30 / 59
第二章
不安
しおりを挟む
「そっか。分かったよ。でも、気が変わったらいつでも言ってね」
────という言葉を最後に、サミュエル殿下は再び机へ向かう。
無言で書類仕事を始めた彼を前に、私は壁際へ移動した。
『怒らせてしまっただろうか?』と思いつつ、護衛任務をこなすこと十数時間……日もどっぷり沈んだ頃、私はようやく退勤を許される。
私服のYシャツとズボンに着替え、帰路へつく私は裏門に足を向けた。
その道中────闇に溶け込むような黒髪を目にする。
あれ?もしかして、そこに居るのは……
「ディラン様?」
街灯が少ないため確信はないものの、私は一先ず名前を呼んでみた。
すると、その黒髪の男性はピクッと反応を示す。
と同時に、顔を上げた。
「……グレイス嬢、遅いよ」
そう言って、不満げに顔を顰めるのは間違いなくディラン様だった。
いつものローブ姿で佇む彼は、足早にこちらへ向かってくる。
そして、目の前に来るなり抱きついてきた。
あれ?ディラン様の体、凄く冷たい。
背中に回った腕や目の前の胸板から伝わってくる体温に、私は少しばかり目を剥く。
と同時に、顔を上げた。
「まさか、ずっとここで待っていたんですか?」
もうすぐ夏とはいえ、夜は冷える。長時間、屋外に居れば体温を奪われてもおかしくなかった。
「うん……グレイス嬢のこと、心配だったから」
『とりあえず、怪我はなさそうで安心した』と語り、ディラン様は私の肩に顔を埋める。
ホッとしたように体から力を抜く彼の前で、私は僅かに眉尻を下げた。
「そうだったんですね。お待たせしてしまって、申し訳ありません」
『寒かったですよね』と気に掛け、私はディラン様を抱き締め返す。
少しでも体が暖まるように、と。
「これ以上、体を冷やす前に家へ帰った方がいいですね。良ければ、送っていきますよ」
『ご自宅はどこですか?』と尋ねると、ディラン様はゆっくりと顔を上げた。
「普段は魔塔で寝泊まりしているから、送迎は必要ないよ。というか、そういう気遣いは男性の方がするんじゃないの?」
『気持ちは嬉しいけどさ』と零し、ディラン様は小さく肩を竦める。
と同時に、私の手を取った。
「だから、送るよ」
「いえ、そんな……申し訳ないです」
間髪容れずに首を横に振り、私はやんわり手を解こうとする。
が、ディラン様はそれを良しとしなかった。
「グレイス嬢はいつも、遠慮してばかりだよね……たまには、甘えてほしいのに」
先程より強い力で私の手を握り締め、ディラン様は僅かに顔を歪める。
アメジストの瞳に、不満を滲ませながら。
「……それにさ────グレイス嬢はまだ僕と一緒に居たいとか、思わないの?」
拗ねたような……でもどこか悲しそうな口調でそう言い、ディラン様はそっと目を伏せた。
かと思えば、トンッと私の肩に額を押し当てる。
「僕は凄く思っているよ」
絞り出すような小さな……そして掠れた声に、私はハッと息を呑んだ。
今になって、やっと感情面の配慮が足りなかったことに気づいて。
私、ディラン様の気持ちを蔑ろにしていた。
体調だけ気に掛けても、意味ないのに。
『恋人失格だ』と自責する中、ディラン様はゆっくりと身を起こした。
と同時に、私の唇を指先で優しくなぞる。
「ねぇ、グレイス嬢。君は本当に────僕のことが好きなの?」
「……えっ?」
全く予想してなかった質問を投げ掛けられ、私は思わず固まった。
が、直ぐに平静を取り戻して返答に口にする。
「もちろん、好きです。だから、こうしてお付き合いさせていただいているんですし」
「させていただいている、ね」
何か引っ掛かるような言い方だったのか、ディラン様はフッと自嘲にも似た笑みを漏らす。
握ったままの手に更なる力を込め、ちょっと涙目になった。
「グレイス嬢は本当、僕に謙って遠慮してばかりだね……君とは対等で居たいのに」
ポロリと一筋の涙を流し、ディラン様は唇を噛み締める。
「君が身分や立場のことを考えて、畏まった言動になるのは仕方ないと思っている。そこは少しずつ慣れてくれれば、って考えていた。でもさ────ただの一度も弱音を吐かず、ワガママを言わず、恋人を頼らないなんて……悲しいよ」
