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凄い効果の鎖帷子を鍛錬し、鑑定士に驚かれる
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オリハルコンとアダマンタイトを手に入れた俺は鍛錬に勤しむ。
工房で鍛冶を行う。
「今度は何を作られるのですか? フェイ様」
ソフィアに聞かれる。
「今度は防具を作ろうと思っていてね」
「防具ですか」
「よし。手に入れたオリハルコンとミスリルを調合して、防具を作るぞ」
キンコンカンコン。
俺は防具を作った。鎖帷子だ。
自分で作っておいてなんだが、すごい力を感じる。なんだかすごい効果がありそうだった。
「すごいです! フェイ様! この鎖帷子からは何かとんでもない力を感じます!」
「流石はオリハルコンを使っているだけの事はある! とんでもない何かを秘めている気がする!」
俺は作った武具の効果までは測定できない。しかし、鑑定スキルを持った鑑定士という職業の人がいれば武具の効果を鑑定できるそうだ。
「ソフィア、エルフの国に鑑定士はいる?」
「ええ。一人だけおります。鑑定スキルを持った人物が。ご高齢の男性の方です」
エルフの国で高齢と言われると実際に何歳なのかわからない。200歳か。300歳か。あるいは1000歳という事もありうる。
今はそんな事関係ないが。
「じゃあ、その鑑定士のお爺さんを呼んできてよ」
「わかりました。フェイ様」
ソフィアが鑑定士を連れてくる事となった。
「来ましたぞ。わしが鑑定士のゴンですじゃ」
よぼよぼのお爺さんが工房にやってきた。
「鑑定をお願いします。ゴンさん、この鎖帷子なんですが」
「ふむむっ……では鑑定させてもらいますぞ。鑑定スキル発動!」
ゴンさんの目が血走る。
「こ、これはっ! なんという事ですじゃっ!」
「どうしましたか!? ゴンさん!?」
「これはすごいっ! この鎖帷子には『状態異常完全無効化』スキルが施されていますだっ! 毒や睡眠、魅了なんかの効果を完全に防いでしまう効果がありますのじゃ! こんなすごい防具わしは見た事がないのじゃ! 伝説級の防具じゃ!」
「興味本位までにお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ソフィアは聞く。
「なんじゃ?」
「金額にしておいくらくらいなのですか? その防具は?」
「ざっと金貨100枚といったところじゃな」
「金貨100枚!?」
「ざっとじゃ。これだけの一品じゃ。もっと高い金額をつける国家もあるやもしれぬ。最低でも金貨100枚はする一品じゃ!」
「す、すごいです! フェイ様! こんな防具を作ってしまえるなんて!」
「そうか……俺は普通に作っただけなんだけどな」
「普通にこれだけの防具を作ってしまえるなんて! フェイ殿! そなたは鍛冶師の天才じゃ!」
「そう言って貰えると恐縮です。ですが、まだまだ修行中の身。ゴンさん。これからもご教授お願いします」
「なんと謙虚な青年じゃ。それだけの才覚と技量を持つつ全く驕らないとは。今後もわしに是非鑑定させて欲しい。わしにもっと見た事のない武具を鑑定させて欲しい。目の保養にもなる。この年になって新たな発見があって新鮮じゃわい。若返るわ。お礼にその鎖帷子に名をやろう。『破邪の鎖帷子』と名付けよう」
「破邪の鎖帷子」
「今日は良いものを見せてもらった。わしは帰らせてもらうよ」
「あのゴン様、鑑定料は」
ソフィアが声をかける。
「いらんよ。こんな良いものを見せてもらったのだ。わしにとっては何よりも褒美じゃよ。次またわしを呼んでくれる日を心待ちにしているぞいっ」
こうして鑑定士ゴンは俺の工房を去って行った。俺が鍛錬した鎖帷子。『状態異常完全無効化』スキルを持ったその防具は。
破邪の鎖帷子の名を授かったのであった。
工房で鍛冶を行う。
「今度は何を作られるのですか? フェイ様」
ソフィアに聞かれる。
「今度は防具を作ろうと思っていてね」
「防具ですか」
「よし。手に入れたオリハルコンとミスリルを調合して、防具を作るぞ」
キンコンカンコン。
俺は防具を作った。鎖帷子だ。
自分で作っておいてなんだが、すごい力を感じる。なんだかすごい効果がありそうだった。
「すごいです! フェイ様! この鎖帷子からは何かとんでもない力を感じます!」
「流石はオリハルコンを使っているだけの事はある! とんでもない何かを秘めている気がする!」
俺は作った武具の効果までは測定できない。しかし、鑑定スキルを持った鑑定士という職業の人がいれば武具の効果を鑑定できるそうだ。
「ソフィア、エルフの国に鑑定士はいる?」
「ええ。一人だけおります。鑑定スキルを持った人物が。ご高齢の男性の方です」
エルフの国で高齢と言われると実際に何歳なのかわからない。200歳か。300歳か。あるいは1000歳という事もありうる。
今はそんな事関係ないが。
「じゃあ、その鑑定士のお爺さんを呼んできてよ」
「わかりました。フェイ様」
ソフィアが鑑定士を連れてくる事となった。
「来ましたぞ。わしが鑑定士のゴンですじゃ」
よぼよぼのお爺さんが工房にやってきた。
「鑑定をお願いします。ゴンさん、この鎖帷子なんですが」
「ふむむっ……では鑑定させてもらいますぞ。鑑定スキル発動!」
ゴンさんの目が血走る。
「こ、これはっ! なんという事ですじゃっ!」
「どうしましたか!? ゴンさん!?」
「これはすごいっ! この鎖帷子には『状態異常完全無効化』スキルが施されていますだっ! 毒や睡眠、魅了なんかの効果を完全に防いでしまう効果がありますのじゃ! こんなすごい防具わしは見た事がないのじゃ! 伝説級の防具じゃ!」
「興味本位までにお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ソフィアは聞く。
「なんじゃ?」
「金額にしておいくらくらいなのですか? その防具は?」
「ざっと金貨100枚といったところじゃな」
「金貨100枚!?」
「ざっとじゃ。これだけの一品じゃ。もっと高い金額をつける国家もあるやもしれぬ。最低でも金貨100枚はする一品じゃ!」
「す、すごいです! フェイ様! こんな防具を作ってしまえるなんて!」
「そうか……俺は普通に作っただけなんだけどな」
「普通にこれだけの防具を作ってしまえるなんて! フェイ殿! そなたは鍛冶師の天才じゃ!」
「そう言って貰えると恐縮です。ですが、まだまだ修行中の身。ゴンさん。これからもご教授お願いします」
「なんと謙虚な青年じゃ。それだけの才覚と技量を持つつ全く驕らないとは。今後もわしに是非鑑定させて欲しい。わしにもっと見た事のない武具を鑑定させて欲しい。目の保養にもなる。この年になって新たな発見があって新鮮じゃわい。若返るわ。お礼にその鎖帷子に名をやろう。『破邪の鎖帷子』と名付けよう」
「破邪の鎖帷子」
「今日は良いものを見せてもらった。わしは帰らせてもらうよ」
「あのゴン様、鑑定料は」
ソフィアが声をかける。
「いらんよ。こんな良いものを見せてもらったのだ。わしにとっては何よりも褒美じゃよ。次またわしを呼んでくれる日を心待ちにしているぞいっ」
こうして鑑定士ゴンは俺の工房を去って行った。俺が鍛錬した鎖帷子。『状態異常完全無効化』スキルを持ったその防具は。
破邪の鎖帷子の名を授かったのであった。
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