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遺跡
銀髪の少女
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「俺はドレッドヘアの奴をやる!」
ラズはバックスレーさんのフォローへ向かった。確かに強い。
しかし、1番苦戦しているのはボス達だ。
「俺達はボスの所へ行こう。」
ウェンもそう判断した様だ。
彼女の技を食らってはいけない?
カプリスの最終決戦の場に居た彼女。何の異能者だよ。強いだけで異能は見た記憶が無い。
――結界――
「ミナキ!」
ボスが良く来た!と頭をポンと叩いた。
「お前は?さっきシールドを張って居た異世界人。」
銀髪の少女。本当に10代前半?くらいに見える。
「遺跡の番人ヴァルヴァラ。異能は簡単に言うと光弾に当たった者を無生物に変える。」
ボスが耳元で囁いた。
何か物凄く危険そうな異能だ。俺は無言で頷いた。
「なあ?お前はこちら側の人間だろう?何故そちら側にいる?」
ヴァルヴァラは俺に興味津々と言った顔で俺を見た。
「俺はこの仲間が大好きなんだよ!」
護る。絶対に誰も死なせない。
「ふーん。変な奴。」
ヴァルヴァラは首を傾げながら何かした?
バシュッ!!
音と共に・・・。
結界が引き裂かれて皆、慌てて彼女と距離を取る様に後ろに跳んだ。
剣を振るったんだ・・・。
どうしよう全然見えなかった。
しかも一撃で結界は裂けた。
「ミナキ。倒すんじゃない。撤退優先だ。兎に角!!護り続けろ。」
ボスに了解と言った時にはもう彼女はボスの元に居てボスは彼女の剣を受け止めた。
あのボスが体術で圧されている。
ガチッ!!ガチッ!!と後退しながら彼女の剣を受け止めている。
シアンとジハードにウェンもサポートに入った。
俺は・・考えろ。どうしたら撤退出来るんだ?!
転移しないと無理なんだから。
そうだ!元締め!!
先にこっちを助けるべきだ。
俺は赤髪の男と対峙している元締め達の元へ走った。
――結界――
「ヤバいな。此奴ら全員強いね。」
結界を張るとハーミット様がやっと休めたと苦笑した。
「撤退優先だろ?」
元締めが錫杖を手に構える。
「此奴だけは倒さないとね。」
バニラさんも構える。
結界は赤髪の男に攻撃されているが修復で追い付く。やっぱりヴァルヴァラが1番強い。
「ユウエン。任せる。バニラ!やるぞ!」
ハーミット様が異能を発動した。
――異能初期化――
「OK!」
――節制――
「任せとけー!!」
元締めが錫杖を鳴らす。
シャン・・シャン・・・
――偉大なる王の降臨――
転移魔法陣の様な物が地面に描かれて地面が光る。
召喚!?
光の中から現れた者は王と言うより悪魔?っぽい。漆黒の肉体と黒い翼。
そしてそれは勢い良く赤髪の異能者へ向かって飛ぶ。
早い!!薙ぎ払う様に剣で抵抗するが直ぐに後ろに回り込まれた。首を片手でホールドし抱き着く様な格好になったかと思うと・・・。
異能者を捕らえた悪魔は首筋に食いついた・・。
血が飛び散る。吸ってるんだ・・。
ガクッと両手両足がダラリと垂れてもう赤髪の異能者は動かない。
「ご苦労様。」
元締めがシャンと錫杖を鳴らす。
悪魔は大人しく異能者の身体を離した。
――帰還――
地面がポワッと光り吸い込まれる様に悪魔は消えた。
「元締め?!凄すぎ!今の悪魔?」
びっくりしたし凄すぎてちょっと引いた。
どんだけこの人凄いんだよ?!
「あれやると異能力消費しまくるから普通はやらねーんだよ。失敗したら俺に攻撃来るしな。」
ハイリスクなんだよ。と元締めは苦笑した。
「失敗したらミナキが護るだろうなー?と思ってやってみた。」
ゲラゲラと豪快に笑う。やっぱりこの人も本当に元カプリスってのが解るよ。
「さてと。バックスレーの所がもう直ぐ勝ちそう。ボスの相手は無理だ。」
レベルが違い過ぎるとハーミット様は苦い顔をした。
「俺もあんな強い異能者は初めて見たよ。」
「異能攻撃を受けられないのがキツいね。普通はそこそこ攻撃受けてもボスなら大丈夫なのに。」
元締めとバニラさんもそう言った。
体術で押され気味になるとヴァルヴァラは光弾を放つ。
食らったら最後。
「ダンジョンマスターは何処へ消えた?」
まだこの近くに居ると元締めは言った。テリトリーは消えて居ない。
「先にテリトリーを抜ける。ミナキは全員連れてこい。アルージャとバニラは俺を護れよ!」
元締めはニヤっと笑って2人を連れて走りだした。
遺跡テリトリーの外へ。
逃げながら結界を張る。それなら行ける?
