28 / 41
たいやきさんとの再会
しおりを挟む
しばらく京子さんと田中さんの攻防が続き、結局田中さんが押し切られる形で迷い猫さがしの依頼を引き受けることになった。
確かに作家の仕事ではない余計な仕事が増えているなと思いつつ、猫探しなら探偵猫の得意分野だから問題ないだろうと思ってしまう。
そして、私も押しに弱いらしい。
田中さんに「頼むからうちの住み込み助手になってくれ」と縋られてしまい、断り切れずに着替えの用意だけさせて欲しいと言って、大志に報告しに戻ることとなった。
「本気かい? 田中さんのところで?」
「なんか、すごく気に入ってくれたみたいで……お給料もすごくいいからしばらくの間だけでもと」
大志は少しだけ不満そうな様子を見せたけれど、体調が悪くなったらすぐに報告するようにとだけ釘を刺し、荷造りを手伝ってくれた。
自分の荷物は思ったよりも少なくて、それでも生活が出来てしまう程度の品数だった。
数日分の着替え、歯ブラシ、ヘアブラシ、それにスマホと財布があれば十分過ぎる。あとはお世話になる田中さんに何かお土産を買っていくべきだろう。
そう思ったはずなのに、なぜかお肉屋さんで大きなお肉の塊を購入していた。これはたいやきさん向きのお土産ではないか。
田中さんのお屋敷に戻ると彼は荷物の少なさに呆れ、そして土産を見て更に呆れた。
「あー、一般的には菓子類などで済ませるのではないか?」
なぜ生肉なんだと彼の目が訴えている。
「すみません、お肉の方がおいしいかなって思って……」
たいやきさんが美味しそうにがつがつ食べる姿が恋しい。
たいやきさんが恋しい。
そう思うと、涙が出てきた。
「あっ、いや……別に怒ったわけではない……」
自分が泣かせてしまったのかと慌て出す田中さんに申し訳なくなる。
「ち、違います……ただ、たいやきさんに会いたいなって……」
あのにぼし出汁の「おちゃ」が恋しくなるなんてどうかしている。
「ああ、君が世話になった店長だな。あー、まだ猫の世界とこちらの関係に不明点も多いが……存命の猫ならこちらにも居るのではないか?」
とても気を使わせてしまっている気がする。
けれどもその気遣いが嬉しかった。
「そう、ですね。探してみます」
「ああ。見つけたら私にも紹介して欲しい。とても興味深い猫だ」
まずは荷ほどきをしなさいと客間に案内された。
広い。八畳はある和室だ。上等な文机に、新品らしいお布団まで用意されている。
「一応客用布団もクリーニングには出しているが、若い娘さんとなると新しいものを用意した方がいいと思って……」
「え? これ、私用なんですか? どこかから高飛車な猫が出てきて占有したりしません?」
「……君の布団だ。それと、この部屋が君の部屋だ。押し入れの上段下段で済ませなくていい」
しっかり釘を刺される。
もしや、クローゼットの中で寝ていたことを大志にバラされたのだろうか。
「お気遣いありがとうございます。えっと、お仕事の内容を確認させて下さい」
「そんなもの明日でいい。今日は休みなさい」
そう言われると落ち着かない。
「じゃあ、落ち着かないので、たいやきさんを探す手がかりが欲しいです」
「……ああ。構わんが……おはぎ」
田中さんが探偵猫を呼ぶ。
「たいやきとやらを探すことは出来るか?」
「ねこさがしはわたしのとくいぶんやだからね。それに、てんちょうさんはいるときはだいたいおなじばしょにいるよ」
彼のお気に入りがあるのだと探偵猫は言う。
「ご近所さんなんですか?」
「そうだね。たぶんたくやさんもしっているねこだとおもうけれど……こっちのかれはほとんどねているから」
まさか、老猫?
「会いにいけますか?」
「じゃあ、あんないするよ」
そう言われ、たいやきさんに会うなら用意したい物がたくさんある。
「あ、たいやきさんにお土産買ってから行きたいのでお肉屋さんに寄っていいですか?」
そう訊ねると、探偵猫の尻尾がだらりと下がる。
心なしか呆れられている?
