121 / 180
決戦へ向けて
ボスの脳内計画。その1
しおりを挟む
アジトに戻った。
ボス達は本当に戦闘では無い疲れでダラダラとソファに座り込んだ。
「何か冷食温める?」
そう提案すると是非!とハーミット様が言った。
本当にお疲れ気味だ。実際に遠くから見たけれど何か他の人と元帥と大元帥って違った。
年齢とかそんなんじゃなくて。威圧感?
いや、もっとなんか違う。
冷食の温めをウェンも手伝ってくれて横に来てボソッっと呟いた。
「ミナキ・・・。俺、初めて見た。」
大元帥達を見た時のウェンは任務中だからか何時もの冷酷な無表情だったから気が付かなかった。
「真黒いオーラ・・・。」
黒いオーラって殺したい程嫌いって意味だよね?
「え!?知り合いでも無いのに?」
ウェンは頷いた。
「俺だけにじゃない。あれは・・・多分、全てのこの世界産まれの異能者へ向けられた憎しみ?」
皆には聞かせる話じゃないのでテキパキと食事の準備はしながら。ウェンは戦闘中はそう言うオーラはたまに見る事はあると言う。
しかし、まだ顔も合わせた事が無い相手は初めてだと言った。
日常、365日全て?彼等の心は憎しみで満ちていると言う事か・・・。
「まじでヤバい相手だね。」
ウェンは眉間に皺を寄せてうんと頷いた。
話は一旦、切り替えてテーブルに温めた冷食を並べて行く。
「ミナキ、ウェン。ありがとうな。」
ボスが苦笑して国際線ターミナルでの出来事を話してくれた。
「それは、びっくりするわよ。」
「戦闘になるとまた面倒な事になるしなあ?」
エルーカさんとバックスレーさんも気の毒そうな顔で慰めている。
「んじゃ、ちょっと俺からの提案。エメリヒとトールを如何にして倒すかって話ね。」
ボスはピザを口に放り込んでモグモグさせながら目を瞑った。
「異能破棄って使えると思わないか?」
ボスが目を開けて訴える様に言った。
「オーガの技だよね?」
ハーミット様がボスの意志を解った様に頷いた。
「そう。洗脳を受けない異能は異能破棄って技を持っているオーガしか今の所、知っている奴ではいない。」
「無音ならビクターも。後は催眠ならガブリエル。幻想?はレイってSランク!」
ボスの意見に足すようにディードが手を挙げた。
「俺達ってコンビネーションで闘うのが1番だと思うんだよね?」
「せやなあ。何時もボスの指示は的確やと思うで。」
リョウが納得した様に頷いた。
「今の所の脳内計画なんだけど。オーガとリュートの脳内チップを抜いてカプリスに引き込みたい。」
ボスはジハードと俺を見た。
「使えるコマを増やしたいって事かな?」
ジハードはクスッと笑い、ヴェガに頼むよ?と頷いた。
「あー。海誠先生の為にリュートも?」
必要な異能はオーガだけなんだろうけど。
そう聞くとボスは優しくその通りと微笑んだ。
異能破棄で洗脳を食い止めるのか。
「後は!ミナキに頼ってばかりで悪いんだけど。」
ボスがすまなさそうな顔で祈る様に手を組んで頭をペコっと下げた。
「まだ使って居ないその四神と神人の能力を目覚めさせて。」
そんな可愛くウインクされても・・・。
「どうやったら目覚めるのか?何の能力なのかって?ボス解りますか?」
ボスは俺の頭上を見ているが俺自身で解明するしか無いようで。
また、日々の特訓が始まりそうだ。
「それから!ゼット!」
ボスはゼットに体術強化の指示。
良い機会なので全員ローテーションを組んで特訓する事になった。
俺は習う方だろう。
「バニラとエルーカは先ずはオーガを捕まえて貰う計画を。嫌だろうけどこの前の技を使えば何とか穏便に捕まりそうだし。」
ボスは2人に申し訳なさそうに言ったがバニラさんもエルーカさんも全然問題にしてないみたい。
「10代限定ね。可愛い見た目なら問題無いから。」
「そうね。私もおじさんはパスだな。」
2人とも女性が好きだがこういう技は平気なんだな。
そもそも男嫌いだったらカプリスには居ないか・・。
「後はねえ。皆、今一度危険な状態まで自分を追い込んでみない?」
視線はボスに集中した。
「何か・・・。覚醒させたいって言うか。限界突破からの新しい異能を目覚めさせたい。難しいけど政府を殺るからには中途半端じゃ死ぬじゃん?」
意味は良く解る。
エメリヒを倒すと言うのは俺達が本来ならやる必要は無い。
でも・・・。やらなくても将来、未来で。
この世界は不本意だけれども俺の居た世界から転移してきた奴らに。
・・・この世界は征服される事になるんだろう。
「俺はやる。」
ウェンがボソッと呟いた。
「ミナキとの将来の幸せな生活の為なら俺は何でもやる。」
あぁ。もう。こういう時のウェンって直球なんだよなあ。
「うん。俺も!ウェンとカプリスとこの世界の幸せの為に!」
俺の方が欲張りだ。
「あと最長5ヶ月。先ずは1ヶ月かけて少しずつ計画を進めてくれ!」
カプリス全員が大きく頷いた。
翌日から特訓とオーガとリュート拉致計画を立てる事になった。
ボス達は本当に戦闘では無い疲れでダラダラとソファに座り込んだ。
「何か冷食温める?」
そう提案すると是非!とハーミット様が言った。
本当にお疲れ気味だ。実際に遠くから見たけれど何か他の人と元帥と大元帥って違った。
年齢とかそんなんじゃなくて。威圧感?
