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第三章
第129話『久しぶりの再会』
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色んな意味でツッコミどころ満載な光景に唖然としていると、二体の巨大ロボットが降りてくる。
そして、アラクネさんや田中さんを地上に下ろすと、近くのゴーレムに殴り合いの喧嘩を仕掛けていた。
相変わらずアグレッシブな巨大ロボットを他所に、私達は顔を突き合わせる。
「ら、らららららららら、ラミエルさん!お、お久しぶりでしゅ!!」
「アラクネさん、お久しぶりです。元気そうで安心しました」
「ひゃ、ひゃい!!」
「っ~……!!『ひゃい』って、なんだよ!『ひゃい』って!!可愛すぎねぇーか!?ウチの妹、可愛すぎねぇーか!?」
「分かりましたから落ち着いてください、田中さん」
口元を押さえて悶絶する田中さんを冷ややかな目を向けつつ、私は一つ息を吐く。
『アラクネさんの前だと、更にヤバいな』と思案する中、レオンさんとリアムさんはパチパチと瞬きを繰り返した。
「なんか、また強烈なキャラが来たな……ある意味、リアムよりキャラ濃いかも」
「彼らも『虐殺の紅月』のメンバーなのかい?実に個性的だね☆僕は好きだよ」
「あら、坊や趣味がいいわね?名前はなんて言うの?」
「僕かい?僕はリアム。しがない狩人さ☆」
「そう、リアムね。私はヴィエラよ。職業は魔法使い。貴方とは仲良く出来そうだわ。よろしくね?」
「ああ、こちらこそ」
仲良く握手を交わすリアムさんとヴィエラさんに、レオンさんは少しばかり口先を尖らせる。
恐らく、仲間外れにされて寂しかったのだろう。
『小学生か!』と突っ込みたくなるのを必死に我慢し、私は前を向いた。
「さて、早速で申し訳ありませんが────本格的にゴーレムの討伐を始めましょうか」
久しぶりの再会だから本当はもっとゆっくりしたいけど、状況が状況なだけに難しい。
一刻も早く散開して、各々の役割を果たさなければ。
『人手も増えたことだし、二手に別れようかな』と考えながら、私は腕を組む。
「ヴィエラさんとレオンさんはゴーレムの討伐を、残りのメンバーは私と一緒にプレイヤーの治療とポーションの配布を行ってください。よろしいですね?」
「ええっ!?俺がヴィエラとチーム!?リアムじゃなくて!?」
「まあまあ、落ち着いて。ラミエルちゃんのことだから、きっと理由があるのよ」
「ラミエルは僕が勝手な行動をしないか、不安なんだよ☆」
「俺はアラクネと一緒なら、何でもいい」
「わ、私はラミエルさんの指示に従いますぅぅぅぅうううう!!」
十人十色とも言うべき反応を示す彼らに、私は苦笑を漏らす。
『相変わらず、個性豊かだな』と思いつつ、巨大ロボットへ視線を向けた。
とりあえず、巨大ロボットに乗って上空に行こう。そこから、中央大陸全体を見渡すんだ。
今までは見つけ次第、治療や一時保護を行っていたけど、今求められるのは本当にやばい時に直ぐ助けに入れる環境。それから、情報収集。
「田中さん、ドローンってありますか?出来ればアイテムを安全に、そして確実に運べるものがいいんですけど」
「宅配用ドローンなら、二十台くらいあるぞ。小物類なら、余裕で運べる。で、それがどうかしたのか?」
「いえ、大したことではないのですが、ドローンがあれば上空からプレイヤー達の様子を見守りつつ安全にサポートアイテムを渡せるんじゃないかな?と思いまして……」
『わざわざ地上に降りなくて済むならそれに越したことはない』と主張すると、田中さんは目を見開く。
「なるほど。ドローンによるアイテム配達か。それは名案だな。上空に待機していれば落雷以外の危険はないし、かなり安全にプレイヤー達をサポート出来る。ポーションなら腐るほど持って来たし、アラクネの手持ち分と合わせればイベント終了まで余裕で持つだろ」
「さ、ささささささ、さすがはラミエルさんです!発想がまさに天才ですね!」
「いえいえ、そんな……テレビでやっていた、ドローン特集を思い出しただけですよ。それより、田中さん。巨大ロボットを一体、貸して貰えませんか?上空からの情報収集と護衛に使いたくて……」
「ああ、好きに使え。どうせ試作段階のものだし、壊しても構わん。操縦機は……」
「僕!僕にやらせておくれ!」
パァッと目を輝かせて『操縦したい!』と申し出るリアムさんは、一生懸命手を挙げた。
アピールの激しい彼を他所に、田中さんは『こいつに操縦機を渡していいのか?』と聞いてくる。
それにコクリと頷くと、田中さんはリアムさんに操縦機の使い方を教え始めた。
本当はリアムさんに操縦機を預けたくなかったんだけど……あんな嬉しそうな顔をされたら、『ダメ』なんて言えないよね。
『それに私、メカ系弱いし……』と思案する中、ヴィエラさんはクルリと身を翻す。
「それじゃあ話も纏まったみたいだし、私達はこれで失礼するわね」
「ヴィエラと一緒にゴーレムを狩りまくってくるな」
小さく手を振ってこちらに背を向けるレオンさんは、ヴィエラさんの後を追い掛ける。
徐々に遠ざかっていく後ろ姿を前に、私は小さくお辞儀した。
「お二人共、お気をつけて」
そして、アラクネさんや田中さんを地上に下ろすと、近くのゴーレムに殴り合いの喧嘩を仕掛けていた。
相変わらずアグレッシブな巨大ロボットを他所に、私達は顔を突き合わせる。
「ら、らららららららら、ラミエルさん!お、お久しぶりでしゅ!!」
「アラクネさん、お久しぶりです。元気そうで安心しました」
「ひゃ、ひゃい!!」
「っ~……!!『ひゃい』って、なんだよ!『ひゃい』って!!可愛すぎねぇーか!?ウチの妹、可愛すぎねぇーか!?」
「分かりましたから落ち着いてください、田中さん」
口元を押さえて悶絶する田中さんを冷ややかな目を向けつつ、私は一つ息を吐く。
『アラクネさんの前だと、更にヤバいな』と思案する中、レオンさんとリアムさんはパチパチと瞬きを繰り返した。
「なんか、また強烈なキャラが来たな……ある意味、リアムよりキャラ濃いかも」
「彼らも『虐殺の紅月』のメンバーなのかい?実に個性的だね☆僕は好きだよ」
「あら、坊や趣味がいいわね?名前はなんて言うの?」
「僕かい?僕はリアム。しがない狩人さ☆」
「そう、リアムね。私はヴィエラよ。職業は魔法使い。貴方とは仲良く出来そうだわ。よろしくね?」
「ああ、こちらこそ」
仲良く握手を交わすリアムさんとヴィエラさんに、レオンさんは少しばかり口先を尖らせる。
恐らく、仲間外れにされて寂しかったのだろう。
『小学生か!』と突っ込みたくなるのを必死に我慢し、私は前を向いた。
「さて、早速で申し訳ありませんが────本格的にゴーレムの討伐を始めましょうか」
久しぶりの再会だから本当はもっとゆっくりしたいけど、状況が状況なだけに難しい。
一刻も早く散開して、各々の役割を果たさなければ。
『人手も増えたことだし、二手に別れようかな』と考えながら、私は腕を組む。
「ヴィエラさんとレオンさんはゴーレムの討伐を、残りのメンバーは私と一緒にプレイヤーの治療とポーションの配布を行ってください。よろしいですね?」
「ええっ!?俺がヴィエラとチーム!?リアムじゃなくて!?」
「まあまあ、落ち着いて。ラミエルちゃんのことだから、きっと理由があるのよ」
「ラミエルは僕が勝手な行動をしないか、不安なんだよ☆」
「俺はアラクネと一緒なら、何でもいい」
「わ、私はラミエルさんの指示に従いますぅぅぅぅうううう!!」
十人十色とも言うべき反応を示す彼らに、私は苦笑を漏らす。
『相変わらず、個性豊かだな』と思いつつ、巨大ロボットへ視線を向けた。
とりあえず、巨大ロボットに乗って上空に行こう。そこから、中央大陸全体を見渡すんだ。
今までは見つけ次第、治療や一時保護を行っていたけど、今求められるのは本当にやばい時に直ぐ助けに入れる環境。それから、情報収集。
「田中さん、ドローンってありますか?出来ればアイテムを安全に、そして確実に運べるものがいいんですけど」
「宅配用ドローンなら、二十台くらいあるぞ。小物類なら、余裕で運べる。で、それがどうかしたのか?」
「いえ、大したことではないのですが、ドローンがあれば上空からプレイヤー達の様子を見守りつつ安全にサポートアイテムを渡せるんじゃないかな?と思いまして……」
『わざわざ地上に降りなくて済むならそれに越したことはない』と主張すると、田中さんは目を見開く。
「なるほど。ドローンによるアイテム配達か。それは名案だな。上空に待機していれば落雷以外の危険はないし、かなり安全にプレイヤー達をサポート出来る。ポーションなら腐るほど持って来たし、アラクネの手持ち分と合わせればイベント終了まで余裕で持つだろ」
「さ、ささささささ、さすがはラミエルさんです!発想がまさに天才ですね!」
「いえいえ、そんな……テレビでやっていた、ドローン特集を思い出しただけですよ。それより、田中さん。巨大ロボットを一体、貸して貰えませんか?上空からの情報収集と護衛に使いたくて……」
「ああ、好きに使え。どうせ試作段階のものだし、壊しても構わん。操縦機は……」
「僕!僕にやらせておくれ!」
パァッと目を輝かせて『操縦したい!』と申し出るリアムさんは、一生懸命手を挙げた。
アピールの激しい彼を他所に、田中さんは『こいつに操縦機を渡していいのか?』と聞いてくる。
それにコクリと頷くと、田中さんはリアムさんに操縦機の使い方を教え始めた。
本当はリアムさんに操縦機を預けたくなかったんだけど……あんな嬉しそうな顔をされたら、『ダメ』なんて言えないよね。
『それに私、メカ系弱いし……』と思案する中、ヴィエラさんはクルリと身を翻す。
「それじゃあ話も纏まったみたいだし、私達はこれで失礼するわね」
「ヴィエラと一緒にゴーレムを狩りまくってくるな」
小さく手を振ってこちらに背を向けるレオンさんは、ヴィエラさんの後を追い掛ける。
徐々に遠ざかっていく後ろ姿を前に、私は小さくお辞儀した。
「お二人共、お気をつけて」
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