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第六章
第260話『第十階層』
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もし、知らないのだとすれば、さっきの行動にも納得が行く。『誰か一人でも中に入れば、自動的に扉が閉まり、閉じ込められる』と知らないから、彼女は中へ入ったんだ。悪気はなかったと思う。
このシステムはFROプレイヤーなら、知っていて当然のことだから、わざわざ説明しなかったけど、まさかこうなるとは……。アラクネさんがForest of trapに引きこもる変人だということを考慮しなかった私の落ち度だ。ちゃんと情報のすり合わせをしておけば良かった。
後悔先に立たずと言うべきか、アラクネさんをきちんとサポート出来なかった自分に心底腹が立つ。彼女はダンジョン初心者なのだから、色々と面倒を見る必要があったのに……。
「すみません、アラクネさん。時間が無いので、詳しいことは後で説明します。とりあえず、早く武器を構えてください」
「ぶ、ぶぶぶぶぶぶ、武器ですか……!?」
「はい。もうすぐ────フロアボスが現れると思うので」
懐から愛用の短剣を取り出した私はアラクネさんを庇うように前へ出る。
すると────私の言葉を裏付けるように、ボスフロアの中央に白い光が現れた。
顕現を始めたフロアボスに警戒心を強めながら、私は短剣を構える。
「アラクネさん、これから私達は二人でフロアボスを倒さなくてはなりません。なので、私の指示に従ってください」
「ふぇっ!?ふ、ふふふふふ、二人!?わ、分かりました!」
『どうして?』という疑問を一旦呑み込んだアラクネさんはとりあえず、蜘蛛糸を構える。
不安しかないボス戦に思考を巡らせる中────白い光の中から、第十階層のフロアボスである窮奇が現れた。
虎の体と鳥の翼を併せ持つ窮奇は長く鋭い牙を見せつける。こちらを睨みつける黄金の瞳は血に飢えた獣のように爛々としていた。
四凶の一つと言われる、窮奇は非常に獰猛で、血の気が多いと言われている。言うまでもなく、奴はパワータイプだ。ある意味、私達とは一番相性が悪いかもしれない……。
「アラクネさん、気をつけてください!窮奇は雷を操る魔物です!その上、力も強く、空を飛ぶことも出来ます!常に静電気を身に纏っており、触れるだけで感電する恐れがあります!なので、奴の弱点が見つかるまでは攻撃よりも防御を優先してください!」
「わ、分かりました……!」
素直にコクンと頷くアラクネさんは緊張した面持ちで前を見据える。
右手には細い糸のようなものが握られており、左手には結界符があった。
防御の準備を整えた彼女に安堵し、私はキュッと口元を引き締める。
アラクネさんも私も明らかに前線向きのプレイヤーじゃない……でも、誰かが前に出ないと戦線は一気に崩壊する。なら────私が前線に出るしかない。だって、客観的に見ても、私の方が前線に向いているから。アラクネさんも決して弱い訳じゃないけど、戦闘経験の面ではどうしても私に劣る。
そして、何より────仲間の傷付く姿はもう見たくなかった。
カイン達の死を思い返す私はアイテムボックスの中に純白の杖を放り込む。
代わりに毒針を取り出し、指と指の間に挟んだ。
グルルルとこちらを威嚇する窮奇を前に、私は『ふぅ……』と一つ息を吐く。
私達の間に見えない火花が飛び散る中────窮奇は本能の赴くまま、勢いよく駆け出した。
一直線にこちらへ向かってくる奴を前に、私は指の間に差し込んだ毒針を投げつける。反射的にそれを避けた窮奇はガウッ!と大きな鳴き声を上げながら、突進してきた。
大きく口を開けて噛み付こうとする窮奇に短剣で応戦する。
「っ……!!思ったより、静電気が強いですね……!」
クシャリと顔を歪める私は接触する度に流れ込んでくる静電気に、思わず弱音を吐いた。
短剣越しでも関係なく流れてくる電気に、思わず眉を顰める。
ダメージ量は正直大したことないけど、地味に痛いな……。早めに決着をつけないと、やばいかもしれない。長期戦はあまりにも不利だ。
剥き出しになった牙を短剣で受け止めた私は流れてくる静電気に、一瞬だけ動きを止める。
手足の痺れに苦しむ私は攻撃を受け流すタイミングを完全に失っていた。
力勝負となってはさすがに勝ち目がなく、私はそのままジリジリと押されていく。
『しまった!』と焦り始める中、ふと────視界の端におさげの女の子が映った。
え?ちょっ!待って!?あれって、まさか……!!