それでも探偵猫はいつもの優しい声で「もちろん」と答えてくれた。
探偵猫のお言葉に甘えた私はお肉屋さんでちょっとお高い牛肉と数量限定の鹿ロースを、ついでにスーパーに寄って塩無添加にぼしを数袋購入した。
なぜかついてきた田中さんは猫用のおやつを大量に購入していた辺り、餌付けする気満々だろう。
たいやきさんはお肉派ですよーなどと考えながらも、両手いっぱいの買い物袋分の猫のおやつは一体何匹分なのだろうと思う。
そうして探偵猫に案内された先は、廃虚のような場所だった。
「ここだよ。てんちょうさんはだいたいこのちかくでねていることがおおいんだ」
古い個人商店。駄菓子だとか日用品を取り扱っていたのだろう。「たばこ」や「切手」なんて書かれた看板が色褪せている。
「ああ、ここの老夫婦は数年前に店を畳んでしまったね」
そのまま建物が残っていたのかと田中さんは懐かしむように言う。
「よく移動販売のたいやき店が来ていたんだよ。いまどきの言い方をするとキッチンカー、か?」
まさか、それで猫の名前がたいやき?
たいやきさんの飼い主はどっちなんだ?
「おーい、てんちょうさん。いるかい?」
探偵猫が声を張る。
すると廃虚の下からのそのそと見慣れた猫が出てきた。
「おやま、たんていさん。こっちであうのはめずらしいね」
たいやきさんの声だ。
大あくびをしながら伸びをする。
「ここ、すずしいからおひるねにぴったりだよ」
「そうだね。でもね、きょうはさきちゃんがきてるよ」
「え? さきちゃん?」
たいやきさんがこちらを向く。
服を着ていないたいやきさんはいつもより痩せて見える。いや、実際かなり痩せている。
あっちの世界で見たときはふっくらころんころんして見えたのに。
「こんにちは。今日はお土産持って来ましたよ」
「わぁ、ありがとう」
嬉しそうに笑う姿はいつものたいやきさんだ。
でも、探偵猫もどうだけれど、こっちの世界ではただの猫に見える。
「ああ、ここのご夫婦が可愛がっていた地域猫だね」
田中さんが納得したような顔を見せる。
「ここのご婦人がよくたいやきのしっぽを食べさせていたんだ」
「……それでたいやきさんなんですか?」
じゃあおはぎさんはおはぎを食べていたのだろうか。いや、多分色のせいだろう。
「わーっ、おにくだー! こんなにたくさん?」
「ぜんぶたいやきさんが食べていいですよ。たくさんお世話になりましたし……」
今のたいやきさんはガリガリで……きっとごはんもあんまり食べていない。
「いっしょにたべようよ。みんなでたべたらおいしいよ」
「……はい」
いつものたいやきさんみたいなのに、今の彼は喋るだけの猫だ。
「田中さん……たいやきさん、連れて行っていいですか?」
「あ? ああ、構わないが……猫は自分の好きな場所で過ごすだろうからまたここに戻ってくるかもしれないよ」
「はい。でも、たくさんご飯を食べさせてあげたくて」
お肉をたくさん。ついでににぼしも。
行きますよと、ひょいと持ち上げたたいやきさんは、見た目よりもずっと軽い。
「さきちゃん、ぼくあるけるよ?」
「折角見つけたのに見失ったら悲しいですから今日は大人しく抱っこされてて下さい」
ついでにお風呂に入れないと。
たいやきさんはお風呂嫌いだけど。
田中さんの家に向かう途中、かなりの頻度で探偵猫の視線を感じた気がした。
やっぱりオス猫を抱っこするのははしたないだとかそう言う話だろうか。
探偵猫の価値観もよくわからない。
それでも、今日からまたたいやきさんと押し入れシェア生活を出来ると思うと、とても安心した。
確かに作家の仕事ではない余計な仕事が増えているなと思いつつ、猫探しなら探偵猫の得意分野だから問題ないだろうと思ってしまう。
そして、私も押しに弱いらしい。
田中さんに「頼むからうちの住み込み助手になってくれ」と縋られてしまい、断り切れずに着替えの用意だけさせて欲しいと言って、大志に報告しに戻ることとなった。
「本気かい? 田中さんのところで?」
「なんか、すごく気に入ってくれたみたいで……お給料もすごくいいからしばらくの間だけでもと」
大志は少しだけ不満そうな様子を見せたけれど、体調が悪くなったらすぐに報告するようにとだけ釘を刺し、荷造りを手伝ってくれた。
自分の荷物は思ったよりも少なくて、それでも生活が出来てしまう程度の品数だった。
数日分の着替え、歯ブラシ、ヘアブラシ、それにスマホと財布があれば十分過ぎる。あとはお世話になる田中さんに何かお土産を買っていくべきだろう。
そう思ったはずなのに、なぜかお肉屋さんで大きなお肉の塊を購入していた。これはたいやきさん向きのお土産ではないか。
田中さんのお屋敷に戻ると彼は荷物の少なさに呆れ、そして土産を見て更に呆れた。
「あー、一般的には菓子類などで済ませるのではないか?」
なぜ生肉なんだと彼の目が訴えている。
「すみません、お肉の方がおいしいかなって思って……」
たいやきさんが美味しそうにがつがつ食べる姿が恋しい。
たいやきさんが恋しい。
そう思うと、涙が出てきた。
「あっ、いや……別に怒ったわけではない……」
自分が泣かせてしまったのかと慌て出す田中さんに申し訳なくなる。
「ち、違います……ただ、たいやきさんに会いたいなって……」
あのにぼし出汁の「おちゃ」が恋しくなるなんてどうかしている。
「ああ、君が世話になった店長だな。あー、まだ猫の世界とこちらの関係に不明点も多いが……存命の猫ならこちらにも居るのではないか?」
とても気を使わせてしまっている気がする。
けれどもその気遣いが嬉しかった。
「そう、ですね。探してみます」
「ああ。見つけたら私にも紹介して欲しい。とても興味深い猫だ」
まずは荷ほどきをしなさいと客間に案内された。
広い。八畳はある和室だ。上等な文机に、新品らしいお布団まで用意されている。
「一応客用布団もクリーニングには出しているが、若い娘さんとなると新しいものを用意した方がいいと思って……」
「え? これ、私用なんですか? どこかから高飛車な猫が出てきて占有したりしません?」
「……君の布団だ。それと、この部屋が君の部屋だ。押し入れの上段下段で済ませなくていい」
しっかり釘を刺される。
もしや、クローゼットの中で寝ていたことを大志にバラされたのだろうか。
「お気遣いありがとうございます。えっと、お仕事の内容を確認させて下さい」
「そんなもの明日でいい。今日は休みなさい」
そう言われると落ち着かない。
「じゃあ、落ち着かないので、たいやきさんを探す手がかりが欲しいです」
「……ああ。構わんが……おはぎ」
田中さんが探偵猫を呼ぶ。
「たいやきとやらを探すことは出来るか?」
「ねこさがしはわたしのとくいぶんやだからね。それに、てんちょうさんはいるときはだいたいおなじばしょにいるよ」
彼のお気に入りがあるのだと探偵猫は言う。
「ご近所さんなんですか?」
「そうだね。たぶんたくやさんもしっているねこだとおもうけれど……こっちのかれはほとんどねているから」
まさか、老猫?
「会いにいけますか?」
「じゃあ、あんないするよ」
そう言われ、たいやきさんに会うなら用意したい物がたくさんある。
「あ、たいやきさんにお土産買ってから行きたいのでお肉屋さんに寄っていいですか?」
そう訊ねると、探偵猫の尻尾がだらりと下がる。
心なしか呆れられている?
それでも探偵猫はいつもの優しい声で「もちろん」と答えてくれた。
探偵猫のお言葉に甘えた私はお肉屋さんでちょっとお高い牛肉と数量限定の鹿ロースを、ついでにスーパーに寄って塩無添加にぼしを数袋購入した。
なぜかついてきた田中さんは猫用のおやつを大量に購入していた辺り、餌付けする気満々だろう。
たいやきさんはお肉派ですよーなどと考えながらも、両手いっぱいの買い物袋分の猫のおやつは一体何匹分なのだろうと思う。
そうして探偵猫に案内された先は、廃虚のような場所だった。
「ここだよ。てんちょうさんはだいたいこのちかくでねていることがおおいんだ」
古い個人商店。駄菓子だとか日用品を取り扱っていたのだろう。「たばこ」や「切手」なんて書かれた看板が色褪せている。
「ああ、ここの老夫婦は数年前に店を畳んでしまったね」
そのまま建物が残っていたのかと田中さんは懐かしむように言う。
「よく移動販売のたいやき店が来ていたんだよ。いまどきの言い方をするとキッチンカー、か?」
まさか、それで猫の名前がたいやき?
たいやきさんの飼い主はどっちなんだ?