震える声で必死に訴え掛けてくるディラン様は、堪らず嗚咽を漏らした。
かと思えば、悲痛に顔を歪める。
「付き合う前からそうだったけど、グレイス嬢は自分のためだけに動くことってなかったよね。何かの用事のついでに自分のささやかな願いを叶えることはあっても、それ以上を望むことはないというか……とにかく、欲がない。だから、凄く不安なんだ」
ゆらゆらと瞳を揺らし、ディラン様はコツンッと額同士を合わせた。
「恋愛感情って、謂わば欲望でしょ?他を蹴落としてでもこの人は手に入れたいとか、何をしてでもこの人は幸せにしたいとか、そういうの……まあ、愛の形は人それぞれだから一概にどうとは言えないけど────僕はグレイス嬢から、そういう欲を感じたことは一度もない」
至近距離でこちらを見つめ、ディラン様は心の内を探ろうとしてくる。
が、何の感情も窺えないのか諦めたようにそっと目を閉じた。
ゆっくりと顔を上げる彼の前で、私はただひたすら猛省する。
ディラン様を……この世で一番大切な人を、泣かせてしまった。その罪は重い。
こんな風になるまで追い詰めてしまった事実を噛み締め、私は握られた手をそっと持ち上げる。
と同時に、もう一方の手で優しく包み込んだ。
「ディラン様のお気持ちは、よく分かりました。不安にさせてしまって、申し訳ございません。私の愛情表現不足でしたね」
『さすがに淡白すぎた』と主張し、私はディラン様の手の甲を撫でた。
ピクッと反応して目を開ける彼を前に、私は言葉を紡ぐ。
「でも、貴方を好きな気持ちに嘘はありません」
「……」
疑心暗鬼に近い状態となってしまったのか、ディラン様は沈黙を選んだ。
『その言葉を信用していいのか』と悩む彼の前で、私はアメジストの瞳を見つめ返す。
「確かにこれまで私の愛を感じた瞬間はなかったかもしれませんが、ディラン様は知っている筈ですよ。私の愛の形……その断片を」
「えっ……?」
思わずといった様子で声を漏らし、ディラン様は瞬きを繰り返す。
どうやら、心当たりがないらしい。
『一体、何のこと?』と困惑する彼を前に、私はスッと目を細めた。
「ほら、告白のとき言ったじゃないですか。一度ならず二度もディラン様を傷つけたアルカディア様が許せない、と」
「!」
ハッとしたように息を呑むディラン様は、暫し放心。
その拍子に泣き止んだ。
「なので、私の愛の形は────どんな手を使ってでもこの人は守る、です」
声高らかにそう宣言すると、ディラン様は目に光を宿した。
と同時に、私の手を掴む力を少し弱める。
「守る……」
「はい。私はたとえ、この身を犠牲にしてでも……他の人を切り捨てることになっても、貴方を守ります」
確かな覚悟と意志を持って誓い、私は精一杯の愛情を示した。
ディラン様が少しでも、安心してくれることを願いながら。
「私の愛、少しは伝わりましたでしょうか?」
「う、うん……」
おずおずと首を縦に振り、ディラン様は僅かに頬を赤くする。
そして、迷うように……躊躇うように視線をさまよわせると、控えめにこちらを見た。
「でも、その……まだ足りない────って言ったら、もっと愛を伝えてくれる……?」
まだ不安な気持ちが残っているのか、ディラン様は恐る恐る追加を求める。
キュッと唇に力を入れる彼の前で、私は小さく笑った。
「それはもちろん、構いませんよ。ですが、私はあまり言葉を知らないので口頭だけじゃ限界がありますね」
『他に愛を伝える方法はないか』と悩み、私は自身の顎に手を当てる。
その際、うっかり唇に触ってしまった。
「あっ、そうだ。こういうのは、どうでしょう?」
脳内で恋人同士がするスキンシップを思い浮かべ、私は爪先立ちになる。
そうすると、必然的にディラン様との距離が縮まり────唇が重なった。
「なっ……は……えぁ……」
ディラン様は真っ赤になって少し仰け反り、目を白黒させる。
私の口元を凝視しながら。
「ず、るい……こんなの」
絞り出すような声で抗議するディラン様に対し、私は小さく首を傾げた。
