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17 白の王
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別室で寛いでいた白の王、レジナルドの第一印象は『綺麗』だった。
彼はとても美しい人物でただその場に存在するだけで絵画のように思えてしまう。
レイナは思わずルイスと彼を見比べた。
「負けてないわ。流石私の婚約者」
「……レイナ、流石に双方に失礼だからやめなさい」
次兄が耳元で注意する。
「私のルイスが世界一って言っておくべき?」
そう、次兄に訊ねたのがレジナルドにも聞こえてしまったのだろう。彼は面白そうに笑い、それから柔らかく見せようとした笑みを浮かべる。
見せようとした、というのは、どうも彼の目元が笑っていないように見えるからだ。
「それは、私も妻が世界一と言うべきだな」
「私にはどうでもいい話よ。ごめんなさいね。客人をもてなしたことがないの。私に興味があるそうだけれど、どういったご用件?」
明らかにあまり相手をしたくないという態度を見せただろうに、レジナルドは気にした様子もない。ただ、ノアとルイスが落ち着かない様子を見せ、ホセはじっとレジナルドを観察している。
「なに、新王が驚くほどの美女だったから少し話がしたかっただけだよ」
レジナルドはそう口にしたが、どこかレイナを警戒しているように見える。
いや、警戒と言うよりは品定めだろうか。とにかく不快な視線だ。
「私の魔力が気になるのね。別に構わないわ。でも、音楽のことだけ考えていたいの。それ以外のことはルイスにしか興味がないわ」
レイナ自身失礼なことを口にしているのは理解している。けれども、目の前のレジナルドという男の反応が見てみたかった。怒らせたいというのが正解だろうか。怒らせてこの面倒な外交とやらを終わらせてしまいたい。
しかし、レジナルドの表情は変わらない。とってつけたような笑みを浮かべ続けている。
「先程の演奏は見事だったよ。あなたは無意識のようだったが」
レジナルドがそう口にすると、ルイスは少し焦りを滲ませた。
「ルイス? さっきなにがあったかしら?」
きっと途中で意識が飛んだときのことを言っているのだろう。レイナ自身がなにが起きていたのかを知りたい部分だ。
魔力の暴走。そんな言葉で納得が出来るはずがない。
「あの弓、気持ち悪いくらい理想の音を出せたのにホセに没収されてしまったわ」
わざと恨めしいとホセの方を睨んだところで彼の表情は変わらない。相変わらず考えが読めない男だ。
「私としては、突然弓に変わったあれがどういったものなのかが気になるところなのだが?」
レジナルドは好奇心と言うには少しばかり警戒を出し過ぎた声色になっている。
「大いなる力、よ。宝冠と共に継承される、その奏者に一番必要な形になるのだと思うわ」
感覚的にそう思う。体が勝手に動いてしまうほど、頭の中に浮かべた理想の音をしっかりと出してくれる。それは気持ち悪いほどの感覚で、演奏家にとっては大いなる力だ。一度あの感覚を知ってしまえば、人生を狂わせてでももう一度あれを手にしたいと思ってしまうだろう。
「突然姿を変える道具はこの国では普通なのか?」
レジナルドは驚きを隠せない様子だ。
「あまり気にしたことはなかったけど……ルイス、どうなの?」
「滅多にないことだと思います。少なくとも私は初めて目にしました」
ルイスは随分と余所行きの態度だ。一応レイナを女王として立てるつもりなのだろう。
「ルイス、あなた私の婚約者なのよ? そのよそよそしい態度はやめて頂戴」
「しかし……」
「王配になるの。対等!」
レイナが少し強めの口調でそう言うと、困ったように眉を下げるルイス。
「レイナ、レジナルド陛下の前だ。少しは慎みなさい」
あくまで兄として、とノアが注意するが、肝心のレジナルドはあまり気にしていない様子だ。
「堅苦しいのはいい。俺も、あまり肩が凝るのは得意ではない」
そう口にしたかと思うとレジナルドはまるで自室で寛ぐかのように首元を緩め始める。
