幼馴染と再会したからと婚約破棄されたのですから、今更復縁を迫られても困ります

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第5話 (エミリア視点)

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……おかしい。

ローラから婚約者であるレオンを奪い取ったエミリアはそう感じていた。

エミリアの予想ではローラは失意のどん底に落ちていると思っていた。何なら、学院を欠席するかもしれないと思っていた。

そもそもエミリアがレオンを奪い取った理由のひとつとして。エミリアが人のモノを欲しがるところにあった。

人の持っているモノを奪い取る事で、その相手が悲しがる顔を見るのが最高の楽しみなのである。

だが、なぜかローラは平然としていた。嬉しそうでもあった。そして何よりあのノアという少年の存在である。

二人の関係は怪しかった。

エミリアは学院が終わった放課後、すぐには帰らなかった。しばらく校内に潜んでいた。

朝見た二人の関係性に疑問を抱いていたからだ。

物陰から教室の中を覗いていたのである。

誰もいなくなったと思っている、ローラとノアの二人。二人はいちゃつき始めたのである。

「……ノア君。もう誰もいないよ」

「ああ……ローラ」

 なんという事であろうか。エミリアはローラが落ち込んでいなかった理由がわかった。やはり、ローラはノアというあの少年と出来ていたようであったのだ。

 これは何とも面白くない展開であろうか。エミリアの嫉妬の炎が猛烈に燃え盛ってきた。

 許せない。許してはおけない。

 レオンを横取りしたエミリアではあったが、幸せそうにしているローラを許す事ができなかったのである。

 二人の関係を邪魔立てしてやろうとエミリアは考えていたのである。

 しかし、ノアとローラはどういう関係なのであろうか。それにあのノアという少年は謎が多かった。

 エミリアはあのノアという少年について、持っているコネを総動員し、調べてみる事にしたのである。

 ――すると、エミリアは思わぬ事実に行き当たったのである。
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