「おーい、てんちょうさん。いるかい?」
探偵猫が声を張る。
すると廃虚の下からのそのそと見慣れた猫が出てきた。
「おやま、たんていさん。こっちであうのはめずらしいね」
たいやきさんの声だ。
大あくびをしながら伸びをする。
「ここ、すずしいからおひるねにぴったりだよ」
「そうだね。でもね、きょうはさきちゃんがきてるよ」
「え? さきちゃん?」
たいやきさんがこちらを向く。
服を着ていないたいやきさんはいつもより痩せて見える。いや、実際かなり痩せている。
あっちの世界で見たときはふっくらころんころんして見えたのに。
「こんにちは。今日はお土産持って来ましたよ」
「わぁ、ありがとう」
嬉しそうに笑う姿はいつものたいやきさんだ。
でも、探偵猫もどうだけれど、こっちの世界ではただの猫に見える。
「ああ、ここのご夫婦が可愛がっていた地域猫だね」
田中さんが納得したような顔を見せる。
「ここのご婦人がよくたいやきのしっぽを食べさせていたんだ」
「……それでたいやきさんなんですか?」
じゃあおはぎさんはおはぎを食べていたのだろうか。いや、多分色のせいだろう。
「わーっ、おにくだー! こんなにたくさん?」
「ぜんぶたいやきさんが食べていいですよ。たくさんお世話になりましたし……」
今のたいやきさんはガリガリで……きっとごはんもあんまり食べていない。
「いっしょにたべようよ。みんなでたべたらおいしいよ」
「……はい」
いつものたいやきさんみたいなのに、今の彼は喋るだけの猫だ。
「田中さん……たいやきさん、連れて行っていいですか?」
「あ? ああ、構わないが……猫は自分の好きな場所で過ごすだろうからまたここに戻ってくるかもしれないよ」
「はい。でも、たくさんご飯を食べさせてあげたくて」
お肉をたくさん。ついでににぼしも。
行きますよと、ひょいと持ち上げたたいやきさんは、見た目よりもずっと軽い。
「さきちゃん、ぼくあるけるよ?」
「折角見つけたのに見失ったら悲しいですから今日は大人しく抱っこされてて下さい」
ついでにお風呂に入れないと。
たいやきさんはお風呂嫌いだけど。
田中さんの家に向かう途中、かなりの頻度で探偵猫の視線を感じた気がした。
やっぱりオス猫を抱っこするのははしたないだとかそう言う話だろうか。
探偵猫の価値観もよくわからない。
それでも、今日からまたたいやきさんと押し入れシェア生活を出来ると思うと、とても安心した。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
リアナ2 繁殖の春と不死者(しなず)の王
西フロイデ
ファンタジー
竜の国オンブリアは、繁殖期と呼ばれる社交シーズンの真っただ中。王となったばかりのリアナは恋人デイミオンの「繁殖期の務め」に苦しむ。一方、大戦の英雄でありながら〈ハートレス〉としての差別を受けるフィルとの距離も急接近。竜族を捕食する半死者たちや、竜殺しの武器を持つ人間の王が出現し、王国の運命にも暗雲が立ち込める。竜族の王としてリアナが下す決断は? 恋の行方はどうなる?
■1部に比べると恋愛描写が多めですので、苦手な方はご注意を。R15程度の性描写あり
(第一部はこちら)
「リアナ1 王冠の竜騎手と心臓のない英雄」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/518840219/130401936
神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました
下菊みこと
恋愛
突然通り魔に殺されたと思ったら望んでもないのに記憶を持ったまま転生してしまう主人公。転生したは良いが見目が怪しいと実親に捨てられて、代わりにその怪しい見た目から宗教の教徒を名乗る人たちに拾ってもらう。
そこには自分と同い年で、神の子と崇められる兄がいた。
自分ははっきりと神の子なんかじゃないと拒否したので助かったが、兄は大人たちの期待に応えようと頑張っている。
そんな兄に気を遣っていたら、いつのまにやらかなり溺愛、執着されていたお話。
小説家になろう様でも投稿しています。
勝手ながら、タイトルとあらすじなんか違うなと思ってちょっと変えました。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
異世界は黒猫と共に
小笠原慎二
ファンタジー
我が家のニャイドル黒猫のクロと、異世界に迷い込んだ八重子。
「チート能力もらってないんだけど」と呟く彼女の腕には、その存在が既にチートになっている黒猫のクロが。クロに助けられながらなんとか異世界を生き抜いていく。
ペガサス、グリフォン、妖精が従魔になり、紆余曲折を経て、ドラゴンまでも従魔に。途中で獣人少女奴隷も仲間になったりして、本人はのほほんとしながら異世界生活を満喫する。
自称猫の奴隷作者が贈る、猫ラブ異世界物語。
猫好きは必見、猫はちょっとという人も、読み終わったら猫好きになれる(と思う)お話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる