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第三章
第108話『サンダーゴーレム討伐を改めて命じる』
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そして、一旦大木の後ろに身を隠したラルカさんはレモンイエローのクマの着ぐるみに着替えて戻ってくる。
『すまない。少し着替えるのに、手間取ってしまった。待たせたか?』
「いえ、全然大丈夫です。それより、コスチュームに不備はありませんでしたか?大分、昔に作ったものだと言っていましたが……」
『大丈夫だ。熱帯性も防水機能も感電防止機能も、正常に作動している。ただ最近開発したコスチュームと違って、このコスチュームは動きづらいから俊敏性に欠けるな』
「なるほど……」
着ぐるみ姿でも生身の人間のように動き回れたのは、コスチュームの開発者の腕が良かったからなんだ……。
もちろん、そのコスチュームを完璧に操るラルカさんも凄いけど。
「具体的にどのくらい、スピードが落ちるんですか?」
『通常に比べて、三割は落ちるな。おまけに細かい動作や急な方向転換も出来ないから、テクニックを必要とする戦い方は出来ない』
「大丈夫です、そこら辺は私達の方でサポートしますから」
『それは心強いな』
こちらを信頼してからこその一言に、私は少しばかり気を良くする。
『ラルカさんの期待に応えられるよう頑張ろう』と決意しながら、背筋を伸ばした。
「事情は大体分かりました。では、改めて────サンダーゴーレムの討伐、よろしくお願いします。月の泉への被害は出来るだけ、抑えるようにしてください」
『了解した。必ずラミエルの欲しい結果を持ち帰る、と約束しよう』
ラルカさんは左胸に手を添えて宣言すると、ホワイトボードをアイテムボックスの中に収納した。
かと思えば、愛用の武器デスサイズを手に取る。
そして、真っ直ぐ前を見据え────駆け出した。
ブワッと舞い上がる砂埃を他所に、ラルカさんはサンダーゴーレムの背後に回る。
そのまま勢いを殺さず突進していき、泉に落ちる直前でジャンプした。
これなら、泉の真ん中にサンダーゴーレムの元まで辿り着ける!
射程範囲にまで来れば、こっちのもの!
────と、ラルカさんの勝利を確信するものの……
「なっ!?雷……!?」
白く光る物体を見て、たじろいだ。
ゴロゴロと大きく鳴る雷鳴を前に、私はハッとする。
ラルカさん……!!ラルカさんは無事なの……!?
いくらあのコスチュームを着ているとはいえ、あの雷はさすがに……!空中に居たから、避けることも出来なかっただろうし……!
『すまない。少し着替えるのに、手間取ってしまった。待たせたか?』
「いえ、全然大丈夫です。それより、コスチュームに不備はありませんでしたか?大分、昔に作ったものだと言っていましたが……」
『大丈夫だ。熱帯性も防水機能も感電防止機能も、正常に作動している。ただ最近開発したコスチュームと違って、このコスチュームは動きづらいから俊敏性に欠けるな』
「なるほど……」
着ぐるみ姿でも生身の人間のように動き回れたのは、コスチュームの開発者の腕が良かったからなんだ……。
もちろん、そのコスチュームを完璧に操るラルカさんも凄いけど。
「具体的にどのくらい、スピードが落ちるんですか?」
『通常に比べて、三割は落ちるな。おまけに細かい動作や急な方向転換も出来ないから、テクニックを必要とする戦い方は出来ない』
「大丈夫です、そこら辺は私達の方でサポートしますから」
『それは心強いな』
こちらを信頼してからこその一言に、私は少しばかり気を良くする。
『ラルカさんの期待に応えられるよう頑張ろう』と決意しながら、背筋を伸ばした。
「事情は大体分かりました。では、改めて────サンダーゴーレムの討伐、よろしくお願いします。月の泉への被害は出来るだけ、抑えるようにしてください」
『了解した。必ずラミエルの欲しい結果を持ち帰る、と約束しよう』
ラルカさんは左胸に手を添えて宣言すると、ホワイトボードをアイテムボックスの中に収納した。
かと思えば、愛用の武器デスサイズを手に取る。
そして、真っ直ぐ前を見据え────駆け出した。
ブワッと舞い上がる砂埃を他所に、ラルカさんはサンダーゴーレムの背後に回る。
そのまま勢いを殺さず突進していき、泉に落ちる直前でジャンプした。
これなら、泉の真ん中にサンダーゴーレムの元まで辿り着ける!
射程範囲にまで来れば、こっちのもの!
────と、ラルカさんの勝利を確信するものの……
「なっ!?雷……!?」
白く光る物体を見て、たじろいだ。
ゴロゴロと大きく鳴る雷鳴を前に、私はハッとする。
ラルカさん……!!ラルカさんは無事なの……!?
いくらあのコスチュームを着ているとはいえ、あの雷はさすがに……!空中に居たから、避けることも出来なかっただろうし……!
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