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第6話 Eランクへの昇格クエスト
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「え? 昇格クエストを受けたい?」
「は、はい!」
翌朝、俺は冒険者ギルドへ行き、受付嬢に話しかけた。
「昇格クエストを受ける事は構わないのですが……いくらEランクへの昇格クエストとはいえ、スライム退治の時と同じようにソロで行くのはおすすめできませんよ。スライムを相手にするのとはわけが違いますから。パーティーで行かれた方が……」
受付嬢は俺の身を案じてくれているようだ。勿論、昇格クエストはパーティーを組んでいなければ受けられない、という決まりはないだろう。ソロだと危険が増すし、パーティーを組んでいた方が安定感が増す。ソロ攻略は禁止はされていないが、推奨はされていない……という事であろう。
「……そうですか。ありがとうございます」
とはいえ、俺の悪評は冒険者ギルド内で広まり切っている。今まで俺がパーティーに入れなかったのもそれが原因だ。一年を経過してもFランクの冒険者である俺をお荷物だと判断して、パーティーメンバーに入れたがらない者は多い。
ゴードン達程、直接的に罵倒してくる者はあまりいないが、陰口を叩き、無視している冒険者は数多くいるのが現実だ。
果たして……こんな俺とパーティーを組んでくれる冒険者がここにいるというのか。
俺は冒険者ギルドを見回す。
――と、その時の事であった。複数人の冒険者達が一人の少女を囲んでいるのが見えた。新参の冒険者だろうか……見た事のない顔だった。魔導士風のローブとスタッフを装備している、整った顔の少女だ。
「いいじゃねぇかよ、嬢ちゃん。俺達のパーティーに入ろうぜ」
「俺達が手取り足取り教えてやるからよ……勿論、冒険(クエスト)の事だけじゃなくて色々とよ……ぐっひっひ!」
「俺達のパーティーには魔導士が欠けてるんだよ。どうか俺達のパーティーに入ってくれよ。君が攻撃されないように俺達で全力で守るからさ!」
「えっと……ちょっと……あの……その」
魔導士風の女の子は躊躇っているようだった。新参の冒険者で右も左もわからないところを付け込んで、強引にパーティーに勧誘しようとしているのだ。
彼女は俺の方を見た。
「す、すみません! わ、私、この人のパーティーに入るので!」
そして、俺の背中に隠れる。俺を盾にしているようだった。俺のパーティーに入る……という事を口実に断わろうとしているのだろう。
「「「ぎゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」」」
哄笑が響く。
「正気か? 嬢ちゃん」
「そいつが誰か知ってるのか? 一年間経ってもFランクの冒険者をやっているノロマ野郎なんだぜ? 足手まといって噂が広まって、どこのパーティーにも入れてくれないんだよ」
「そんな奴のパーティーに入ろうっていうのか?」
連中は俺を嘲わらう。
「えっ? そうだったんですか?」
事情を理解していない少女は驚いているようだった。
「エルク! てめー! Fランクの冒険者のくせに俺達の獲物を横取りしようっていうのか!」
『獲物』本音がダダ漏れだった。彼女を冒険者として引き入れたいというよりかは、性的欲求を満たす為に食い物にしたいとしか思えない。
奴等は冒険者ギルドであるにも関わらず、武器を取り出してきた。これではもう、冒険者というよりは盗賊のようなものである。
仕方がない。こうなっては俺も武器を抜かざるを得なかった。俺は背中の鞘からブロードソードを抜き出す。
「やっちまえっ!」
「「おうっ!」」
男達が俺に襲い掛かってくる。
キィン! キィン!
