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装備屋で装備を買う

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【所持金】

 101080G→100000G

 ※使用用途、レストランでの食事

 ◇

「うーん! ……お腹いっぱい」

 カレンはたらふく食事を取った。

「……全く、食べすぎだぞ。カレン」

 俺は溜息を吐いた。1000G以上もこいつは食べた。無論、俺も食べたが。大体、1000Gもあれば一般的な家庭の生活費くらいだ。食べ過ぎにも程がある。

「だ、だってお兄ちゃん! おいしくて、ついスプーンとフォークが止まらなかっただもの」


「まぁ……100歩譲って、金はいいとして」

 俺は乙女には痛烈な事実を告げる。

「太るぞ」

「ぎくっ! ……」

 グサッ。

 カレンのハートに言葉のナイフが突き刺さった。

「そ、それは言わないでよ……お兄ちゃん」

「まあ、気にならないならいいが」

「お兄ちゃんは、妹が太ってると気になる?」

「気にはなるな……」

「気、気になるんだ、やっぱり。ダイエットしようかな」

「ああ……体型変化による敏捷性低下は避けられないからな」

「そ、そっちなんだ……見た目とかじゃなくて」

 カレンは溜息を吐いた。

「それで、お兄ちゃん、次はどこに行くの?」

「装備とアイテムを拡充するつもりだ……まずは装備からだな。余った金でアイテムを買う。まずは装備屋からだな」

「うん。じゃあ、行こうか」

 俺達は装備屋に向かった。

 ◇

「へい、いらっしゃい! ここはギネヴィア一の装備屋だぜ」

 店主が姿を現す。丸坊主のいかつい男だ。ギネヴィア一を謡ってはいるが、確かに伊達ではなさそうだった。広い店内には多くの装備品が並んでいる。

「何をご所望だい?」

「装備が欲しいんです」

「装備っていうのも色々と種類とグレードがあるもんだ……もっと詳しく教えてはくれないか? 予算はいくらくらいだ?」

 俺は瞬時に計算する。資金は最終的には2~3割程、残しておけばいいだろう。それでも大体、20000~30000Gはあるわけだ。少なくなってもそれなりの大金だ。
 と、なると、装備には半分くらい費やしておいてもいいか。50000G。それが予算だ。

「それじゃあ……50000Gでお願いします」

「50000G!」

 店主は驚いて腰を抜かしそうになっていた。

「人は見た目によらないもんだな……思ってた以上に金持ってるんだな。あんちゃん」

 俺がどれほど貧しく見えたんだろうか。

「装備は……そうだな。カレンの方も新調するか」

「えっ!? いいよ。別に、ミスリル剣も鎧も、まだ使えるし」

 カレンは遠慮した。

「遠慮するな……装備が良いものになって、今後のクエストを順調にこなせる方が、かえって得られるものが多くなるんだ」

「う、うん。わかった。お兄ちゃんがそう言うなら」

「予算は50000Gで。俺とこいつに剣と鎧を見繕ってください」

「あいよ……とはいえ。どういう用途で使うんだ? あんた達は冒険者だろ? どういう場面で使いたいかによって、装備もまた違ってくるんだ」

「汎用性の高い装備でいいですよ」

  最終的には俺の目的は竜を従える事だ。だが、その目的に至るまでにはもっと強くならなければならない。今は装備を限定する時ではない。汎用性に重きを置くべき時だ。

「わかった。じゃあ、その金額で良い物を用意させて貰うぜ」

 俺達は装備を見繕って貰った。

 ◇

「……そうだな。汎用性が高くて上物の装備って言えば、やっぱりオリハルコンだな」

 店主はそう言った。オリハルコンは伝説級の金属と呼ばれる『アダマンタイト』の次に硬質な金属だ。現実的に手に入る金属としては最も硬質で高質な部類であろう。俺達が鉱山から採掘してきた金属でもある。

 俺達はオリハルコン製の装備を見繕ってもらう。

 結果。

【装備変更】

 俺。

〈銅の剣〉※攻撃力+5→〈オリハルコンの剣〉※攻撃力+30

〈古びた鎧〉※防御力+5→〈オリハルコンの鎧〉※防御力+30

 カレン

〈ミスリルの剣〉※攻撃力+20→〈オリハルコンの剣〉※攻撃力+30

〈ミスリルの鎧〉※防御力+20→〈オリハルコンの鎧〉※防御力+30

  カレンは元より、俺のステータスが装備変更により、大幅に向上する事になったのだ。
 
 ちなみに前の装備は下取りして貰った。それを込みでの値段、という事になる。それでも大分負けて貰った方だ。オリハルコン製の装備は熟練した鍛冶師でなければ作れないのだから、相当な付加価値というものが加算される。

「やった! お兄ちゃん! 装備が新しくなったよ! これでもうどんなモンスターでもイチコロだよ」

 カレンは喜ぶ。

「……大袈裟だな。それにしても、ありがとうございます。店主さん」

「なに。こちとらそれが商売だからな。それじゃあ、また何かあったら来てくれよ」

 装備を新調した俺達は道具屋へと向かった。

 ◇

俺達は道具屋でアイテムを買う。既に購入するアイテムの目星はついていた。

【購入したアイテム欄】

ポーション〈回復中〉×10※効果HPを中程度回復させる
毒消し薬×10※毒状態を治す
聖水×10※アンデッドに対する特攻効果

フレアボム×10※中程度の爆裂系魔法が閉じ込められている
フロストボム×10※中程度の氷魔法が閉じ込められている
サンダーボム×10※中程度の雷魔法が閉じ込められている

 俺達は【竜騎士】と【剣聖】だ。どちらかというと、二人とも前衛タイプの職業なのだ。魔法系の職業とは異なり、今後、あまり攻撃魔法を覚えていない。それ故に、代用できる魔道具(アーティファクト)を購入しなければならなかった。

「なんでそんなに、魔道具(アーティファクト)を買うの? お兄ちゃん」

「世の中には魔法しか効かないモンスターも存在するんだ。俺達は二人とも前衛職だろう? そういうモンスターに当たった時、魔法攻撃がないと効率の悪い闘いになるか、最悪撤退するしかなくなる」

「へー……色々考えてるのね」

 よし。準備は整った。

【所持金】

 20000G。

 大分金が減ったが、それでもまだしばらく生活に困る程ではない。生活費としては十分すぎるくらいだろう。

 いよいよ実戦だ。

「カレン、それじゃあ、冒険者ギルドへ行って、クエストを消化しようか」

「うん。そうしよう、お兄ちゃん」

 冒険者ランクを上げておいた方が便利な事は多い。受注できるクエストも増える。そうなれば今よりももっと、効率的に強くなれる。目的に早く近づける。

 そう思っていた。

 ――だが、冒険者ギルドに戻った時、俺は連中と再び顔を合わせる事になったのだ。顔も合わせたくない、嫌味な連中に再び。














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