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第四章
休校 1
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翌日の朝。
私────ディアナは一応学校の準備をしたものの、家を出る直前に使用人から休校との知らせを受けた。
やはり、そうなりますよね....。
昨日ウンディーネの手によって怪我を負ったのは少なくとも30名以上。
治癒魔法があるとは言え、昨日の今日で復帰できるほど人間は丈夫に出来ていない。
それに.....私はきっともう学校には通えませんから....。
きっと、何らかの理由をつけて私を退学もしくは停学処分にする筈です....。
仮に退学にも停学にもならずに今まで通り学校に通えたとしても、私はきっと他の生徒達と一切接触しないように特別な措置をされる筈。
はぁ、と深い溜め息を溢し私は自室へと戻った。
駄目ですね....ほんと。
昨日、結局ウンディーネに自分の気持ちを打ち明けることが出来ず、何も変えることが出来なかった。
チャンス....だったかもしれないのに。
ウンディーネが怖くて結局自分の気持ちを最後まで口に出来なかった。
憂鬱な気分のまま、自室へ戻るとベッドの端に腰掛け静かに本を読んでいる山葵色の髪の男性が目に入る。
彼は気配で私を察知したのか、ゆっくりこちらに目を向けた。
「.....ディアナ、学校じゃなかったの?」
「うん...そうだったんだけど...休校なんだってさ」
「.....そっか。じゃあ、今日はずっと家に居る?」
「うん...」
「.....じゃあ、久々にディアナのこと独占できるね」
おいで、と言って私に両手を差し出す彼は四大精霊が一人 地の監視者 ノーム。
山葵色の少し癖毛がちな髪に宝石のエメラルドみたいな深い緑の瞳、顔立ちは中性的で非常に整っている。
童話に出てくる王子様みたいな風貌をしているノーム。
ノームは基本的に無口で表情を顔に出すことが苦手だが、私の前ではそこまで酷くない。
ちゃんと喋ってくれるし、僅かだが表情も変化する。
今だって優しげに目をうっすら細めているし...。
私はノームの腕の中に吸い込まれるように抱きついた。
ノームのハグは凄く好き。
何故だか分からないけど、凄く安心するの。
ノームの側は凄く和むし、時間の流れが穏やかだ。
だから、彼の側は居心地が良い。
「ディアナをこうやって抱き締めるのもほんと久しぶり....」
「そういえば、そうだね。ずっと学校の準備とか荷ほどきで忙しかったから....」
登校前日までなんだかんだ忙しかったからね。
ノームから香る微かな花の匂いを肺一杯に吸い込みながら、私はノームを抱き締める力を強めた。
最近色々あって疲れた.....。
今だけ....今だけ休憩させて。
そしたら、また....頑張るから。
私────ディアナは一応学校の準備をしたものの、家を出る直前に使用人から休校との知らせを受けた。
やはり、そうなりますよね....。
昨日ウンディーネの手によって怪我を負ったのは少なくとも30名以上。
治癒魔法があるとは言え、昨日の今日で復帰できるほど人間は丈夫に出来ていない。
それに.....私はきっともう学校には通えませんから....。
きっと、何らかの理由をつけて私を退学もしくは停学処分にする筈です....。
仮に退学にも停学にもならずに今まで通り学校に通えたとしても、私はきっと他の生徒達と一切接触しないように特別な措置をされる筈。
はぁ、と深い溜め息を溢し私は自室へと戻った。
駄目ですね....ほんと。
昨日、結局ウンディーネに自分の気持ちを打ち明けることが出来ず、何も変えることが出来なかった。
チャンス....だったかもしれないのに。
ウンディーネが怖くて結局自分の気持ちを最後まで口に出来なかった。
憂鬱な気分のまま、自室へ戻るとベッドの端に腰掛け静かに本を読んでいる山葵色の髪の男性が目に入る。
彼は気配で私を察知したのか、ゆっくりこちらに目を向けた。
「.....ディアナ、学校じゃなかったの?」
「うん...そうだったんだけど...休校なんだってさ」
「.....そっか。じゃあ、今日はずっと家に居る?」
「うん...」
「.....じゃあ、久々にディアナのこと独占できるね」
おいで、と言って私に両手を差し出す彼は四大精霊が一人 地の監視者 ノーム。
山葵色の少し癖毛がちな髪に宝石のエメラルドみたいな深い緑の瞳、顔立ちは中性的で非常に整っている。
童話に出てくる王子様みたいな風貌をしているノーム。
ノームは基本的に無口で表情を顔に出すことが苦手だが、私の前ではそこまで酷くない。
ちゃんと喋ってくれるし、僅かだが表情も変化する。
今だって優しげに目をうっすら細めているし...。
私はノームの腕の中に吸い込まれるように抱きついた。
ノームのハグは凄く好き。
何故だか分からないけど、凄く安心するの。
ノームの側は凄く和むし、時間の流れが穏やかだ。
だから、彼の側は居心地が良い。
「ディアナをこうやって抱き締めるのもほんと久しぶり....」
「そういえば、そうだね。ずっと学校の準備とか荷ほどきで忙しかったから....」
登校前日までなんだかんだ忙しかったからね。
ノームから香る微かな花の匂いを肺一杯に吸い込みながら、私はノームを抱き締める力を強めた。
最近色々あって疲れた.....。
今だけ....今だけ休憩させて。
そしたら、また....頑張るから。
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