婚約破棄に全力感謝

あーもんど

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最終章

復讐という名の遊び 3

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 もしも、ライアン陛下があのとき剣の稽古を投げ出さずにしっかり取り組んでいれば、この戦いも少しは面白いものになっていたかもしれませんね。少なくとも座りながら剣を振るうという奇行には走らずに済んだかもしれません。
 実に残念です。
 ライアン陛下は疲れてきたのか、だんだん動きにキレがなくなってきた。
 あらあら、もう疲れちゃったんですか?体力がありませんね、ほんと。
 まあ、私もこの戦いに飽きてきたところなので丁度良いですね。さっさと終わらせましょう。
 あっ!でも、その前に....。
 私は扇でカキーンッとライアン陛下の剣を弾き飛ばし、ライアン陛下の鳩尾に蹴りを入れた。

「ぐはっ....!」

 そこまで強く蹴りあげていない筈ですが、ライアン陛下は大袈裟なくらいその場で噎せ返りました。
 メンタルは不思議なくらい強いのに体は脆弱なんですね。
 さて、そんなことはさておき。
 私は転移の魔法であるものをこちらへ転移させた。
 私の手の上には四角い箱が乗せられている。
 ライアン陛下の驚く顔を思い浮かべながら、私はその箱の蓋を取り、彼に見えやすいに少し屈んで箱の中を見せてあげた。
 ライアン陛下は噎せ返りつつも一応箱の中に目を向ける。
 箱の中身を見た途端、彼は尋常じゃないほど震え上がり目を見開いた。

「なっ....はっ...は、はうえ...!?」

 そう、私が彼に見せたのはレーナ王妃の生首。
 使い道がなくてどうしようかと思っていましたが、こんな使い道もあるんですね。“あの方”の提案もたまには聞いてみるものですね。

「よければ、差し上げますよ?冥土の土産に」

 私は生首を片手で鷲掴みにすると、ライアン陛下の方へ投げつけた。
 ライアン陛下は腰が抜けて動けないので避けることも出来ず、顔面でレーナ王妃の生首を受け止めた。
 腕で顔を庇うくらいの時間はあった筈ですけど...まあ、良いでしょう。
 ライアン陛下、良かったですね?実の母親の生首と共にあの世へ逝けるのですから。
 ライアン陛下の顔面にぶつかった生首は彼の足元に転がっている。普通の生首ならまだしも、これは血の抜かれたものですからね。恐怖心をより煽ることでしょう。
 ライアン陛下は恐る恐るレーナ王妃の生首をもう一度目にすると、『ひっ!』と小さな悲鳴をあげた。
 あら?少し....いや、かなり臭いですね....もしかして....。
 ライアン陛下の股間あたりに目を向けると、その部分だけびっしょり濡れていた。
 この年になってお漏らしなんて....おまけに少し『大』の方も出ているようで糞の臭いもする。
 糞尿の臭いに耐えきれず、二歩ほど後ろに下がった。  
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