いや、もっとなんか違う。
冷食の温めをウェンも手伝ってくれて横に来てボソッっと呟いた。
「ミナキ・・・。俺、初めて見た。」
大元帥達を見た時のウェンは任務中だからか何時もの冷酷な無表情だったから気が付かなかった。
「真黒いオーラ・・・。」
黒いオーラって殺したい程嫌いって意味だよね?
「え!?知り合いでも無いのに?」
ウェンは頷いた。
「俺だけにじゃない。あれは・・・多分、全てのこの世界産まれの異能者へ向けられた憎しみ?」
皆には聞かせる話じゃないのでテキパキと食事の準備はしながら。ウェンは戦闘中はそう言うオーラはたまに見る事はあると言う。
しかし、まだ顔も合わせた事が無い相手は初めてだと言った。
日常、365日全て?彼等の心は憎しみで満ちていると言う事か・・・。
「まじでヤバい相手だね。」
ウェンは眉間に皺を寄せてうんと頷いた。
話は一旦、切り替えてテーブルに温めた冷食を並べて行く。
「ミナキ、ウェン。ありがとうな。」
ボスが苦笑して国際線ターミナルでの出来事を話してくれた。
「それは、びっくりするわよ。」
「戦闘になるとまた面倒な事になるしなあ?」
エルーカさんとバックスレーさんも気の毒そうな顔で慰めている。
「んじゃ、ちょっと俺からの提案。エメリヒとトールを如何にして倒すかって話ね。」
ボスはピザを口に放り込んでモグモグさせながら目を瞑った。
「異能破棄って使えると思わないか?」
ボスが目を開けて訴える様に言った。
「オーガの技だよね?」
ハーミット様がボスの意志を解った様に頷いた。
「そう。洗脳を受けない異能は異能破棄って技を持っているオーガしか今の所、知っている奴ではいない。」
「無音ならビクターも。後は催眠ならガブリエル。幻想?はレイってSランク!」
ボスの意見に足すようにディードが手を挙げた。
「俺達ってコンビネーションで闘うのが1番だと思うんだよね?」
「せやなあ。何時もボスの指示は的確やと思うで。」
リョウが納得した様に頷いた。
「今の所の脳内計画なんだけど。オーガとリュートの脳内チップを抜いてカプリスに引き込みたい。」
ボスはジハードと俺を見た。
「使えるコマを増やしたいって事かな?」
ジハードはクスッと笑い、ヴェガに頼むよ?と頷いた。
「あー。海誠先生の為にリュートも?」
必要な異能はオーガだけなんだろうけど。
そう聞くとボスは優しくその通りと微笑んだ。
異能破棄で洗脳を食い止めるのか。
「後は!ミナキに頼ってばかりで悪いんだけど。」
ボスがすまなさそうな顔で祈る様に手を組んで頭をペコっと下げた。
「まだ使って居ないその四神と神人の能力を目覚めさせて。」
そんな可愛くウインクされても・・・。
「どうやったら目覚めるのか?何の能力なのかって?ボス解りますか?」
ボスは俺の頭上を見ているが俺自身で解明するしか無いようで。
また、日々の特訓が始まりそうだ。
「それから!ゼット!」
ボスはゼットに体術強化の指示。
良い機会なので全員ローテーションを組んで特訓する事になった。
俺は習う方だろう。
「バニラとエルーカは先ずはオーガを捕まえて貰う計画を。嫌だろうけどこの前の技を使えば何とか穏便に捕まりそうだし。」
ボスは2人に申し訳なさそうに言ったがバニラさんもエルーカさんも全然問題にしてないみたい。
「10代限定ね。可愛い見た目なら問題無いから。」
「そうね。私もおじさんはパスだな。」
2人とも女性が好きだがこういう技は平気なんだな。
そもそも男嫌いだったらカプリスには居ないか・・。
「後はねえ。皆、今一度危険な状態まで自分を追い込んでみない?」
視線はボスに集中した。
「何か・・・。覚醒させたいって言うか。限界突破からの新しい異能を目覚めさせたい。難しいけど政府を殺るからには中途半端じゃ死ぬじゃん?」
意味は良く解る。
エメリヒを倒すと言うのは俺達が本来ならやる必要は無い。
でも・・・。やらなくても将来、未来で。
この世界は不本意だけれども俺の居た世界から転移してきた奴らに。
・・・この世界は征服される事になるんだろう。
「俺はやる。」
ウェンがボソッと呟いた。
「ミナキとの将来の幸せな生活の為なら俺は何でもやる。」
あぁ。もう。こういう時のウェンって直球なんだよなあ。
「うん。俺も!ウェンとカプリスとこの世界の幸せの為に!」
俺の方が欲張りだ。
「あと最長5ヶ月。先ずは1ヶ月かけて少しずつ計画を進めてくれ!」
カプリス全員が大きく頷いた。
翌日から特訓とオーガとリュート拉致計画を立てる事になった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
透夜×ロロァのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる