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第二章
神殿の調査《アルマン side》②
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「ああ。それで、実験の方はどうなっている?」
泣いている子供が目に入らないのか、教皇聖下は普通に会話を始めた。
神殿のトップとは、思えない非情さである。
『本当に腐っているな』と実感する私を他所に、研究者の男性は少しばかり顔色を曇らせた。
「えっと、それが……特に進展はないと言いますか……」
しどろもどろになりながらも報告し、研究者の男性は身を縮こまらせる。
緊張のせいか冷や汗をダラダラと流す彼に、教皇聖下は一つ息を吐いた。
エメラルドの瞳に、失望を滲ませて。
「貴様が最後に成功作を生み出したのは、今からちょうど半年前だったか……さすがにもう待てないな。人員を入れ替えるとしよう」
言外にクビを宣告する教皇聖下に対し、研究者の男性は血相を変えた。
ここで言う『クビ』は、死を意味するため。
『実験の詳細を知っている人間を野放しには出来ないからな』と思案する中、彼は勢いよく身を乗り出す。
「お、お待ちください!私はもう三つもの成功作を生み出しています!前任者はたった一つだったのに!」
「確かに数では勝っているが、性能は前任者の方が上だ。貴様の作る成功作は、どれも大したことのない能力ばかりだからな」
「そ、それはそうかもしれませんが……でも!量産という点で考えれば、私の右に出る者は居ません!」
『自分こそ、最高の研究者だ!』と主張し、彼は一歩前へ出る。
「それに最近は守護精霊を抽出するところまでは、上手くいっているんです!あとは定着させるだけ!その方法や法則を読み解ければ────」
グッと強く手を握り締め、研究者の男性は不敵に笑った。
「────血統魔法の生成方法を確立出来ます!」
血統魔法……ということは、やはりクライン公爵家やエーデル公爵家の家宝のようなものを作り出すのが、目的だったのか。
血縁関係のある子供ばかり掻き集めている時点で、何となく悟ってはいたが……まさか、その通りだったとは。
研究資料からおおよそ当たりをつけていた私は、やれやれと頭を振る。
『本当に惨いことをする……』と不快感を露わにしながら。
泣いている子供が目に入らないのか、教皇聖下は普通に会話を始めた。
神殿のトップとは、思えない非情さである。
『本当に腐っているな』と実感する私を他所に、研究者の男性は少しばかり顔色を曇らせた。
「えっと、それが……特に進展はないと言いますか……」
しどろもどろになりながらも報告し、研究者の男性は身を縮こまらせる。
緊張のせいか冷や汗をダラダラと流す彼に、教皇聖下は一つ息を吐いた。
エメラルドの瞳に、失望を滲ませて。
「貴様が最後に成功作を生み出したのは、今からちょうど半年前だったか……さすがにもう待てないな。人員を入れ替えるとしよう」
言外にクビを宣告する教皇聖下に対し、研究者の男性は血相を変えた。
ここで言う『クビ』は、死を意味するため。
『実験の詳細を知っている人間を野放しには出来ないからな』と思案する中、彼は勢いよく身を乗り出す。
「お、お待ちください!私はもう三つもの成功作を生み出しています!前任者はたった一つだったのに!」
「確かに数では勝っているが、性能は前任者の方が上だ。貴様の作る成功作は、どれも大したことのない能力ばかりだからな」
「そ、それはそうかもしれませんが……でも!量産という点で考えれば、私の右に出る者は居ません!」
『自分こそ、最高の研究者だ!』と主張し、彼は一歩前へ出る。
「それに最近は守護精霊を抽出するところまでは、上手くいっているんです!あとは定着させるだけ!その方法や法則を読み解ければ────」
グッと強く手を握り締め、研究者の男性は不敵に笑った。
「────血統魔法の生成方法を確立出来ます!」
血統魔法……ということは、やはりクライン公爵家やエーデル公爵家の家宝のようなものを作り出すのが、目的だったのか。
血縁関係のある子供ばかり掻き集めている時点で、何となく悟ってはいたが……まさか、その通りだったとは。
研究資料からおおよそ当たりをつけていた私は、やれやれと頭を振る。
『本当に惨いことをする……』と不快感を露わにしながら。
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