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決戦へ向けて
ボスの脳内計画。その1
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アジトに戻った。
ボス達は本当に戦闘では無い疲れでダラダラとソファに座り込んだ。
「何か冷食温める?」
そう提案すると是非!とハーミット様が言った。
本当にお疲れ気味だ。実際に遠くから見たけれど何か他の人と元帥と大元帥って違った。
年齢とかそんなんじゃなくて。威圧感?
いや、もっとなんか違う。
冷食の温めをウェンも手伝ってくれて横に来てボソッっと呟いた。
「ミナキ・・・。俺、初めて見た。」
大元帥達を見た時のウェンは任務中だからか何時もの冷酷な無表情だったから気が付かなかった。
「真黒いオーラ・・・。」
黒いオーラって殺したい程嫌いって意味だよね?
「え!?知り合いでも無いのに?」
ウェンは頷いた。
「俺だけにじゃない。あれは・・・多分、全てのこの世界産まれの異能者へ向けられた憎しみ?」
皆には聞かせる話じゃないのでテキパキと食事の準備はしながら。ウェンは戦闘中はそう言うオーラはたまに見る事はあると言う。
しかし、まだ顔も合わせた事が無い相手は初めてだと言った。
日常、365日全て?彼等の心は憎しみで満ちていると言う事か・・・。
「まじでヤバい相手だね。」
ウェンは眉間に皺を寄せてうんと頷いた。
話は一旦、切り替えてテーブルに温めた冷食を並べて行く。
「ミナキ、ウェン。ありがとうな。」
ボスが苦笑して国際線ターミナルでの出来事を話してくれた。
「それは、びっくりするわよ。」
「戦闘になるとまた面倒な事になるしなあ?」
エルーカさんとバックスレーさんも気の毒そうな顔で慰めている。
「んじゃ、ちょっと俺からの提案。エメリヒとトールを如何にして倒すかって話ね。」
ボスはピザを口に放り込んでモグモグさせながら目を瞑った。
「異能破棄って使えると思わないか?」
ボスが目を開けて訴える様に言った。
「オーガの技だよね?」
ハーミット様がボスの意志を解った様に頷いた。
「そう。洗脳を受けない異能は異能破棄って技を持っているオーガしか今の所、知っている奴ではいない。」
「無音ならビクターも。後は催眠ならガブリエル。幻想?はレイってSランク!」
ボスの意見に足すようにディードが手を挙げた。
「俺達ってコンビネーションで闘うのが1番だと思うんだよね?」
「せやなあ。何時もボスの指示は的確やと思うで。」
リョウが納得した様に頷いた。
「今の所の脳内計画なんだけど。オーガとリュートの脳内チップを抜いてカプリスに引き込みたい。」
ボスはジハードと俺を見た。
「使えるコマを増やしたいって事かな?」
ジハードはクスッと笑い、ヴェガに頼むよ?と頷いた。
「あー。海誠先生の為にリュートも?」
必要な異能はオーガだけなんだろうけど。
そう聞くとボスは優しくその通りと微笑んだ。
異能破棄で洗脳を食い止めるのか。
「後は!ミナキに頼ってばかりで悪いんだけど。」
ボスがすまなさそうな顔で祈る様に手を組んで頭をペコっと下げた。
「まだ使って居ないその四神と神人の能力を目覚めさせて。」
そんな可愛くウインクされても・・・。
「どうやったら目覚めるのか?何の能力なのかって?ボス解りますか?」
ボスは俺の頭上を見ているが俺自身で解明するしか無いようで。
また、日々の特訓が始まりそうだ。
「それから!ゼット!」
ボスはゼットに体術強化の指示。
良い機会なので全員ローテーションを組んで特訓する事になった。
俺は習う方だろう。
「バニラとエルーカは先ずはオーガを捕まえて貰う計画を。嫌だろうけどこの前の技を使えば何とか穏便に捕まりそうだし。」
ボスは2人に申し訳なさそうに言ったがバニラさんもエルーカさんも全然問題にしてないみたい。
「10代限定ね。可愛い見た目なら問題無いから。」
「そうね。私もおじさんはパスだな。」
2人とも女性が好きだがこういう技は平気なんだな。
そもそも男嫌いだったらカプリスには居ないか・・。
「後はねえ。皆、今一度危険な状態まで自分を追い込んでみない?」
視線はボスに集中した。
「何か・・・。覚醒させたいって言うか。限界突破からの新しい異能を目覚めさせたい。難しいけど政府を殺るからには中途半端じゃ死ぬじゃん?」
意味は良く解る。
エメリヒを倒すと言うのは俺達が本来ならやる必要は無い。
でも・・・。やらなくても将来、未来で。
この世界は不本意だけれども俺の居た世界から転移してきた奴らに。
・・・この世界は征服される事になるんだろう。
「俺はやる。」
ウェンがボソッと呟いた。
「ミナキとの将来の幸せな生活の為なら俺は何でもやる。」
あぁ。もう。こういう時のウェンって直球なんだよなあ。
「うん。俺も!ウェンとカプリスとこの世界の幸せの為に!」
俺の方が欲張りだ。
「あと最長5ヶ月。先ずは1ヶ月かけて少しずつ計画を進めてくれ!」
カプリス全員が大きく頷いた。
翌日から特訓とオーガとリュート拉致計画を立てる事になった。
ボス達は本当に戦闘では無い疲れでダラダラとソファに座り込んだ。
「何か冷食温める?」
そう提案すると是非!とハーミット様が言った。
本当にお疲れ気味だ。実際に遠くから見たけれど何か他の人と元帥と大元帥って違った。
年齢とかそんなんじゃなくて。威圧感?
