奪われたはずの婚約者に激しく求められています?

ROSE

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シャロン 4 奪われたい 2

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 力強い腕に抱きしめられる。
 ただそれだけで安心できた。
 殿下は優しいキスを何度か繰り返し、それからクラウド夫人に問題が発覚したため調査中だと告げ、それ以上の詳細は明かさなかった。
「お前が信じなくても、俺はお前以外欲しくない」
 殿下の胸に、耳を当てる形になる。
 少し駆け足の鼓動が響いていた。
「……はい」
 その言葉がたとえ嘘であったとしても嬉しい。
 彼の立場では感情だけで約束など出来ないのだから。
「お前、また気取った顔に戻ってるぞ」
「え?」
「もっと感情を見せろ。それはどういう感情だ」
 不機嫌な様子で、子供の様なことを口にする。
 そしてそのまま体勢を変えられ、下敷きにされてしまった。
「あの、殿下?」
 見つめられるとどきどきする。
 彼の視線が顔から、もう少し下に向いた気がした。
「……お前……結構あるな」
「え?」
「女の体は締めて寄せ上げて作られていると聞いていたが……どう見ても普段よりある」
 一体何の話だろうかと考え、それから彼の視線が胸元に集中していることに気がつく。
「えっと、これは……はしたないので隠せと……」
 締めたところでそれほど隠せるわけでもなかったが、少しでも細身に見せるのが良いとされていた。
「申し訳ございません……休むつもりだったので緩めてしまいました」
「もう締めるな。コルセットもしなくていい」
 彼の手がシャロンの胸に触れる。
「……殿下?」
「……俺は…………大きい方が好みだ」
 一瞬、視線を外された。
 照れているらしい。どうやらこの発言は彼にとって相当勇気のいる内容だったようだ。
「そ、そうでしたか……」
 大きい方が……しかし、今から努力をして育つものだろうか。
 シャロンは思わず自分の胸元に視線を向ける。
「……お前、また余計なことを考えているな?」
 耳元に、不満そうな声と吐息。
「そのままのお前がいい。余計なことは考えるな」
 声と共に、耳たぶを甘噛みされた。
「ひゃっ」
 思わず声が出てしまう。
 慌てて口元を手で覆ったけれども、出てしまった音は消えてくれない。
「シャロン、あまり声を出すな。見つかったら厄介だ」
「でしたら悪戯はお止めください」
 下がらせているとはいえ、すぐ近くの部屋に使用人もいる。
 今の状況をメイドが見たら気を失うのではないだろうか。
 主に、この状況を聞いたアレクシスがどんな行動に出るかを想像して。
 そんなシャロンの考えを読んだのか、それとも単純に彼の欲望そのものなのか。
 殿下の手がシャロンの膨らみを包み込む。
「声は、我慢しろ」
 言葉の後、首もとに這うように、小刻みな口づけを落とされる。
「ひゃうっ」
 思わず飛び出した小さな悲鳴を堪えようと口を手で覆う。
 それを見て、面白くなってしまったのだろう。彼の指先はまるで悪戯っ子のようにシャロンの膨らみを先端に向かって擽るように撫でた。
 どうやらシャロンの体はどこもかしこもはしたないらしい。優しく撫でられただけのはずなのに、感覚が全身を伝わって腹の奥をもどかしくさせる。
「心配するな。今日は触るだけにしておいてやる」
 まるでとても親切なことを言っているという雰囲気を醸し出す殿下は意地悪なお方だ。
「殿下。私……」
「ん? もっとして欲しいって?」
 敏感な先端を指先で摘ままれれば口の中を弄られている時のような、甘い痺れが駆け巡る。
 シャロンは必死に声を飲み込んだ。
「……かわいい……俺のシャロン」
 胸元の悪戯が止んだと思うと、すぐ目の前に彼の瞳があった。
「悪い、意地悪しすぎたか?」
 悪戯っ子が「怒ってない?」と確認するような訊ね方で、胸の奥が擽られるような気分だ。
「お前がどんなに俺を嫌っても絶対に手放さない。けど……嫌われたいわけじゃない」
「嫌いになんて……」
 なりません。
 そう、答えるつもりだったのに、唇を塞がれた。
 触れるだけで背筋がぞくぞくする。
 そしてもっとと求めたくなった。
 それを察してなのか、口内に舌先をねじ込まれる。
 舌の上を撫でるように触れられ、時々強く吸われる。その度に頭の中が白くなってしまうような快感が駆け巡る。
 何度も、執拗に繰り返される口づけにシャロンの頭は蕩けきってしまう。
「シャロン……本当に……口が一番弱いんだな……」
 どこか熱っぽい視線を向ける彼は満足そうに額に口づけを落とした。
「れんかぁ……わらしぃ……」
 呂律が回らない。
 もっとして。
 酷くてもいいからたくさんして。
 思わず彼の腕を掴むと、少しだけ驚いた表情を見せられた。
「そんなに俺の口づけが気に入ったのか?」
「ひゃい……」
 もっと全身触れて欲しい。
 けれども、そんなことを口にしては軽蔑されてしまうかもしれない。
 シャロンは言葉を飲み込んで、与えられる口づけを受け入れる。
 脳内を這うような快楽が、余計に下腹部のもどかしさを増幅させた。

 

 
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