32 / 58
災害をパワーアームで解決する
しおりを挟む
「えらいこっただ! これはえらいこっただ!」
「国王様! 俺達もう限界だ!」
「なんとかするだ! 我慢してろだ!」
「もう無理だだーーーーーー! 死ぬだーーーーーー!」
下敷きになっているドワーフも何人もいる。ドワーフは驚異的な程頑丈なのだ。何とか耐えしのいでいる様子だ。
「国王様、このドワーフの国に工房はありませんか?」
「武具を鍛錬する工房だか? あるが、何を言ってるだ? こんな時にだ」
「貸してくれませんか?」
「好きにするだ! 俺達は復興で忙しいんだ」
とはいえ、誰が案内してくれるというのだ。
「ドワ娘、相手にしろだ!」
「はいだ! ドワ娘だわさ」
ドワーフの娘が現れた。確かにちびだ。ずんどーというのもうなずける。
「あんさん! イケメンだわさ! 背が高くてすらっとしてて」
「え? うん」
そりゃ人間だもの。ドワーフより背は高いだろう。
「あてをお嫁さんしてだわさ!」
「なっ!?」
「んっ!?」
ユースとシャロは表情を歪めた。何をドワーフ相手にムキになっているんだ。相手は子供みたいなものじゃないか。
「ははっ! 残念ながら今はそんな事言っている場合じゃないよ。工房はどこ?」
「こっちだわさ」
こうして俺はドワーフの工房に案内された。土製の建物に工房があった。炉もある。ハンマーもあった。
「よし! これで大丈夫だ!」
「フェイ様! 一体、何を作るんですか!?」
トントンカンカン!
俺は鋼鉄製のアームのようなものを作った。
「なんですか? それは?」
「パワーアームだよ。ハメてみて」
「はい。……これはっ! すごい、鉄でできているのに。軽い! 力が何倍にも倍増されている気がします!」
「これでドワーフの人達を助けるんだ」
俺は三つのアームを鍛造した。
そして、下敷きになっているドワーフの民のところへ駆けつける。
◆◆◆◆◆
「待ってろだ! すぐ助けるだ!」
「もう無理だーーーーーーーー! 死ぬだーーーーーーーー!」
「どいてください!」
「なんだ! 非力な人間に何ができるだ!」
俺は大岩を軽々持ち上げ、どける。
「な、なんだ! その怪力は! 俺らみたこともないだ!」
ドワーフ王は感心していた。
ユースとシャロの三人で瓦礫をどける。そして大岩もどけた。こうして救命活動は行われたのだ。
「大丈夫だ!?」
「ああ!! なんとか大丈夫だ!! もうすぐ死ぬところだっただ!」
「ありがとうだ! 人間様! エルフ様! あなた達は命の恩人だ」
「当然の事をしたまでですよ」
「いや。俺達ドワーフは人間やエルフにとっては他種族だ。だから家畜や何かみたいに扱われる事も多いだ。簡単にできることではないだ!」
「俺は感動しただ! ありがとう! 人間殿! 名前はなんと言っただ?」
「鍛冶師のフェイです」
「フェイ殿! 本当にありがとうだ! おかげで国民の命が救われただ!」
「ええ。命が救われてよかったです。それじゃあ援軍の件は残念でしたけど俺達はこれで」
「待つだ!」
ドワーフ王は俺を呼び止めた。
「え?」
「国民の命さ救った恩人を手ぶれで返すわけにもいかねぇだ! 援軍の話、しかと了承しただ! あんたには大きな借りができただ!」
「それって!」
「はい!」
「やりましたね。フェイ様」
俺達は大喜びした。こうしてドワーフ国の協力を得る事ができたのである。
「国王様! 俺達もう限界だ!」
「なんとかするだ! 我慢してろだ!」
「もう無理だだーーーーーー! 死ぬだーーーーーー!」
下敷きになっているドワーフも何人もいる。ドワーフは驚異的な程頑丈なのだ。何とか耐えしのいでいる様子だ。
「国王様、このドワーフの国に工房はありませんか?」
「武具を鍛錬する工房だか? あるが、何を言ってるだ? こんな時にだ」
「貸してくれませんか?」
「好きにするだ! 俺達は復興で忙しいんだ」
とはいえ、誰が案内してくれるというのだ。
「ドワ娘、相手にしろだ!」
「はいだ! ドワ娘だわさ」
ドワーフの娘が現れた。確かにちびだ。ずんどーというのもうなずける。
「あんさん! イケメンだわさ! 背が高くてすらっとしてて」
「え? うん」
そりゃ人間だもの。ドワーフより背は高いだろう。
「あてをお嫁さんしてだわさ!」
「なっ!?」
「んっ!?」
ユースとシャロは表情を歪めた。何をドワーフ相手にムキになっているんだ。相手は子供みたいなものじゃないか。
「ははっ! 残念ながら今はそんな事言っている場合じゃないよ。工房はどこ?」
「こっちだわさ」
こうして俺はドワーフの工房に案内された。土製の建物に工房があった。炉もある。ハンマーもあった。
「よし! これで大丈夫だ!」
「フェイ様! 一体、何を作るんですか!?」
トントンカンカン!
俺は鋼鉄製のアームのようなものを作った。
「なんですか? それは?」
「パワーアームだよ。ハメてみて」
「はい。……これはっ! すごい、鉄でできているのに。軽い! 力が何倍にも倍増されている気がします!」
「これでドワーフの人達を助けるんだ」
俺は三つのアームを鍛造した。
そして、下敷きになっているドワーフの民のところへ駆けつける。
◆◆◆◆◆
「待ってろだ! すぐ助けるだ!」
「もう無理だーーーーーーーー! 死ぬだーーーーーーーー!」
「どいてください!」
「なんだ! 非力な人間に何ができるだ!」
俺は大岩を軽々持ち上げ、どける。
「な、なんだ! その怪力は! 俺らみたこともないだ!」
ドワーフ王は感心していた。
ユースとシャロの三人で瓦礫をどける。そして大岩もどけた。こうして救命活動は行われたのだ。
「大丈夫だ!?」
「ああ!! なんとか大丈夫だ!! もうすぐ死ぬところだっただ!」
「ありがとうだ! 人間様! エルフ様! あなた達は命の恩人だ」
「当然の事をしたまでですよ」
「いや。俺達ドワーフは人間やエルフにとっては他種族だ。だから家畜や何かみたいに扱われる事も多いだ。簡単にできることではないだ!」
「俺は感動しただ! ありがとう! 人間殿! 名前はなんと言っただ?」
「鍛冶師のフェイです」
「フェイ殿! 本当にありがとうだ! おかげで国民の命が救われただ!」
「ええ。命が救われてよかったです。それじゃあ援軍の件は残念でしたけど俺達はこれで」
「待つだ!」
ドワーフ王は俺を呼び止めた。
「え?」
「国民の命さ救った恩人を手ぶれで返すわけにもいかねぇだ! 援軍の話、しかと了承しただ! あんたには大きな借りができただ!」
「それって!」
「はい!」
「やりましたね。フェイ様」
俺達は大喜びした。こうしてドワーフ国の協力を得る事ができたのである。
0
お気に入りに追加
2,547
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
勇者召喚に巻き込まれたモブキャラの俺。女神の手違いで勇者が貰うはずのチートスキルを貰っていた。気づいたらモブの俺が世界を救っちゃってました。
つくも
ファンタジー
主人公——臼井影人(うすいかげと)は勉強も運動もできない、影の薄いどこにでもいる普通の高校生である。
そんな彼は、裏庭の掃除をしていた時に、影人とは対照的で、勉強もスポーツもできる上に生徒会長もしている——日向勇人(ひなたはやと)の勇者召喚に巻き込まれてしまった。
勇人は異世界に旅立つより前に、女神からチートスキルを付与される。そして、異世界に召喚されるのであった。
始まりの国。エスティーゼ王国で目覚める二人。当然のように、勇者ではなくモブキャラでしかない影人は用無しという事で、王国を追い出された。
だが、ステータスを開いた時に影人は気づいてしまう。影人が勇者が貰うはずだったチートスキルを全て貰い受けている事に。
これは勇者が貰うはずだったチートスキルを手違いで貰い受けたモブキャラが、世界を救う英雄譚である。
※他サイトでも公開
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる