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間 愛しい妻
しおりを挟むまさか僕の手紙がヴィオラを追い詰めてしまうというのは誤算だった。
相当精神的に参っていて疑心暗鬼になってしまっているとは聞いてはいたが、まさか僕からの手紙まで疑うようになっているなんて思いもしなかった。
馬車の中で眠ってしまったヴィオラをそのまま連れ帰ると父上は少しだけ驚き、それから優しく笑んでくれた。
「上手くいったみたいだね」
「ええ、半分騙してしまったような気もしますが、一応ヴィオラも僕の求婚を受け入れてくれましたし」
署名入りの書類を差し出せば、父上の長ったらしい署名が入り完成する。証人欄は二人の兄上だ。これで国民は誰もこの文書には逆らえない。
「それにしても、ヴィオラは随分やつれてしまったね。私からも言って聞かせたつもりだったのだけど……ヴィオラには悪いことをしてしまったな」
もっと早く、無理にでも保護するべきだった。僕はそう思うけれど、父上の立場を考えるとそれも難しかったのだろう。
「これで一応、ヴィオラとクレムは夫婦と言うことにはなるけれど、卒業後に正式な結婚式を挙げておくれ。国民だって王子が書面上だけの結婚だなんて受け入れられないだろう」
そりゃあ僕だってヴィオラの花嫁姿を楽しみにしている。普段のあのニスで汚れきった服だって美人なんだから着飾ればどうなるかと期待してしまう。
問題は、ヴィオラが見世物になるのが嫌だと逃げ出さないか、だけど。
「それに関してはヴィオラを説得します」
「うん。あと、新居の予定だった離宮の完成予定が来年の秋になっていてね。それから家具や小物を揃えようと思っていたから……うん、ヴィオラには悪いけれどしばらく客室で過ごして貰うことになりそうだ」
一応建設は急がせているとのことだが、別にヴィオラならこのまま王宮に住ませてもいいと思う。どうせ引きこもるだろうし。
「部屋は余っていますし、このまま王宮で生活させてはいかがでしょうか」
「……私もヴィオラが一緒に住んでくれるなら嬉しいけれど……アドルフの結婚が決まらないからなぁ……」
父上は深いため息を吐く。
アドルフ兄上は婚約の話もすぐに断ってしまう。穏やかで人当たりもいいからご婦人にもそれはモテるのに、本人が結婚する気がないのだろう。誰に対しても大抵同じ反応で、当たり障りのない会話程度でご婦人の相手を断ってしまう。
「あの子も顔はいいのに……どうして結婚相手が決まらないのかな? まさか一番下のクレムが最初に結婚するなんて誰も思わなかっただろう」
「僕は初めからヴィオラ一筋ですから」
そう答えたところで医者が呼びに来る。
客室に寝かせたときに医者を呼んで様子を見させたのだが、あまりいい顔はしない。医者は父上にみっちり字の詰まった紙を渡す。こいつ、さては僕が文字を読めないと思って父上に渡したな。確かについ最近までは読めなかったが……。
「……春に受け取った診断結果からかなり体重が落ちているな……アルモニー侯爵家の料理人はなにをしていたんだ? それに……怪我が多すぎる。この中でクレムが増やしたと思われる怪我はあるか?」
父上の言葉に医者が目を丸くする。
「な、なぜ殿下が……」
「いや、連れてくるときに背負って窓から飛び降りたと聞いている。それが原因と思われる怪我はないだろうか?」
「治りかけの怪我が多いようです。左手の骨折は随分丁寧な処置をされていました」
医者が言うには治りの状況から打撲よりは骨折の方が古い怪我なのではないかということだ。けれども、たぶんその怪我は同じ日の物だと思う。
「ミハエルが、アルモニー侯爵家の家令が処置したんだと思う。あいつは魔術を使えるみたいだからそれで治りが早いのかもしれない」
だったら魔術で完治させればいいのに。そう思うが、たぶん気付かれないようにするためなのだろう。ヴィオラは僕には隠し事が出来ないと言うくせに、自分だって演技を出来る性格じゃない。だからといってヴィオラの苦痛を長引かせる必要はないのに、などと考えてしまうが、ミハエルのことだ。合理的な方法を優先させたにちがいない。
「あー、彼か……」
父上が一瞬嫌そうな顔を見せた。けれどもすぐにいつもの完璧な笑みを浮かべ、医者をねぎらい見送る。
「ああ、そうだ。クレム、卒業するまでヴィオラとの同衾は禁止だよ」
にっこりと笑んで言う父上。どうきんって……あれだろ? 一緒に寝る……。
「なっ……夫婦になったらずっとヴィオラと一緒に居られるんじゃ……」
