世界最強の無名剣士【ノービス】。クラス転移で役立たずはいらないと捨てられたが、異世界召喚二週目の俺は効率プレイで成り上がる!

つくも

文字の大きさ
上 下
34 / 53

聖竜との闘い下

しおりを挟む
 聖竜(ホーリードラゴン)は再び、口を大きく開けようとする。先ほどのように聖なる息吹(ホーリーブレス)を放つ、つもりだ。今度はティアに向けて聖なる息吹(ホーリーブレス)を放とうとしている。

「させるかっ!」

 キィン!

 来斗は剣で斬りかかった。しかし、聖竜(ホーリードラゴン)の皮膚は鋼鉄のように硬く、弾かれてしまった。だが、本来の目的は達成できたようだ。聖竜(ホーリードラゴン)は聖なる息吹(ホーリーブレス)を放つのを中断した。

「ライトさんっ!」

 ティアは何かを伝えたかったようだ。

「……なんだ?」
「しばらく、時間を稼いでください!」
「? ……わ、わかった」

 疑念を抱きつつも、来斗は聖竜(ホーリードラゴン)の対処に追われていた。それどころではなかったのである。例え、距離を詰めたところで、聖竜(ホーリードラゴン)の爪や牙の脅威は凄まじかった。

 その上、剣を振るってみたところで、聖竜(ホーリードラゴン)の皮膚は鋼のように硬く、まるでダメージを与えられないのだ。

 その間にティアは何をするつもりだというのか……。

 ゾクッ、とするような、悪寒を来斗は背後から感じた。ちらりと振り返ると……そこにあったのは。

 闇の力を漲らせたティアの姿であった。その力は悍ましく、天高くまで暗黒の力が高まっている事が視認できた。

「……な、なんだ、あの力は……」

 その力は凄まじく、思わず、今、聖竜(ホーリードラゴン)と対峙しているという、危機的な状況すら忘れてしまいかねない程であった。

 瞳を閉じていたティアが、瞳を開いた。その目は人間の目とは異なり、真っ赤でまるで鮮やかな、血のような色をしていた。彼女は今まで、闇の力を溜めていたのだ。

 そして、ティアは十分な時間をかけて高まった闇の力を解き放つ。闇属性の魔法攻撃だ。

「もう十分ですっ! ライトさんっ! 離れてっ!」

 ティアは叫んだ。

「わ、わかったっ!」

 来斗は巻き添えを防ぐ為に、飛びのく。そしてティアは聖竜(ホーリードラゴン)に攻撃をする。

「闇の波動(ダークフレア)!」

 放たれた闇の波動(ダークフレア)は、聖竜(ホーリードラゴン)に襲い掛かり、飲み込んでいった。

 ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

 闇の波動(ダークフレア)に飲み込まれた聖竜(ホーリードラゴン)は断末魔のような悲鳴を上げた。

 その攻撃のダメージは凄まじく、膨大にあった聖竜(ホーリードラゴン)のHPが一瞬で尽きてしまう程であった。

「やったっ! ナイスだっ! ティア!」

 来斗は喜ぶ。

「ありがとう……ティア。君のおかげだ」

「いえっ! ライトさんのフォローがあってこそです!」

 ティアは笑みを浮かべた。

 来斗達は聖竜(ホーリードラゴン)を討伐した。聖竜(ホーリードラゴン)は倒されると、輝かしい光を放って、ある一つのアイテムをドロップする。そのアイテムとは剣(つるぎ)であった。一振りの剣(つるぎ)。

 光り輝く黄金の剣。来斗がこの世界『ユグドラシル』で知りうる限りというただし書きは入るが。
 聖属性最強の剣(つるぎ)。『聖剣エクスカリバー』がドロップされる。来斗はその聖剣エクスカリバーを拾い、早速装備する事にした。

 聖竜を倒した上で膨大な経験値(EXP)を手に入れた。

「ステータスオープン」

 装備を変更し、聖竜(ホーリードラゴン)から膨大な経験値(EXP)を手に入れた来斗はステータス画面を開き、ステータスを見やる。

============================

三雲来斗 16歳 男 レベル:50

天職:無名剣士【ノービス】

攻撃力:500

HP:600

防御力:350

素早さ:300

魔法力:300

魔法耐性:300

スキル:錬成 料理 鍛冶

装備属性剣(エレメントソード)攻撃力+50※四属性の属性効果が付与(エンチャント)されている。
→『聖剣エクスカリバー』攻撃力+100※聖属性の力を秘める、聖属性最強の剣(ただし、来斗の知っている範疇であるが……)

