないから永遠に苦痛を味わうことになる。どうだ、恐ろしいだろう?」
淡々とした口調で半ばおどけるように言い、私はコテリと首を傾げる。
そして────イーサンの魂をそっと掴むと、中から引き出した。
私の拳よりやや大きいソレは、白い靄のような……炎のような物質で真ん丸。
一応、存在の具現化と固定化は出来ているんだが……まだ不安定。
時間が出来たら、もうちょっと改善するか。
36
お気に入りに追加
2,053
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした
基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。
その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。
身分の低い者を見下すこともしない。
母国では国民に人気のあった王女だった。
しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。
小国からやってきた王女を見下していた。
極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。
ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。
いや、侍女は『そこにある』のだという。
なにもかけられていないハンガーを指差して。
ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。
「へぇ、あぁそう」
夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。
今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。
瓦礫の上の聖女
基本二度寝
恋愛
聖女イリエーゼは王太子に不貞を咎められ、婚約破棄を宣言された。
もちろんそれは冤罪だが、王太子は偽証まで用意していた。
「イリエーゼ!これで終わりだ」
「…ええ、これで終わりですね」
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
その言葉はそのまま返されたもの
基本二度寝
恋愛
己の人生は既に決まっている。
親の望む令嬢を伴侶に迎え、子を成し、後継者を育てる。
ただそれだけのつまらぬ人生。
ならば、結婚までは好きに過ごしていいだろう?と、思った。
侯爵子息アリストには幼馴染がいる。
幼馴染が、出産に耐えられるほど身体が丈夫であったならアリストは彼女を伴侶にしたかった。
可愛らしく、淑やかな幼馴染が愛おしい。
それが叶うなら子がなくても、と思うのだが、父はそれを認めない。
父の選んだ伯爵令嬢が婚約者になった。
幼馴染のような愛らしさも、優しさもない。
平凡な容姿。口うるさい貴族令嬢。
うんざりだ。
幼馴染はずっと屋敷の中で育てられた為、外の事を知らない。
彼女のために、華やかな舞踏会を見せたかった。
比較的若い者があつまるような、気楽なものならば、多少の粗相も多目に見てもらえるだろう。
アリストは幼馴染のテイラーに己の色のドレスを贈り夜会に出席した。
まさか、自分のエスコートもなしにアリストの婚約者が参加しているとは露ほどにも思わず…。
くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。
音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。>
婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。
冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。
「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」
今世は好きにできるんだ
朝山みどり
恋愛
誇り高く慈悲深い、公爵令嬢ルイーズ。だが気が付くと粗末な寝台に横たわっているのに気がついた。
鉄の意志で声を押さえ、状況・・・・状況・・・・確か藤棚の下でお茶会・・・・ポットが割れて・・・侍女がその欠片で・・・思わず切られた首を押さえたが・・・・首にさわった手ががさがさ!!!?
やがて自分が伯爵家の先妻の娘だと理解した。後妻と義姉にいびられている、いくじなしで魔力なしの役立たずだと・・・・
なるほど・・・今回は遠慮なく敵をいびっていいんですわ。ましてこの境遇やりたい放題って事!!
ルイーズは微笑んだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる