肉月〜ニクツキ

白井智之

文字の大きさ
上 下
4 / 20

肉月~ニクツキ04

しおりを挟む
「宗助君…同じ体育祭実行委員になれて嬉しいよ。…ねぇ、キスしてもいい?」

顔を近づけ、甘い声でささやく悠の言葉に驚く宗助。
戸惑いながらも相田宗助は頬を赤らめてしまう。

「えっ!?…な、何を言ってるんだよ田中…。」

言葉では抵抗しても、
宗助はまっすぐに悠を見ることも出来ない。
悠の太い指が、宗助の柔らかい肉のついた頬を
そっと撫でる。…動けない宗助。
頬を撫でた手はゆっくりと下がって、宗助の胸元へ‥。
悠の指が宗助の胸に触れる、直前のところで静止する。
そしてゆっくりと空を切るように胸の上で指を
クルクルと廻す。宗助は焦らされ、切ないのか、
抵抗の言葉をなくし、ただ赤面しながら、
顔を背けている。

「宗助君…ずっと好きだった…」

そう言うと、悠の手が宗助の柔らかな胸に触れる。
その瞬間…、宗助の唇から甘い吐息と、
小さく喘ぐような声が漏れる。
そして悠は揉み心地を確めるように、
ゆっくり、丁寧に、胸を揉み始める。

「‥ん、んん‥。あ、ん、こんな…やめろ…」

宗助の胸を揉みながら、愛おしい顔に、
悠は自分の顔を近づけた。
悠の肉つきの良い頬をつたっている汗の雫が、
輝いている。甘酸っぱい匂いがする。
悠は自分の股間がはち切れそうな程に
膨張し、痛いほどだった。そして気づく。
ふと、股間に目を落としてみると、
宗助の股間も、ズボンに膨らみが出来ているのだ。

「そ‥、宗助君。君も興奮してるんだね‥。嬉しいよ。」

そういうと宗助はビクッと身体を震わせて、

「ち、違う‥!!何を言ってるんだ。ば、馬鹿!!」

必死に取り乱して否定する様子も、
悠には愛おしく思える。

「…じゃあ、触っても平気だよね?」

ゆっくりと股間に手を伸ばす悠。
だが、すぐに宗助の手がその手を止める。
いつも活発で勝気な宗助が赤面し、
泣き出しそうな切ない顔で悠を見ている。
その顔を見たとたん、悠の心の中で、
何かが弾けた。

「宗助君…好きだ。本当に。」

悠は宗助の唇にそっと、自分の唇を重ねた。
悠はこの瞬間、人生最高の気持ちになった。
…だが、どこかずっと遠くで‥
変な音が聞こえる。

ジリリリ…

気がつくとベッドの中。

「ゆ…、夢かぁ~!!」

ベッドの上で大きな身体を
モジモジさせる田中悠。

「でも最高の夢だったなぁ。」

そう呟きながら、目覚まし時計を止める。
幸せな気分で、悠は宗助の事を想っていた。

「あぁ、宗助君と一緒に体育祭の実行委員になるなんて…。すごいラッキーだよ。」

悠の丸い顔は机の上に転がっている
首飾りの方を向いている。
そして悠の頭に声が届く。

「…そうか。良かったな。しかしそれだけではアレをものにすることは出来ないぞ。」

途端に悠の顔が赤く染まる。

「‥も、ものにするって…そんな」

悠は思わず言葉を詰まらせた。
しかし赤い石の声は続く。

「アイツと交わりたいんだろう?それは解っている。…だが今のままでは難しいな。お前も相手も経験が全く無い。」

「け‥経験って…えっちな事?…確かにそうだけど…」

「だが、‥問題ない。経験すれば良いだけだ。」

悠の短い首筋に汗が流れる。

「すれば良いだけって…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...