「えっ?キスは反則なんですか?恋人同士だから、良いかと思ったんですが……問題があるようなら、今後は控えますね」
無理やりしたくはないので、自粛を申し出た。
すると、ディラン様は
「ダメ」
と言って、軽く手を引く。
「も、もっとして……じゃないと、グレイス嬢の愛を感じられない」
耳まで赤くしながらキスの続行を要求し、ディラン様は口元に力を入れた。
緊張した面持ちでこちらの返事を待つ彼に対し、私は小さく頷く。
「分かりました」
────という言葉を最後に、サミュエル殿下は再び机へ向かう。
無言で書類仕事を始めた彼を前に、私は壁際へ移動した。
『怒らせてしまっただろうか?』と思いつつ、護衛任務をこなすこと十数時間……日もどっぷり沈んだ頃、私はようやく退勤を許される。
私服のYシャツとズボンに着替え、帰路へつく私は裏門に足を向けた。
その道中────闇に溶け込むような黒髪を目にする。
あれ?もしかして、そこに居るのは……
「ディラン様?」
街灯が少ないため確信はないものの、私は一先ず名前を呼んでみた。
すると、その黒髪の男性はピクッと反応を示す。
と同時に、顔を上げた。
「……グレイス嬢、遅いよ」
そう言って、不満げに顔を顰めるのは間違いなくディラン様だった。
いつものローブ姿で佇む彼は、足早にこちらへ向かってくる。
そして、目の前に来るなり抱きついてきた。
あれ?ディラン様の体、凄く冷たい。
背中に回った腕や目の前の胸板から伝わってくる体温に、私は少しばかり目を剥く。
と同時に、顔を上げた。
「まさか、ずっとここで待っていたんですか?」
もうすぐ夏とはいえ、夜は冷える。長時間、屋外に居れば体温を奪われてもおかしくなかった。
「うん……グレイス嬢のこと、心配だったから」
『とりあえず、怪我はなさそうで安心した』と語り、ディラン様は私の肩に顔を埋める。
ホッとしたように体から力を抜く彼の前で、私は僅かに眉尻を下げた。
「そうだったんですね。お待たせしてしまって、申し訳ありません」
『寒かったですよね』と気に掛け、私はディラン様を抱き締め返す。
少しでも体が暖まるように、と。
「これ以上、体を冷やす前に家へ帰った方がいいですね。良ければ、送っていきますよ」
『ご自宅はどこですか?』と尋ねると、ディラン様はゆっくりと顔を上げた。
「普段は魔塔で寝泊まりしているから、送迎は必要ないよ。というか、そういう気遣いは男性の方がするんじゃないの?」
『気持ちは嬉しいけどさ』と零し、ディラン様は小さく肩を竦める。
と同時に、私の手を取った。
「だから、送るよ」
「いえ、そんな……申し訳ないです」
間髪容れずに首を横に振り、私はやんわり手を解こうとする。
が、ディラン様はそれを良しとしなかった。
「グレイス嬢はいつも、遠慮してばかりだよね……たまには、甘えてほしいのに」
先程より強い力で私の手を握り締め、ディラン様は僅かに顔を歪める。
アメジストの瞳に、不満を滲ませながら。
「……それにさ────グレイス嬢はまだ僕と一緒に居たいとか、思わないの?」
拗ねたような……でもどこか悲しそうな口調でそう言い、ディラン様はそっと目を伏せた。
かと思えば、トンッと私の肩に額を押し当てる。
「僕は凄く思っているよ」
絞り出すような小さな……そして掠れた声に、私はハッと息を呑んだ。
今になって、やっと感情面の配慮が足りなかったことに気づいて。
私、ディラン様の気持ちを蔑ろにしていた。
体調だけ気に掛けても、意味ないのに。
『恋人失格だ』と自責する中、ディラン様はゆっくりと身を起こした。
と同時に、私の唇を指先で優しくなぞる。
「ねぇ、グレイス嬢。君は本当に────僕のことが好きなの?」
「……えっ?」
全く予想してなかった質問を投げ掛けられ、私は思わず固まった。
が、直ぐに平静を取り戻して返答に口にする。
「もちろん、好きです。だから、こうしてお付き合いさせていただいているんですし」
「させていただいている、ね」
何か引っ掛かるような言い方だったのか、ディラン様はフッと自嘲にも似た笑みを漏らす。
握ったままの手に更なる力を込め、ちょっと涙目になった。
