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第二章
お人好しの母《エレン side》②
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「せっかく、親族になれたんですもの。仲良く出来るなら、そうしたいわ」
夢物語や理想論に過ぎないことは、母も承知の上でメリッサ皇妃殿下との良好な関係を望む。
その儚くも優しい願いに、私は小さく肩を落とした。
『まだ懲りていないのか』と、ちょっと呆れてしまって。
でも、同時に────母上らしいな、とも思った。
正直、あまり気乗りしないけど……母上も徐々に諦める方向へ考え始めているのだから、踏ん切りがつくのは時間の問題だろう。
なら、あともう少しくらい待ってもいいんじゃないかな。
『それに悔いが残る形で無理やり諦めさせたら、後々揉めそうだし』と思い、私は腹を括る。
「分かりました。母上の願いに賭けてみましょう」
────と答えた矢先、メリッサ皇妃殿下からお茶会の招待を受けた。
それも、親子揃って。
一応、建前としては『息子同士、交流させたい』とのことだが……ハッキリ言って、怪しい。
でも、あの提案を受け入れた手前反対は出来ず……なくなく参加。
まあ、母は『無理して、招待を受けなくてもいいのよ』と言っていたが。
『逆に母上だけ参加させるのが、怖いんだよ……』と思いつつ、私は中庭へ足を踏み入れた。
暑い……メリッサ皇妃殿下は何故、こんなところでお茶会しようと考えたのかな。
絶対、選択を間違っているよね。
まさか、いつもの嫌がらせのつもり?
『自分も暑い思いをするのに、よくやる』と辟易しながら、私は母を連れて奥へ進む。
そして、メリッサ皇妃殿下とマーティンの姿を発見するなり絶句した。
別に彼らの格好が奇抜だったとか、おかしな体勢を取っていたとかそういう訳じゃない。
ただ、二人の居る場所……というか、会場のセットに驚いたのだ。
てっきり、この先にあるガゼボでお茶会をするのかと思っていたけど……まさかのパラソルの下?
しかも、よりによって一番日差しの強い位置だし。
中庭にポツンと置かれたテーブルや椅子を前に、私は思わず遠い目をする。
夢物語や理想論に過ぎないことは、母も承知の上でメリッサ皇妃殿下との良好な関係を望む。
その儚くも優しい願いに、私は小さく肩を落とした。
『まだ懲りていないのか』と、ちょっと呆れてしまって。
でも、同時に────母上らしいな、とも思った。
正直、あまり気乗りしないけど……母上も徐々に諦める方向へ考え始めているのだから、踏ん切りがつくのは時間の問題だろう。
なら、あともう少しくらい待ってもいいんじゃないかな。
『それに悔いが残る形で無理やり諦めさせたら、後々揉めそうだし』と思い、私は腹を括る。
「分かりました。母上の願いに賭けてみましょう」
────と答えた矢先、メリッサ皇妃殿下からお茶会の招待を受けた。
それも、親子揃って。
一応、建前としては『息子同士、交流させたい』とのことだが……ハッキリ言って、怪しい。
でも、あの提案を受け入れた手前反対は出来ず……なくなく参加。
まあ、母は『無理して、招待を受けなくてもいいのよ』と言っていたが。
『逆に母上だけ参加させるのが、怖いんだよ……』と思いつつ、私は中庭へ足を踏み入れた。
暑い……メリッサ皇妃殿下は何故、こんなところでお茶会しようと考えたのかな。
絶対、選択を間違っているよね。
まさか、いつもの嫌がらせのつもり?
『自分も暑い思いをするのに、よくやる』と辟易しながら、私は母を連れて奥へ進む。
そして、メリッサ皇妃殿下とマーティンの姿を発見するなり絶句した。
別に彼らの格好が奇抜だったとか、おかしな体勢を取っていたとかそういう訳じゃない。
ただ、二人の居る場所……というか、会場のセットに驚いたのだ。
てっきり、この先にあるガゼボでお茶会をするのかと思っていたけど……まさかのパラソルの下?
しかも、よりによって一番日差しの強い位置だし。
中庭にポツンと置かれたテーブルや椅子を前に、私は思わず遠い目をする。
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