ヴィオラがまた不安にならないようにずっと抱きしめていてやりたいのに……。
「在学中に子供が出来るのはヴィオラだって困るんじゃないかな? ただでさえ、勝手に休学届を出されて試験も中途半端になってしまっているしね。まあ、学校側にいつでも再試験を受けられるように話は通してあるけれど。せっかくクレムが留年したから一緒に卒業できるように調節させようと思ってね」
せっかく留年って……僕だって好きで留年したわけじゃ……。でもヴィオラと一緒に居る時間が増えるならいいか。
「ん? でも、父上、一緒に寝たら子供ができるのですか? 子供の頃工房に泊まった時にヴィオラと一緒に寝たけどそんなことは……」
「……うん。クレムにはまだまだたくさん勉強が必要だと言うことはよくわかったよ。生物学も満点取ったよね?」
父上は懐から通知表を取り出して確認している。
「生き物の分類は完璧ですっ!」
胸を張れば頭を抱えられてしまう。
「うーん……家庭教師の授業の試験で満点取れた日はヴィオラが拒否しなければ一緒に寝てもいいことにするかな?」
これは、苦肉の策という顔だ。一体どうして父上はそんなに困り果てた表情をしているのだろう。それに、出来ればヴィオラからやんわり断って欲しいという様子だ。
「毎回満点を取れば毎日ヴィオラと一緒に居られるってことですよね?」
「あー……うん。もうそれでいいよ。ヴィオラが拒絶しなければ」
どうしてヴィオラが僕を拒絶することを前提で話すのだろう。
「父上は、まさかヴィオラが僕を嫌っているとお考えですか?」
呆れられることはあっても嫌われてはいないはずだ。
「嫌っていなくてもされたら嫌なこともあるだろう? クレムの善意が常にヴィオラにとって嬉しいものとは限らないということだよ」
父上はそう、優しく笑んでヴィオラが休む部屋の扉を見る。
「ヴィオラが目を覚ましたら一緒に見舞いに行こうか」
「は、はい! もう一度しっかり通知表を見せて、覚えたての新曲を聴かせてやります」
「こらこら、ヴィオラも疲れているだろう? そんなにあれもこれもと賑やかにしては困らせてしまうよ」
ふふふと笑う姿は子供の頃にヴィオラを構い過ぎたときに見せられたものに似ている。つまり僕はまだまだ子供扱いされているということだろう。
少しだけ悔しい。だけど、親から見ればいつまでも子供なのかもしれないと思い納得することにする。
「ところで、ミハエルの言う【栄養過剰なご婦人】の対処はどのように行えばよいでしょうか? 僕としては火焙りにしてもまだ足りないと思うのですが」
僕のヴィオラを散々いじめてくれたのだ。
「クレム……刑罰に私情を挟んではいけないよ。しかし……そうだね……今のところ彼女には大した罪状を用意することができないな……精々虐待に加担した程度だろうね。現実問題、ヴィオラに暴行を加えていたのはエリオットの方だ……こうなってしまったのは本当に残念だが……あー……彼女のことを思い出すと彼の気持ちも理解は出来てしまうのが辛い……」
父上は頭を抱えてしゃがみ込んでしまう。そんな仕種でも美しく見えてしまうのが不思議だ。きっとヴィオラが見れば面食いの遺伝子とやらが刺激されてしまう光景なのだろう。
「彼女?」
「ヴィオラの母君、ノーチェだよ。その……なんというか非常に行動的な女性で……うん。私がこの世で一番苦手だった女性、かな?」
父上の言葉がどうにも信じられない。
「ヴィオラからは母君は病弱で芸術を愛する方だと聞いていますが」
てっきりヴィオラは母親似の内気でひきこもりがちなやや根暗な女だと思っていた。と言うよりも、普段のヴィオラの言動からなんとなくヴィオラの母親はヴィオラを病弱にしてもっとひきこもりになった姿だと想像していた。
「クレムはあまり彼女と接する機会がなかっただろうから……彼女はなんというか、夫以外に興味がなくなってしまった女性だから」
父上は言葉を濁す。
「これは、王としてではなく、私の個人的な発言だ。いいね?」
つまりこの話は親子の内緒話にして欲しいという意味だろう。
「はい」
「んー、なにから話そうか……」
父上は軽く息を吐いて、それから少し考え込む仕種をする。
「今となっては全く信じられない話だが……実はノーチェは私の元婚約者だった、が……思い込みが激しいというか……まあ、一途と言えば聞こえはいいが、その……夢見がちで済ませるには少しばかり度の過ぎた手段を選べる女性だった」
言葉を選びながらそう続ける父上に驚く。内容がとても信じられない。 あのヴィオラからそんな母親を想像することなんてできない。