「グレイス嬢は本当、僕に謙って遠慮してばかりだね……君とは対等で居たいのに」
ポロリと一筋の涙を流し、ディラン様は唇を噛み締める。
「君が身分や立場のことを考えて、畏まった言動になるのは仕方ないと思っている。そこは少しずつ慣れてくれれば、って考えていた。でもさ────ただの一度も弱音を吐かず、ワガママを言わず、恋人を頼らないなんて……悲しいよ」
震える声で必死に訴え掛けてくるディラン様は、堪らず嗚咽を漏らした。
かと思えば、悲痛に顔を歪める。
「付き合う前からそうだったけど、グレイス嬢は自分のためだけに動くことってなかったよね。何かの用事のついでに自分のささやかな願いを叶えることはあっても、それ以上を望むことはないというか……とにかく、欲がない。だから、凄く不安なんだ」
ゆらゆらと瞳を揺らし、ディラン様はコツンッと額同士を合わせた。
「恋愛感情って、謂わば欲望でしょ?他を蹴落としてでもこの人は手に入れたいとか、何をしてでもこの人は幸せにしたいとか、そういうの……まあ、愛の形は人それぞれだから一概にどうとは言えないけど────僕はグレイス嬢から、そういう欲を感じたことは一度もない」
至近距離でこちらを見つめ、ディラン様は心の内を探ろうとしてくる。
が、何の感情も窺えないのか諦めたようにそっと目を閉じた。
ゆっくりと顔を上げる彼の前で、私はただひたすら猛省する。
ディラン様を……この世で一番大切な人を、泣かせてしまった。その罪は重い。
こんな風になるまで追い詰めてしまった事実を噛み締め、私は握られた手をそっと持ち上げる。
と同時に、もう一方の手で優しく包み込んだ。
「ディラン様のお気持ちは、よく分かりました。不安にさせてしまって、申し訳ございません。私の愛情表現不足でしたね」
『さすがに淡白すぎた』と主張し、私はディラン様の手の甲を撫でた。
ピクッと反応して目を開ける彼を前に、私は言葉を紡ぐ。
「でも、貴方を好きな気持ちに嘘はありません」
「……」
疑心暗鬼に近い状態となってしまったのか、ディラン様は沈黙を選んだ。
『その言葉を信用していいのか』と悩む彼の前で、私はアメジストの瞳を見つめ返す。
「確かにこれまで私の愛を感じた瞬間はなかったかもしれませんが、ディラン様は知っている筈ですよ。私の愛の形……その断片を」
「えっ……?」
思わずといった様子で声を漏らし、ディラン様は瞬きを繰り返す。
どうやら、心当たりがないらしい。
『一体、何のこと?』と困惑する彼を前に、私はスッと目を細めた。
「ほら、告白のとき言ったじゃないですか。一度ならず二度もディラン様を傷つけたアルカディア様が許せない、と」
「!」
ハッとしたように息を呑むディラン様は、暫し放心。
その拍子に泣き止んだ。
「なので、私の愛の形は────どんな手を使ってでもこの人は守る、です」
声高らかにそう宣言すると、ディラン様は目に光を宿した。
と同時に、私の手を掴む力を少し弱める。
「守る……」
「はい。私はたとえ、この身を犠牲にしてでも……他の人を切り捨てることになっても、貴方を守ります」
確かな覚悟と意志を持って誓い、私は精一杯の愛情を示した。
ディラン様が少しでも、安心してくれることを願いながら。
「私の愛、少しは伝わりましたでしょうか?」
「う、うん……」
おずおずと首を縦に振り、ディラン様は僅かに頬を赤くする。
そして、迷うように……躊躇うように視線をさまよわせると、控えめにこちらを見た。
「でも、その……まだ足りない────って言ったら、もっと愛を伝えてくれる……?」
まだ不安な気持ちが残っているのか、ディラン様は恐る恐る追加を求める。
キュッと唇に力を入れる彼の前で、私は小さく笑った。
「それはもちろん、構いませんよ。ですが、私はあまり言葉を知らないので口頭だけじゃ限界がありますね」
『他に愛を伝える方法はないか』と悩み、私は自身の顎に手を当てる。
その際、うっかり唇に触ってしまった。
「あっ、そうだ。こういうのは、どうでしょう?」
脳内で恋人同士がするスキンシップを思い浮かべ、私は爪先立ちになる。