「────ラミエルさん!一瞬だけ隙を作るので、その間に逃げてください!」
柄にもなく大声を上げるアラクネさんは────肩にロケットランチャーを乗せると、そのまま発射する。
物凄いスピードで飛んでいくそれは真っ直ぐ窮奇の元へ向かい……見事直撃した。
ドカンッと大きな爆発が巻き起こる中、私は一先ずその場を離れる。ついでに治癒魔法で自身の傷も癒しておいた。
マジか……ロケットランチャーなんて、持っていたんだ。イーストダンジョン攻略のときにシムナさんが使っていたロケットランチャーと似ているけど、これはその改良版かな?だとしたら、凄い進歩だよ。威力が桁違いだもん。
「ら、ラミエルさん!だ、だだだだだだ、大丈夫でしたか……!?」
「え?あっ、はい!全然平気です!逃げる隙を作って頂き、ありがとうございました!」
心配そうにこちらを見つめるアラクネさんに笑い掛け、大丈夫だとアピールする。
ホッと胸を撫で下ろす彼女は『それなら、良かったです』と柔らかく微笑んだ。
僅かにこの場の空気が和む中────ロケットランチャーに直撃した窮奇が黒煙から姿を現す。
バサッと翼を広げ、煙を吹き飛ばす奴はグルルルと低く唸った。
致命傷とまでは行かなかったものの、さっきの攻撃は大分効いたらしい。
まあ、予想はしていたけど、やっぱりまだ倒れてくれないか……中層魔物なら、今ので倒せていたのになぁ。やっぱり、フロアボスは格が違うって訳か。
『厄介な相手だ』と苦笑いする私は再び短剣を構え、一歩前へ出た。
肉の焼ける臭いに眉を顰めつつ、アイテムボックスから毒針を取り出す。
さっきはちょっと危なかったけど、短時間であれば、私でも窮奇の相手が出来る。奴の攻撃は単純で読みやすいから。ただ一つ不安要素があるとすれば、まだ一度も見せていない雷を操る能力についてだけど……まあ、何とかなるでしょう。だから────。
「────アラクネさんは窮奇を倒すために罠を張ってください。罠の種類はそうですね……Forest of trapにあった蜘蛛糸のやつが理想です」
このシステムはFROプレイヤーなら、知っていて当然のことだから、わざわざ説明しなかったけど、まさかこうなるとは……。アラクネさんがForest of trapに引きこもる変人だということを考慮しなかった私の落ち度だ。ちゃんと情報のすり合わせをしておけば良かった。
後悔先に立たずと言うべきか、アラクネさんをきちんとサポート出来なかった自分に心底腹が立つ。彼女はダンジョン初心者なのだから、色々と面倒を見る必要があったのに……。
「すみません、アラクネさん。時間が無いので、詳しいことは後で説明します。とりあえず、早く武器を構えてください」
「ぶ、ぶぶぶぶぶぶ、武器ですか……!?」
「はい。もうすぐ────フロアボスが現れると思うので」
懐から愛用の短剣を取り出した私はアラクネさんを庇うように前へ出る。
すると────私の言葉を裏付けるように、ボスフロアの中央に白い光が現れた。
顕現を始めたフロアボスに警戒心を強めながら、私は短剣を構える。
「アラクネさん、これから私達は二人でフロアボスを倒さなくてはなりません。なので、私の指示に従ってください」
「ふぇっ!?ふ、ふふふふふ、二人!?わ、分かりました!」
『どうして?』という疑問を一旦呑み込んだアラクネさんはとりあえず、蜘蛛糸を構える。
不安しかないボス戦に思考を巡らせる中────白い光の中から、第十階層のフロアボスである窮奇が現れた。
虎の体と鳥の翼を併せ持つ窮奇は長く鋭い牙を見せつける。こちらを睨みつける黄金の瞳は血に飢えた獣のように爛々としていた。
四凶の一つと言われる、窮奇は非常に獰猛で、血の気が多いと言われている。言うまでもなく、奴はパワータイプだ。ある意味、私達とは一番相性が悪いかもしれない……。
「アラクネさん、気をつけてください!窮奇は雷を操る魔物です!その上、力も強く、空を飛ぶことも出来ます!常に静電気を身に纏っており、触れるだけで感電する恐れがあります!なので、奴の弱点が見つかるまでは攻撃よりも防御を優先してください!」
「わ、分かりました……!」
