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第一章
お馬鹿なブラウン 1
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一方、その頃王宮では.....ブラウン王子が自室で暴れまくっておりました。
くそっ!何故だ何故だ何故だ何故だ何故だぁ!?
何故、私がこんな目に遭わなければならないのだ!私はこの国の王子だぞ!?王族なのだぞぉ!?
怒りに任せて部屋のクッションやちょっとした家具などを床や壁に投げ付ける。
ガッシャン!と鏡が割れ、そこら辺に破片が飛び散るが気にせず暴れまわる。
父上にこっぴどく叱られた上に今日一日謹慎処分など...!
何故、私がこんな処罰を受けなければならないのだ!
公衆の面前で恥をかいただけではなく、このような処罰を下されるなど、我慢ならん!
このどこまでも広がる青空よりも広い心を持つ私でもさすがにこの状況には耐えきれん!
大体、少し精霊に好かれているからなんだと言うのだ!あんな顔しか取り柄がなさそうな女、恐るるに足らん!
あの女の側に居た男には注意が必要だが、あの女自体はさして脅威ではない。
あの男が居ないときを狙って嫌がらせでもしてやろうか。
まあ、ディアナが泣いて許しを乞うのなら許してやらんこともないが....。もちろん、夜の奉仕をするならの話だ。
あの女、見た目だけは良いからな!見た目だけは!
なかなか胸もあったしな!
腰まである艶やかな銀髪に黄金に光る眼、顔立ちは実に可愛らしく、美しい私と並んでも引け目を取らないだろう。
ディアナがどうしてもと言うなら、我が妻にしてやらんこともない。
すっかり機嫌が良くなった私は自分が謹慎中だということも忘れて部屋を飛び出した。
よしっ!早速ディアナの元へ行くとしよう!
そこで泣いて謝れば我が妻に、謝罪の一言もなければ殺すまでだ!
上機嫌で廊下を駆け抜ける私を使用人が何度か止めようとしたが、気にせず走る。
あともう少しで玄関....というところで私はある人物にぶつかってしまった。
「あたっ!?」
鼻を思い切り相手の胸板に強打し、思わずしゃがみ込む。
このっ!誰だ!?私の高貴なる顔に傷がつけばタダじゃおかんぞ!
「おや?可笑しいですねぇ?ブラウンは確かディアナ様に危害を加えた罰として今日一日自室で謹慎処分だった筈ですが、何故ここにいらっしゃるのでしょう?」
こっ、この声は....!?
慌てて立ち上がり、声の主と向き合った。
聞き覚えのあるその声の主は我がスターリ国第一王子であるフィル兄様。
氷の貴公子と通り名が付くほど、氷魔法の扱いに長けた人でその実力は国外にも轟くほど。
艶やかな金髪の隙間から覗く海のように真っ青な瞳には怒りと軽蔑が込められていた。
昔から私はフィル兄様と折り合いが悪い。
私はフィル兄様を自慢の兄だと慕っているが、フィル兄様は私を汚物を見るような目でいつも見てくる。
その目はいつも冷えきっていて、とても恐ろしいのだ。
くそっ!何故だ何故だ何故だ何故だ何故だぁ!?
何故、私がこんな目に遭わなければならないのだ!私はこの国の王子だぞ!?王族なのだぞぉ!?
怒りに任せて部屋のクッションやちょっとした家具などを床や壁に投げ付ける。
ガッシャン!と鏡が割れ、そこら辺に破片が飛び散るが気にせず暴れまわる。
父上にこっぴどく叱られた上に今日一日謹慎処分など...!
何故、私がこんな処罰を受けなければならないのだ!
公衆の面前で恥をかいただけではなく、このような処罰を下されるなど、我慢ならん!
このどこまでも広がる青空よりも広い心を持つ私でもさすがにこの状況には耐えきれん!
大体、少し精霊に好かれているからなんだと言うのだ!あんな顔しか取り柄がなさそうな女、恐るるに足らん!
あの女の側に居た男には注意が必要だが、あの女自体はさして脅威ではない。
あの男が居ないときを狙って嫌がらせでもしてやろうか。
まあ、ディアナが泣いて許しを乞うのなら許してやらんこともないが....。もちろん、夜の奉仕をするならの話だ。
あの女、見た目だけは良いからな!見た目だけは!
なかなか胸もあったしな!
腰まである艶やかな銀髪に黄金に光る眼、顔立ちは実に可愛らしく、美しい私と並んでも引け目を取らないだろう。
ディアナがどうしてもと言うなら、我が妻にしてやらんこともない。
すっかり機嫌が良くなった私は自分が謹慎中だということも忘れて部屋を飛び出した。
よしっ!早速ディアナの元へ行くとしよう!
そこで泣いて謝れば我が妻に、謝罪の一言もなければ殺すまでだ!
上機嫌で廊下を駆け抜ける私を使用人が何度か止めようとしたが、気にせず走る。
あともう少しで玄関....というところで私はある人物にぶつかってしまった。
「あたっ!?」
鼻を思い切り相手の胸板に強打し、思わずしゃがみ込む。
このっ!誰だ!?私の高貴なる顔に傷がつけばタダじゃおかんぞ!
「おや?可笑しいですねぇ?ブラウンは確かディアナ様に危害を加えた罰として今日一日自室で謹慎処分だった筈ですが、何故ここにいらっしゃるのでしょう?」
こっ、この声は....!?
慌てて立ち上がり、声の主と向き合った。
聞き覚えのあるその声の主は我がスターリ国第一王子であるフィル兄様。
氷の貴公子と通り名が付くほど、氷魔法の扱いに長けた人でその実力は国外にも轟くほど。
艶やかな金髪の隙間から覗く海のように真っ青な瞳には怒りと軽蔑が込められていた。
昔から私はフィル兄様と折り合いが悪い。
私はフィル兄様を自慢の兄だと慕っているが、フィル兄様は私を汚物を見るような目でいつも見てくる。
その目はいつも冷えきっていて、とても恐ろしいのだ。
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