そうすると、必然的にディラン様との距離が縮まり────唇が重なった。
「なっ……は……えぁ……」
ディラン様は真っ赤になって少し仰け反り、目を白黒させる。
私の口元を凝視しながら。
「ず、るい……こんなの」
絞り出すような声で抗議するディラン様に対し、私は小さく首を傾げた。
「えっ?キスは反則なんですか?恋人同士だから、良いかと思ったんですが……問題があるようなら、今後は控えますね」
無理やりしたくはないので、自粛を申し出た。
すると、ディラン様は
「ダメ」
と言って、軽く手を引く。
「も、もっとして……じゃないと、グレイス嬢の愛を感じられない」
耳まで赤くしながらキスの続行を要求し、ディラン様は口元に力を入れた。
緊張した面持ちでこちらの返事を待つ彼に対し、私は小さく頷く。
「分かりました」
73
あなたにおすすめの小説
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
【完結】ひとりぼっちになった王女が辿り着いた先は、隣国の✕✕との溺愛婚でした
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
側妃を母にもつ王女クラーラは、正妃に命を狙われていると分かり、父である国王陛下の手によって王城から逃がされる。隠れた先の修道院で迎えがくるのを待っていたが、数年後、もたらされたのは頼りの綱だった国王陛下の訃報だった。「これからどうしたらいいの?」ひとりぼっちになってしまったクラーラは、見習いシスターとして生きる覚悟をする。そんなある日、クラーラのつくるスープの香りにつられ、身なりの良い青年が修道院を訪ねて来た。
やけに居心地がいいと思ったら、私のための愛の巣でした。~いつの間にか約束された精霊婚~
小桜
恋愛
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。
そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい。
幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。
そろそろ彼との関係も終わらせなければならないけれど、ルディエルも精霊達もネネリアだけに優しくて――?
「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」
鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。
精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。
【完結】愛されていた。手遅れな程に・・・
月白ヤトヒコ
恋愛
婚約してから長年彼女に酷い態度を取り続けていた。
けれどある日、婚約者の魅力に気付いてから、俺は心を入れ替えた。
謝罪をし、婚約者への態度を改めると誓った。そんな俺に婚約者は怒るでもなく、
「ああ……こんな日が来るだなんてっ……」
謝罪を受け入れた後、涙を浮かべて喜んでくれた。
それからは婚約者を溺愛し、順調に交際を重ね――――
昨日、式を挙げた。
なのに・・・妻は昨夜。夫婦の寝室に来なかった。
初夜をすっぽかした妻の許へ向かうと、
「王太子殿下と寝所を共にするだなんておぞましい」
という声が聞こえた。
やはり、妻は婚約者時代のことを許してはいなかったのだと思ったが・・・
「殿下のことを愛していますわ」と言った口で、「殿下と夫婦になるのは無理です」と言う。
なぜだと問い質す俺に、彼女は笑顔で答えてとどめを刺した。
愛されていた。手遅れな程に・・・という、後悔する王太子の話。
シリアス……に見せ掛けて、後半は多分コメディー。
設定はふわっと。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。
ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる