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【ブラックギルドside】アルバート 森でモンスターに襲われる
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「暗いのぉ。怖いのぉ」
アルバートは獣人の国へとたどり着く為に森を一人歩いていた。
カサカサッ。
「ひ、ひぃっ!」
ネズミであった。
「なんだネズミか。脅かしおって」
動かせる闇のギルド員は全てレイドールに貸し付けている。ストライキを起こされている以上、一人で獣人の国へと向かわなければならなかった。護衛もなしで森を移動するのは大変危険であったが致し方ない。他に手段がないのだ。
カサカサッ。
「はは……どうせまたネズミであろう」
「「「グルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ」」」」
うなり声が聞こえてきた。
ウォーウルフだ。それも複数匹。
「ひ、ひいっ! く、来るなっ! 近寄ってくるでない!」
闇雲にアルバートは剣を振り回した。日頃人をアゴで使うようになっていた為、剣の腕は当にさび付いている。
突如ウォーウルフのうち一匹がかみついてきた。剣が空振りする。
がぶっ! 思いっきり腕をかまれた。
「ぎゃ! ぎゃあ! い、痛い! 痛いぞ! 痛い!」
何とか必死に引きはがす。
「く、くそっ! 血が出てしまった! ぐあっ!」
また次も襲い掛かられる。多勢に無勢だ。
「く、くそっ! 死んでたまるかっ! 死んでたまるか! このおっ!」
アルバートは何とか全身全霊の力を出してウォーウルフを追い払う。
「ぜ、ぜぇ、はあ、ぜぇ。な、なぜだ。なぜたかだかシオンに会いに行くというだけで、俺はなぜこうまで苦労せねばならぬ」
アルバートは全身が血だらけの歯形だらけであった。満身創痍で近くにあった枝を杖代わりに歩く。しかし出血がひどかった。
「うっ……」
パタリ、倒れる。
思えば今まで酷い事をしてきた。レイドールと役員と結託し、獣人の国に疫病をばらまいた。そして植民地化させようとしてきた。それだけではない。
ギルド員に不当な扱いをし、不当な利益を得てきた。その報いを受ける時が来たのか。
「ううっ。いやだ! 俺は死にたくない! 絶対に死にたくない! ううっ!」
アルバートは生き残りたかった。生きる為ならなんでもしていい、悪魔に魂を売り渡してもいいくらいの気持ちであった。
「まさかとは思いましたが、なぜ私のもと上司であるアルバート殿がここに」
――しかし、アルバートの目の前に予期せぬ姿が目に入ってきた。追い出したあのドクター、シオンの姿である。横には美しい獣人の少女もいた。
「くっ……なぜシオンの幻が」
「私は幻ではありませんが……」
「それほどまでに奴の事を想っていたのか……邪魔だと思って追い出したのに、いざいなくなると奴の存在がこれほどまでに大きく。ううっ!」
アルバートは気を失った。出血多量が原因だろう。
「はぁ……」
シオンは溜息をついた。いきなり現れて死にかけたのは実に対処に困った様子だ。
アルバートは獣人の国へとたどり着く為に森を一人歩いていた。
カサカサッ。
「ひ、ひぃっ!」
ネズミであった。
「なんだネズミか。脅かしおって」
動かせる闇のギルド員は全てレイドールに貸し付けている。ストライキを起こされている以上、一人で獣人の国へと向かわなければならなかった。護衛もなしで森を移動するのは大変危険であったが致し方ない。他に手段がないのだ。
カサカサッ。
「はは……どうせまたネズミであろう」
「「「グルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ」」」」
うなり声が聞こえてきた。
ウォーウルフだ。それも複数匹。
「ひ、ひいっ! く、来るなっ! 近寄ってくるでない!」
闇雲にアルバートは剣を振り回した。日頃人をアゴで使うようになっていた為、剣の腕は当にさび付いている。
突如ウォーウルフのうち一匹がかみついてきた。剣が空振りする。
がぶっ! 思いっきり腕をかまれた。
「ぎゃ! ぎゃあ! い、痛い! 痛いぞ! 痛い!」
何とか必死に引きはがす。
「く、くそっ! 血が出てしまった! ぐあっ!」
また次も襲い掛かられる。多勢に無勢だ。
「く、くそっ! 死んでたまるかっ! 死んでたまるか! このおっ!」
アルバートは何とか全身全霊の力を出してウォーウルフを追い払う。
「ぜ、ぜぇ、はあ、ぜぇ。な、なぜだ。なぜたかだかシオンに会いに行くというだけで、俺はなぜこうまで苦労せねばならぬ」
アルバートは全身が血だらけの歯形だらけであった。満身創痍で近くにあった枝を杖代わりに歩く。しかし出血がひどかった。
「うっ……」
パタリ、倒れる。
思えば今まで酷い事をしてきた。レイドールと役員と結託し、獣人の国に疫病をばらまいた。そして植民地化させようとしてきた。それだけではない。
ギルド員に不当な扱いをし、不当な利益を得てきた。その報いを受ける時が来たのか。
「ううっ。いやだ! 俺は死にたくない! 絶対に死にたくない! ううっ!」
アルバートは生き残りたかった。生きる為ならなんでもしていい、悪魔に魂を売り渡してもいいくらいの気持ちであった。
「まさかとは思いましたが、なぜ私のもと上司であるアルバート殿がここに」
――しかし、アルバートの目の前に予期せぬ姿が目に入ってきた。追い出したあのドクター、シオンの姿である。横には美しい獣人の少女もいた。
「くっ……なぜシオンの幻が」
「私は幻ではありませんが……」
「それほどまでに奴の事を想っていたのか……邪魔だと思って追い出したのに、いざいなくなると奴の存在がこれほどまでに大きく。ううっ!」
アルバートは気を失った。出血多量が原因だろう。
「はぁ……」
シオンは溜息をついた。いきなり現れて死にかけたのは実に対処に困った様子だ。
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