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第三章

第117話『イベント二日目終了』

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 それから、私達は目撃情報を頼りに西大陸を駆け回り────気づいた時には、イベント三日目を迎えていた。
イベント二日目終了を告げる灼熱の太陽と共に、ピロン♪という通知音が鳴り響く。
恐らく、また『箱庭』からメッセージが届いたのだろう。
私は移動中の強風に晒されながら、ゲーム内ディスプレイを起動した。
そして、嫌々ながらも情報収集のためメールを開く。

『FROに閉じ込められたプレイヤーの皆さん、イベント二日目お疲れ様でした!
一日目と比べ、二日目は少し勢いが足りなかった気もしますが、死亡人数は一日目より圧倒的に少ないです!
FROプレイヤーの皆さん、いもってないで積極的にゴーレム討伐を行ってくださいね!
さて、二日目の感想はここら辺にして結果を発表しましょうか!二日目の結果は下記の通りです!

現時点での巨大ゴーレムの討伐数→1658(体)
(内訳:一日目→899、二日目→759)

現時点でのプレイヤーの死亡人数→105(人)
(内訳:一日目→81、二日目→24)

今日はイベント最終日です!各々ラストスパートを掛けてください!
ああ、あと生き残りのゴーレム達には面白い仕掛けを施しておいたので、楽しんで頂けると幸いです!
ではでは、皆さんの健闘をお祈りしております!』

 ん?ゴーレムに面白い仕掛け……?それって、なんだろう?

 珍しく怒りよりも疑問の方がまさり、私は瞬きを繰り返す。
が、まずは情報共有を優先しようと思って徳正さんにメールの内容を伝えた。

「なるほどね~。1658ってことは、ノルマである3000体の約半分ってところか~。今日一日で、1300ちょいもゴーレムを狩れるかな~?」

「正直微妙なところですね。二日間かけて、やっと1658体……ノルマの半分を狩っている訳ですから」

「だね~。まず、狩る以前にゴーレムを順調に見つけることが出来るかどうかも分からないし~。って、噂をすれば」

 ニヤリと怪しく笑う徳正さんは、『今回の情報は当たりっぽい』と声を弾ませる。

「情報通り、ノーマルゴーレム二体~♪せっかくだし、『面白い仕掛け』が何なのか探ってみよっか~」

 一定方向に進んでいく二体のゴーレムを眺め、徳正さんは『やっと当たりを引き当てたんだから』と零した。
これまで結構な数のデマ情報を引いていたため、貴重な実験材料だと言いたいのだろう。
私は草原に覆われた大地に残った大きな足跡を一瞥し、ふと周囲を見回した。

 近くに他のプレイヤーは……居ないみたいだね。これなら、多少戦闘が長引いても問題なさそう。
正直、観察や実験ってあんまり得意じゃないんだけど、頑張ってみようかな。
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