しかし、俺は剣を以って、奴等の得物を叩き落した。
「な、なんだと! 馬鹿な!」
「てめーは本当にあのノロマのエルクなのか!」
予想外の出来事に、連中は驚いていた。
「い、行こうか」
「は、はい!」
いつまでもこの場にいるのはまずかった。
俺は女の子を連れて、冒険者ギルドを抜け出したのだ。
「は、はい!」
翌朝、俺は冒険者ギルドへ行き、受付嬢に話しかけた。
「昇格クエストを受ける事は構わないのですが……いくらEランクへの昇格クエストとはいえ、スライム退治の時と同じようにソロで行くのはおすすめできませんよ。スライムを相手にするのとはわけが違いますから。パーティーで行かれた方が……」
受付嬢は俺の身を案じてくれているようだ。勿論、昇格クエストはパーティーを組んでいなければ受けられない、という決まりはないだろう。ソロだと危険が増すし、パーティーを組んでいた方が安定感が増す。ソロ攻略は禁止はされていないが、推奨はされていない……という事であろう。
「……そうですか。ありがとうございます」
とはいえ、俺の悪評は冒険者ギルド内で広まり切っている。今まで俺がパーティーに入れなかったのもそれが原因だ。一年を経過してもFランクの冒険者である俺をお荷物だと判断して、パーティーメンバーに入れたがらない者は多い。
ゴードン達程、直接的に罵倒してくる者はあまりいないが、陰口を叩き、無視している冒険者は数多くいるのが現実だ。
果たして……こんな俺とパーティーを組んでくれる冒険者がここにいるというのか。
俺は冒険者ギルドを見回す。
――と、その時の事であった。複数人の冒険者達が一人の少女を囲んでいるのが見えた。新参の冒険者だろうか……見た事のない顔だった。魔導士風のローブとスタッフを装備している、整った顔の少女だ。
「いいじゃねぇかよ、嬢ちゃん。俺達のパーティーに入ろうぜ」
「俺達が手取り足取り教えてやるからよ……勿論、冒険(クエスト)の事だけじゃなくて色々とよ……ぐっひっひ!」
「俺達のパーティーには魔導士が欠けてるんだよ。どうか俺達のパーティーに入ってくれよ。君が攻撃されないように俺達で全力で守るからさ!」
「えっと……ちょっと……あの……その」
魔導士風の女の子は躊躇っているようだった。新参の冒険者で右も左もわからないところを付け込んで、強引にパーティーに勧誘しようとしているのだ。
彼女は俺の方を見た。
「す、すみません! わ、私、この人のパーティーに入るので!」
そして、俺の背中に隠れる。俺を盾にしているようだった。俺のパーティーに入る……という事を口実に断わろうとしているのだろう。
「「「ぎゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」」」
哄笑が響く。
「正気か? 嬢ちゃん」
「そいつが誰か知ってるのか? 一年間経ってもFランクの冒険者をやっているノロマ野郎なんだぜ? 足手まといって噂が広まって、どこのパーティーにも入れてくれないんだよ」
「そんな奴のパーティーに入ろうっていうのか?」
連中は俺を嘲わらう。
「えっ? そうだったんですか?」
事情を理解していない少女は驚いているようだった。
「エルク! てめー! Fランクの冒険者のくせに俺達の獲物を横取りしようっていうのか!」
『獲物』本音がダダ漏れだった。彼女を冒険者として引き入れたいというよりかは、性的欲求を満たす為に食い物にしたいとしか思えない。
奴等は冒険者ギルドであるにも関わらず、武器を取り出してきた。これではもう、冒険者というよりは盗賊のようなものである。
仕方がない。こうなっては俺も武器を抜かざるを得なかった。俺は背中の鞘からブロードソードを抜き出す。
「やっちまえっ!」
「「おうっ!」」
男達が俺に襲い掛かってくる。
キィン! キィン!
しかし、俺は剣を以って、奴等の得物を叩き落した。
「な、なんだと! 馬鹿な!」
「てめーは本当にあのノロマのエルクなのか!」
予想外の出来事に、連中は驚いていた。
「い、行こうか」
「は、はい!」
いつまでもこの場にいるのはまずかった。
俺は女の子を連れて、冒険者ギルドを抜け出したのだ。
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