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恐ろしい影
しおりを挟むこのところ、本当に寝付きが悪い。夜は殆ど眠れず日が昇り始めてから少しの間気を失い、それさえも短い時間で飛び起きてまた気を失う。メイドに起こされ、なんとか身支度を調えて学校に通うが、その間も記憶が曖昧だ。
近頃使用人が随分入れ替わった気がする。変わらないのは祖父の代から仕えてくれているという執事のミハエルとシェフのロバートくらいだろう。庭師は人が替わってしまったしメイドも随分入れ替わった。もしくは配置を換えられてしまったのだろう。最近はアノンさえあまり顔を出さなくなった。
気疲れしている時に知らない人間に世話をされるのは落ち着かない。それでも最低限の身の回りの世話をしてもらえるのは助かるので文句は言えない。たぶんメイドがいなければ今の私は学校に行くことさえ出来ないだろう。
馬車の中で殿下とアマンダがまた言い争っていた気がする。けれども内容はなにも頭に入ってこなかった。授業中も同じく、ただ音があるだけでなにも理解できない。これはいよいよまずいかもしれないと、昼休みは保健室で寝かせて貰おうと思ったのに殿下に止められてしまう。
「ヴィオラ、お前本当に大丈夫なのか?」
煌めく瞳が心配そうに揺れている。
「……眠れなくて……保健室で少し休ませて貰おうかと思います」
「あ、ああ……僕も付き添う。お前、本当に顔色が悪い」
話している最中にも体はよろめき、殿下の腕に支えられる。細く見えるけれど逞しい体をしている。城壁を握力と腕力で上れる身体能力を持っているのだから当然かなどとどうでもいいことを考えてしまう。
「昨日お前の家に医者を連れて行ったのに、あの女に門前払いにされたぞ」
「あの女?」
「ローズマリーとか言うお前の新しい母親だ」
殿下は不機嫌そうに言う。
来客があったなんて誰も教えてくれなかった。このところ家に居るとすぐに部屋の鍵を外から掛けられてしまうので出歩くことができない。幸い浴室が続いているので不便はない。けれどもそろそろ工房へ行きたいと思ってしまう。
「ごめんなさい。殿下がいらしていたことは聞いていませんでした」
「だろうな。今回のことは父上にも報告しているが……今は試験に集中しろと言われてしまった」
いつものように拗ねるかと思えば、随分と暗い表情に思える。殿下の様子がおかしい。
「その、彼女がなにか他にも失礼を?」
「……あの女の無礼は信じられないがそれより……お前は大丈夫なのか? いじめられたりしていないか?」
驚いた。そんな心配をしてくれるなんて。
「大丈夫です。少し門限が厳しくて、罰則が長引いているだけですから」
「大体、お前に罰則という時点でおかしいだろ。あの工房はお前のものだ。お前の父親だって、当然あの女にもどうする権利もないというのに……」
いっそ開き直って工房に引きこもろうかとも思う。あそこのほうがよく眠れるかもしれない。
保健室に入れば校医が少し疲れた表情で迎え入れてくれた。あまり会う機会はないが、彼はいつも顔色が悪くやつれているので幽霊先生と呼ばれている。
「おや珍しい。殿下、お怪我ですか?」
「違う。ヴィオラの顔色が悪いから連れてきた。こいつ、最近急激に痩せたし眠れてない少し寝かせてやってくれ」
殿下は勢いよくベッドのカーテンを開ける。
「そこは」
カーテンが閉まっていると言うことは他の人が使っていると言うことだ。機嫌が悪そうな上級生に睨まれてしまう。
「トニオくんの指定席だよ」
「そう言うことは先に言え」
殿下は先生を睨んでカーテンを閉める。
「隣のベッドが空いている。ヴィオラ、休んでいきなさい。君のお祖父様にはとてもお世話になったからね。サボりでも他の先生には上手くいっておくよ」
「ヴィオラはさぼったりしない」
私が口を挟む前に殿下が吼える。
「冗談だよ。それにしても、本当に顔色が悪い。なにか悩みでもあるのかな?」
先生の声はとても穏やかで聴く人を落ち着かせる作用でもありそうだ。
「いえ、少し眠れないだけで……」
「それは大変だ。睡眠は本当に重要だからね。どんな生きものだって食事よりも睡眠を優先させるんだ。人間は断食で死ぬことは出来ても眠りを断ち切って自殺することはできないよ」
先生が殿下との間に割って入り私を抱き上げた。
「さぁヴィオラ、休んで。次の時間は休むと私から担当の先生に伝えておくよ。えっと……二年生の次の授業は……生物学か。大丈夫、あの先生には上手く伝えておくから」
どうもこの先生が言うと不安になる。
「お前、随分ヴィオラに馴れ馴れしいな。ヴィオラは僕の婚約者だ。あまり近づくな」
殿下が不機嫌そうに先生を睨むのが見える。止めないと。そう思うのにベッドに寝かされた直後には意識が途絶えてしまった。
放課後、いつも通り家まで送り届けてくれた殿下は部屋まで付き添うと言って聞かなかった。ローズマリーが追い返そうとしたけれど殿下は一歩も退かず、最終的にアマンダの一声で渋々ローズマリーが折れる形になった。
「学校で少し寝たにしてもあまり回復していないだろう。ほら、眠りに良い茶葉を用意した。寝る前に試してみろ」
「ありがとうございます。今日はすぐに休ませて頂きます」
早く帰って貰おうと思ったのに、彼は居座る気らしい。
「ほら、さっさと横になれ。目を瞑れ。側に居るから……悪い夢を見ても大丈夫だ。僕がいる」
流石にそんなことをさせるわけにはいかないだろう。いくら今は婚約者とはいえ、未婚の女性の部屋に彼が居ること自体が問題だ。
「すぐに休みますから、殿下、今日はもうお帰りください」
「そうは言っても……アノンはどうした? 会わせろと言ってもあの女が邪魔をする」
ああ、殿下は休日に二度もローズマリーに追い返されたのだった。
「アノンは洗濯係に移動させられたようです。少し前までは私を気遣って会いに来てくれたのですが……また移動させられたのかもしれません」
もしかすると辞めさせられたのかもしれない。
「……イザベラを、イザベラを使用人の中に潜り込ませる。なにかあったらイザベラに言え」
内緒話をするときのように耳元で囁かれる。
イザベラは確か殿下の護衛という名目ではあるが、彼の監視係のはずだ。とても身体能力の高い女性で人間離れした殿下に振り切られることなく追跡できる特殊な女性だ。
「彼女は殿下の護衛では?」
「僕に護衛は必要ない。そもそもなにかあったときにお前の盾にするために辞めさせないでやってるんだ。あいつは僕ほどじゃないにしろそこそこ強いからな。ヴィオラ一人くらいなら守れるだろう」
どこの世界に自分の護衛を他人の盾に使おうとする王族がいるのか。むしろ彼の場合は自ら進んで盾になりそうだから恐ろしい。
「私は大丈夫ですから、どうぞイザベラは殿下のお側に」
「ヴィオラ、僕はもうお前を失いたくないんだ」
痛いほど強く手を握られる。
「殿下?」
もう、とはどういうことだろう。
「なにかあったらすぐに僕を頼れ。絶対お前を助けるから」
手を握る力が更に強まる。彼の方がとても不安そうに見えるのはどうしてだろう。
「大丈夫です。少し休めば元通りですから。それより殿下、試験も近いですし、準備を進めてくださいね」
耳で聞けば問題ないと本人は言っていたけれど筆記試験だ。どうやら彼は少し識字に問題があるらしい。なにせこの歳までろくに読み書きが出来なかったのだから。陛下はそれを知っていてこんな条件を出したのだろうか。
