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冒険者ギルドでクエストを受ける
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「いらっしゃいませ! 冒険者ギルドへようこそっ!」
冒険者ギルドに入るとギルド嬢の快活な声が響き渡る。
「あらっ……あなたは【竜騎士】のアトラスさんではありませんか」
受付嬢は俺の事を覚えていたようだ。【竜騎士】という職業は珍しい職業ではあるので、印象に残っていたのであろう。勿論、態度にこそ粗野な冒険者のように出したりはしないが、決して良い印象ではない。
「どうなされたのですか? お隣にいる女性は?」
そうだ。カレンはまだ、冒険者登録をしていなかった。新規に登録しなければならないのだ。ついでに、カレンには俺のパーティーメンバーとして登録して貰おう。
「俺の義妹(いもうと)です」
「そうですか……妹さんですか。見ない顔ですが、冒険者登録は初めてでよろしかったですか?」
「はい……その通りです」
カレンは答える。
「では、まず冒険者登録の方をお願いします」
こうしてカレンは俺の時と同じく、冒険者登録をする事になった。事務手続きの為、俺達はしばらく待たされた。こうしてカレンは冒険者登録され、俺と一緒にクエストに出かける事ができるようになったのだ。
◇
「どちらのクエストにしましょうか?」
俺達のパーティーはEランクになっていた。前よりも選べるクエストの選択肢は広がっていった。
「お兄ちゃん、どれにしようか」
俺はクエストリストを眺める。そして、古代書物の知識を参照した。オリハルコンの採掘、転売作業で資金的な余裕は手に入れた。そして、オリハルコンの装備を手に入れた事で、装備的には大分強くなった。
装備の変更は金さえあれば短期的に強くなれる。だが、それは付け焼刃的な強さだ。装備による強さは簡単に手に入る分、容易に失われやすい。例えば盗まれたり、奪われたり、破壊されたりもする。
最終的な強さとはやはり、失われない普遍的なもの。LVとスキルだ。俺達は経験値を稼いで、LVUPしなければならなかった。
もっとも中にはレベルダウンさせる魔法を持ったモンスターも存在する。だが、かなり確率は低い。
絶対的な頼りになるとは限らないが、それでも装備による強さよりは失われにくいのは確かな事であった。
「……これにしようか。カレン」
「これにするの?」
そのクエストはギネヴィアより南にある洞窟だ。そこに住み着いているトロールを倒して欲しい、というクエスト内容だった。
だが、俺の狙いはそこにはなかった。トロールを倒す事で得られる経験値はたかが知れていた。重要なのはそこで得られる副産物であった。
――その副産物についてはおいおい説明するとする。
「受付嬢さん、このクエストでお願いします」
「わかりました。承ります。それではお二人とも、気を付けてクエストに行ってきてくださいね」
受付嬢は微笑んで俺達を送り出した。
俺達は南の洞窟へと向かった。
冒険者ギルドに入るとギルド嬢の快活な声が響き渡る。
「あらっ……あなたは【竜騎士】のアトラスさんではありませんか」
受付嬢は俺の事を覚えていたようだ。【竜騎士】という職業は珍しい職業ではあるので、印象に残っていたのであろう。勿論、態度にこそ粗野な冒険者のように出したりはしないが、決して良い印象ではない。
「どうなされたのですか? お隣にいる女性は?」
そうだ。カレンはまだ、冒険者登録をしていなかった。新規に登録しなければならないのだ。ついでに、カレンには俺のパーティーメンバーとして登録して貰おう。
「俺の義妹(いもうと)です」
「そうですか……妹さんですか。見ない顔ですが、冒険者登録は初めてでよろしかったですか?」
「はい……その通りです」
カレンは答える。
「では、まず冒険者登録の方をお願いします」
こうしてカレンは俺の時と同じく、冒険者登録をする事になった。事務手続きの為、俺達はしばらく待たされた。こうしてカレンは冒険者登録され、俺と一緒にクエストに出かける事ができるようになったのだ。
◇
「どちらのクエストにしましょうか?」
俺達のパーティーはEランクになっていた。前よりも選べるクエストの選択肢は広がっていった。
「お兄ちゃん、どれにしようか」
俺はクエストリストを眺める。そして、古代書物の知識を参照した。オリハルコンの採掘、転売作業で資金的な余裕は手に入れた。そして、オリハルコンの装備を手に入れた事で、装備的には大分強くなった。
装備の変更は金さえあれば短期的に強くなれる。だが、それは付け焼刃的な強さだ。装備による強さは簡単に手に入る分、容易に失われやすい。例えば盗まれたり、奪われたり、破壊されたりもする。
最終的な強さとはやはり、失われない普遍的なもの。LVとスキルだ。俺達は経験値を稼いで、LVUPしなければならなかった。
もっとも中にはレベルダウンさせる魔法を持ったモンスターも存在する。だが、かなり確率は低い。
絶対的な頼りになるとは限らないが、それでも装備による強さよりは失われにくいのは確かな事であった。
「……これにしようか。カレン」
「これにするの?」
そのクエストはギネヴィアより南にある洞窟だ。そこに住み着いているトロールを倒して欲しい、というクエスト内容だった。
だが、俺の狙いはそこにはなかった。トロールを倒す事で得られる経験値はたかが知れていた。重要なのはそこで得られる副産物であった。
――その副産物についてはおいおい説明するとする。
「受付嬢さん、このクエストでお願いします」
「わかりました。承ります。それではお二人とも、気を付けてクエストに行ってきてくださいね」
受付嬢は微笑んで俺達を送り出した。
俺達は南の洞窟へと向かった。
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