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エクア・ドル。獣人編
捜索
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「うーん。獣人じゃないね。」
ボスはそう言った。
政府異能者とバトル中なのは普通のマフィア。
マフィア側が劣勢だ。
「ちょっと誰かあの人助けて来て話を聞こうか?」
ボスは何故戦争が起きているのか探ろうと言った。
「誰が良いかなあ。ビビらせずに政府異能者を倒して話を聞くねぇ。」
うーん?と迷って出た答えは
「バニラにしよ。行ってきて。」
だった。
「はーい。ちょっと待っててね。」
盗聴器を持たされたバニラさんは戦闘現場に勢いよく駆けて行った。
「こう言う時の人選って迷うよね。」
ボスは戦闘に加わったバニラさんを眺めながらそう言った。
変に強すぎても怪しまれる。見た目怖すぎてもダメ。異世界人の俺やリョウは以ての外。話を聞き出せ無いのもダメ、これはウェンの事かな・・・。
で、バニラさんか。
確かに適役な感じがする。
良い感じでマフィアの男性と連携しながら無事に倒した。
「大丈夫?ねえ?何で政府がこの国を襲ってきたの?」
バニラさんが疲れきって座り込んだマフィアにそう聞いた。
「助けてくれて感謝する。君は?どこのマフィア?知らないのか?」
そう尋ねて来たマフィア男性にバニラさんは旅行者なんだよね。とシラっとそう言っていた。
「最近、この地方には獣人の目撃情報が多発していて。昨日、突然警報がなって政府の放送が街中に流れただろ?」
政府は獣人狩りに来たって。マフィアを中心に片っ端から襲われて民間人まで巻き込んで。今は何の戦争だか解らないよ。
そう彼は苦笑した。
「多分、異能者全部を殺す気じゃないかな?災難だったね?旅行者の君もヤバいよ。」
とバニラさんは言われて
「じゃあ早く逃げなきゃね。」
と笑って誤魔化していた。
「じゃあ、私は此処で失礼するわ。頑張って生き残ってね?」
ニッコリ笑い手を振って此方へ戻って来た。
「弱かったよ。」
とあっさりとしたものだ。
「獣人化したのが見付かって政府に連絡が行ったんだろうねぇ。」
シアンがさっきの話を聞いて嘆くように言った。
「強者同士のバトルを見に行くしかないかもね?」
「行こうぜ。じっとしていても見つからねーだろ?」
ボスとバックスレーさんは同意見な様でこれは致し方ないなと結論が出た。
煙臭い・・・。
街は至る所が火災の跡で燃え尽きた家や半壊された家が多々あった。
火災は昨日はもっと酷かったのだろう。
エクア・ドルはイメージ的には田舎の外国だ。ジ・パングやアマル・フィやエバーステイの様な高層ビルは無い。この現場が田舎なだけかも?しれないけれど。
しかし・・。遺体が街路の隅に転がっていて見ていてキツいものがあるな。
時々襲いかかってくる低レベルの政府異能者を倒しながら街を歩いていくと・・。
力強い殺気の風が流れて来た。
「可能性大だな。」
ボスがそう言う。俺も今まで感じた事が無いタイプの殺気にそうかもと思えた。
少し広いスペース。多分、元は街のメインストリートだったんじゃないかな?と言った雰囲気の通りだ。壊れた露店の跡もあるし。
「げっ・・・オーガとリュートじゃん。」
対峙している相手は女性だけど2人相手に引けを取らない強さ。
「異能、獣人か。こう言う風に見えるんだなあ。」
ボスがなるほどと呟いた。
「オーガ君もリュート君も日本人やね。せやから不味いんか?」
リョウには言ってなかった。
「海誠先生の漫画のモデルにするらしいんだ。オーガとリュート。」
そう言うとうわぁと言う顔をされた。
「殺したら先生に恨まれるんや?それも嫌やな。」
「うん。それに日本人だしね。」
悩むが行くしかないだろう。
「うーん?あの獣人に逃げられても困るから。バトルはリョウとバックスレー。獣人が万が一逃げそうな時はウェン、ラズ追って!ミナキの結界に閉じ込めても良いかな?」
後は様子見!!
