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聖女アリシアのさらなる苦難
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「はぁ……なんでこんな事に」
アリシアは頭を悩ませていた。
しかし、そんな時にさらなる悲劇がアリシアを襲う。
「聖女アリシア様!」
「今度はなによ!」
「大変です! 建築資材が倒れ、多くの負傷者が出ました!」
「なんですって!」
「今病院に搬入中です」
「くそっ! 何なのよ! 使えないわね!」
人間なのだから無理もない。怪我はするし。病気にもなる。寝なければ働く事もできない。
「いかがされますか? アリシア様」
外交大臣が言う。
「どうするも何も、怪我した人を治さないと。いけないじゃない。そうしないと人手が」
「アリシア様、私に考えがあります」
「考え? どんな?」
「聖王国にはプリーストという職業の人々がおります。プリーストには癒しの魔法があります。癒しの魔法があれば自然完治を待つよりも早く怪我が治る事でしょう」
「そうね。名案だわ」
「ちょうど一人、聖王国からこの王国で働きたいと言っているプリーストがいます。面接を希望しているようです」
「なんという幸運なの。すぐに面接の手配をしてちょうだい」
「了解しました」
一人の少女が王室を訪れた。金髪をした美少女である。純朴そうであった。清廉なイメージはプリーストらしかった。
「私の名はアリシア。あなたの名前は?」
「私の名前はミトラカルラ・ルイ・マルケディウスと申します」
「そう。長ったらしい名前ね。ミトラと呼んでいいわね?」
「ええ。大体そう呼ばれます」
履歴書に目を通す。
「ミトラさん。18歳ね。是非こちらとしては働いてほしいの。困っているもので。報酬はそれなりの額を用意するつもりよ」
「はい。あまり気にされなくていいです。そのためにこの国に来たのではありませんので」
「どのつもりでこの国に来たんですか? お金ではなく」
「はい。この国にはジルというネクロマンサーが働いていると聞きました」
「そ、そうだけど、それがどうかしたの?」
正確にはそうだったである。
「私とジルは幼馴染なのです。それで、ジルと同じ職場で働きたいと思い、この職場を選んだのです」
「……はぁ」
アリシアはため息を吐く。どうせバレるのだ。ごまかしきれるものではない。
「ごめんなさい。ジルはもうこの国にはいないの」
国王暗殺のぬれ衣を着せた事に関しては黙っておいた。
「え? そうなのですか?」
「ええ。そうなの。都合があって王国を出て行ったわ。それで、待遇はよくするから彼がいなくても是非我が王国に役立ってくれないかしら」
「残念ですが、私はジルと一緒にいたくてここに来たんです。ジルがいないならここで働く理由はなくなりました」
「ま、待って! お願いだから! 困っているのよ!」
「残念ですが他を当たってください。私はジルを探しにいきますので」
そう言ってそげなく、ミトラはその場を去っていった。
「くそっ! なんなのよ! どいつもこいつも! あのネクロマンサーの事ばかりっ! ああっ! もうくそっ!」
アリシアは髪を掻きむしった。こうしてアリシアはプリーストの勧誘に失敗した。
アリシアは頭を悩ませていた。
しかし、そんな時にさらなる悲劇がアリシアを襲う。
「聖女アリシア様!」
「今度はなによ!」
「大変です! 建築資材が倒れ、多くの負傷者が出ました!」
「なんですって!」
「今病院に搬入中です」
「くそっ! 何なのよ! 使えないわね!」
人間なのだから無理もない。怪我はするし。病気にもなる。寝なければ働く事もできない。
「いかがされますか? アリシア様」
外交大臣が言う。
「どうするも何も、怪我した人を治さないと。いけないじゃない。そうしないと人手が」
「アリシア様、私に考えがあります」
「考え? どんな?」
「聖王国にはプリーストという職業の人々がおります。プリーストには癒しの魔法があります。癒しの魔法があれば自然完治を待つよりも早く怪我が治る事でしょう」
「そうね。名案だわ」
「ちょうど一人、聖王国からこの王国で働きたいと言っているプリーストがいます。面接を希望しているようです」
「なんという幸運なの。すぐに面接の手配をしてちょうだい」
「了解しました」
一人の少女が王室を訪れた。金髪をした美少女である。純朴そうであった。清廉なイメージはプリーストらしかった。
「私の名はアリシア。あなたの名前は?」
「私の名前はミトラカルラ・ルイ・マルケディウスと申します」
「そう。長ったらしい名前ね。ミトラと呼んでいいわね?」
「ええ。大体そう呼ばれます」
履歴書に目を通す。
「ミトラさん。18歳ね。是非こちらとしては働いてほしいの。困っているもので。報酬はそれなりの額を用意するつもりよ」
「はい。あまり気にされなくていいです。そのためにこの国に来たのではありませんので」
「どのつもりでこの国に来たんですか? お金ではなく」
「はい。この国にはジルというネクロマンサーが働いていると聞きました」
「そ、そうだけど、それがどうかしたの?」
正確にはそうだったである。
「私とジルは幼馴染なのです。それで、ジルと同じ職場で働きたいと思い、この職場を選んだのです」
「……はぁ」
アリシアはため息を吐く。どうせバレるのだ。ごまかしきれるものではない。
「ごめんなさい。ジルはもうこの国にはいないの」
国王暗殺のぬれ衣を着せた事に関しては黙っておいた。
「え? そうなのですか?」
「ええ。そうなの。都合があって王国を出て行ったわ。それで、待遇はよくするから彼がいなくても是非我が王国に役立ってくれないかしら」
「残念ですが、私はジルと一緒にいたくてここに来たんです。ジルがいないならここで働く理由はなくなりました」
「ま、待って! お願いだから! 困っているのよ!」
「残念ですが他を当たってください。私はジルを探しにいきますので」
そう言ってそげなく、ミトラはその場を去っていった。
「くそっ! なんなのよ! どいつもこいつも! あのネクロマンサーの事ばかりっ! ああっ! もうくそっ!」
アリシアは髪を掻きむしった。こうしてアリシアはプリーストの勧誘に失敗した。
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