駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜

あーもんど

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番外編

休暇申請《ロルフ side》①

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 ────これは建国記念パーティーを終えて、しばらく経った頃の出来事。
僕は自分用の執務室で、ダウンしていた。
というのも、ここ最近まともに休息を取れてなくて心身ともに疲れ切っていたため。

 フェリクス様の件も片付いたし、いい加減まとまった休暇が欲しい……でも、公爵様がなんて言うか。
いや、きっと休暇の申請を断ることはないだろうけど、凄く睨まれそう……。
もうすぐ、中間決算の時期だから。

「自分でもこのタイミングで休暇を申し出るのは非常識だって分かっているけど、本当に限界なんだよ……」

 直近の仕事内容を振り返り、僕は『一回、休まないと体を壊す……』と本気で考える。
と同時に、席を立った。

「はぁ……ここで悶々としていてもしょうがないし、非難されるのは覚悟で休暇を申請してみるか」

 『この際、なりふり構っていられない』と思い立ち、僕は腹を括る。
そして、公爵様のところに行くため部屋を出た。

「────あら、ロルフ?」

 そう言って、廊下の曲がり角から姿を現したのは他の誰でもない奥様だった。
キャペリンという種類の帽子を被る彼女は、日傘を手に持っている。
恐らく、散歩にでも行くのだろう。

「こんにちは、奥様。お出掛けですか?」

 挨拶がてら軽く雑談を振ると、奥様は小さく頷く。

「ええ、庭の様子を見に行くところです。ロルフはこれからお仕事ですか?」

「いえ、僕はちょっと公爵様に休暇の交渉を……」

 『休暇の交渉をしに行くところです』と続ける筈だった言葉を呑み込み、僕はハッとした。
最も安全かつ平和に、休暇を勝ち取る方法を思いついたため。

 そうだ、奥様から公爵様に『ロルフを休ませてあげてください』と言ってもらえれば……!
奥様にすこぶる甘い公爵様は、直ぐに休暇手続きをしてくれる筈!

 『こちらから申請するまでもない!』と考え、僕は少しばかり頬を紅潮させる。
我ながらいい目の付け所だ、と思って。

「あの、奥様!実は折り入って、お願いしたいことが!」
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