ふと眠気が襲ってくる。
「ああ、絶対にお前を逃がしたりしないから、観念して僕と結婚しろ」
どうして殿下はいつもこんな脅迫みたいなことを口にするのだろう。もっと優しく愛を囁かれてみたいと思う。けれど、それは高望みしすぎだろう。そもそも彼の隣に私は相応しくないのだから。
力強い手が離れていく。それが寂しくて、思わず手が動いてしまう。けれども、届かずにそのまま意識が途絶えた。
声がする。女性の声だ。けれどもそれが誰なのか、なにを言っているのかさえわからない。
目が覚めたとき既に殿下の姿はなく、机の上に茶葉が入った袋が置かれていた。照明は少し絞られていたけれど薄暗いと言うほどではない。誰がやってくれたのかという疑問は残る。けれどもひそひそ声が気になって落ち着かなかった。
「かわいそうに……」
「 様は だから」
「 には正式に」
「仕方がないわ」
途切れ途切れにしか会話は聞き取れない。けれどメイド達がなにかを話している。たぶん隣の部屋で。
隣の部屋は今は空き部屋だ。少し前まではピアノが置かれた練習部屋だったけれど、父が戻ってすぐにあのピアノはどこかへ売られてしまったらしい。祖父が生まれるよりも前の素晴らしい品だったのに惜しいと今でも思ってしまう。今ではもう手に入らない素晴らしい素材が使われた品だった。
ピアノがなくなってしまったからと言っても使用人の休憩所になるような部屋ではない。現に机などはいくつか残されているらしく、少し前にアノンから聞いた話ではローズマリーの贅沢な品が収納された倉庫の様な扱いになっているらしい。そんな部屋でメイドが集まってなにを話しているのだろう。
「前の旦那様は 様の という話だったのでしょう?」
「奥様がそれを許すはずがないじゃない」
「旦那様も酷いお方よね」
きっと私の話をしている。聞いてはいけないと思うけれど、一度気になると好奇心は止められない。
「ヴィオラ様には既に婚約者がいらっしゃるのに勝手に縁談を進めているそうよ」
「お相手は でしょう? 本当に酷い人ね」
「この屋敷に勤めていては私たちまで困ったことになるかもしれないわ」
一人が少し怯えた様子を見せる。
「しっ、奥様に聞かれたら大変よ」
「本当に。あの方はなにを考えているのかわからないわ」
「夫婦揃ってヴィオラ様に怨みでもあるのかしら」
「再婚したから娘が邪魔なだけじゃない?」
ひそひそ話しているつもりなのだろう。しかし、次第に声が大きくなってきたので会話が完全に聞き取れてしまう。
「それにしてもあのアマンダ様が王子様と結婚なんて上手くいくのかしら」
「可愛らしいお方だけれどまだまだやんちゃな印象だものね」
「まさかあの契約をこんな形に使われるなんて国王様だって考えなかったんじゃないかしら」
なんだろう。凄く怖い。
たぶん、私の確信と一致している。このところ見ていた悪夢がとうとう現実に近づいているような……。
ローズマリーにしてみれば今の状況は好機だろう。陛下が私と殿下の婚約に反対している姿勢を見せている。けれど……アマンダの心はそこに反映されているのだろうか。
殿下とアマンダは仲の良い兄妹のように見える。毎日額をぶつけ合うほど賑やかに過ごしている。きっと殿下もああいう子に惹かれていくはずだ。今は私に拘っているように振る舞っているけれど、それはただ、約束があるから律儀に果たそうとしているだけだろう。彼も祖父に懐いていたから。
それ以上話を聞くのが怖くて壁から離れようと後ろに下がる。するとなにかにぶつかり、小さく悲鳴を上げそうになると大きな手が口を塞いだ。
「静かに。気付かれます」
落ち着いた声に安堵する。声の主はよく知った人物だ。落ち着くとすぐに解放される。
「ミハ、驚かさないで。心臓が動くかと思ったわ」
祖父の代からアルモニー侯爵家に仕えているというミハエルはとても優秀な執事で、家のこと、事業のこと、それ以外の全てなんでもこなしてしまうという。祖父の話では一人で十人分以上働くという。私の小さいときから全く姿が変わらないので実は人間ではないのかもしれないなどとありえないことを考えてしまう程度には不思議な人だ。
「心臓は動いているものです。ヴィオラ様」
ミハエルは祖父が亡くなってからずっと私を「ヴィオラ様」と呼ぶ。彼曰く、今の彼の主は私らしい。
「こんな時間にどうしたの?」
私の部屋は外から鍵を掛けられてしまっているのにどうやって入ってきたのだろう。
「屋敷の人事権を奪われてしまいましたので面接に来た女性を雇うことができませんでした」
ミハエルの言葉に驚く。家政婦長のテレサはいつも使用人の選定にはミハエルの意見を重視していたはずだ。
「テレサが解雇されました。人事権はローズマリーに一任すると……あの忌々しい小僧が」
忌々しい小僧。現当主をそんな呼び方をしてしまうのはミハエルくらいのものだ。本人の前でも決して「旦那様」などと呼んだりはしない。彼は複数の主に仕えてきたことを理由に父を名前で呼ぶのだ。しかし本人が居ないところでは小僧呼ばわりしている。
「ミハは家令兼任でしょう? 屋敷のことは全てあなたがやっているのだと思っていたわ」
「ご安心ください。ヴィオラ様の工房はたとえ侯爵家が滅びようと死守します」
土地や財産の管理も彼の仕事だ。父が工房に手を出すことができないのはきっとミハエルが頑張ってくれているからだろう。
「あなた大丈夫なの? きちんと賃金は支払われているの?」
心配になり訊ねればミハエルは綺麗な笑みを見せる。彼はまるで彫刻のようにひんやりと美しい。そしていつだって感情が読めない。
「旦那様からヴィオラ様の命が絶えるその瞬間までお仕えするように命じられております。勿論、その間の報酬も先に受け取っておりますのでご安心ください」
私の命が絶える瞬間まで?
一体何年分の賃金を先払いしたのだろう。
「先にミハが死なないか心配ね。お祖父様が若い頃から屋敷で働いているのでしょう? ってことは、ミハって若く見えるけれどおじいちゃんなのよね」
ミハエルはどう多めに見積もったって三十歳に届くか届かないかといった見た目だ。太陽のように輝く金の髪も色褪せず、白髪らしきものも見当たらない。
「私はいつでも望む年齢です。このくらいが一番動きやすいので」
そう答えられてしまうとなにも言えない。冗談なのかそうではないのか。
やはりミハエルは人間ではないのかもしれない。
「王宮からの紹介状を持った女性を雇わないとなるとまたしばらくクレメント殿下が騒がしくなりますね」
「王宮からの紹介状?」
どうしてそんな人がうちの屋敷で働きたいなどと言ったのだろう。私が言うのもおかしな話だけれど、祖父が亡くなってからは我が家の評判は地に落ちる一方だ。
「おそらく、クレメント殿下がヴィオラ様を心配して派遣しようとしたのでしょう。賃金が最低以下でも構わないなどと不審な点がいくつかありました」
そのせいで怪しまれたのではないかと言うミハエルは小さく溜息を吐いた。
「どうやらあの栄養を蓄えすぎたご婦人を警戒しているようです。私もそれには同意します。彼女はヴィオラ様に有害です」
ミハエルは部屋を見渡しながら言う。なにかを警戒している様にも見えた。
「ヴィオラ様、もうお休みください。悪夢除けの呪いを掛けておきましょう」
ミハエルは私が少し前まで使っていたベッドから枕を三つ取り、ぽんぽんと叩いた後、枕の下になにかを入れて並べ直した。
「ミハはなんでもお見通しね。昔から私が怖い夢を見るとどこからか現れてよくわからないおまじないをしてくれたわ」
ミハエルが現れるときはいつも突然だ。一体いつからどうやってそこにいるのかわからないほど突然気配が現れる。
「ミハは神出鬼没すぎるのよ」
「屋敷の鍵を管理していますから屋敷の中はどこでも出入り出来ます。勿論、この部屋の鍵も私の手元に」
ミハエルは大きな鍵の束を見せる。
それはつまり、彼なら私を部屋の外に出せるということだ。
「私のお仕置きはいつまで続きそう? 工房が恋しいわ」
「これは仕置きというよりただの八つ当たりでしょう。受け入れてしまうヴィオラ様もどうかと思いますが……あの小僧は理由を付けて延ばしたがるでしょう。あと二年の辛抱です、と言いたいところでしたが……少々問題があるようで」
ミハエルはまた溜息を吐く。
「ヴィオラ様の耳に入る前に私が対処しようと思っていましたが、あの卑しい女、失礼、栄養が豊潤なご婦人は私の想像以上に行動力があります。明確な悪意を持って」
ミハエルは表情にこそ感情は表れないが相当ローズマリーを嫌っているらしい。それもそうだ。本来は彼の権利であるはずの人事権を奪われ、仕事に細かく口出しをされていることが気に入らないのだろう。彼は父ではなく屋敷そのものに仕えているのだから。
いつの間に用意したのかお茶を淹れる音に気付く。
「正直、クレメント殿下のことも気に入らないと言えば気に入らないのですが……彼が来るとヴィオラ様が幸せそうなので少しなら手を貸しても悪くないとは思っています」
突然殿下の話が出て驚く。
「ミハ、殿下のこと嫌いなの?」
「今の私はヴィオラ様以外の全てが嫌いです」
なんという極端な。
「ああ、アノンが解雇されそうだったので私の部屋の使用人として確保しています」
「アノン、なにかしてしまったの?」
父はきっと小さな失敗でも解雇の理由にするだろう。元から居る使用人が気に入らないのだから。
「洗濯係に回されましたが洗濯係は過剰だとの判断だそうです。実際、人手は十分ですから」
屋敷の中も随分と人事異動があったらしい。幼い頃から知っているメイドの大半は解雇されてしまい新しく、あのローズマリーが選んだ人が雇われたという。
そもそもあのローズマリーという女性はどういった人なのだろう。あまり言葉を交わしたことはない。目が合うととても恐ろしい気がして逃げ出したくなってしまう。
それに父も。
「ミハもあまり会わない方がいいわ。解雇されてしまう」
「私の主はヴィオラ様です。これ以上あの小僧がでかい顔をするのであれば夫婦と小娘をまとめて屋敷から放り出します。土地や財産の管理をしているのは私です。私が去ればすぐに経営破綻しますよ。あの浪費家は」
祖父は相当のやり手で莫大な財産を残してくれたらしいけれど、確かに父の浪費ではすぐに底が尽きそうだ。私の食事がだんだん質素になってきた気がしたけれど、それは財政とは無関係だったらしい。
「旦那様の残した物を潰されないように工夫はしていますが……物の価値がわからない小僧がどんどん浪費し、貴重な物を買い叩かれている状態ですから……ヴィオラ様が困らない程度の窮地を作り上げたいところですね」
ミハエルが微かに笑う。
最近いろいろなことがありすぎたせいだろう。ミハエルがいると少し安心する。
入れてもらったお茶は知らない異国風の香りだったけれど少し体が軽くなるような気がする香りだった。
「それでは、お休みなさいませ」
ベッドに横たわるとまるで幼い頃に戻ったように優しく頭を撫でてくれる。それだけで驚くほど安心できた。
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