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第四章
休校 2
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ディアナ、凄く疲れているみたい....。
僕───ノームはディアナの華奢な体を優しく労るように抱き締めながらシルフの言葉を思い返していた。
『ディアナ、絶対何か隠してる!学校で何か嫌なことがあったんだよ!なのにディアナもサラマンダーも何も教えてくれないしさ!あーもー!教えてくれれば、なんとかしてあげられるのにっ!』
学校で嫌なことか.....。
やっぱり、ディアナは精霊国に来るべきだと思う。
ここには....人間達の側には汚いものが多すぎる。
嫉妬、憎悪、羨望、殺意.....汚いものしかない人間の側に彼女は何で居たいんだろう?
ディアナは綺麗なものだけ見ていれば良い。
汚いものは全部僕が秘密裏に処理してあげるから。
だから、ディアナは綺麗なものだけ見てて。
綺麗な心をずっと持ち続けて。
「....ノーム...」
「.....ん?どうしたの?」
「.....ううん。やっぱり、何でもない」
ディアナは何か言いたげな表情をしているが、結局僕に何か言うことはなかった。
いつからだったかな?
ディアナが僕に相談しなくなったのは....。
数年前まで僕はディアナの良き理解者であり相談相手だった。
何か悩んでいることがあれば、真っ先に僕のところへ来る.....そんな関係だったのに....数年前、僕が汚物処理を行っているところにたまたまディアナが居合わせ、それ以来彼女は僕に相談をしなくなった。
あのときの汚物は確か....ディアナを性的な目で見ていた家庭教師だったかな?ディアナが『なんだか目が怖くて....』と相談してきたので確認したところ、あいつは明らかに性欲に溺れた雄の目をしていた。
だから、処分したんだけど.....運悪くディアナに見られちゃってね...もちろん、すぐに彼女の目元を手で覆ったが明らかに手遅れだった。
『な、にしているの....?』
『....ん?ディアナは何も知らなくて良いんだよ』
『.....もしかして、私が相談したから...?』
『.....ディアナは何も知らなくて良い。綺麗なものだけ見ていれば良いんだよ』
確かこんな風な会話を交わしたっけ?
そのとき、何故か彼女の目元を覆っていた手が濡れていたけど....何で濡れていたんだろう?
まあ、それはさておき。
それからディアナは全くと言って良いほど僕に相談しなくなった。
ときどき何か言いたげな目をするが、結局いつも何も言わない....。
言ってほしいのに....頼ってほしいのに....。
何が駄目だったんだろう?何がいけなかったんだろう?
分からない....何も分からない。
ただ教えてほしいだけなんだ....何がダメなのか、何が嫌なのか、何がいけなかったのか。
ごめんね、ディアナ。残念ながら思っているだけじゃ伝わらないんだ。言葉にしてくれないと何も分からないんだよ....。
ごめんね?僕は感情に疎いところがあるから、言ってくれないと分からないんだ。
察してあげられなくてごめん....ごめんね。
何も言ってくれない彼女にもどかしさを感じながら僕は抱き締める腕に力を込めた。
僕───ノームはディアナの華奢な体を優しく労るように抱き締めながらシルフの言葉を思い返していた。
『ディアナ、絶対何か隠してる!学校で何か嫌なことがあったんだよ!なのにディアナもサラマンダーも何も教えてくれないしさ!あーもー!教えてくれれば、なんとかしてあげられるのにっ!』
学校で嫌なことか.....。
やっぱり、ディアナは精霊国に来るべきだと思う。
ここには....人間達の側には汚いものが多すぎる。
嫉妬、憎悪、羨望、殺意.....汚いものしかない人間の側に彼女は何で居たいんだろう?
ディアナは綺麗なものだけ見ていれば良い。
汚いものは全部僕が秘密裏に処理してあげるから。
だから、ディアナは綺麗なものだけ見てて。
綺麗な心をずっと持ち続けて。
「....ノーム...」
「.....ん?どうしたの?」
「.....ううん。やっぱり、何でもない」
ディアナは何か言いたげな表情をしているが、結局僕に何か言うことはなかった。
いつからだったかな?
ディアナが僕に相談しなくなったのは....。
数年前まで僕はディアナの良き理解者であり相談相手だった。
何か悩んでいることがあれば、真っ先に僕のところへ来る.....そんな関係だったのに....数年前、僕が汚物処理を行っているところにたまたまディアナが居合わせ、それ以来彼女は僕に相談をしなくなった。
あのときの汚物は確か....ディアナを性的な目で見ていた家庭教師だったかな?ディアナが『なんだか目が怖くて....』と相談してきたので確認したところ、あいつは明らかに性欲に溺れた雄の目をしていた。
だから、処分したんだけど.....運悪くディアナに見られちゃってね...もちろん、すぐに彼女の目元を手で覆ったが明らかに手遅れだった。
『な、にしているの....?』
『....ん?ディアナは何も知らなくて良いんだよ』
『.....もしかして、私が相談したから...?』
『.....ディアナは何も知らなくて良い。綺麗なものだけ見ていれば良いんだよ』
確かこんな風な会話を交わしたっけ?
そのとき、何故か彼女の目元を覆っていた手が濡れていたけど....何で濡れていたんだろう?
まあ、それはさておき。
それからディアナは全くと言って良いほど僕に相談しなくなった。
ときどき何か言いたげな目をするが、結局いつも何も言わない....。
言ってほしいのに....頼ってほしいのに....。
何が駄目だったんだろう?何がいけなかったんだろう?
分からない....何も分からない。
ただ教えてほしいだけなんだ....何がダメなのか、何が嫌なのか、何がいけなかったのか。
ごめんね、ディアナ。残念ながら思っているだけじゃ伝わらないんだ。言葉にしてくれないと何も分からないんだよ....。
ごめんね?僕は感情に疎いところがあるから、言ってくれないと分からないんだ。
察してあげられなくてごめん....ごめんね。
何も言ってくれない彼女にもどかしさを感じながら僕は抱き締める腕に力を込めた。
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