素直にコクンと頷くアラクネさんは緊張した面持ちで前を見据える。
右手には細い糸のようなものが握られており、左手には結界符があった。
防御の準備を整えた彼女に安堵し、私はキュッと口元を引き締める。
アラクネさんも私も明らかに前線向きのプレイヤーじゃない……でも、誰かが前に出ないと戦線は一気に崩壊する。なら────私が前線に出るしかない。だって、客観的に見ても、私の方が前線に向いているから。アラクネさんも決して弱い訳じゃないけど、戦闘経験の面ではどうしても私に劣る。
そして、何より────仲間の傷付く姿はもう見たくなかった。
カイン達の死を思い返す私はアイテムボックスの中に純白の杖を放り込む。
代わりに毒針を取り出し、指と指の間に挟んだ。
グルルルとこちらを威嚇する窮奇を前に、私は『ふぅ……』と一つ息を吐く。
私達の間に見えない火花が飛び散る中────窮奇は本能の赴くまま、勢いよく駆け出した。
一直線にこちらへ向かってくる奴を前に、私は指の間に差し込んだ毒針を投げつける。反射的にそれを避けた窮奇はガウッ!と大きな鳴き声を上げながら、突進してきた。
大きく口を開けて噛み付こうとする窮奇に短剣で応戦する。
「っ……!!思ったより、静電気が強いですね……!」
クシャリと顔を歪める私は接触する度に流れ込んでくる静電気に、思わず弱音を吐いた。
短剣越しでも関係なく流れてくる電気に、思わず眉を顰める。
ダメージ量は正直大したことないけど、地味に痛いな……。早めに決着をつけないと、やばいかもしれない。長期戦はあまりにも不利だ。
剥き出しになった牙を短剣で受け止めた私は流れてくる静電気に、一瞬だけ動きを止める。
手足の痺れに苦しむ私は攻撃を受け流すタイミングを完全に失っていた。
力勝負となってはさすがに勝ち目がなく、私はそのままジリジリと押されていく。
『しまった!』と焦り始める中、ふと────視界の端におさげの女の子が映った。
え?ちょっ!待って!?あれって、まさか……!!
「────ラミエルさん!一瞬だけ隙を作るので、その間に逃げてください!」
柄にもなく大声を上げるアラクネさんは────肩にロケットランチャーを乗せると、そのまま発射する。
物凄いスピードで飛んでいくそれは真っ直ぐ窮奇の元へ向かい……見事直撃した。
ドカンッと大きな爆発が巻き起こる中、私は一先ずその場を離れる。ついでに治癒魔法で自身の傷も癒しておいた。
マジか……ロケットランチャーなんて、持っていたんだ。イーストダンジョン攻略のときにシムナさんが使っていたロケットランチャーと似ているけど、これはその改良版かな?だとしたら、凄い進歩だよ。威力が桁違いだもん。
「ら、ラミエルさん!だ、だだだだだだ、大丈夫でしたか……!?」
「え?あっ、はい!全然平気です!逃げる隙を作って頂き、ありがとうございました!」
心配そうにこちらを見つめるアラクネさんに笑い掛け、大丈夫だとアピールする。
ホッと胸を撫で下ろす彼女は『それなら、良かったです』と柔らかく微笑んだ。
僅かにこの場の空気が和む中────ロケットランチャーに直撃した窮奇が黒煙から姿を現す。
バサッと翼を広げ、煙を吹き飛ばす奴はグルルルと低く唸った。
致命傷とまでは行かなかったものの、さっきの攻撃は大分効いたらしい。
まあ、予想はしていたけど、やっぱりまだ倒れてくれないか……中層魔物なら、今ので倒せていたのになぁ。やっぱり、フロアボスは格が違うって訳か。
『厄介な相手だ』と苦笑いする私は再び短剣を構え、一歩前へ出た。
肉の焼ける臭いに眉を顰めつつ、アイテムボックスから毒針を取り出す。
さっきはちょっと危なかったけど、短時間であれば、私でも窮奇の相手が出来る。奴の攻撃は単純で読みやすいから。ただ一つ不安要素があるとすれば、まだ一度も見せていない雷を操る能力についてだけど……まあ、何とかなるでしょう。だから────。
「────アラクネさんは窮奇を倒すために罠を張ってください。罠の種類はそうですね……Forest of trapにあった蜘蛛糸のやつが理想です」
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