「幸い、レイナはあまり礼儀にはうるさくないようだ」
「あら、名前で呼ぶことを許すのは特別な相手だけよ? 私のことはチェロの女王と呼んでくれて構わないわ」
レイナとしてはここで笑いを取るつもりだったが、レジナルドは少し驚いた顔を見せ、それから「すまなかった」と口にする。
「それで、チェロの女王陛下は我が国との関係をどう考えておられるか?」
「……冗談よ? それに、外交はあまり詳しくないの。ルイスに任せるつもりよ。私は音楽のことだけ考えて生きていたいのに、どうしてかみんなそうさせてくれないの」
不満たっぷりにそう言えば、皆呆れているようだ。
どうやら状況はレイナにとって好ましくないらしい。
「レイナ、冗談がわかりにくいよ。それに、君は国王になったのだからもう少し発言に責任を持つように」
相変わらずの小言にうんざりする。
「お兄様は小言ばかりね。そう言うのは優秀な人がやるべきよ。まぁ、白の国に楽器の素材がたくさんあるなら貿易は大歓迎だけど」
「……特産品は林檎かな? 林業もそこそこ盛んではあるが、我が国ではあまり楽器は作らないのでね。楽器向きかはわからないな」
レジナルドは反応に困っている様子だ。
この新米女王をどう扱っていいのかわからないのだろう。
「楽器製作についてはホセが詳しいわ。業者とのやりとりが必要ならホセに任せるといいわ。やってくれるわよね? ホセ」
「はい」
恭しく礼を取ったホセに少し驚く。彼がこんな仕種を見せるところは初めて見た。
「あなたって、とっても無礼な人だと思っていたけれど、そんな仕種も出来たのね」
「レイナは私の主ですから」
それでも呼び捨てるのねと呆れつつ、もう一度レジナルドを向く。
「そもそも不仲になった原因ってなんだったのかしら?」
何代か前の国王が心を操る魔術で白の王国にも影響を与えていたような気はするけれど、あちらの国でどう伝わっているのかはわからない。
「俺の妻が黒の国の女王だった頃に近隣国全てと戦争をしていたんだ。あなたの母君も黒の国が原因で命を落としたはずだが?」
「そうなの? ご病気だったと聞いているけれど」
首を傾げながらノアを見れば、困ったような様子を見せる。
「……あー、一種の呪術だった。だがもう昔の話だ。黒の国は滅び、白の国に吸収された」
「まあ」
正直なところ、レイナは母の顔も声も覚えてなどいない。特になにも感じることなどないが、兄たちにして見れば複雑な感情があるのかもしれない。
「過去のことには興味がないわ。音は生まれてすぐに死んでしまうの。だから、考えるべきは未来のことよ」
「レイナは変わり者だが……先代よりは友好的な関係を築けそうだ」
レジナルドは笑う。今度はとってつけたような笑みではない。
「ところで、妹君の噂を耳にしたのだが、彼女も演奏者なのか?」
レジナルドがそう口にした瞬間、ルイスとノアが硬直する。
「私に妹はいないことになっているの。その質問は聞かなかったことにしてあげるわ」
それはつまりあの子の存在を認めてはいると言うことだ。
レイナは嘘を吐くのが得意ではない。そして、渡すべきではない情報も既にいくつも渡してしまっているだろう。
「そうか、なら俺の勘違いのまま聞いて欲しい。国境で王族を名乗る少女が奇妙な楽器を演奏しているらしい。その演奏を耳にした中の数人が数日様子がおかしかったと聞いている」
奇妙な楽器と聞いた時点で皆すぐにアリアの姿を思い浮かべただろう。
「あら、本当におかしな話ね。少し調べさせるわ。勝手に王族を名乗るような人がいては困るもの」
そう口にして、使用人を呼びお茶の準備をさせる。
レジナルドとはもう少し話をしておくべきかもしれない。
「ルイス、ホセ、あなた達なにかいい雰囲気の演奏をして下さる? やっぱり音楽がないとおもてなしって感じがしないわ」
「私は人前で聞かせられるほどでは……」
ルイスが逃げようとするのを逃してあげるほど今のレイナは優しくない。
「ヴィオラの独奏も素敵だと思うわ。私、あなたの音が好きよ」
そう告げて、ルイスが断れるはずがない。
少し緊張した様子で楽器の準備を始めるルイスを眺めながら、レイナは用意されたお茶に手を伸ばした。
彼はとても美しい人物でただその場に存在するだけで絵画のように思えてしまう。
レイナは思わずルイスと彼を見比べた。
「負けてないわ。流石私の婚約者」
「……レイナ、流石に双方に失礼だからやめなさい」
次兄が耳元で注意する。
「私のルイスが世界一って言っておくべき?」
そう、次兄に訊ねたのがレジナルドにも聞こえてしまったのだろう。彼は面白そうに笑い、それから柔らかく見せようとした笑みを浮かべる。
見せようとした、というのは、どうも彼の目元が笑っていないように見えるからだ。
「それは、私も妻が世界一と言うべきだな」
「私にはどうでもいい話よ。ごめんなさいね。客人をもてなしたことがないの。私に興味があるそうだけれど、どういったご用件?」
明らかにあまり相手をしたくないという態度を見せただろうに、レジナルドは気にした様子もない。ただ、ノアとルイスが落ち着かない様子を見せ、ホセはじっとレジナルドを観察している。
「なに、新王が驚くほどの美女だったから少し話がしたかっただけだよ」
レジナルドはそう口にしたが、どこかレイナを警戒しているように見える。
いや、警戒と言うよりは品定めだろうか。とにかく不快な視線だ。
「私の魔力が気になるのね。別に構わないわ。でも、音楽のことだけ考えていたいの。それ以外のことはルイスにしか興味がないわ」
レイナ自身失礼なことを口にしているのは理解している。けれども、目の前のレジナルドという男の反応が見てみたかった。怒らせたいというのが正解だろうか。怒らせてこの面倒な外交とやらを終わらせてしまいたい。
しかし、レジナルドの表情は変わらない。とってつけたような笑みを浮かべ続けている。
「先程の演奏は見事だったよ。あなたは無意識のようだったが」
レジナルドがそう口にすると、ルイスは少し焦りを滲ませた。
「ルイス? さっきなにがあったかしら?」
きっと途中で意識が飛んだときのことを言っているのだろう。レイナ自身がなにが起きていたのかを知りたい部分だ。
魔力の暴走。そんな言葉で納得が出来るはずがない。
「あの弓、気持ち悪いくらい理想の音を出せたのにホセに没収されてしまったわ」
わざと恨めしいとホセの方を睨んだところで彼の表情は変わらない。相変わらず考えが読めない男だ。
「私としては、突然弓に変わったあれがどういったものなのかが気になるところなのだが?」
レジナルドは好奇心と言うには少しばかり警戒を出し過ぎた声色になっている。
「大いなる力、よ。宝冠と共に継承される、その奏者に一番必要な形になるのだと思うわ」
感覚的にそう思う。体が勝手に動いてしまうほど、頭の中に浮かべた理想の音をしっかりと出してくれる。それは気持ち悪いほどの感覚で、演奏家にとっては大いなる力だ。一度あの感覚を知ってしまえば、人生を狂わせてでももう一度あれを手にしたいと思ってしまうだろう。
「突然姿を変える道具はこの国では普通なのか?」
レジナルドは驚きを隠せない様子だ。
「あまり気にしたことはなかったけど……ルイス、どうなの?」
「滅多にないことだと思います。少なくとも私は初めて目にしました」
ルイスは随分と余所行きの態度だ。一応レイナを女王として立てるつもりなのだろう。
「ルイス、あなた私の婚約者なのよ? そのよそよそしい態度はやめて頂戴」
「しかし……」
「王配になるの。対等!」
レイナが少し強めの口調でそう言うと、困ったように眉を下げるルイス。
「レイナ、レジナルド陛下の前だ。少しは慎みなさい」
あくまで兄として、とノアが注意するが、肝心のレジナルドはあまり気にしていない様子だ。
「堅苦しいのはいい。俺も、あまり肩が凝るのは得意ではない」
そう口にしたかと思うとレジナルドはまるで自室で寛ぐかのように首元を緩め始める。
「幸い、レイナはあまり礼儀にはうるさくないようだ」
「あら、名前で呼ぶことを許すのは特別な相手だけよ? 私のことはチェロの女王と呼んでくれて構わないわ」