と言われてそうする事に。
・・・・・・・・・・・・
半殺し?気絶くらいか?
手加減やなあ。
さて、オーガって子とはちょっと遊んでみたかったんよね。
俺は異能破棄ってされても嘘つかれるくらいやしー。
皆の隠れている位置は探られない様にバックスレーとちょっと移動して。
出現やぁ!
「よう!久しぶり!」
「やあ。初めましてやなあ?」
獣人の横に立つ様に御対面。
「お前ら何者だ!!」
獣人のお姉ちゃんのほうが先に反応。
「敵やないで。あいつら殺るの手伝うわ。」
ボソッと囁いたがチッと舌打ちされた。感じ悪ぅ。
「カプリスと指名手配犯!!」
リュートがそう叫んだ。うんそうそう。
「クソ!元Sランクとカプリスのでかいヤツか!」
オーガは嫌そうな顔。
「な?彼奴らの敵や。立場は同じや。」
獣人のお姉ちゃんは不信そうな顔やけど。まあ、えーわ。
「はーい!指名手配犯やでっ!!」
その瞬間にオーガの後ろに回った。
このくらい大丈夫やろ?
蹴りを入れる。
「俺もやるかー!この前の続きだ!」
バックスレーもリュートに詰め寄って頬に強烈なパンチ。
バックスレーは強いよなあ。
ボスの予想通り・・・。
獣人のお姉ちゃんは逃げだした。
後は頼むで。
こっちは2人が死なん程度に遊んどくわ。
・・・・・・・・・・・・
「逃げた!ラズ!ミナキ!」
ウェンの掛け声で追いかけっこスタートだ。
速い!!流石、獣人!
ウェンとラズもめちゃくちゃ足速いんだけどなかなか距離が縮まらない。
しかもチラッと振り返られたし。
明らかに警戒されてる。
結界に閉じ込める?
敵を閉じ込めるか。
護る事の真逆。やった事ない。
シアンの方が向いてたんじゃないの?縛る方が良さそう。
ひたすら追いかける。
「速いな。俺が回り込む。」
ラズがそう言って屋根に飛び上がってパルクールの更に凄いやつってくらいの勢いで屋根から屋根へ飛び移る。
ラズとウェンで挟み込むといけるな!
ラズが地面に降りて獣人女性の前に来た瞬間に
――結界――
彼女を丸く囲む様にウェンとラズを護る。
「よーし!出来したミナキ!」
ラズがニヤっと微笑んだ。
「クソ!!なんだ!これ!」
中で暴れる獣人女性。うわっ!結構強烈な力。俺も気を抜けない。
「すまない。俺達は敵じゃない。」
追いかけて来たのかハーミット様がそう言った。
「こんなことして!敵としか思えない!!」
結界にバンバン攻撃をされる。
まじで力強い。
「助けに来たんだ。信用されないだろうけど。今も生きてるかな?俺はゼットって人狼の知人なんだ。昔、トワイライトでも世話になった。」
ハーミット様は獣人女性に静かに告げる。
「・・・。」
獣人女性は黙り込み攻撃こそ止んだが睨みつけたままだ。
「知ってるよ。獣人は疑り深い。姿も現さないしね。直ぐに信用出来ないだろう。」
「これ。もしゼットが生きているなら渡してくれ。俺の携帯番号だ。俺の名前はアルージャ。密売組織から一緒に逃げたアルージャだと言ってくれ。もし、ゼットが居ないなら知ってる奴が居たら良いな。」
ハーミット様はそう言って獣人女性にメモを渡した。
「ミナキ。彼女を逃がしてやってくれ。」
俺は頷いて結界を解いた。
「もう、政府に捕まるなよ。あと、必ずそのメモは渡せ。」
ハーミット様は獣人女性にそう言った。
最後まで無言で彼女は走り去ってしまった。
「良かったの?」
ウェンがそう聞いた。
「滅多に獣人化しない彼等が最近になって目撃情報多発って言うのが気になってね。」
ハーミット様はまた遠い目をしていた。
「さて。発信機を彼女に取り付けたから!ちょっと何処かで調べようか!電話があれば最高なんだけどね。」
流石、抜かり無しハーミット様。
ハーミット様はしてやったりと言う顔でニヤリと微笑んだ。
ボスはそう言った。
政府異能者とバトル中なのは普通のマフィア。
マフィア側が劣勢だ。
「ちょっと誰かあの人助けて来て話を聞こうか?」
ボスは何故戦争が起きているのか探ろうと言った。
「誰が良いかなあ。ビビらせずに政府異能者を倒して話を聞くねぇ。」
うーん?と迷って出た答えは
「バニラにしよ。行ってきて。」
だった。
「はーい。ちょっと待っててね。」
盗聴器を持たされたバニラさんは戦闘現場に勢いよく駆けて行った。
「こう言う時の人選って迷うよね。」
ボスは戦闘に加わったバニラさんを眺めながらそう言った。
変に強すぎても怪しまれる。見た目怖すぎてもダメ。異世界人の俺やリョウは以ての外。話を聞き出せ無いのもダメ、これはウェンの事かな・・・。
で、バニラさんか。
確かに適役な感じがする。
良い感じでマフィアの男性と連携しながら無事に倒した。
「大丈夫?ねえ?何で政府がこの国を襲ってきたの?」
バニラさんが疲れきって座り込んだマフィアにそう聞いた。
「助けてくれて感謝する。君は?どこのマフィア?知らないのか?」
そう尋ねて来たマフィア男性にバニラさんは旅行者なんだよね。とシラっとそう言っていた。
「最近、この地方には獣人の目撃情報が多発していて。昨日、突然警報がなって政府の放送が街中に流れただろ?」
政府は獣人狩りに来たって。マフィアを中心に片っ端から襲われて民間人まで巻き込んで。今は何の戦争だか解らないよ。
そう彼は苦笑した。
「多分、異能者全部を殺す気じゃないかな?災難だったね?旅行者の君もヤバいよ。」
とバニラさんは言われて
「じゃあ早く逃げなきゃね。」
と笑って誤魔化していた。
「じゃあ、私は此処で失礼するわ。頑張って生き残ってね?」
ニッコリ笑い手を振って此方へ戻って来た。
「弱かったよ。」
とあっさりとしたものだ。
「獣人化したのが見付かって政府に連絡が行ったんだろうねぇ。」
シアンがさっきの話を聞いて嘆くように言った。
「強者同士のバトルを見に行くしかないかもね?」
「行こうぜ。じっとしていても見つからねーだろ?」
ボスとバックスレーさんは同意見な様でこれは致し方ないなと結論が出た。
煙臭い・・・。
街は至る所が火災の跡で燃え尽きた家や半壊された家が多々あった。
火災は昨日はもっと酷かったのだろう。
エクア・ドルはイメージ的には田舎の外国だ。ジ・パングやアマル・フィやエバーステイの様な高層ビルは無い。この現場が田舎なだけかも?しれないけれど。
しかし・・。遺体が街路の隅に転がっていて見ていてキツいものがあるな。
時々襲いかかってくる低レベルの政府異能者を倒しながら街を歩いていくと・・。
力強い殺気の風が流れて来た。
「可能性大だな。」
ボスがそう言う。俺も今まで感じた事が無いタイプの殺気にそうかもと思えた。
少し広いスペース。多分、元は街のメインストリートだったんじゃないかな?と言った雰囲気の通りだ。壊れた露店の跡もあるし。
「げっ・・・オーガとリュートじゃん。」
対峙している相手は女性だけど2人相手に引けを取らない強さ。
「異能、獣人か。こう言う風に見えるんだなあ。」
ボスがなるほどと呟いた。
「オーガ君もリュート君も日本人やね。せやから不味いんか?」
リョウには言ってなかった。
「海誠先生の漫画のモデルにするらしいんだ。オーガとリュート。」
そう言うとうわぁと言う顔をされた。
「殺したら先生に恨まれるんや?それも嫌やな。」
「うん。それに日本人だしね。」
悩むが行くしかないだろう。
「うーん?あの獣人に逃げられても困るから。バトルはリョウとバックスレー。獣人が万が一逃げそうな時はウェン、ラズ追って!ミナキの結界に閉じ込めても良いかな?」
後は様子見!!
と言われてそうする事に。
・・・・・・・・・・・・
半殺し?気絶くらいか?
手加減やなあ。
さて、オーガって子とはちょっと遊んでみたかったんよね。
俺は異能破棄ってされても嘘つかれるくらいやしー。
皆の隠れている位置は探られない様にバックスレーとちょっと移動して。
出現やぁ!
「よう!久しぶり!」
「やあ。初めましてやなあ?」
獣人の横に立つ様に御対面。
「お前ら何者だ!!」
獣人のお姉ちゃんのほうが先に反応。
「敵やないで。あいつら殺るの手伝うわ。」
ボソッと囁いたがチッと舌打ちされた。感じ悪ぅ。
「カプリスと指名手配犯!!」
リュートがそう叫んだ。うんそうそう。
「クソ!元Sランクとカプリスのでかいヤツか!」
オーガは嫌そうな顔。
「な?彼奴らの敵や。立場は同じや。」
獣人のお姉ちゃんは不信そうな顔やけど。まあ、えーわ。
「はーい!指名手配犯やでっ!!」
その瞬間にオーガの後ろに回った。
このくらい大丈夫やろ?
蹴りを入れる。
「俺もやるかー!この前の続きだ!」
バックスレーもリュートに詰め寄って頬に強烈なパンチ。
バックスレーは強いよなあ。
ボスの予想通り・・・。
獣人のお姉ちゃんは逃げだした。
後は頼むで。
こっちは2人が死なん程度に遊んどくわ。
・・・・・・・・・・・・
「逃げた!ラズ!ミナキ!」
ウェンの掛け声で追いかけっこスタートだ。
速い!!流石、獣人!
ウェンとラズもめちゃくちゃ足速いんだけどなかなか距離が縮まらない。
しかもチラッと振り返られたし。
明らかに警戒されてる。
結界に閉じ込める?
敵を閉じ込めるか。
護る事の真逆。やった事ない。
シアンの方が向いてたんじゃないの?縛る方が良さそう。
ひたすら追いかける。
「速いな。俺が回り込む。」
ラズがそう言って屋根に飛び上がってパルクールの更に凄いやつってくらいの勢いで屋根から屋根へ飛び移る。
ラズとウェンで挟み込むといけるな!
ラズが地面に降りて獣人女性の前に来た瞬間に
――結界――
彼女を丸く囲む様にウェンとラズを護る。
「よーし!出来したミナキ!」
ラズがニヤっと微笑んだ。
「クソ!!なんだ!これ!」
中で暴れる獣人女性。うわっ!結構強烈な力。俺も気を抜けない。
「すまない。俺達は敵じゃない。」
追いかけて来たのかハーミット様がそう言った。
「こんなことして!敵としか思えない!!」
結界にバンバン攻撃をされる。
まじで力強い。
「助けに来たんだ。信用されないだろうけど。今も生きてるかな?俺はゼットって人狼の知人なんだ。昔、トワイライトでも世話になった。」
ハーミット様は獣人女性に静かに告げる。
「・・・。」
獣人女性は黙り込み攻撃こそ止んだが睨みつけたままだ。
「知ってるよ。獣人は疑り深い。姿も現さないしね。直ぐに信用出来ないだろう。」
「これ。もしゼットが生きているなら渡してくれ。俺の携帯番号だ。俺の名前はアルージャ。密売組織から一緒に逃げたアルージャだと言ってくれ。もし、ゼットが居ないなら知ってる奴が居たら良いな。」
ハーミット様はそう言って獣人女性にメモを渡した。
「ミナキ。彼女を逃がしてやってくれ。」
俺は頷いて結界を解いた。
「もう、政府に捕まるなよ。あと、必ずそのメモは渡せ。」
ハーミット様は獣人女性にそう言った。
最後まで無言で彼女は走り去ってしまった。
「良かったの?」
ウェンがそう聞いた。
「滅多に獣人化しない彼等が最近になって目撃情報多発って言うのが気になってね。」
ハーミット様はまた遠い目をしていた。
「さて。発信機を彼女に取り付けたから!ちょっと何処かで調べようか!電話があれば最高なんだけどね。」
流石、抜かり無しハーミット様。
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