【竜騎士】が大ハズレ職業だと蔑まれ、実家を追われました。だけど古代書物の知識から俺だけは最強職だと知っていた。

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レアモンスターを倒して、資金を稼ぐ

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 俺は一泊10Gの宿屋に泊まった。

 残金が100Gから90Gへと減少する。さらに俺は10Gで夕飯を食ってきたので、残金は80Gだ。

 やはり世の中金だ。綺麗事ではどうにもならない。金がなければ何も回らないのが現実だ。

 俺は世間一般からすれば外れ職業と言われる【竜騎士】に就いている。その上、着の身着のままで家から追い出された。

 しかし、俺は何の財産もないわけではなかった。俺は幼き頃に読み漁った、古代書物の知識がある。あの古代書物にはこの世のありとあらゆる叡智が秘められていた。普通の人々では知らないような、裏技のようなやり方や、常識外の高効率な経験値や資金の稼ぎ方も可能だった。

 俺は地図と睨めっこをする。この辺りの地形を確認する為だ。この王国ギネヴィアから、近い場所で高効率の資金稼ぎを実現するにはどうすればいいのかを検討していた。

 よし。これにしよう。俺はプランを決定した。まず、すべきは資金稼ぎだ。資金稼ぎによる装備の拡充。LVを上げるには地道な努力が必要だが、装備による強さは金を払えば簡易的に手に入る。無論、その強さとは装備の強さであり、自分自身の強さではないが。

 楽に早く強さを手に入れる為には、金を払って強い装備を手に入れる方が手っ取り早い。

 俺はギネヴィアの北方にある湖を目指した。そこには普段遭遇しないような、資金を稼ぐ効率の良いモンスターが出現する。今の俺のレベルで倒せるモンスターで、最も効率が良い。

とりあえずはそこでモンスターを狩ろう。本当はもっと効率の良い稼ぎ方が存在するが、それには下準備が必要だった。これはその下準備のようなクエストだ。

 身支度をした俺は早速、目的地である北の湖へと向かった。

 ◇

「……よし。ここだ」

 俺は北の湖までたどり着いた。モンスターのあまり出なさそうな長閑で美しい湖。そこに資金効率の良いレアモンスターが出現する。

「「「すらっ!」」」

 現れたのは無数のスライムだった。とはいえ、普通のスライムではない。全身が黄金で出来た、ゴールデンスライムである。

 しかも運が良かった。滅多に姿を見せない、レアモンスターであるゴールデンスライムに、しかも、一度に三匹も遭遇したのだ。

 こいつらは遭遇率こそ低いが、弱いのがメリットだ。今の俺でも倒せる。どんなに稼げるモンスターでもそもそも倒せなければどうしようもない。

「くらえっ!」

 俺は〈銅の剣〉で攻撃をした。俺のLVは現在2だ。その上、〈銅の剣〉は剣系装備の中でも最弱の部類。しかし、ゴールデンスライムはそれでも倒せてしまえる程に弱かった。

「「「すらっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」」

 スライム達は情けない断末魔を上げ、果てる。

「やった……倒せた」

 俺は胸を撫で下ろす。今の俺の強さでは、どんな雑魚モンスターでも侮れないのだ。一戦一戦が緊張の連続だった。俺はゴールデンスライムの素材を持って、ギネヴィアまで戻る事にした。ついでに今の戦闘で俺は経験値を得たようだ。一匹につき、経験10。10×3で、30の経験値だ。

『レベルがUPしました』

 どこからともかく声が聞こえてきた。俺のレベルが上がったようだ。俺はステータスを確認する。
【アトラス・アルカディア】

天職:竜騎士

Lv :3

HP :20/20

MP :10/10

攻撃力:8

防御力:8

魔法力:3

素早さ:3

【装備】

〈銅の剣〉※攻撃力+5

〈古びた鎧〉※防御力+5

【職業固有スキル】

〈騎竜〉
〈全竜強化〉

【通常スキル】

【所持金】

 80G

【所持アイテム】

 ポーション〈回復力小〉×5

 金塊〈ゴールデンスライムの素材〉×3

 よし、また一歩、確実に俺は前に進めたようだ。少しだがレベルもあがったし、その上、換金用アイテムの金塊まで手に入った。これがいくらになるか楽しみだ。俺は期待に胸を躍らせながら、ギネヴィアの換金所へと向かうのである。

 ◇

「へい、いらっしゃい」

 俺は換金所へ向かった。ここは冒険者ギルドに併設されている、商用施設である。換金所は多くのモンスターの素材を買い取ってくれるのだ。また、モンスターの素材だけではない。金などの希少金属から、ダイヤモンドなんかも買い取ってくれる。

「あの、すみません」

 俺は換金所の店主に声をかける。

「へい、どのようなご用件で。旦那」

「素材アイテムの買い取りをして貰いたいんですが」

「あいよ……じゃあ、カウンターに素材アイテムを置いてくれ」

 俺はカウンターに金塊を置く。

「ほう……こいつは見事な純金じゃないか。待っててくれ、今、査定するから」

「は、はい……わかりました」

 店主は奥に戻っていく。俺はしばらく待たされた。

 ◇

「へい……待たせたな。旦那」

 店主が戻ってくる。

「金塊が3つで、一個1000G。×3だから、買い取り価格は3000Gになる。どうする? 売ってくか?」

「は、はい。是非、買い取りをお願いします」

「あいよ。商談成立だ。ほら、数えてくれ」

 俺は3000Gが入った小包を受け取る。中を数えると、ちゃんと3000Gあった。

「ありがとよ……また来てくれ」

 こうして俺はある程度まとまった資金を得たのだ。この資金を元に、俺は次の作戦に出る事にした。

 金さえあれば、もっと効率の良い稼ぎ方が存在するのだ。

 俺は次の計画を実行する事にした。

 ◇
【所持金】

 80G→3080G





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