→『ミスリルプレート』防御力+50 魔法耐性+50

※現SP残500SP

保有アイテム 干し肉×3→干し肉×0※ここにくるまでに食べてなくなった

============================

「……よし」

 来斗はステータスを確認し、軽く拳を握りしめる。自分が強くなってきたのを実感できてきたからだ……。自分が強くなる度に、これから襲い掛かる最悪な運命に立ち向かう事ができる。そんな気がしていたのだ。

 ただ、問題がひとつあった。来斗は愛用していた属性剣(エレメントソード)が心残りだった。

 聖竜(ホーリードラゴン)からドロップされた『聖剣エクスカリバー』は聖属性最強の武器ではあるが、聖属性以外の効果は付与されていない。

 その為、闇属性のモンスター以外にはあまり有効な武器たりえなかった。

 このまま属性剣(エレメントソード)をお蔵入り、あるいは捨ててしまうのも勿体なかった。

 その為、来斗はより有効な手段を考え付いたのである。それが新たなスキルの習得である。LVが上がった事で相当にSPも溜まっているのだ。多少使っても問題ないと来斗は考えた。

こうして来斗はSPを使用し、新たにスキルを習得する事にしたのである。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したからモンスターと気ままに暮らします

ねこねこ大好き
ファンタジー
新庄麗夜は身長160cmと小柄な高校生、クラスメイトから酷いいじめを受けている。 彼は修学旅行の時、突然クラスメイト全員と異世界へ召喚される。 転移した先で王に開口一番、魔軍と戦い人類を救ってくれとお願いされる。 召喚された勇者は強力なギフト(ユニークスキル)を持っているから大丈夫とのこと。 言葉通り、クラスメイトは、獲得経験値×10万や魔力無限、レベル100から、無限製造スキルなど チートが山盛りだった。 対して麗夜のユニークスキルはただ一つ、「モンスターと会話できる」 それ以外はステータス補正も無い最弱状態。 クラスメイトには笑われ、王からも役立たずと見なされ追放されてしまう。 酷いものだと思いながら日銭を稼ごうとモンスターを狩ろうとする。 「ことばわかる?」 言葉の分かるスキルにより、麗夜とモンスターは一瞬で意気投合する。 「モンスターのほうが優しいし、こうなったらモンスターと一緒に暮らそう! どうせ役立たずだし!」 そうして麗夜はモンスターたちと気ままな生活を送る。 それが成長チートや生産チート、魔力チートなどあらゆるチートも凌駕するチートかも分からずに。 これはモンスターと会話できる。そんなチートを得た少年の気ままな日常である。 ------------------------------ 第12回ファンタジー小説大賞に応募しております! よろしければ投票ボタンを押していただけると嬉しいです! →結果は8位! 最終選考まで進めました!  皆さま応援ありがとうございます!

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。 ※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。 ※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・) 更新はめっちゃ不定期です。 ※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

異端の紅赤マギ

みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】 --------------------------------------------- その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。 いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。 それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。 「ここは異世界だ!!」 退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。 「冒険者なんて職業は存在しない!?」 「俺には魔力が無い!?」 これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・ --------------------------------------------------------------------------- 「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。 また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・ ★次章執筆大幅に遅れています。 ★なんやかんやありまして...

異世界転移した町民Aは普通の生活を所望します!!

コスモクイーンハート
ファンタジー
異世界転移してしまった女子高生の合田結菜はある高難度ダンジョンで一人放置されていた。そんな結菜を冒険者育成クラン《炎樹の森》の冒険者達が保護してくれる。ダンジョンの大きな狼さんをもふもふしたり、テイムしちゃったり……。 何気にチートな結菜だが、本人は普通の生活がしたかった。 本人の望み通りしばらくは普通の生活をすることができたが……。勇者に担がれて早朝に誘拐された日を境にそんな生活も終わりを告げる。 何で⁉私を誘拐してもいいことないよ⁉ 何だかんだ、半分無意識にチートっぷりを炸裂しながらも己の普通の生活の(自分が自由に行動できるようにする)ために今日も元気に異世界を爆走します‼ ※現代の知識活かしちゃいます‼料理と物作りで改革します‼←地球と比べてむっちゃ不便だから。 #更新は不定期になりそう #一話だいたい2000字をめどにして書いています(長くも短くもなるかも……) #感想お待ちしてます‼どしどしカモン‼(誹謗中傷はNGだよ?) #頑張るので、暖かく見守ってください笑 #誤字脱字があれば指摘お願いします! #いいなと思ったらお気に入り登録してくれると幸いです(〃∇〃) #チートがずっとあるわけではないです。(何気なく時たまありますが……。)普通にファンタジーです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます

長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました ★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★ ★現在三巻まで絶賛発売中!★ 「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」 苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。 トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが―― 俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ? ※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!

処理中です...