「ノーチェとは条件がよかったから政略的な婚約ではあったのだけれど……ああ……私はどうも彼女が苦手でね……なんというか……理想に相手を当てはめようとする部分があった」
父上は深い溜息を吐く。心なしか先程からどんどん気が滅入っているように見える。余程ヴィオラの母君がなにかをやらかしたのだろうか。
「王族と婚約解消だなんて余程のことがあったのですよね?」
勿論解消したのは父上の方に決まっている。
「あー……結論から言えば……私は振られたことになるね。あの時は心の底から神に、いや、エリオットに感謝したよ。私では彼女の夫などとても耐えられなかった……いや、彼も耐えられなかったから今の状況なのだろう」
とても深刻な表情を見せられ困惑してしまう。一体どれだけ過激な女性だったのだろう。
「どういう、意味でしょうか?」
「あー……その……ノーチェが初めて参加した夜会で……彼女がエリオットに一目惚れしてしまったんだ。私も、正直彼女が離れてくれるならなんでもいいと思ってしまい止めなかった。しかし……当時、既にエリオットには恋人がいた。それが……ローズマリーと呼ばれている女性だ」
つまりあの栄養過剰なご婦人か。
ん? ちょっと待てよ?
当時ヴィオラの父親とあの女が既に交際していた?
「つまりヴィオラの母君があの栄養過剰なご婦人を蹴落としたってことですか?」
「蹴落と……あー……いや……うーん……まぁ、クレムの理解出来る範囲で簡単に言えばそうなるかな?」
父上はまるで僕がどこまで理解出来るかを素早く分析してできる限りかみ砕こうとしているような視線を向ける。
「……当時はアルモニー侯爵家はとても強い力を持っていたからね。金と権力で圧力を掛けつつノーチェは強硬手段に出たと言うわけだ」
「強硬手段?」
「あー、つまり……酒と薬を盛って……クレムはどこまで教育を受けていたかな? あー、つまりその……ノーチェはヴィオラを利用して無理矢理エリオットに結婚を迫ったと言うところだ。エリオットからすれば人生を壊したノーチェとヴィオラが許せなかっただろう。不幸にも、ヴィオラはノーチェに似てしまったからね」
父上はなにかをぼかすように言う。つまりヴィオラの母親が強引に迫って……ん? ヴィオラを利用した?
「ヴィオラを利用したとはどういう意味でしょうか?」
結婚する前の話だろう? ヴィオラが母親似であの男は気に入らないのではなかったのだろうか。
「あー、つまり……ノーチェは子供ができた。それはエリオットの子だと方々に言いふらしたと言うことだよ。その時点でそれが事実かはわからなかったけれど、まぁ、最終的にエリオットが屈したということはそういうことだったのだろうね」
父上は困ったような笑みを浮かべる。
よくわからない。
「あー、つまり、エリオットはノーチェのせいで当時恋人だったローズマリーと一緒になれなかったからノーチェを憎んでいたということだよ」
つまり好きでもない女と結婚することになって、その女の子供のヴィオラも憎いということだろうか?
「ヴィオラにはなんの責任もないではないか」
思わず大きな声を出してしまう。
そんな理由でヴィオラが苦しめられていた?
そんなこと許せるはずがない。
「勿論エリオットのしたことは許されるべきではないと思う。けれども、彼も人間だ。感情的な部分を全て否定することはできないよ」
父上はそう言うけれど、ヴィオラのことを思えば納得なんて出来ない。していいはずがない。
「僕は、ヴィオラがなによりも大切です。ヴィオラを傷つけたあの男を許すことはできません」
「ああ、けれども罰は法に則って下さなくてはいけない。特に私たちは王族なのだから」
私刑は許されないと父上は念押しする。
「なら……せめて……法の上で一番重い罰を与えてください」
「それを決めるのは私たちではないよ。裁判で決まる」
父上はなにひとつ間違ったことを言っていない。できるだけ多く、ヴィオラの為になる証拠を集めると約束もしてくれた。
けれどもその言葉が酷く残酷に聞こえた。
この行き場のない感情とどう向き合えばいいかなんて僕にはわからない。
その感情を吐き出すように、気がつけばヴァイオリンに手が伸びている。
「……うん。クレムにはいい発散方法になるね」
父上はそう口にして、特等席で演奏を聴くとでも言うように、近くにあった椅子に腰を下ろした。
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