私の中の悪魔事情

月光流海

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私の中の趣味事情

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「ん...うん...」
あぁ、もう、朝なのか...朝御飯を作らないとそれに着替えなくちゃあと...
「あ、起きたんだねおはよー」
こいつがいたんだった
「おはよう...」
あ、そうだった、朝御飯を作らないと....そう思い私はキッチンに向かったらご飯が作ってあった
「あ、君いつも大変でしょ?だから僕が作ったんだ」
あれ、いつも大変なんて私一言も言ってないはず
「昨日会ったばっかりなのにいつも大変ってなんでわかるの?」
「そりゃあ、君に会う前からずっと見ていたからね」
あーそういうことね、なるほどなるほど
「ようするに、あなたストーカーなのね」
「いやいや、ストーカーじゃなくてボディーガードだから」
それにしても、悪魔が作った料理と聞いて少し不安だったけど凄くおいしい、ご飯を食べている私の顔をみて悪魔がフフッと笑った
「なにか私の顔になにかついているの?」
「いや、僕の料理おいしそうに食べているな、って、そういう顔結構好きだよ」
「え、あ...じゅ、準備してくる!!」
いきなりそんなことを言われてその場から逃げてしまった
「あ、まだご飯残っているのに...」
私は逃げたあとすぐに準備して家を出た
「もーひどいな~せっかく作ったんだから全部食べてよ~」
「あなたが悪いんでしょ」
「え~なにが悪いって?」
にやにやしながら悪魔が聞いてきたがスルーした、学校に着いたが、いつもよりも早く家を出れたから、あんまり校舎のなかには人がいなかった
「お~人あんまりいないね~」
悪魔が言うとおり、教室も人がほとんどいなかった
私は一冊の本を取り出した
「ん?それなに?」
「これはね、絵を描くためのノートだよ」
「へ~絵描けるの?」
「...誰も目になんか留めてくれないから分からないかな」
顔をあげると悪魔が心配そうな顔をして私を見ていた
「ねぇ、そのノート見せて?」
「ん?別にいいよ」
悪魔はノートを受けとるとパラパラめくっていた
「あれ、これって...僕?」
「...うん」
「へー...」
きっと下手なんだろうなって思いつつ悪魔にどうだったか聞いた
「うーん、下手くそ」
「やっぱりそうだよね」
私が少し気を落としていると悪魔が続けて言った
「でも、下手でも描いてくれたんだから、嬉しいよ」
「え...」
「だから、そう気を落とさなくてもいいんだよ?また上手くなれるからさ」
「うん...ありがとう」
涙が出そうになったけど堪えた、教室に何人も人が入ってきたから不自然にいきなり泣くとおかしく思われるからだ、こいつが悪魔なのかどうかさえ分からなくなってきたけど、悪魔でも優しいことは確実だと今は信じていよう
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