都合のいい男

美浪

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決戦

部屋の外の攻防 VSアラン。VSレイ

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アランか。見ただけで強さが解った。
俺とバックスレーと社長とか。

これは・・勝てるだろうな・・。

「俺、相手に3人かい?ガタイだけは良いみたいだけど?」
アランはクスっと笑いながら部屋に入った。

そう3人。

だけど君は解っていない。

俺も初めて会った時は戦闘直前まで気付けなかったんだ。
それをバックスレーは直ぐに解って居たと言うからやはり凄い。この2人は俺の目標だ。

「やだぁ!3人で大丈夫よ?」
社長はウフフっと微笑みアランを挑発した。

「チッ!オカマかよ。」
アランの一言は禁句ですよ・・。

バックスレーが何とも言えない顔している。

「誰がオカマですって?」
社長の笑顔が怖い!怖い!怖い!!

「は?オカマは・・?!!!!」
アランが話終わらないうちに鳩尾に綺麗に拳がめり込む様に入った。

「ぐはっ!!!!」
何か吐きながら見事にアランは宙を舞う。

アランは辛うじて受け身で着地した。

「てめぇ!やりやがった・・・なぁーー??!!!」
最後までセリフを言わせて貰えず変な声を上げて今度は蹴りが入りまた吹っ飛んだ。

社長はまだ異能は何も使っていない。
ちなみに俺とバックスレーは見てるだけだ。

先ずスピードが違う。構えを取る暇も与えない。
そして一撃が重いんだよね。
防戦一方のアラン。
社長キレてるなあ。

「クソッ!」
――炎の壁ファイアウォール――

防御する様にアランが自分の周りを炎で囲んだ。

「俺も遊びたかったんだがなあ。」
バックスレーが隣でボソッと呟いた。
「俺も・・参加したかったんですけど。」
ゼットも強くなったしなあ。とバックスレーが頷いて頭を撫でてきた。

でも、参加は無理みたい。

「私、あんたみたいな奴は大っ嫌い!!」
社長はそう言って拳に力を込めて炎に突っ込んだ。

バッシュッッ!!空気が音を発するほどの威力。その拳は炎をかき消しアランの顔面を直撃した。

「あ・・・あぁ・・・。」
食らった一撃は相当重かったと見える。鼻は無惨に折れている様だし勿論
、鼻血も出てるし。頬骨も砕けたかな。

アランはそのまま真後ろに倒れ込んだ。

「あらやだ!ごめんなさーい!」
てへっと社長が此方を振り返ってウインク。

あははは。この人やっぱり強い。

「全く!ヴァレンティノ。1人で遊びやがって。」
バックスレーは大きく溜息。

「ごめんなさぁい。」
もう甘える様にバックスレーさんの隣にウフフっと寄り添って。
このギャップって・・・俺は無理だなあ。
やっぱりアルージャが可愛い。


「クソが・・・ぁ。」

あっ。起きた。
まだ起き上がる事は出来ないアランの声が聞こえた。

「仕方ないかな?」
「だなあ。」
「そうですねぇ。」
3人で顔を見合わせた。

ゆっくりと起き上がったアランの右手には炎、左手には風の異能の気配がした。

起きなきゃ良かったのに・・。

炎と疾風が放たれる直前には俺達は3方向から蹴りを食らわせていた。

「良いコンビネーションだわ。」
社長が嬉しそうに微笑んだ。


          ・・・・・・・・・・・

西アン・デスではウェンの光弾を受けても死ななかったよなあ。

レイを連れて部屋に入った。

あの時の俺達では無いが。こいつの異能は厄介。

レイの異能は幻想だったよなあ。

部屋の扉を閉めた瞬間だった。

「え?!!」
リュートが驚いた声を上げた。

入った瞬間は普通の何も無い空間だったそこは街中に変わっていた。

「これがレイの異能だ。」
心配無いとリュートに告げる。

「レイの姿を目で捕らえるんじゃねーよ。」
優炎がリュートにそう言った。

誰も居ない閑静な住宅街といった風景は本当に転移したかと思わせる。

「構えて。」
ジハードに言われて4人で背中合わせで4方向へ向かって構えた。

「殺るぞ?」
俺は凍気を纏う。

地面を這うように凍気が漂う。

さあ、姿を現せ。

僅かな凍気の揺れ。

それを感じたリュートが猛ダッシュで向かった。

何も見えない空間なのに。
こいつも成長したもんだ。

――リュート流・一本背負い――

異能者じゃない奴から見たら何しているんだって感じだが。

リュートの技は見事に決まりレイは床に倒れた状態で現れた。

さて、ここからが本番だな。
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