くそ!解らない!1人でも敵を減らさないと。
バックスレーさんの元へ走る。
――結界――
「エルーカさん!」
「ミナキ・・。もうこいつ無茶苦茶よ。」
怪我しているエルーカさんに回復異能をかける。
「すまん!俺も頼む。」
結界に入って来たディードも腕と足から流血していた。
六根清浄、六根清浄、止血。
「バックスレーが2人居るみたいな感じよ。馬鹿みたいに強い。」
ラズとバックスレーさんにも結構な疲労が見える。
「赤髪の男は殺した。問題はボスの所。」
そう言うとエルーカさんもディードも難しい顔をした。
「あれはヤバいわね。」
「ヤバいね。取り敢えずこっちを片付けるよ。」
ディードはさっき俺に飲ませた栄養ドリンク系ゼリー飲料を取り出して飲み干した。
「エルーカも回復しておいて!」
ポンと渡して結界の外へ。
「いくぞ!!」
――縮小自在――
回復したディードの異能は上手く発動した。
ドレッドヘアの男の武器が小さくなっていく。
一瞬の隙が出来た。
「最強パーンチ!!!」
バックスレーさんが叫びドレッドヘアの男の腹部に激しい拳を突き立てた。
ゴボッッ!!!と口から血を吐くドレッドヘアの男。
「内臓殺ったわね。ネーミングが相変わらずダサいわ。」
エルーカさんがボソッと呟いた。
――氷の墓石――
ラズが異能を発動すると完全に凍った。
「勝った・・・。」
バックスレーさんもラズも大きく深呼吸した。
「ほら!取り敢えず飲め!」
ディードは甲斐甲斐しくゼリー飲料を2人に渡す。
「おー。助かる。」
「後、ひと踏ん張りだな。」
ラズもバックスレーさんもヴァルヴァラを見た。
カプリスのトップ達が1人の少女に振り回されていた。
ラズはバックスレーさんのフォローへ向かった。確かに強い。
しかし、1番苦戦しているのはボス達だ。
「俺達はボスの所へ行こう。」
ウェンもそう判断した様だ。
彼女の技を食らってはいけない?
カプリスの最終決戦の場に居た彼女。何の異能者だよ。強いだけで異能は見た記憶が無い。
――結界――
「ミナキ!」
ボスが良く来た!と頭をポンと叩いた。
「お前は?さっきシールドを張って居た異世界人。」
銀髪の少女。本当に10代前半?くらいに見える。
「遺跡の番人ヴァルヴァラ。異能は簡単に言うと光弾に当たった者を無生物に変える。」
ボスが耳元で囁いた。
何か物凄く危険そうな異能だ。俺は無言で頷いた。
「なあ?お前はこちら側の人間だろう?何故そちら側にいる?」
ヴァルヴァラは俺に興味津々と言った顔で俺を見た。
「俺はこの仲間が大好きなんだよ!」
護る。絶対に誰も死なせない。
「ふーん。変な奴。」
ヴァルヴァラは首を傾げながら何かした?
バシュッ!!
音と共に・・・。
結界が引き裂かれて皆、慌てて彼女と距離を取る様に後ろに跳んだ。
剣を振るったんだ・・・。
どうしよう全然見えなかった。
しかも一撃で結界は裂けた。
「ミナキ。倒すんじゃない。撤退優先だ。兎に角!!護り続けろ。」
ボスに了解と言った時にはもう彼女はボスの元に居てボスは彼女の剣を受け止めた。
あのボスが体術で圧されている。
ガチッ!!ガチッ!!と後退しながら彼女の剣を受け止めている。
シアンとジハードにウェンもサポートに入った。
俺は・・考えろ。どうしたら撤退出来るんだ?!
転移しないと無理なんだから。
そうだ!元締め!!
