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第五章
横槍 1
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明らかにこちらが劣勢...。
本格的に加勢を考え始めたそのとき....!
「っ....!?」
「ノームっ!?」
「....ノームと私の真剣勝負に横槍とは...命知らずも良いところです」
突如真っ黒な姿をした剣がノーム目掛けて投げ付けられた。
ノームは咄嗟の判断で急所は外したものの横腹に剣を掠めたらしく、彼の衣服をじんわりと赤い液体が汚す。
可笑しい.....。
この程度の傷、精霊達なら出血する前に癒えている筈だ。それが四大精霊となれば尚のこと。
いや、そもそも....不意を突かれたとは言え、剣がノームの元へ到達する前にノームは剣の存在に気付いていた。要するに皮膚を硬化する時間があったということだ。
なのに.....精霊の硬い皮膚を意図も容易く切ってみせた謎の剣。
なん、なの!?この剣は!
「ふふふっ。さすがは四大精霊、と言ったところでしょうか?」
この声は.....!!
どこか甘さを含んだこの声を私は知っている。
声のした方へ目を向けると、そこには案の定フィル王子の姿があった。
その傍らにはプレストン王子の姿も。
一体、何がどうなっているの....?
「お久し振りです、ディアナ様」
右手を左胸に添え、そっと頭を垂れる彼は確かにフィル王子だ。
間違いない。
だけど....何でこんなことを?
ブラウン王子ならまだしも頭の良いフィル王子なら、こんなことをすればタダじゃ済まないことくらい分かっている筈だ。
なのに何故....?
彼らしくない行動に我が目を疑うばかり。
本当にフィル王子....ですよね?
変身なんて高等魔法人間には使えませんし...。
「あの、フィル王子....」
「はい、なんでしょう?」
「何故、このようなことを....?」
「このような?あぁ、精霊を攻撃したことですか?」
「ええ」
「それはディアナ様を助けるためです」
私を....助ける?
ますます意味が分からない。
フィル王子の言動に完全に私の頭は追い付いていない状態。
「私は貴方様を精霊達の魔の手から救い出すため、ありとあらゆる手段を用いて精霊に対抗するための方法を探し出しました。それがその剣です」
精霊に対抗するための方法?
床に転がっている真っ黒の剣に視線を向けたあと、私はすぐにノームへ目を向けた。
ぁ、えっ?
これだけ時間が経っていると言うのに....ノームの傷は塞がっていなかった。
何!?一体どういうこと!?
傷口からは未だに真っ赤な血が流れ続け、彼の周りには小さな血溜まりが出来ていた。
何で....?どうして....?
「その剣は特別製なんですよ。ディアナ様は魔剣をご存知ですか?」
フィル王子は床に転がっている剣にそっと近付くとそれを手に取り、私にニッコリと笑って見せる。
魔剣....?
魔剣って確か悪魔が使う真っ黒な剣身をした剣だって聞いたことが.....まさか!!
これがその魔剣だと言うの!?
本格的に加勢を考え始めたそのとき....!
「っ....!?」
「ノームっ!?」
「....ノームと私の真剣勝負に横槍とは...命知らずも良いところです」
突如真っ黒な姿をした剣がノーム目掛けて投げ付けられた。
ノームは咄嗟の判断で急所は外したものの横腹に剣を掠めたらしく、彼の衣服をじんわりと赤い液体が汚す。
可笑しい.....。
この程度の傷、精霊達なら出血する前に癒えている筈だ。それが四大精霊となれば尚のこと。
いや、そもそも....不意を突かれたとは言え、剣がノームの元へ到達する前にノームは剣の存在に気付いていた。要するに皮膚を硬化する時間があったということだ。
なのに.....精霊の硬い皮膚を意図も容易く切ってみせた謎の剣。
なん、なの!?この剣は!
「ふふふっ。さすがは四大精霊、と言ったところでしょうか?」
この声は.....!!
どこか甘さを含んだこの声を私は知っている。
声のした方へ目を向けると、そこには案の定フィル王子の姿があった。
その傍らにはプレストン王子の姿も。
一体、何がどうなっているの....?
「お久し振りです、ディアナ様」
右手を左胸に添え、そっと頭を垂れる彼は確かにフィル王子だ。
間違いない。
だけど....何でこんなことを?
ブラウン王子ならまだしも頭の良いフィル王子なら、こんなことをすればタダじゃ済まないことくらい分かっている筈だ。
なのに何故....?
彼らしくない行動に我が目を疑うばかり。
本当にフィル王子....ですよね?
変身なんて高等魔法人間には使えませんし...。
「あの、フィル王子....」
「はい、なんでしょう?」
「何故、このようなことを....?」
「このような?あぁ、精霊を攻撃したことですか?」
「ええ」
「それはディアナ様を助けるためです」
私を....助ける?
ますます意味が分からない。
フィル王子の言動に完全に私の頭は追い付いていない状態。
「私は貴方様を精霊達の魔の手から救い出すため、ありとあらゆる手段を用いて精霊に対抗するための方法を探し出しました。それがその剣です」
精霊に対抗するための方法?
床に転がっている真っ黒の剣に視線を向けたあと、私はすぐにノームへ目を向けた。
ぁ、えっ?
これだけ時間が経っていると言うのに....ノームの傷は塞がっていなかった。
何!?一体どういうこと!?
傷口からは未だに真っ赤な血が流れ続け、彼の周りには小さな血溜まりが出来ていた。
何で....?どうして....?
「その剣は特別製なんですよ。ディアナ様は魔剣をご存知ですか?」
フィル王子は床に転がっている剣にそっと近付くとそれを手に取り、私にニッコリと笑って見せる。
魔剣....?
魔剣って確か悪魔が使う真っ黒な剣身をした剣だって聞いたことが.....まさか!!
これがその魔剣だと言うの!?
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