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第四章
休校 3
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ノームの胸に耳を当て、トクントクンと一定のリズムで脈打つ心臓の音を静かに聞く。
凄く安心する....。
昨日からずっとウンディーネへの恐怖心と不安でいっぱいだったけど、今はとても安らかな気持ちだ。
不思議だなぁ....あんなに不安で仕方なかったのにノームに抱き締められるだけでスゥと不安が消えていく。
濃い霧が晴れたみたいに今はとても晴れやかな気分だ。
「.....ディアナ、今日は久々に絵本でも読もうか?」
「うふふっ。私、もう絵本読むような歳じゃないよ?」
「.....それもそうだね。じゃあ何したい?」
んー.....特にこれといってしたいことはないかな。
強いて言うなら勉強とか?
でも、せっかくノームが居るのに勉強をするのもなんだか勿体ない気がする。
ノームは小さい頃からよく私と遊んでくれて、いつも私のリクエストに全力で応えてくれていた。
懐かしいなぁ....大縄がしたいと言えばミニゴーレムを大量に作って人数を揃え、秘密基地を作りたいと言えば木材を魔法で出してくれた。他にもたくさん無茶振りをしたが、彼は嫌な顔一つせず全て叶えてくれた。
小さい頃の私って凄く我が儘だったんだなぁ、って今更ながら思うよ。
その我が儘に全力で応えるノームもノームだが....。
「そうだなぁ.....じゃあ、ここは令嬢らしくダンスレッスンとか?」
「......ダンスかぁ。良いね、やろうか」
「うんっ!」
ノームって実はこう見えて凄くダンスが上手なんだ。
なんでも私のために覚えてくれたらしい。
だから、私が小さい頃ダンスを教わった相手はノームである。
ノームなりに色々考えながら出来るだけ分かりやすく小さい頃の私に教えてくれていた。
ノームの指導のおかげか、私はあっという間にダンスをマスターしちゃったんだよね。
あの頃はノームと一緒にダンスを踊るのがとにかく楽しくて遊びそっちのけでレッスンに励んでいた。
ほんと、懐かしいなぁ。
私とノームはあまり物が置かれていない殺風景な部屋へ移動するとレコードを準備し始めた。
こうやってレコードに触れるのも久しぶりだ。
ダンスはパーティーに参加する度にちょくちょくやっていたため、腕は落ちていないと思うが相手がノームだと思うと変な緊張感が生まれる。
「お手をどうぞ、お姫様」
ノームは私の緊張を感じ取ってか、おちゃらけたような口調でそう言い、こちらへ手を差し出した。
私の緊張をほぐすように柔らかく笑うノームはどこまでも優しい。
本当昔から変わらないなぁ....優しいのも笑顔が素敵なのも気遣いが出来るところも。
いつまでも変わらないノームの姿に懐かしさと安心感が募る。
ノームのおかげですっかり緊張がほぐれた私は微笑み返しながらそっと彼の手に自身の手を重ねた。
凄く安心する....。
昨日からずっとウンディーネへの恐怖心と不安でいっぱいだったけど、今はとても安らかな気持ちだ。
不思議だなぁ....あんなに不安で仕方なかったのにノームに抱き締められるだけでスゥと不安が消えていく。
濃い霧が晴れたみたいに今はとても晴れやかな気分だ。
「.....ディアナ、今日は久々に絵本でも読もうか?」
「うふふっ。私、もう絵本読むような歳じゃないよ?」
「.....それもそうだね。じゃあ何したい?」
んー.....特にこれといってしたいことはないかな。
強いて言うなら勉強とか?
でも、せっかくノームが居るのに勉強をするのもなんだか勿体ない気がする。
ノームは小さい頃からよく私と遊んでくれて、いつも私のリクエストに全力で応えてくれていた。
懐かしいなぁ....大縄がしたいと言えばミニゴーレムを大量に作って人数を揃え、秘密基地を作りたいと言えば木材を魔法で出してくれた。他にもたくさん無茶振りをしたが、彼は嫌な顔一つせず全て叶えてくれた。
小さい頃の私って凄く我が儘だったんだなぁ、って今更ながら思うよ。
その我が儘に全力で応えるノームもノームだが....。
「そうだなぁ.....じゃあ、ここは令嬢らしくダンスレッスンとか?」
「......ダンスかぁ。良いね、やろうか」
「うんっ!」
ノームって実はこう見えて凄くダンスが上手なんだ。
なんでも私のために覚えてくれたらしい。
だから、私が小さい頃ダンスを教わった相手はノームである。
ノームなりに色々考えながら出来るだけ分かりやすく小さい頃の私に教えてくれていた。
ノームの指導のおかげか、私はあっという間にダンスをマスターしちゃったんだよね。
あの頃はノームと一緒にダンスを踊るのがとにかく楽しくて遊びそっちのけでレッスンに励んでいた。
ほんと、懐かしいなぁ。
私とノームはあまり物が置かれていない殺風景な部屋へ移動するとレコードを準備し始めた。
こうやってレコードに触れるのも久しぶりだ。
ダンスはパーティーに参加する度にちょくちょくやっていたため、腕は落ちていないと思うが相手がノームだと思うと変な緊張感が生まれる。
「お手をどうぞ、お姫様」
ノームは私の緊張を感じ取ってか、おちゃらけたような口調でそう言い、こちらへ手を差し出した。
私の緊張をほぐすように柔らかく笑うノームはどこまでも優しい。
本当昔から変わらないなぁ....優しいのも笑顔が素敵なのも気遣いが出来るところも。
いつまでも変わらないノームの姿に懐かしさと安心感が募る。
ノームのおかげですっかり緊張がほぐれた私は微笑み返しながらそっと彼の手に自身の手を重ねた。
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