先にこっちを助けるべきだ。
俺は赤髪の男と対峙している元締め達の元へ走った。
――結界――
「ヤバいな。此奴ら全員強いね。」
結界を張るとハーミット様がやっと休めたと苦笑した。
「撤退優先だろ?」
元締めが錫杖を手に構える。
「此奴だけは倒さないとね。」
バニラさんも構える。
結界は赤髪の男に攻撃されているが修復で追い付く。やっぱりヴァルヴァラが1番強い。
「ユウエン。任せる。バニラ!やるぞ!」
ハーミット様が異能を発動した。
――異能初期化――
「OK!」
――節制――
「任せとけー!!」
元締めが錫杖を鳴らす。
シャン・・シャン・・・
――偉大なる王の降臨――
転移魔法陣の様な物が地面に描かれて地面が光る。
召喚!?
光の中から現れた者は王と言うより悪魔?っぽい。漆黒の肉体と黒い翼。
そしてそれは勢い良く赤髪の異能者へ向かって飛ぶ。
早い!!薙ぎ払う様に剣で抵抗するが直ぐに後ろに回り込まれた。首を片手でホールドし抱き着く様な格好になったかと思うと・・・。
異能者を捕らえた悪魔は首筋に食いついた・・。
血が飛び散る。吸ってるんだ・・。
ガクッと両手両足がダラリと垂れてもう赤髪の異能者は動かない。
「ご苦労様。」
元締めがシャンと錫杖を鳴らす。
悪魔は大人しく異能者の身体を離した。
――帰還――
地面がポワッと光り吸い込まれる様に悪魔は消えた。
「元締め?!凄すぎ!今の悪魔?」
びっくりしたし凄すぎてちょっと引いた。
どんだけこの人凄いんだよ?!
「あれやると異能力消費しまくるから普通はやらねーんだよ。失敗したら俺に攻撃来るしな。」
ハイリスクなんだよ。と元締めは苦笑した。
「失敗したらミナキが護るだろうなー?と思ってやってみた。」
ゲラゲラと豪快に笑う。やっぱりこの人も本当に元カプリスってのが解るよ。
「さてと。バックスレーの所がもう直ぐ勝ちそう。ボスの相手は無理だ。」
レベルが違い過ぎるとハーミット様は苦い顔をした。
「俺もあんな強い異能者は初めて見たよ。」
「異能攻撃を受けられないのがキツいね。普通はそこそこ攻撃受けてもボスなら大丈夫なのに。」
元締めとバニラさんもそう言った。
体術で押され気味になるとヴァルヴァラは光弾を放つ。
食らったら最後。
「ダンジョンマスターは何処へ消えた?」
まだこの近くに居ると元締めは言った。テリトリーは消えて居ない。
「先にテリトリーを抜ける。ミナキは全員連れてこい。アルージャとバニラは俺を護れよ!」
元締めはニヤっと笑って2人を連れて走りだした。
遺跡テリトリーの外へ。
逃げながら結界を張る。それなら行ける?
くそ!解らない!1人でも敵を減らさないと。
バックスレーさんの元へ走る。
――結界――
「エルーカさん!」
「ミナキ・・。もうこいつ無茶苦茶よ。」
怪我しているエルーカさんに回復異能をかける。
「すまん!俺も頼む。」
結界に入って来たディードも腕と足から流血していた。
六根清浄、六根清浄、止血。
「バックスレーが2人居るみたいな感じよ。馬鹿みたいに強い。」
ラズとバックスレーさんにも結構な疲労が見える。
「赤髪の男は殺した。問題はボスの所。」
そう言うとエルーカさんもディードも難しい顔をした。
「あれはヤバいわね。」
「ヤバいね。取り敢えずこっちを片付けるよ。」
ディードはさっき俺に飲ませた栄養ドリンク系ゼリー飲料を取り出して飲み干した。
「エルーカも回復しておいて!」
ポンと渡して結界の外へ。
「いくぞ!!」
――縮小自在――
回復したディードの異能は上手く発動した。
ドレッドヘアの男の武器が小さくなっていく。
一瞬の隙が出来た。
「最強パーンチ!!!」
バックスレーさんが叫びドレッドヘアの男の腹部に激しい拳を突き立てた。
ゴボッッ!!!と口から血を吐くドレッドヘアの男。
「内臓殺ったわね。ネーミングが相変わらずダサいわ。」
エルーカさんがボソッと呟いた。
――氷の墓石――
ラズが異能を発動すると完全に凍った。
「勝った・・・。」
バックスレーさんもラズも大きく深呼吸した。
「ほら!取り敢えず飲め!」
ディードは甲斐甲斐しくゼリー飲料を2人に渡す。
「おー。助かる。」
「後、ひと踏ん張りだな。」
ラズもバックスレーさんもヴァルヴァラを見た。
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