いや、もっとなんか違う。
冷食の温めをウェンも手伝ってくれて横に来てボソッっと呟いた。
「ミナキ・・・。俺、初めて見た。」
大元帥達を見た時のウェンは任務中だからか何時もの冷酷な無表情だったから気が付かなかった。
「真黒いオーラ・・・。」
黒いオーラって殺したい程嫌いって意味だよね?
「え!?知り合いでも無いのに?」
ウェンは頷いた。
「俺だけにじゃない。あれは・・・多分、全てのこの世界産まれの異能者へ向けられた憎しみ?」
皆には聞かせる話じゃないのでテキパキと食事の準備はしながら。ウェンは戦闘中はそう言うオーラはたまに見る事はあると言う。
しかし、まだ顔も合わせた事が無い相手は初めてだと言った。
日常、365日全て?彼等の心は憎しみで満ちていると言う事か・・・。
「まじでヤバい相手だね。」
ウェンは眉間に皺を寄せてうんと頷いた。
話は一旦、切り替えてテーブルに温めた冷食を並べて行く。
「ミナキ、ウェン。ありがとうな。」
ボスが苦笑して国際線ターミナルでの出来事を話してくれた。
「それは、びっくりするわよ。」
「戦闘になるとまた面倒な事になるしなあ?」
エルーカさんとバックスレーさんも気の毒そうな顔で慰めている。
「んじゃ、ちょっと俺からの提案。エメリヒとトールを如何にして倒すかって話ね。」
ボスはピザを口に放り込んでモグモグさせながら目を瞑った。
「異能破棄って使えると思わないか?」
ボスが目を開けて訴える様に言った。
「オーガの技だよね?」
ハーミット様がボスの意志を解った様に頷いた。
「そう。洗脳を受けない異能は異能破棄って技を持っているオーガしか今の所、知っている奴ではいない。」
「無音ならビクターも。後は催眠ならガブリエル。幻想?はレイってSランク!」
ボスの意見に足すようにディードが手を挙げた。
「俺達ってコンビネーションで闘うのが1番だと思うんだよね?」
「せやなあ。何時もボスの指示は的確やと思うで。」
リョウが納得した様に頷いた。
「今の所の脳内計画なんだけど。オーガとリュートの脳内チップを抜いてカプリスに引き込みたい。」
ボスはジハードと俺を見た。
「使えるコマを増やしたいって事かな?」
ジハードはクスッと笑い、ヴェガに頼むよ?と頷いた。
「あー。海誠先生の為にリュートも?」
必要な異能はオーガだけなんだろうけど。
そう聞くとボスは優しくその通りと微笑んだ。
異能破棄で洗脳を食い止めるのか。
「後は!ミナキに頼ってばかりで悪いんだけど。」
ボスがすまなさそうな顔で祈る様に手を組んで頭をペコっと下げた。
「まだ使って居ないその四神と神人の能力を目覚めさせて。」
そんな可愛くウインクされても・・・。
「どうやったら目覚めるのか?何の能力なのかって?ボス解りますか?」
ボスは俺の頭上を見ているが俺自身で解明するしか無いようで。
また、日々の特訓が始まりそうだ。
「それから!ゼット!」
ボスはゼットに体術強化の指示。
良い機会なので全員ローテーションを組んで特訓する事になった。
俺は習う方だろう。
「バニラとエルーカは先ずはオーガを捕まえて貰う計画を。嫌だろうけどこの前の技を使えば何とか穏便に捕まりそうだし。」
ボスは2人に申し訳なさそうに言ったがバニラさんもエルーカさんも全然問題にしてないみたい。
「10代限定ね。可愛い見た目なら問題無いから。」
「そうね。私もおじさんはパスだな。」
2人とも女性が好きだがこういう技は平気なんだな。
そもそも男嫌いだったらカプリスには居ないか・・。
「後はねえ。皆、今一度危険な状態まで自分を追い込んでみない?」
視線はボスに集中した。
「何か・・・。覚醒させたいって言うか。限界突破からの新しい異能を目覚めさせたい。難しいけど政府を殺るからには中途半端じゃ死ぬじゃん?」
意味は良く解る。
エメリヒを倒すと言うのは俺達が本来ならやる必要は無い。
でも・・・。やらなくても将来、未来で。
この世界は不本意だけれども俺の居た世界から転移してきた奴らに。
・・・この世界は征服される事になるんだろう。
「俺はやる。」
ウェンがボソッと呟いた。
「ミナキとの将来の幸せな生活の為なら俺は何でもやる。」
あぁ。もう。こういう時のウェンって直球なんだよなあ。
「うん。俺も!ウェンとカプリスとこの世界の幸せの為に!」
俺の方が欲張りだ。
「あと最長5ヶ月。先ずは1ヶ月かけて少しずつ計画を進めてくれ!」
カプリス全員が大きく頷いた。
翌日から特訓とオーガとリュート拉致計画を立てる事になった。
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