都合のいい男

美浪

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シアン奪還作戦

何や知らんけど??関西弁の異能者

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ハーミット様達に任せて向かった先。

殺気と血の臭い・・・。

1階ホールと同じくらいの広さのスペースがあった。

三つ巴と言った感じだ。

エンバスター達マフィア10名

ヴェガさん達マーシェルファミリー6名とジハードとディード

そしてSランク異能者1名

マーシェルファミリーは4人・・倒れていて動けない。もしかして死んだのか?
勿論、エンバスター達のマフィアが倒れている数の方が多かった。

10人以上の死体か重体かのマフィアを蹴り邪魔だと言わんばかりにSランク異能者が1歩前に進み俺達を見た。

「次から次に。ひつこいねん!何やお前ら?」
翻訳機使っても関西弁・・。Sランク異能者10人の裏情報で見た。北巽きたたつみりょうだろう。
Sランク異能者に日本人は2人居た。その1人。裏情報が役に立つと良いけれど。
皆も覚えているよね?大丈夫だよね?

「あー。カプリスやんな?知ってるで。まあ、全員相手にしてもえーけど?俺はリョウやよろしゅう。」
無風の空間にブワッと風が起こり殺気がフロア中に広がった。

「俺達は政府に先に侵入したマフィアを殺りに来た。そっちの奴らとは仲間だよ?」
ボスがヴェガさん達を指しリョウに向かってニヤっと笑った。

エンバスター達の中にイーヴェンデルタ幹部は?生きてるの?
誰が誰か俺は全然解らない!!

「ふーん?どっちが何やて?ちょ、分かれてな。」
リョウは話が解る奴なのか?
何の余裕?
俺達はヴェガさん達に合流しリョウを中心に右手と左手に分かれた。

「カプリス!裏切ったな!」
ジェームズ・エンバスターが叫んだ。

「先に裏切ったのはそちらでしょう?俺達が何も知らないとでも思っていましたか?」
ボスがフフっと笑った。

「うーん?カプリスとそのオッドアイの兄ちゃん達はお仲間やんな?」
リョウが確認する様に此方を見た。
「そうだ。」
ボスとヴェガさんが答えた。

「んで?そこのおっさん!何しに来たんや?」
リョウはジェームズさんに話し掛ける。

「カプリスに命じられて来たんだ!首謀者はカプリスだ!」
ジェームズ・エンバスターまじで最低野郎だな。

リョウはクスっと笑って
「しゃーないなあ。」
そう言った。

――嘘つかんと答えなあかんで嘘ついたら針千本飲ます――

殺気と共に一体がリョウの異能空間になった。

「おっさん何もんや?何しに来たんや?」
再びリョウが質問をする。

「ジェームズ・エンバスター。政府を潰し世界征服を企んでいる!!」
そう発言してしまったジェームズさんは目を白黒させて驚いていた。

Sランク異能者リョウ・キタタツミ。諜報部員。25歳。
全ての嘘を見抜く異能者。
話さない奴に異能をかけると全て暴露する事になる。

「なるほどなあ。ほい。そこのカプリスのメガネ君。君らは世界征服したいの?」
今度はジハードに質問した。

「俺達はそこに居るイーヴェンデルタの幹部2名を殺せたらそれで撤退したい。」
ジハードも素直に話した。
元々、俺達は世界征服をしにきた訳では無いし。やっぱりイーヴェンデルタの幹部はまだ生きていたのか。

「イーヴェンデルタの2人って誰?」
そう聞くと素直に2人手を挙げた。

「首謀者はそのおっさん。じゃあやる事は1つや!!」
リョウがそう言った瞬間だった。

成長したのか俺にも見えた・・・。
リョウはジェームズさんの首を蹴り嫌な方向に曲がった。ジェームズさんはそのまま倒れた・・。

それはエンバスター達の誰も止める事が出来ないくらい早かった。本当に一瞬でリョウは仕留めた。
「ジェームズさん!」
「ジェームズさんが!!」
マフィア達は慌てた様に抱き上げたがもう・・・息絶えていた。

「はい。五月蝿い嘘つきは死んだで。ほんまにあんたらが来るまでこいつら嘘ばっかりついてあかん奴やった。」
そう言ってリョウは俺達を見た。

「どないしよか?何や知らんけど?そのイーヴェンデルタって奴と君らはバトルしたいんやなあ。2対2で殺りや。俺、物分りえーやろー?」
ニヤっと笑い前へ出る様に指示した。

「感謝する。やっと殺れるなあ?」
ヴェガさんが1歩前へ出た。
「俺が手伝うよ。ヴェガ。」
ジハードがそう言うとヴェガさんは嬉しそうに微笑んだ。

イーヴェンデルタの2人は怖気付いたのか前に出ようとしない。

「前に出ろって言うてるやろ?」
リョウが俺が今すぐ殺したろか?と睨みつける。

恐る恐る2人が前に1歩出た。

ジェームズさんを殺されて他のマフィアも明らかに戦意喪失していた。

「はい。他の奴らは見るだけやで。手、出したら俺が殺すわ。」
楽しんでいるのか物分りが本当に良いのか解らない・・・。
でも、俺達はリョウの言った通り壁際に並び戦闘には参加しない様にした。

「ヴェガ。」
「ジハード。」
2人は特に何も話さずに頷きあっただけだ。
双子ならではと言うか多分、相談無しで分かり合えるのだろう。

対するイーヴェンデルタの2人も剣を抜き構えた。
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