レイナとしてはここで笑いを取るつもりだったが、レジナルドは少し驚いた顔を見せ、それから「すまなかった」と口にする。
「それで、チェロの女王陛下は我が国との関係をどう考えておられるか?」
「……冗談よ? それに、外交はあまり詳しくないの。ルイスに任せるつもりよ。私は音楽のことだけ考えて生きていたいのに、どうしてかみんなそうさせてくれないの」
不満たっぷりにそう言えば、皆呆れているようだ。
どうやら状況はレイナにとって好ましくないらしい。
「レイナ、冗談がわかりにくいよ。それに、君は国王になったのだからもう少し発言に責任を持つように」
相変わらずの小言にうんざりする。
「お兄様は小言ばかりね。そう言うのは優秀な人がやるべきよ。まぁ、白の国に楽器の素材がたくさんあるなら貿易は大歓迎だけど」
「……特産品は林檎かな? 林業もそこそこ盛んではあるが、我が国ではあまり楽器は作らないのでね。楽器向きかはわからないな」
レジナルドは反応に困っている様子だ。
この新米女王をどう扱っていいのかわからないのだろう。
「楽器製作についてはホセが詳しいわ。業者とのやりとりが必要ならホセに任せるといいわ。やってくれるわよね? ホセ」
「はい」
恭しく礼を取ったホセに少し驚く。彼がこんな仕種を見せるところは初めて見た。
「あなたって、とっても無礼な人だと思っていたけれど、そんな仕種も出来たのね」
「レイナは私の主ですから」
それでも呼び捨てるのねと呆れつつ、もう一度レジナルドを向く。
「そもそも不仲になった原因ってなんだったのかしら?」
何代か前の国王が心を操る魔術で白の王国にも影響を与えていたような気はするけれど、あちらの国でどう伝わっているのかはわからない。
「俺の妻が黒の国の女王だった頃に近隣国全てと戦争をしていたんだ。あなたの母君も黒の国が原因で命を落としたはずだが?」
「そうなの? ご病気だったと聞いているけれど」
首を傾げながらノアを見れば、困ったような様子を見せる。
「……あー、一種の呪術だった。だがもう昔の話だ。黒の国は滅び、白の国に吸収された」
「まあ」
正直なところ、レイナは母の顔も声も覚えてなどいない。特になにも感じることなどないが、兄たちにして見れば複雑な感情があるのかもしれない。
「過去のことには興味がないわ。音は生まれてすぐに死んでしまうの。だから、考えるべきは未来のことよ」
「レイナは変わり者だが……先代よりは友好的な関係を築けそうだ」
レジナルドは笑う。今度はとってつけたような笑みではない。
「ところで、妹君の噂を耳にしたのだが、彼女も演奏者なのか?」
レジナルドがそう口にした瞬間、ルイスとノアが硬直する。
「私に妹はいないことになっているの。その質問は聞かなかったことにしてあげるわ」
それはつまりあの子の存在を認めてはいると言うことだ。
レイナは嘘を吐くのが得意ではない。そして、渡すべきではない情報も既にいくつも渡してしまっているだろう。
「そうか、なら俺の勘違いのまま聞いて欲しい。国境で王族を名乗る少女が奇妙な楽器を演奏しているらしい。その演奏を耳にした中の数人が数日様子がおかしかったと聞いている」
奇妙な楽器と聞いた時点で皆すぐにアリアの姿を思い浮かべただろう。
「あら、本当におかしな話ね。少し調べさせるわ。勝手に王族を名乗るような人がいては困るもの」
そう口にして、使用人を呼びお茶の準備をさせる。
レジナルドとはもう少し話をしておくべきかもしれない。
「ルイス、ホセ、あなた達なにかいい雰囲気の演奏をして下さる? やっぱり音楽がないとおもてなしって感じがしないわ」
「私は人前で聞かせられるほどでは……」
ルイスが逃げようとするのを逃してあげるほど今のレイナは優しくない。
「ヴィオラの独奏も素敵だと思うわ。私、あなたの音が好きよ」
そう告げて、ルイスが断れるはずがない。
少し緊張した様子で楽器の準備を始めるルイスを眺めながら、レイナは用意されたお茶に手を伸ばした。
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