都合のいい男

美浪

文字の大きさ
上 下
162 / 180
決戦

ラストバトル その1

しおりを挟む
アインシュタインの洗脳が解けたとは言えエメリヒの能力が変わる訳では無い。

「寧ろ怒りメーターが上がったかもね?」
ボスがエメリヒを見て身構えた。

何故、トール元帥はそんな事したんだろう。
エメリヒが怖かったから?

ゼットが戻ったおかげで文王も戻って来た。

結界の張り直し。

――七芒星結界ヘプタグラム――

うん。かなり強化出来た。しかし?白虎はどう使うんだろう。リュートの青龍もだ。

「さあ?愚民共よ。休憩は終わりだ。そのまま死ね。」
エメリヒの目がまた鈍く光る。

本当に異能破棄無かったら危険な瞳。

「新しい異能?まさか。これを封じる為?」
ボスの顔色が変わった。

「結界から出るなー!!!」
エメリヒに向かおうとした社長とバックスレーさんにボスが叫んだ。

ヤバい何か来る!

結界の範囲を広げ何とかバックスレーさんと社長を囲った。

――ブラックホール――

小さな黒い闇が・・・エメリヒの前にポッッと現れた瞬間だった。

「はあ?!!うっそー!!!」
結界ごと持っていかれる。
大声を上げてそりゃあ必死!

本当にブラックホール?!

バタン!!大きな音をたてて背後のドアが外れ避ける。そのままドアは結界に当たって砕けながらも暗闇に吸い込まれた。
廊下に飾ってあった絵画も何もかもを吸い込み消えていく。

「もう1回異能破棄!!」
結界内でも強風で引っ張られそうなのを皆で耐えながらボスが叫んだ。

――全員異能破棄マクロデストロイ――

ブラックホールを収めたのか異能破棄が効いたのか黒い闇は消えた。

「接近戦が出来ねーのか?」
不服そうにバックスレーさんがボスを見た。

「異能名は暗黒エネルギー。この吸い込む能力だけでは無いな。ジハードより強力な重力も使える。ただし・・・インターバル5分。暫く大人しいよ?」
ボスはエメリヒの目を見ながらそう説明した。

「しかし。これは・・世界を無にする力だ。本当にこの世界を消したいんだろうな。」
トール元帥は暴走したエメリヒが全てブラックホールに吸い込ませて無にする事を恐れたのかもしれない・・。


「いけるかもしれません。」
オーガがコソコソと俺達に話しかけてきた。

「確かに。あと少しって所か。」
俺も下の階を確認した。

全員揃えばいける。

「見せてやろうか?コンビネーション。」
「いいねぇ。」
ボスとシアンが剣を抜いた。

「私達もやりましょう。」
「ああ。」
社長とバックスレーさんも。

全員が駆け付けたら一斉異能攻撃。
それまで・・・。

少しでも痛めつける。


ボスの言う通りエメリヒは体術のみの攻撃しか仕掛けて来なくなった。

バックスレーさんや社長の鬼の様な猛攻撃も易々と受ける所が凄い。

「トールが死んだか・・・。」
エメリヒが少しばかり悲しそうな顔をした。

「私は元の世界に戻れてただ幸せになりたかっただけなのに。」
彼はそう呟いた。叶わなかった願い。
絶望を与えられ信じていたトール元帥にも裏切られ。

「もう。後戻りは出来ないのだよ?全て消そう。なあ?愚民共。」
もう5分たった?

――ただいま帰り申した――
頭上に青龍。

結界が張り直せる。
もっと強力に。

白虎は今からオーガに寄って目覚める。
そして、ラストだ。

「俺らもやるで!!」
リョウ達も戻り。

「微力ながら参戦しますよ。」
レイ、ベイク、エルーカさん、ディード、バニラさんも戦闘を終えて戻って来た。

「愚民共が何人来ようと同じだ。」
エメリヒはクスクスと不敵な笑みを浮かべて笑った。

いや、やれる。

今からが本番。全員で。

――八芒星強結界オクタグラム――

俺は全員を護る。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

処理中です...